Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

妖精郷の、大樹の森(SWフェアリーガーデン2ー7)

ハロウィン明けた後のプレイ

 

GM(NOVA)「さて、前回の話だが、ハロウィンで雑談に夢中になったり、お菓子を食べたり、何故かソード・ワールドでなくてナイトウィザードの話に流れたりした挙句、GMがハイラスから俺に交代してしまって、戦隊ものでよくある『入れ替わり回』みたいな展開になってしまっている。小説家のサイバ☆リオンと、そのゲームを仕切るGM神が入れ替わって、少なくとも1ミッション終わらないと元に戻れないというアクシデントが発生した。

「だから、俺をプレイヤーに戻すために、君たちは頑張って、『大樹の森でロイヤルゼリーを集めないといけない』わけだ。さあ、プレイを始めようか」

ミリィ(晶華)「それって、前回のあらすじとしてはどうなの?」

マークス(ケイPマーク2)「決して間違ったことは言ってないけど、物語の中ではなく、外の話ですよね」

サイバ(ハイラス)「とにかく、ゲームマスターからいきなりプレイヤーになってしまい、ぼくは戸惑っているでござる」

GM「まあ、神の身から人の身に落とされたようなものだからな」

ミリィ「ん? すると、あたしがGMになったら、神さまを名乗ってもいいわけ?」

GM「いいことに気づいたようだな。キャラクターが神になることよりも、プレイヤーがゲーム内の神の立場になることの方が楽だぞ。今から、お前がGMをするか?」

ミリィ「だったら、誰がミリィを代わりにするのよ」

GM「そりゃ、俺かハイラスじゃないか」

ミリィ「却下。このあたしの美しいエルフの体を、むさ苦しいおじさん2人に好きに扱わせるわけにはいかないわ」

サイバ「ぼくも、女性キャラを演じるのは、ますますハードルが上がるでござる」

GM「まあ、そういう時は、GMのキャラをNPCかフェロー扱いするのが定番だろうけどな。とにかく、俺も勢いでGMをやることになったが、ハロウィンが明けてみると、何をバカなことをやってんだろう、この作者は、と自己ツッコミしてしまう状況なわけだ。正に妄想暴走リプレイだろう、これ」

ミリィ「他にない展開よね」

GM「まあ、こうなったら仕方ない。頑張って1ミッションをクリアして、このカオスな状態を解消してくれ」

 

詩人との出会い(18日め昼)

 

ミリィ「それじゃあ、妖精郷リプレイの混沌状態を解消するために、神秘のロイヤルゼリーを手に入れに行くわよ。ノマちゃんに乗って、お供のマー君と、いつもと雰囲気が違うリオン様を従え、あたしは北の停留所へ出発」

GM「ランダムイベント判定は、サイバに託そうか」

サイバ「ぼ、ぼくでござるか? こいつは責任重大だ。気合を込めて、大地母神ガイア様に祈りを捧げて、2Dを振る。5」

GM「どうやら、祈りに応えて、ランダムイベントが発生したようだ。続いて、1D振れ」

サイバ「うおー、ガイア様。いいイベントよ、来い。3」

GM「すると、きれいな歌声が聞こえてくる。ポロンポロンと竪琴の音色混じりで、声質はテノールかアルトか中性的な美声だ」

マークス「それは……アルトじゃないと〜と言いたくなりますね」

GM「念のため、テノールは男声高音で、アルトは女声低音だからな」

ミリィ「つまり、アルトじゃなかったら、男ってことよね」

GM「まあ、女性的な風貌の吟遊詩人ということで。『おや、君たちは?』と彼は歌を止め、声を掛けてくる」

ミリィ「未来の妖精郷の女王カシュミーラ・ミルモワールよ」

GM「一瞬、詩人は目をパチクリさせてから、『女王陛下?』とつぶやく」

ミリィ「そうよ。アラマユ様の後継者として、修行の最中なの」

GM「『本当に?』という視線をサイバとキャプテンに向けるが、誰か否定しないか?」

サイバ「修行中なのは事実でござる。本当に女王になれるかどうかは、未来になってみないと分からん……と正直に打ち明ける」

詩人『なるほど。人の運命は誰にも見えない。自分で切り開け。甘えてはいけないってことだね。夢を見るのは結構だ。ボクも妖精たちと歌う妖精詩人(フェアリーバード)になりたくて、ここに誘い込まれたんだからね。ボクの名前はマルキ。未来の女王陛下にお目にかかれたのは光栄だ』

