第1部の最終ミッション
GM(セイリュウ)「おもてなし亭の各施設を再起動させるための管理ネコ集めミッションも、ついにラストワンとなった」
サイバ(NOVA)「七色猫のうち、最初からいるグラタンを含めて、5人そろえるところまでで一区切りというところだ」
マークス(ケイPマーク2)「猫なのに、5人と表記するのも違和感ですが」
サイバ「でも、二足歩行するネコ妖精を5匹というのも、人格を軽視しているみたいでな。フェアリーガーデンでは、妖精も総じて、○人表記にしておこう。ドラえもんみたいなネコ型ロボットも、1人というか1体というか1台というか1機というか結構悩みどころだし、突き詰めるとヒューマギアの数え方とか人格とか、ややこしい話になる」
ミリィ(晶華)「確かに、花粉症ガールやKPちゃんは人間じゃないけど、1人2人って数えるものね」
サイバ「プレイヤー3人というか、プレイヤー2人と1匹というかで、ケイPの立ち位置が変わってくるなあ」
ミリィ「数え方問題はさておき、ケットシーが5人そろえば、『おもてなし戦隊ネコネコファイブ』が結成できるわね』
サイバ「リーダー赤がグラタンなのは確定として、他はどういう構成なんだ?」
ミリィ「クールな高飛車タイプのドリアさんがサブリーダー青で、関西弁のペンネさんがムードメーカー黄で、内気な動物好きパスタさんがピンクヒロインってところかしら」
サイバ「関西弁はグリーンレーサーのイメージがあるし、薬草園担当だから、ペンネは緑だと思うけどな」
マークス「では、最後の武具工房を管理するニョッキさんが、怪力イエローっぽいですね」
サイバ「よし。それでは5人のネコ戦隊を集結させるための序盤最終ミッションを頑張ろう」
GM「グラタン曰く『ニョッキは栗色の毛並みのケットシーで、赤い帽子をかぶっているよ。鍛治職人だから、鉱石が採れる場所、妖精の鉱山にいると思う』そうだ」
ミリィ「妖精の鉱山の場所は、(コロコロ)11だから北西エリアね」
サイバ「北の停留所から大神殿を経由して、鉱山に行くのが確実だな」
ミリィ「停留所から直接、鉱山というコースもあるけど」
サイバ「前回、おもてなし亭に着いたのが10日めの昼だからな。そこから停留所が夕方で、大神殿が夜で、翌朝、鉱山探索を始める形だ。直接、鉱山へ向かうと、夜に鉱山探索という形になる」
ミリィ「夜や深夜はゆっくり休みたいわけね」
サイバ「徹夜と1日食事抜きは、ペナルティーを受けるからな。あ、それと10日めの食事は昼におもてなし亭で食べたという形で済ませるから」
ミリィ「あたしたちは1日1食で頑張っているのね」
サイバ「その辺は、ゲーム的な処理という奴だな。リアルに考えるなら、昼におもてなし亭で食べて、夜の分は残り物をお弁当にして持っていき、その日のうちに食べてしまっているんだろう。お弁当だから、その日のうちに食べてしまわないといけない。だけど、保存食とは別枠なので、そちらを減らす必要はない。とにかく、1日2食か3食は食べているんだろうけど、ゲーム内だと1日の間のどこかに宿か村に寄っていれば、そこで食事できるから保存食を減らす必要はないという形で処理しよう」
ミリィ「朝に拠点を出発して、夜までに帰って来れなかった場合は、どうなるの?」
サイバ「朝食を食べて、お弁当ももらっていたということで、保存食を減らす必要はないだろうな。今までは、何となく夜にタダ飯の頂ける拠点にいるかいないかで食事管理をしていたけど、これからは1日のどこかで拠点に寄っていれば、保存食を減らす必要はない、という裁定をしようか」
GM「うむ、よきにはからえ」
初めてのライダー
ミリィ「ところで、ライダーとしてパスタさんから馬をレンタルしようと思うんだけど、その分のお金をどうやって稼ごうかしら?」
サイバ「順調に進めば、11日めの日中には、ミッションを達成できるので、そのまま戻ってくると11日めの夜に帰還できるはず。だけど、少し寄り道して同じ北西エリアの骨の丘で発掘作業して、金目のものを見つけるという手もある。まあ、ミッション目的地が鉱山だから、そこでも発掘イベントがあって、十分な小遣い稼ぎもできるのかもしれないが」
