Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

2023年度末の懐古とか、今後の展望

ドラゴンの年だけど

 

NOVA「さて、サラモニスから帰って来たけど、何だかいろいろ燃え尽き症候群な俺がいる。お腹も壊してるし」

晶華「何で、そんなにヤル気がないのよ? 冷凍花粉ケーキを食べて、エネルギー充填バッチリってところでしょう!」

NOVA「そもそも、冬場に冷凍何ちゃらって食べさせたら、お腹に悪いだろうが」

翔花「冬じゃないわ。もう、春でしょ?」

NOVA「春は名のみの風の寒さやってところだな。もう1、2週間したら春らしくポカポカ暖まってくるとは思うんだが、とにかく3月上旬はまだまだ寒い日が続いている。俺のお腹もピーヒャラピーヒャラだ」

晶華「とにかく、今のNOVAちゃんはテンション爆下げってことね」

NOVA「ああ。まさか『ドラゴンボール』や『ドラゴンクエスト』で有名な鳥山明さんがドラゴンイヤーに亡くなるとはな」

翔花「NOVAちゃんは鳥山さんのファンだったの?」

NOVA「ファン……と言うと、少し違うな。俺、鳥山さんのコミックを今まで一冊も買ってないんだよ。『Dr.スランプ』も『ドラゴンボール』も短編集とかも、友達が買ったのを借りて読ませてもらったり、ジャンプで連載中のものを読んだりで、掲載誌は買ったけど、単行本は買ってない。つまり、鳥山明さんの作品でお金を払ったのは『ドラゴンクエスト』のゲームとか攻略本関係だけだと思う」

晶華「すると、ファンとしては語る資格はない?」

NOVA「と言うか、鳥山さんの作品は80年代はメジャー過ぎて、あって当然の空気のような存在として受け止めていたんだな。床屋で散髪する前に置いてあるマンガでも読めるし、わざわざ買わなくても、連れの誰かが持ってる。俺が80年代当時、金を出して買ったマンガは『奇面組』『ウイングマン』『キン肉マン』『風魔の小次郎』で、あとは90年代に文庫で『ダイの大冒険』『リングにかけろ』『聖闘士星矢』『ジョジョの奇妙な冒険』とか、藤子不二雄関連、石ノ森章太郎関連、永井豪石川賢関連を買ったりしていたが、鳥山さんのマンガ単行本は買って集めようとも思わなかったな。まあ、『キャプテン翼』『北斗の拳』とかも友人とこで読んだので、要するに友人が持っているものを買う必要を感じなかったわけだ」

翔花「つまり、NOVAちゃんにとっての鳥山さんは、ファンとして追っかける対象ではなかったけど、時代の空気として当たり前に感じていた人ってことね」

NOVA「そうだな。ジャンプは普通に読んでたから(立ち読みだったり、飯屋や床屋に置いてあるのを読んだり、知人からもらったり、自分で買ったり、時期によってまちまちだが)、連載分をしっかり追いかけていたし、アニメ放送もZになる前の無印版はそれなりに追いかけていたから、ドラゴンボールについて無知というわけではないが、やはり俺にとっての鳥山さんは『ドラゴンクエスト』の方が遥かに印象深い」

晶華「そう言えば、前回、ハーカバーカの話で、ヤムチャさんのネタフィギュアを貼りつけていたけど、あれを書いた時点で……」

NOVA「亡くなったのは3月1日とのことだから、すでに故人だったわけだな。公表は昨日のことで、それなりにガーンと来ているわけだが、今年の訃報でも最大級の大物だと思う。まあ、個人的にはゲームブック作家のブレナン、脚本家の江連卓、女優の山本陽子、俳優および声優の前田昌明辺りが逝去の報に涙腺を刺激される名前だけど、さすがに鳥山さんほどのうわー感はない。いや、個人的にブレナンは重要人物なんだけどね」

翔花「NOVAちゃんが初めてプレイしたゲームブックの作者さんだっけ?」

NOVA「ブレナンさんの作品では、キャラクターが死ぬと『14へ進め』という定形があって、そこで作者にからかわれたり、励まされたりしながら、死後の転生(再プレイ)の方法を伝えられる。まあ、この人のゲームブックシリーズ『グレイル・クエスト(聖杯探求)』も、最初は『ドラゴン・ファンタジー』という名前で85〜87年に出版されていたんだな。その後、文庫版RPGも出ていた」

晶華「つまり、今年はドラゴンと名前の付く作品の作家にとっての厄年になっているってこと?」

NOVA「演技でもないことを言うなよ。ドラゴンイヤーだから、ドラゴンで盛り上がって欲しいんだよ。訃報でガッカリさせてどうする?」

翔花「訃報と言えば、『ちびまる子ちゃん』の声で有名なTARAKOさんも亡くなったそうね」

NOVA「鳥山さんのインパクトが大きすぎて目立たなくなっているが、『ちびまる子ちゃん』というキャラクターが『サザエさん』『ドラえもん』『クレしん』『名探偵コナン』などに匹敵する世代を超えた国民的人気アニメで有名どころだから、彼女の声を聞いたことのない人も少ないのではないか。まあ、スパロボ的には、ザブングルのチルと、ラムネスのヘビメタコなんだが」