ミリィ「へえ。礼儀を心得た人ね。気に入ったわ。あたしが晴れて女王になったら、宮廷詩人に任命してあげる」

詩人マルキ『それは光栄ですが、できればカシュミーラさんには、一つお願いがあるのです』

ミリィ「何かしら? 未来の家臣の頼みはできるだけ聞いてあげるつもりよ」

マルキ『女王と言うからには、妖精郷とラクシアの地上の境界を越えることも可能なのでしょうか?』

ミリィ「それも、いずれできるようになる予定よ」

マルキ『でしたら、故郷の村に残した婚約者のロッテに、このペンダントを渡してもらいたいのです。そして、マルキは死んだとお伝えいただければ……』

ミリィ「何で、そんな大切なことを他人に頼むのかしら? あたしに、そんな面倒なことを押し付けるなんて、あなた、何様のつもり?」

マルキ『そんな。未来の家臣の頼みは聞いてくれるって……』

ミリィ「それとこれとは話が別。婚約者にペンダントを渡して、死んだことにして欲しいなんて、普通、人に頼む? どういう神経をしているのよ?」

マルキ『ボクは……妖精郷に長居し過ぎて、もはや外の世界へ抜け出すことができそうにありません。自分の夢を追って、この地に来たものの、夢を叶えた代わりに、ロッテとは会えない身になってしまったのです。彼女が今なおボクの帰りを待っていたとしても、それは叶わぬ夢。彼女にはボクのことを忘れて、別の人と幸せになって欲しい。だけど、ボクにはそれを彼女に伝える術がない。せめて、この想いが歌となって彼女に届けばいいと思い、口ずさむことしかできない。そこに、あなた方が現れたのは妖精郷の神さまの引き合わせかと』

ミリィ「……分かったわ。ペンダントを彼女に渡すところまでは願いを叶えてあげる。だけど、死んだなんて嘘は言わない。あなたが夢を叶えて、妖精郷にいるって教えてあげるの。それで、どうするかは彼女次第。彼女があなたのことを追いかけて、この地に来るならハッピーエンド。彼女があなたのことを諦めるならビターエンド。だけど、最初から死んだことにしてくれ、なんて悲観的で暗い物語は、あたしの趣味じゃないの。あなたも夢を叶えた詩人だったら、哀しい悲劇よりも、ハッピーで明るい物語や歌を目指すことね」

サイバ「何と。ミリィさんが、そのような希望あふれる激励を送るとは!」

ミリィ「失礼ね、リオン様。あたしはいつでも夢と希望に溢れたハッピーの妖精使いなの。とにかく、リオン様はマルキさんの言葉を物語みたいにして、ロッテさんへの手紙を考えてちょうだい。元気にやっているから、とか、妖精郷の暮らしぶりとか、そんなことも伝わるようにね。そして、『今でも君のことを愛してる❤』みたいなことを書き添えれば、大抵の女性はマルキさんの後を追って、この妖精郷に来て、そして、あたしの家臣になるの。まあ、そこまで御膳立てを整えて、なおかつ妖精郷には来たくないと怖気づく、夢のない女だったら、御縁がなかったということで諦めるしかないけど。とにかく、ロッテさんがマルキさんのところに来たがるようなハッピーな文章を、小説家のリオン様が紡ぎ上げる。全てはリオン様次第ってことよ」

サイバ「ええ? それって、責任重大ではござらんか?」

ミリィ「大丈夫。今のGMだったら『サイバ☆リオンが素晴らしい物語を紡ぐ』という結果にコミットしてくれるはず」

GM「いや、このクエストの達成時に、俺がGMやってるとは限らんぞ」

ミリィ「その時は、ハイラスおじさんがGMだから、今ここでハイラスおじさんに責任を押し付けたら、何とかハッピーエンドにしてくれるはず」

マークス「なるほど、マスターNOVAとハイラスおじさんの両方に責任を押しつけて、ハッピーエンドを確定させようとするミストレス晶華の巧妙な話術。さすがはかつて知力の翔花2号と言われただけのことはある。おいらは、そこに痺れる憧れる〜、だけどムチでビシバシは許して〜」