ミリィ「お金稼ぎの算段は十分あるのね。だったら、250MM払って、馬を借りるわ。ペガサスみたいな白馬で、名前はノバちゃん」
サイバ「何でだよ?」
ミリィ「ワイルドホースを漢字表記すると野馬になるからよ。白いノバちゃんがあたしの愛馬ってことで」
サイバ「騎獣やペットの名前に、GMやプレイヤー、知り合いの名前を付けて遊ぶことが、一部のTRPG界隈で流行っているみたいだな。だったら、俺も自分のぬいぐるみや使い魔にアッキーって名前を付けるが、それでもいいのか?」
ミリィ「それだけ、愛してくれているってことね。どうぞどうぞ♪」
サイバ「うわ、脅しが脅しになってないだと?」
ミリィ「そんなにノバちゃんがいやなら、ノマちゃんにするわ。普通の馬ノーマルホースのノマちゃんね。遊牧民のノーマッドホースの意味を掛けてもいいけど」
サイバ「ノマちゃんね。それなら、まあいいとするか」
GM「では、『これが騎獣契約証です』とパスタが示して、ミリィに渡してくれる。『この契約証はちょっとした儀式魔法で、あなたの名前を記入し、誓約の言葉を述べることで、騎獣と心を通わせて命令できるようになります。また、騎獣に契約証を貼りつけて念じることで、一時的に縮小することも可能。騎獣の入れない狭い場所を探索する際には、そうすることで携帯所持もできるのですよ』」
ミリィ「それって、普段は人形サイズにして、必要な時に大きくして一緒に戦うこともできるってこと?」
サイバ「馬なら街中でも普通に連れて行けるが、ヒポグリフやワイバーンなんかを騎獣にしていた場合、街中には普通、持ち込めないだろう? だけど、人形サイズに縮小することで、いつでも騎獣と一緒でいられるわけだ」
ミリィ「ゴーオンジャーさんにおける炎神さんみたいなものね」
GM「あと、騎獣のデータは騎手の冒険者レベルに応じて、強化される。レベル3騎手の扱うホースは、HP30、命中5、打撃点2D+2、回避4、防護点3というデータを持っている。戦闘中は、自分と共に戦わせることも可能。また騎獣専用の装備を購入することで、ダメージや防護点を増やすこともできる」
ミリィ「騎獣をペットとして、育てる楽しみもあるってことね。あたしが魔法を使って、ノマちゃんが蹄で蹴るという戦い方ももちろん可能で、戦力が1つ増えたみたいなもの、と」
10日めの旅路
ミリィ「では、早速ノマちゃんに乗って、出発進行」
サイバ「とは言え、ぼくたちは徒歩だけどな」
マークス「マギテック技能をレベル4にすれば、魔動バイクを作ることもできるんですけどね」
サイバ「ぼくも騎乗できるゴーレムのデータでもチェックしておくか」
ミリィ「夕方には停留所に到着だけど、ランダムイベントはある?」
マークス「いえ、大丈夫です」
ミリィ「では、このまま北西エリアの大神殿に向かうわ。夜に到着予定よ」
マークス「ランダムイベントはありません」
サイバ「平和で順調なのはよし。だったら、深夜から夜明けまで大神殿で睡眠だ」
GM「では、その夜、熟睡しているお前たちは、ある夢を見た。自分たちが妖精になって、この世界で戯れている夢だ」
ミリィ「わ〜い、ラッキーの妖精になって、ペガサスと一緒に空を飛び回っているわ」
サイバ「これは、妖精郷同化度が上昇する演出か? ぼくは昔、溺れたことがあるんだけど、その悪夢を思い出して、自分の体がドロドロ溶けて液状化していくような感覚になる。水の妖精だと?」
マークス「水の妖精はいいですね。だけど、私は元来、ドゴラの眷属なので、普通に不特定な液状化ができちゃうので、ここはむしろ体が固まって動かない方が悪夢ですね。ああ、屋久島で石化してしまったことを思い出した。そう、土の妖精として動けずに呻いている夢を見て、ブルブル震えてます」
GM「では、お前たちはこの妖精郷の魔力に囚われ、肉体が馴染んでしまったために同化度+1せよ」
11日め朝の移動
サイバ「みんな、起きろ。早く探索を続けるぞ」
ミリィ「う〜ん、もう少しのんびり構えてもいいのに。では、移動判定をするね。4」
サイバ「バカもの! 同じエリアの違う場所に出てしまったじゃないか」
ミリィ「え? ここはどこ?(ダイスを振って場所を決める)」
GM「そこは、花園の迷路と呼ばれる場所だ」
ミリィ「どうやら、迷っちゃったみたい。てへっ」
サイバ「てへっじゃない。早く脱出しないと」
GM「すると、小妖精が追いかけっこをしている場所に出くわす。全員、1Dせよ」
ミリィ「1」
マークス「3」
サイバ「ぼくも1だ」
GM「では、1を振った2人が、妖精の粉を浴びてしまう。2人は2Dせよ」
ミリィ「11」
GM「ミリィは1日間、性別が男性になってしまい、妖精郷同化度も+1される」
ミリィ「え? もしかして、花粉症ボーイになってしまったの?」
サイバ「ぼくは7だが」
GM「単にうきうきした気持ちになるだけだ。つまらん」
サイバ「普通の人生を、つまらん言うな! 性転換しなくて良かったぜ」
ミリィ「だったら、1日間、あたしはワイルドなオレになる。名前もミリィから、ミーレスと呼んでくれ」
マークス「性別だけでなく、性格まで変わるとは」
ミリィ→ミーレス「よし、みんな。いきなり妖精郷同化度2になっちまったオレについて来い。この迷宮なんて、オレの妖精パワーで一気に突破してみせるぜ」
GM「では、迷路を抜けるための地図作成判定を行え」
ミーレス「スカウト+知力で、基準値6。さらにフェアリーウィッシュの魔法で+1。出目6で達成値13だ」
GM「すると昼まで時間が掛かったが、迷路を抜けることができる。入り口へ戻るか、それとも迷路の奥の花妖精の園へ抜けるか、好きな方を選べ」
ミーレス「オレは花粉症ボーイ。花妖精がオレを呼んでいるぜ」
サイバ「おおい、晶華。ロールプレイに夢中になり過ぎずに戻ってこ〜い」
花妖精の園(11日め昼)
GM「では、男となったカシュミーラ、ええとミーレスに強引に先導されたお前たちは、迷路の奥の野原に出た。その中心にはテーブルが置かれ、5人の小妖精ピクシーがお茶会をしている。ピクシーはお前たちに気付くと、『あら、お客さまね。どうぞ、座って。すぐにお茶を用意しますから』と微笑み、椅子を勧めてくるぞ」
サイバ「ええと、ピクシーって小妖精だよね🧚♀️ そのサイズの椅子に、ぼくたちは座れるのかな?」
GM「大丈夫だ。この野原に入ると、お前たちのサイズもピクシーに合わせて縮んでいるから」
ミーレス「あたし……じゃなくて、オレの馬もか?」
GM「この空間では、ピクシーのサイズが標準となっているのだ。なあに、ジェットジャガーが巨大化することに比べれば、どうってことはない」
サイバ「まあ、大地の精霊力Jパワーが発動すれば、仮面ライダーだって巨大化するからなあ。妖精郷に入らば、妖精郷に従えってことで、自分を納得させるぞ。ところで、ここでのお茶会は食事に含まれるのかな?」
GM「含まれる」
サイバ「だったら、喜んでご相伴しよう。これで今日の食事代は賄えたな」
ミーレス「サイバの奴は相変わらず、ケチ臭いな」
サイバ「って、呼び捨てかよ。今までずっとリオン様って持ち上げてくれたのに」
ミーレス「ロールプレイだ。気にするなよ。オレとお前の仲じゃないか」
サイバ「こっちは、そこまでの仲になった覚えはないんだが」
GM「さて、ピクシーは妖精郷について、いろいろ知っているぞ。適切な質問をすれば、答えてくれるかもしれない」
マークス「では、ズバリ、私のエマお嬢さまはどこにいるかご存知ありませんか?」
ピクシーA『エマって誰?』
ピクシーB『確か、主人公の幼なじみじゃなかった?』
ピクシーC『ここはドラクエ11の世界じゃないわ』
ピクシーD『でも、確か白百合の谷に、女の子が一人捕まっているって話を聞いたわね』
ピクシーE『その娘がエマっていうかは知らないけど、行ってみたらどう? 場所は(コロコロ)南西エリアよ』
マークス「それはどうも、ありがとうございます」
ピクシーたち『だけど、そこにはとっても恐ろしいヴァンパイアリリィがいるそうよ』
サイバ「ヴァンパイアリリィか。魔物知識判定で14だが」
サイバ「それだけ手強い相手らしいな」
ミーレス「オレもチャレンジだ。あ、魔物知識6ゾロ出た」
GM「レベル17。HP112」
サイバ「……キャプテン、お嬢さまのことは諦めろ」