ミリィ「KPちゃん、もう、いつの話をしているのよ。いい加減、そのネタは時効にしてくれない? それに、今のあたしはカシュミーラ。ムチなんて武器は使っていないんだから」

GM「ま、まあ、詩人のマルキは驚きを示しつつ、ミリィの前向きな提案に笑みを浮かべて、『そうですね。あなたのような前向きな方が女王を務めれば、この妖精郷もさらに素晴らしい夢の王国になるかもしれません。それを願って、このペンダントを預けます』と信頼してくれた。さらに、このイベントで★2個を進呈しよう。また、ロッテの住む村は、サイバとミリィも知っている場所だと分かった。一応、妖精郷脱出時に攻略できる『ロッテにマルキのペンダントを渡す』というクエストも渡しておく。忘れずに達成すれば、追加の★も得られるぞ」

サイバ「結果的に、このランダムイベントは当たりだったようでござるな」

 

大樹の森(18日め夕方)

 

ミリィ「それでは、妖精郷脱出のモチベーションが一つできたところで、次、行くわよ。北の停留所を抜けて、北東の大樹の森を目指す。道はつながってないから、移動判定が必要ね。マー君、お願い」

マークス「6以上出せばいいんですね。はい、ピッタリ6で無事に目的地に到着です」

GM「では、地図を提示しよう」 

●妖精郷の探索範囲(第2部7話時点)

 (青字は宿泊可能

  緑は新しく書き入れた場所

  赤はその他の目的地

 

鉱山  骨の丘     大樹の森 屋根付き橋

 l   l       l    l

花迷路大神殿ーー停留所ーー花畑ー羊ヶ原ー魔法陣

     l    l

   火柱の塔   l薬草園ー鏡の池

   l      l l

凍山 l煙草の森ーおもてなし亭

ll l l l l   l 

ll l l 闇の木   l 

ll 風車の谷ーー赤い河 果樹園

ll lll       l 

l白百合l鳥籠の木ー花咲く丘

l の谷   l

l      l

砂の街ーl 巨人たちの墓場

    l

崩れゆく場所

  • 中央エリア:おもてなし亭、薬草園、鏡の池、闇の木
  • 西エリア:煙草好きの森、火柱の塔、凍てつく山
  • 南西エリア:風車の谷、鳥籠の木、白百合の谷、崩れゆく場所、砂に埋もれた街、巨人たちの墓場
  • 南エリア:赤い河、果樹園、花咲く丘
  • 北西エリア:大神殿、骨の丘、花園の迷路、妖精の鉱山
  • 北エリア:停留所
  • 北東エリア:羊ヶ原、水路のある花畑、屋根付き橋、魔法陣の広場、大樹の森

 

GM「この大樹の森が開示されたことで、24個の地形が確定したことになる。残り12個でマップが完成するわけだが、東と南東がまだ一つも出ていないんだよな」

サイバ「1エリアの最大数が6つなので、配置できる場所は全部で54ヶ所あるのだが、探索すべき地形は36個しかない。場合によっては、東と南東が全く出て来ないこともあり得るのでござるな」

GM「地図を描く身としては、そういう埋まらない場所があると、もやもやしてくるわけだが、実際そうなった場合は、そのエリアがすでに崩壊してしまったと見なすようにしよう」

ミリィ「でも、その気になれば、ミッションの目的地じゃなくても、こちらが気まぐれに『じゃあ、東エリアに何があるか遊びに行きます』とか宣言してもいいのよね」

GM「そうだな。今までは、ミッション攻略の途中で、自然発生的に地形を登場させていたが、プレイヤーの宣言で自発的に行きたい場所を選ぶこともできる。あと、もちろん、開示済みの地形でミッション目的ではない場所を、好奇心のままに探索することも可能だ。例えば、南東エリアの【巨人たちの墓場】は、パスタのミッションで名前だけ出てきた地形だが、行ったことがないので道がつながっていない。そこに何があるのか、試しに行ってみるのもありだろう。もしかすると、【巨人たちの墓場】で〈エマのハンカチ〉が見つかるかもしれない、とサイバ☆リオンの脳裏に神のお告げのような小説家の直感がふとよぎった」