マークス「そんな。リオンさん、あなたのよく回る妄言だらけの舌は何のためにあるんですか? 相手を言葉を尽くして説得するのが、あなたの得意技でしょう。何とか舌先三寸の言霊魔術で、お嬢さまを取り戻してくださいよ」
ミーレス「そうだぜ、サイバ。お前の信条は勇気だし、魅力的な異性を無視できないんだろう?」
サイバ「うっ、確かに、危険は承知で小説のネタを求めるのが、サイバ☆リオン。ならば、ヴァンパイアにインタビューをするのもまた一興。それはそうと、妖精郷には面白い秘密があるらしいが、何か知らないかい?」
ピクシーたち『何が知りたいの?』
ミーレス「妖精王にどうやったらなれるか」
ピクシーたち『妖精王は、アラマユ様から冠をもらったとか。その冠は全ての妖精を支配することができるそうよ。知らんけど』
ミーレス「知らんのかい!?」
ピクシーたち『だって、妖精王はお城で眠ったまま、私たちの前に姿を見せないから。噂話でしか知らないのを、誇らしげに知ってるって言える?』
サイバ「まあ、適当なことをベラベラ喋って、最後に『知らんけど』とオチをつけるのは、ツイッター芸の一つだからな。ぼくは知らんけど(プレイヤーなら知ってる)」
マークス「だったら妖精王を叩き起こして、妖精王パワーでヴァンパイアリリィを倒してもらうのはどうでしょうか?」
ピクシーたち『妖精王はレベル20って噂よ。知らんけど』
ミーレス「つまり、オレが妖精王の力を継承すれば、ヴァンパイアリリィなんて目じゃないってことだな。しかし、一つ分かったのは、妖精女王と称されるアラマユと妖精王は別人だってこと。アラマユは人族の王を凌駕した神に匹敵するのかもしれないな」
GM「なお、今ので『重要な情報:妖精王の冠について 1.伝説』を聞いたので、★1つを進呈だ」
サイバ「他に、この妖精郷で力を持つ者は誰だろうか?」
ピクシーたち『5つの大妖精さまたちかしら』
ミーレス「それって、炎のイフリート、水のミーミル、風のジン、地のタイタンの他に何がいるんだ?」
ピクシーA『氷のスカディさまよ。凍て付く山にいるそうね。それがどこかは知らんけど』
ピクシーB『イフリートさまは、炎の穴に』
ピクシーC『ミーミルさまは、凍結海に』
ピクシーD『ジンさまは、雲海の岬に』
ピクシーE『タイタンさまは、大樹の森に』
ピクシーたち『それぞれいるそうよ。地名しか知らんけど』
サイバ「5つも新しい地名が現れたか。凍て付く山、炎の穴、凍結海、雲海の岬、大樹の森にそれぞれ大妖精がいるってことだな(メモメモ)」
ピクシーたち『とにかく、妖精郷で目ぼしい話は大体、こんなところね。お役に立てたかしら』
マークス「非常に役立ちました。エマお嬢さまの居場所が判明するなんて、ありがとうございます。では、この辺りで暇乞いをして、早速、白百合の谷に向かいましょう」
サイバ「こらこら。先にニョッキを探しに、鉱山に向かうんだろうが」
マークス「しかし、私にとっては、お嬢さまが優先です」
サイバ「行かないとは言ってないさ。南西エリアだと、鳥籠の木にも用事があるしな。だけど、もしもエマお嬢さまを見つけても、ぼくたちは転移の陣を起動させないと、妖精郷から帰れない。そのためにケットシーを見つけることも大事なんだ。先に近場の鉱山に寄って、それから南西エリアへ向かう。それほど手間は取らないさ。道に迷わなければな」
ミーレス「いや、違うぞ、サイバ☆リオン。今回は道に迷ったんじゃない。妖精に導かれたんだ。だからこそ、いろいろな情報が手に入ったんだし、2人ともオレに感謝するように」
マークス「ありがとうございます。では、ミルモワールさんの導きにしたがい、鉱山に向かいましょう」
GM「すると、別れ際にピクシーたちがお土産をくれる。〈ピクシーの宝石〉だ。使い捨てアイテムで、これを使うとピクシーを召喚することができる」
サイバ「ピクシーは何ができるんだ?」
GM「ピクシーはレベル1の小妖精だからな。ほとんど何もできない。とりあえず、美味しいお茶を入れてくれる」
ミーレス「宝石の値段はいくらか鑑定するぜ。15で分かるかな?」
ミーレス「記念品としてもらっておくか。妖精の宝石コレクターになるのも一興だし」