サイバ「はい? どうして、そのようなビジョンが?」

GM「ケイPマーク1を復活させるには、〈エマの帽子〉と〈エマのハンカチ〉の二つが必要、と設定したのはいいが、なかなかハンカチが見つからないものでな。せっかく俺がGMをしているんだから、さっとシナリオをチェックして(カンニングして)必要な情報を与えることにした」

マークス「そんなズルが許されるのですか?」

GM「プレイヤーがシナリオを勝手に読んでプレイを有利にするのは反則だが、GMならそれが仕事だ。そして、GMはプレイが円滑に進むように、時としてプレイヤーを誘導するような情報を与えることも大切な役割となる。ダイス目だけで完全にランダムにプレイするだけなら、GMがいなくてもフェアリーガーデンは遊べるけど、それはそれで面白いんだけど、美しい物語体験のために、少しは誘導する采配を取り入れてもいいんじゃないか、という例示なわけだ。

「プレイヤーのNOVAは、もうそろそろ〈エマのハンカチ〉を見つけたいと思っていたんだが、どうもこのままランダムに任せていたんじゃ、いつになることやらって気になった。よって、せっかくGMになったんだから、この機を利用して、情報を出しておこうかと思った次第」

ミリィ「まさか、そのためにGMになったと言うの?」

GM「いや、そこまで俺は策士じゃない。GMになったのは、ハロウィン気分に浮かされての気まぐれだ。ハロウィンが終われば、ふと我に返って、俺は何をやってるんだろう? って後悔しているんだけど、せっかくGMになったんだから、利用できるものは少しぐらい利用してやれって気まぐれに思ったわけだ」

サイバ「気まぐればかりでござるな」

GM「ダイスの気まぐれが神の采配と考えるのがゲーマーだぜ。だったら、プレイヤーの気まぐれ、GMの気まぐれだって、あったっていいんじゃないか。というか、完全ランダムに、ダイス目に誘導されるだけのゲームの何が面白い? そこにプレイヤーの意思、GMの意思が混在するからこそ、人が遊んでいるって物じゃないか?」

ミリィ「だけど、情報を与えるなら、もう少しスマートにできないかしら? 小説家の直感で欲しいアイテムの場所が分かったなんて、ご都合主義もいいところじゃない?」

GM「まあ、その辺は後で適当に辻褄合わせを考えるさ。次のミッション開始時に、俺がサイバのプレイヤーに復帰した際、『実は、神さまになった夢を見たんだ。時々ある話なんだけどね。その夢が小説のアイデアになることだってある。その夢の啓示で、〈エマのハンカチ〉が【巨人たちの墓場】にあるような気がしたんだよ』とか、言うことにする」

サイバ「そういう采配もありでござるか」

GM「普通はないよ。だけど、仲間うちでGM交代制でやるなら、そういうのもありって話だ。要は卓の合意が得られればいいってことだからな。この場で、ケイPマーク1の復活が早まることに反対する者はいるか?」

マークス「当然、反対するはずがありませんよ」

ミリィ「いないとやっぱり不便だもんね」

サイバ「実は、ケイPマーク1殿が留守居役を担当していたから、NOVA殿と晶華殿が割と気楽に他のブログに遊びに行けたという状況があるでござるからな」

マークス「私では、ここの管理の経験点が足りなくて、とりわけスパクロ番という仕事が困難です」

GM「同型機とは言え、違うラーニングをしたからな、お前たち兄弟は。さて、プレイヤー諸君の合意が得られたので、この情報は次のミッション開始時に使っていいものとする。だが、今の【大樹の森】でのイベントには全く何も関係ない。とりあえず、ここで発生するイベントは、『ドライアードとかくれんぼ』だ」

ミリィ「え? また?」

GM「つい先日、南エリアの【花咲く丘】で、妖精たちの酒宴に誘われて余興のゲームをしたんだったな。リアル時間でも1ヶ月経ってないし、ゲーム内時間では、ほんの3日前ということになる。とにかくルールは同じで、探索判定16を各人5回行い、3回成功すれば、君たちは森のドライアードと仲良くなれるわけだ」

ミリィ「あたしは9以上を出さないといけないのよね。妖精魔法【フェアリーウィッシュ】で、判定ボーナス+1ってできるのかしら」

GM「できるだろうね。判定ごとにMP1を使って、魔法行使判定に成功したらいい」

ミリィ「それだけたくさんダイスを振ると、経験点稼ぎもできそうね。では、行きます」

 

 結果、ミリィは一人で3体のドライアードを見つけることに成功する。

 

ミリィ「1回ぐらいピンゾロを期待したのに出なかったわ。出て欲しい時に出ないのが、ピンゾロなのね」

サイバ「ミリィさんが一人で成功したので、ぼくたちはダイスを振る機会さえ与えてもらえなかったでござる」

GM「こういうのは早いもの勝ちだからな。一番得意な者が試みて、失敗した時に他の者が挑戦すればいいわけで」

マークス「実のところ、一番成功率が高かったのは私なんですけどね。レンジャー技能が3レベルあって、探索の基準値が5」

ミリィ「あたしは基準値7よ」

マークス「こちらは魔動機術【エクスプローラーエイド】で探索+2できるのですよ。さらにドライアードは男性に見つけられたいということで、探索判定14で成功できるってゲームだったはず。するとダイス目で7以上を出せば良かったことに」

GM「まあ、今回のゲームではそういうことになるが、さっさとミリィが挑戦して、成功したんだからいいじゃないか」

マークス「ええ、本来なら妖精が見えない種族であるはずのルーンフォークの私が、積極的に妖精と戯れるのも違和感を覚えますしね」

GM「とにかく、ドライアードたちは遊びに付き合ってくれたことを感謝し、ミリィに親愛の証として〈ドライアードの宝石〉を1つくれる。これを使えば、9レベル妖精ドライアードを召喚できる優れものだ。使い捨てだけどね」

ミリィ「わ〜い。これで、宝石はピクシー、パックに続いて、3つめゲットだよ」

サイバ「ピクシーは1レベルで大して役には立たんが、パックとドライアードは9レベルだから、強敵と対峙する時の切り札になるでござろうな」

ミリィ「うん、大事にとっておいて、ここぞというところで使うといいわね」

GM「さらに、ドライアードが大切な情報をくれる」

ドライアード『この大樹の森を統べるのは、タイタン様よ』

ミリィ「え? 一つ目? それとも百目? 地底王国の魔王さま?」

GM「そのタイタンじゃねえ。大地の上位妖精で身長5メートルの巨人の姿をした、レベル17の強力なお方だ。妖精郷の5大妖精の1柱だよ」

ミリィ「そう言えば、大樹の森にタイタンがいるって、どこかで聞いたことがある気がするわ。どこだっけ?」

GM「花妖精の園な。この記事参照

ミリィ「まだ夏の話じゃない。時代はゼロワンさんからセイバーさんに変わったんだから、そんな昔の話なんて、すっかり忘れていたわ」

GM「俺は覚えているぞ。キャラシートにメモだって記入していたはずだ」

サイバ「本当でござるな。今見ると、確かに『大樹の森に地の大妖精タイタン』って書いてあるでござる」

GMGMしていたんだったら、それぐらい覚えておけよ」

サイバ「いや、その時のGMは、私に憑依したセイリュウ様だったから、厳密に言えば、私ではないわけで」

ミリィ「そう言えば、この時はミリィじゃなくて、男性人格のミーレスに切り替わっていたのね。別人格だから覚えてなくても当然よ」

GM「お前ら、別人格のせいにしやがって……って、まあ、俺も時々そういうことをするから、人を責めることはできないんだが。ところで、今、気づいたんだが、11月3日の文化の日は、ゴジラ様の日でもあるんだな。そろそろご登場されるということはないかな?」