妖精の鉱山(11日め夕方)
ミーレス「今度は移動判定に成功。鉱山までの道がつながったぞ」
GM「空を突き刺すような岩山がそびえている。その山肌に、幾つもの坑道らしき穴が口を開いてるのが見える。穴に入るには、曲がりくねった道を昇らねばならない」
サイバ「ならば慎重に昇るぞ。足を滑らさないようにな」
ミーレス「馬でも昇れるだろうか」
GM「騎乗判定が必要になるだろう」
ミーレス「だったら、馬は縮小させる。避けれる危険は避けた方がいい」
GM「徒歩で歩く場合は、判定はいらない。さて、山道を歩いていると、強い山風に乗って、何かが飛んでくる。飛んで来たのは(コロコロ)ジャイアントバットが1体だ」
サイバ「魔物知識は9だ」
GM「レベル3で、HPは20」
ミーレス「ザコだな。先制判定は11」
GM「こちらは12だ」
サイバ「ちょっと待った。ぼくは14だ。機先を制して弓を射る。命中は低くて10」
マークス「私が殴ります。17と言って当てて、ダメージは14点」
GM「残りHPは6点だ」
ミーレス「くらえ、オレの必殺技、魔力撃。13は当たりだな。ダメージはクリティカル2回で、合計21点」
GM「オーバーキルもいいところだ」
ミーレス「戦利品はコウモリの羽(30G)と、紫の石(120G)だ。所詮はザコだが、収入の足しにはなるだろう。ありがたく頂戴しておく」
サイバ「……っていうか、男キャラになると、セリフが何だか妖精剣士というよりも熟練の傭兵剣士みたいになって、ずいぶんおっかないんですけど」
マークス「さて、いよいよ坑道に突入するわけですが、どの穴から入ったらよろしいのでしょうか?」
ミーレス「こういうのは最初に目についたところに適当でいいんだよ。トライ&エラーって奴だ」
サイバ「一応、足跡追跡判定をしてみるぞ。誰かが入った跡の残っている場所に突入する。達成値は11」
GM「では、それらしい穴に目星をつけた」
サイバ「キャプテンのシールドにライトの呪文をかける。普通に呪文は成功」
GM「岩を削って作った階段が地底へと続いている。階段は滑りやすいので、冒険者レベル+敏捷度で、目標値12の判定をせよ。失敗すると足を滑らせて、落下ダメージを被ることになる」
ミーレス「16」
マークス「11で失敗」
サイバ「ピンゾロ! だけど、ここで運命変転。6ゾロに変えて成功した!」
GM「だったら、マークスだけ7メートル落下して、21点ダメージだ。受け身と防護点で減らすことは可能だが」
マークス「金属鎧だと受け身はー4のペナルティーなんですね。達成値は6で、防護点は8だから14点軽減して、7点くらいました」
サイバ「大丈夫か、キャプテン。【アース・ヒール】で回復してやるぞ。ピッタリ7点治った」
マークス「ありがとうございます」
GM「この坑道を当てもなく歩くのは危険だと感じた。★1つを進呈しよう」
サイバ「当てもなく、と言ってもな。どこかで坑道の地図なんて手に入るのか? 一応、迷わないように地図ぐらいは書いてみるが」
GM「そうしているうちに、前方から『うわあ、大変だ〜、逃げろ〜』と走ってくる人影、いや、妖精影が複数」
ミーレス「何だ、何事だ? 妖精のピンチは将来の王が見過ごせん。おい、どうした? と妖精語で声をかけるぞ」
GM「現れたのは、1レベルの採掘妖精ノッカーだ。『おお、将来の王さまか。実は2体の巨大ムカデと遭遇して、大変なんです。すぐにお逃げください』」
ミーレス「巨大ムカデだと? 民のピンチは見過ごせん。オレが倒してやる」
ノッカーたち『おお、さすがは将来の王さまだ。だったら、後はよろしく』
ミーレス「任せろ。さあ、来るなら来てみろ、大ムカデ」
GM「では、すぐに来たので、戦闘開始だ」
サイバ「魔物知識は11だ」
GM「弱点まで抜いた。前に戦ったジャイアントセンチピード。レベル2でHP16。弱点のおかげで物理ダメージ+2される」
ミーレス「先制は13でとった」
マークス「マッスルベアーと魔力撃を宣言します。これで追加ダメージが+6されて、合計13ですから、ダメージダイスが6以上で倒せます。命中は19で、ダメージは、おお、クリティカルが2連発。合計38点が出ました」