サイバ「その前に、このミッションを終えて、出迎える準備を整えねば」

GM「そうだな。とにかく、今はタイタン様の話だ。ドライアードたちの話によれば、仲良くなった君たちをタイタン様のところに連れて行ってくれるって話だ」

ミリィ「え、本当に? だったら、妖精郷の未来の女王として、大妖精タイタン様にご挨拶申し上げる時じゃないかしら。もう、ロイヤルゼリーなんて、どうでもよくて、タイタン様へお目通りすることにするわ」

マークス「まあ、ロイヤルゼリーを集めるにしても、森の主人に挨拶するのが筋というものでしょうからね」

 

地の大妖精タイタン

 

GM「それでは、君たちはドライアードの案内で、大樹の森の奥にある広場にたどり着いた。天を衝くほどに巨大な樹木の根元で、ドライアードやノームたちが楽器を演奏し、ムリアンの群れがコーラスをする中、巨人の姿をしたタイタンが深いバリトンの歌を響かせている。その周囲では、森の動物たちやプーカ、ペガサス、ユニコーンといった幻獣たちがタイタンの歌に聴き入っている」

ミリィ「ペガサス! 歌でペガサスを感じ入らせるなんて。そんなことができるのだから、この方は凄い力の持ち主に違いないわ」

GM「ペガサス基準かよ!」

ミリィ「そうよ。あたしの夢はペガサスライダーになること。その夢の延長上に、妖精郷の女王になるという壮大な未来が広がっているのよ。その夢の広がりに比べれば、大地の大妖精なんて……って、そんなことを言ってはいけないのよね、妖精使いとしては。あまりに傲慢な振る舞いをしてしまえば、魔女と同じになってしまう。あたしの目指すのは、アラマユ様の光であって、魔女の闇じゃない」

サイバ「自制できているようで、何よりでござる」

GM「ふう。タイタン相手に目に余る傲岸不遜な振る舞いをするんじゃないかと、GMとしてはドキドキしたぜ。……やがて、タイタンは歌い終わると、新客の君たちに関心の目を向ける」

ミリィ「だったら、歌に対して、称賛の拍手を送ります。輝くようにニッコリ微笑んで、『大地も震える麗しき響きに感じ入りました。人族や妖精のみならず、ペガサスなどの幻獣までも大人しく聞き入るなんて、それほどの深みある歌を拝聴できて、修行中のフェアリーテイマーとして、歓喜の念を禁じ得ません。わたくし、カシュミーラ・ミルモワールは、アラマユ様の志を受け継ぐ者として、賞賛の言葉を惜しみませんわ』……と優雅な挨拶をするの」

サイバ「まさか、ミリィさんがこのような言葉遣いができようとは……」

ミリィ「やろうと思えばできるのよ。ノーブル(貴族)技能2レベルなんだから、敬意を示すべき相手に対する立ち振る舞いの作法なんかは身に付いているの。あ、そうだ。歌を聞かせてくれたお礼に、『ラナ印の苺マフィン』を献上するわ。16日朝に買ったもので、賞味期限が3日間だから、まだ問題ないわね。思いがけず、いい貢ぎ物になったということで」

タイタン『おお、これは何とも美味なことよのう。だったら、わしも礼を渡さねばなるまいな』

GM「そう言って、タイタンは〈土精鉱〉を1つくれた」

サイバ「前に、パックから風精鉱をもらったから、これで妖精鉱は二つめでござるな」

ミリィ「ふうん、何の役に立つのかしら」

タイタン『それは妖精郷の魔力の結晶で、強力な魔法の儀式に用いることもできるが、妖精たちの親愛の証と言ってもいい。そなたの贈ってくれた口当たりのいい苺マフィンに釣り合うものとしては、妥当な返礼だと思うが?』

マークス「上位妖精さえ称賛するラナ印のスイーツって、ある意味、妖精郷の最強交渉アイテムと言えそうですね」

ミリィ「ところで、タイタン様。この妖精郷は現在、魔力の枯渇により崩壊の危機にあることはご存知かしら」

タイタン『無論、承知しておる。それに対して、わしにできることは、自分の治める領域を守ることのみ。破滅に瀕する世界を真の意味で救うことができるような救世主、勇者、英雄が出現すれば、と思うこともあるが、アラマユ様の志を受け継ぐということは、そなたがそのような大それた偉業を成し遂げる意志がある、と期待していいのかな?』

ミリィ「わたくしの夢、信じてくださいますの?」

タイタン『信じるも何も、そなたの夢を信じるだけなら、わしが失うものは何もないからな。他人の夢は信じ、応援する。それが本当に実現できたなら、その偉業と労力に称賛の念を示す。これぐらいのことは誰にだってできるが、世の中にはそれすら馬鹿にする輩が多いものでな。夢を忘れ、馬鹿にする者に何の大それたことができようか。わしは他人の夢を見下すことはせんよ。そのような心では、大地の如き深き歌は歌えんからな』

サイバ「そのようなセリフは、シナリオには書いてなかったと思うが?」

GM「もちろん、そうだ。タイタンというキャラが言いそうなことと、俺の信念を混ぜてアドリブで喋っている」

ミリィ「つまり、NOVAちゃんの夢への想いってこと?」

GM「まあな。ただし、タイタンは付け加える」

タイタン『もちろん、全ての夢が叶うとは限らんし、自分の夢を叶えるために、他人に労や代償を求めるなら、それ相応の力や心意気なるものを示さねばな。そして、自分の夢が他人の希望と異なる場合には、いくら夢を語っても説得することは不可能。自らの願望と、他者の願望がうまく通じ合った時にのみ、そこに協力関係が生まれる。いくら熱意をもって語ろうとも、それが他者の想いを汲みとっていない独り善がりな言葉なら、他者の心にはちっとも響かん。まずは、他者の求める想いを自分が受け取らねばな。自分の夢を相手の夢と結びつけてこそ、相手の力を自分の力として使うこともできよう』

ミリィ「つまり、タイタン様の協力を求めるには、格下のわたくしがタイタン様の願いを叶えなければならない、ということですね」

タイタン『そりゃそうであろう。このわしが求める最低限のことさえ果たせないような者に、大いなる夢を叶えることはできぬからな。夢を叶えるための力や労苦を厭わぬ心を見せぬ者に、何の期待ができようや。我が力や知識を求めるなら、一つ頼まれてくれまいか? アラマユ様の志を受け継ぐと称する妖精使い、カシュミーラ・ミルモワールよ』

ミリィ「クエストですね。おっしゃって下さい」

タイタン『そなたは、ポピン・ポピンという名のグラスランナーに出会ったことはあるかな?』

ミリィ「ポピン・ポピン? 初めて聞く名ですね。何者ですか?」

タイタン『明るい歌声の吟遊詩人じゃよ。わしの歌声に、実に調和する高音の持ち主でな。彼との混成合唱ほど、わしの心が打ち震えたことは今までなかった。グラスランナーらしく、気ままな旅人で、今もこの妖精郷の各地を彷徨い歩いていると思われる。旅先で彼に会ったら、もう一度、声を合わせて歌いたいという想いを伝えて、できればここに連れて来て欲しい。小さき者の歌声が、大きな者の心をあそこまで振るわせるとは、まことに面白き経験であった。だからこそ、わしは小さき者を見下しはせん。その者の心が他を見下さぬ、純粋で明るい輝きに満ちている限りな』

ミリィ「分かりました、タイタン様。あ、それと、この森でロイヤルゼリーを採取する許可さえいただければ」

タイタン『それぐらいなら勝手にすればよい。ただし、蜂に刺されないよう気をつけてな』

 

蜂蜜集め

 

ミリィ「ふう。堅苦しい言葉使いを続けるのも疲れたよ〜」

マークス「お疲れさまです、ミリィさん」

サイバ「大妖精タイタン、さすがの威厳でござったな。あれをアドリブで語るNOVA殿のGMぶりも恐れ入った」

GM「まあ、アマチュアでも趣味で小説を書いて来た人間として、これぐらいなら当然だと思うがな。もちろん年季にもよるし、文章で書くのと、口頭でとっさに話すのとでは異なるわけだが。話すのは苦手でも、じっくり書くのは得意な人間もいるし、その逆もまた然り。目の前に気心の知れていない人間がいれば、気後れもするだろう。もっとも、オタクは自分の趣味の話題を聞いてくれる人間がいれば、饒舌にもなるものだが」