GM「1体は完膚なきまでに叩きつぶされた」
ミーレス「残り1体。先に攻撃しろ、サイバ☆リオン。とどめはオレが刺す」
サイバ「偉そうに仕切ってんじゃねえよ。まあ、撃つけどな。11で命中。ダメージは、おお、こっちもクリティカル来たー。19点ダメージだ」
GM「防護点3点減らして、ピッタリ倒した」
サイバ「よし、勝った」
ミーレス「お前、何を倒してるんだよ? とどめはオレが刺すって言ったじゃないか」
サイバ「うわ、理不尽な言いがかりだな。ええと、いやあ、これぐらいのザコ、王さまの手をわずらわせるまでもないでしょ」
ミーレス「うむ、なるほど。それもそうだな。よきにはからえ」
GM「そのセリフは、わしの物だ」
ミーレス「別にいいじゃない。うん、この王さまロールプレイは気に入った。しばらく、これで行くわ……いや、これで行くぜ」
サイバ「男モードは12日め朝までだからな。あまり調子づいているんじゃねえぞ」
ミーレス「オレのモットーは、今を楽しめ、だ。倒した敵のはぎとりをするぜ。よし、一つ当たりを出して、良質の殻(150G)ゲットだ。もう一つは、普通の甲虫の殻(30G)だけどな」
マークス「先ほどのコウモリの分と合わせて、戦利品は330Gになりました」
ミーレス「一人110Gかあ。馬のレンタル代の250Gは最低稼がないと」
GM「ともあれ、お前たちが見事に大ムカデを倒したのを見ると、ノッカーたちは『さすがは王さまだ』と称えてくれる。★2つを進呈しよう」
ミーレス「間違うな。オレの称号は『将来の王』であって、今はまだ違う」
ノッカー『では、訂正します、将来の王さま。それで、わしらの鉱山に一体、何用ですか?』
ミーレス「ケットシーのニョッキに用がある。呼んで来てくれないか?」
ノッカー『ニョッキなら、妖精郷に異変が起こっているとかで、崩れゆく場所に向かいました』
サイバ「崩れゆく場所だって?」
GM「南西エリアにあるそうだ。今回の記事はここまで。次回は南西エリアの冒険に挑むがいい」
●妖精郷の探索範囲(第1部6話終了時点)
(青字は宿泊可能。赤字は未踏)
鉱山 骨の丘 屋根付き橋
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花迷路ー大神殿ーー停留所ーー花畑ー羊ヶ原ー魔法陣
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火柱の塔 l薬草園ー鏡の池
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l煙草の森ーおもてなし亭
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風車の谷ーー赤い河
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白百合の谷 鳥籠の木
崩れゆく場所
- 中央エリア:おもてなし亭、薬草園、鏡の池
- 西エリア:煙草好きの森、火柱の塔
- 南西エリア:風車の谷、鳥籠の木、白百合の谷、崩れゆく場所
- 南エリア:赤い河
- 北西エリア:大神殿、骨の丘、花園の迷路、妖精の鉱山
- 北エリア:停留所
- 北東エリア:羊ヶ原、花畑、屋根付き橋、魔法陣の広場
●フェアリーガーデン第1部6話の状況
経験点:★4つ、魔物退治分70点
金銭収入:戦利品330G分
妖精郷同化度1(カシュミーラのみ2)
ミッション:鉱山から崩れゆく場所に向かったニョッキを探せ
クエスト&冒険目的
「エマのハンカチを見つけて、帽子とセットにする」
「煙草好きの森にパイプ草を持っていく」
「火柱の塔に〈炎精鉱〉を持ってくる」
「火柱の塔にいるレベル5魔動機ドゥームを倒せるよう成長」
「大神殿の信者を解放できるよう成長」
「鳥籠の木のディーラに本を読ませてもらう」
「白百合の谷で、エマらしき娘の所在を確認する」
サイバ「今回の話で、新しく書き足した場所や冒険目的は緑字にした。次回は、鳥籠の木と、白百合の谷のイベントを先に解決してから、ニョッキの捜索に当たりたいと思う」
(当記事 完)