ミリィ「それで、蜂蜜集めはどうするの?」

GM「探索8で成功すれば、1人で1Dの半分(端数切り上げ)だけ見つかる。それで数が10に満たなければ、ランダム遭遇の後で、次のtbも探索を続けることになる」

ミリィ「じゃあ、さっさと見つけて、仕事を片付けましょう。目標値8なら、ピンゾロを出さない限り、あたしは成功ね。はい、見つけた。……1個だけど」

マークス「では、私もふつうに成功。3個見つけました」

サイバ「ぼくでござるな。問題なく成功し、3個見つけたでござる」

ミリィ「これで7個かあ。あたしが少ないけれど、どっちにしても1回じゃ最大9個しか見つからないから、2tbは掛かるということね」

GM「では、ランダムイベントだ。ドライアードがまた現れて、カシュミーラを誘惑する」

ミリィ「え? どうして、あたしなの?」

GM「ランダムで決めたからな。ということで、ミリィはドライアードに気に入られて、何やらいろいろとされて、次の探索には参加できない。ただし、このイベントで★2つを受け取る」

ミリィ「何やらいろいろって、どういうことよ。説明しなさいよ」

GM「さあな。とりあえず、残った2人で、探索を続けてくれ」

マークス「ミリィさんの行方は気になるところですが、探索は成功して、2個見つけました」

サイバ「では、ぼくが探索成功すれば、よろしいのでござるな。うむ、成功。これで、ロイヤルゼリー10個が集まったでござるよ」

GM「そこに、カシュミーラが帰ってくる。どうやら、タイタンが気に入って、酒を注がせたり、気さくな話し相手を務めさせられたようだ。その話の中には、ここの大樹が世界樹ユグドラシル若木なので、大切に守らなければいけないとか、テラスティアでは知られていないが別の大陸に伝わる森羅魔法という秘術があって、その基本となる動植物の精霊体と交感するコツを教えてもらったり……」

ミリィ「え? タイタン様が直々に森羅魔法の手ほどきをして下さったの?」

GM「ああ、本リプレイにドルイドを導入するにあたり、何らかの理由づけがあった方がいいだろう? 単にカシュミーラが天才だから、と言うだけでなく、大地の大妖精タイタンから伝授されたという方が面白いのではないか、と思いついた次第。まあ、実際の習得は次の成長時になるわけだが」

ミリィ「つまり、あたしはタイタンに選ばれて、秘伝の術を授けられたのね」

GM「そう解釈してくれていい。そして、タイタン曰く、カシュミーラが妖精郷の女王として承認されるためには、まず自分の他に、炎のイフリート、水のミーミル、風のジン、氷のスカディの納得が必要だそうだ」

ミリィ「つまり、タイタン様以外の大精霊にも会いに行けと?」

GM「その通り。妖精郷の5大精霊の承認が得られれば、女王として認められる可能性も高まろう。もちろん、妖精王の城の復活や、妖精郷を崩壊の危機から救うという仕事も果たさなければならないが、大妖精と仲良く交流するということは女王を目指す者として避けて通れない道であろう、と」

サイバ「するとミリィさんは、イフリートのいる【炎の穴】、ミーミルのいる【凍結海】、ジンのいる【雲海の岬】、スカディのいる【凍て付く山】を探索しないといけないでござるな」

ミリィ「他人事みたいに言わないで。リオン様にとっても、そういう冒険譚は大切な小説のネタになるんだから、しっかり軍師として、サポートしてよね」

GM「では、そんな壮大な話を振ってから、本ミッションのクライマックスバトルが開始される。レベル2のキラービー3体が蜂蜜泥棒を襲撃してくる。剣のかけら入りでHPは15だ」

ミリィ「ザコね」

GM「ああ、ザコだが、続きはまた次回だな。プレイ時間が尽きたので、VSキラービー戦と、その後の成長タイムは次回の記事ってことで」

(当記事 完)