晶華「亡くなった方の冥福を祈りたいと思います」

NOVA「ドラゴンクエストの3本柱も、すぎやまさんに次いで、鳥山さんが亡くなったことで、堀井さんには長生きしてもらいたいなあ。そして早くドラクエ12の続報が出ないかなあ、と期待している」

 

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NOVA、サラモニスより帰還する

ゲームブック世界からの帰還

 

NOVA「ふう、ようやくリモート先から帰って来たぜ。良い新作ゲームブック体験だった」

晶華「くらえ、花粉症バスター!」

NOVA「ぶほっ! 帰って来るなり、いきなり何をする、娘よ」

翔花「NOVAちゃん、1週間前に作った花粉ケーキよ。しっかり召し上がれ」

NOVA「ちょっと待て。ケーキって生菓子だろう? 賞味期限は大丈夫なのか?」

晶華「冷凍しているから大丈夫。さあ、せっかく作ったんだから、きちんと食べてもらうわよ」

NOVA「1週間前の冷凍ケーキか……。食べて大丈夫なのかは知らんが、娘の愛を拒むと、俺は父親失格のような気がする。ここは、イヤでも食べるしかあるまい」

翔花「イヤなの?(涙目)」

NOVA「うっ、いや、それは言葉の綾で。イヤじゃないぞ。イヤー、娘が俺のためにケーキを作って、帰りを1週間も待っていたと思うと、涙が込み上げて来てな。ハハ、そろそろ花粉症の季節だなあ、と思うと、体内の水分が活性化して……(涙目)」

晶華「じゃあ、1週間遅れだけど、ハッピーバースデー♪」

翔花「ハッピーバースデイto NOVAちゃん♪」

NOVA「お、おお。また、今年も50歳だな」

晶華「え? 71年生まれだから、53歳のはずでしょう?」

NOVA「話さなかったか? ロシアがウクライナに侵攻した2022年2月24日以降、俺はこの戦争が終わるまで年をとらないことを誓ったんだ。だから、俺の年齢はそこから止まって、51歳になる直前なんだ」

晶華「何、そのとって付けたような、ご都合主義の設定は?」

NOVA「ご都合主義は認めるが、別にとって付けたような設定じゃないぞ。この記事を見よ」

翔花「あ、確かに、ウクライナの戦争が終わるまで、永遠の50歳宣言をしてるわ」

晶華「本当に? 去年はどうかしら?」

NOVA「去年はちょうどドンブラザーズが最終回の日とかぶったから、ドンブラ脳でその設定を忘れてしまっていた」

翔花「ドンブラ脳なら、設定が覆っても仕方ないわね」

NOVA「だろう? だけど、キングオージャーの最終回は1日ズレて2月25日だったから、俺のウクライナが平和になるまでの50歳宣言は効力を発揮してるわけだ」

晶華「でも、そんな宣言に意味あるの?」

NOVA「肉体は年を重ねると思うが、精神的に老け込まないことは大事。少なくとも、この年になると、誕生日が来ても若い時みたいに嬉しくないんだわ。無理やり、ハッピーなネタをこしらえてテンション爆上モードに演出することはできるが、それが今年はサラモニスだったわけだよ」

晶華「つまり、自分の誕生日を言い訳に、娘を放置したまま、ゲームブック脳に耽っていたってことね」

NOVA「まあ、そういうことになるな」

晶華「こっちは、NOVAちゃんとのハッピーバースデイを楽しみに待っていたんだよ(涙目)」

NOVA「お前たちの今月の誕生日はしっかり祝ってやるからさ」

翔花「NOVAちゃん、わたしたちの誕生日はいつか、覚えてる?」

NOVA「あ、ああ。去年は1日まちがえていて済まなかったな。今年は同じミスを犯さない。3月27日の水曜日だ。仕事が春期で忙しい時期に突入しているが、頑張って6歳の誕生日祝いの記事を書くから許してくれ」

晶華「それはもちろん、祝ってもらうけど、その前に冷凍花粉ケーキを食べてもらうわよ」

NOVA「冷凍花粉ケーキか。大丈夫だ、俺はサラモニスで運命神に導かれ、サラモン王よりFFの称号を授かった男。これぐらいの試練は乗り越えられる」

翔花「わたしたちの作ったケーキを食べるのが、試練ってこと?(涙目)」

NOVA「うっ、いや、それも言葉の綾ふたたびで。試練かもしれん、そうでないかもしれん。とにかく、思いこんだらシレンの道を行くが男のど根性♪だ」

晶華「昔のアニメに寄り道脱線して、下手に時間稼ぎをしても無駄なんだから。さあ、くらえ、冷凍花粉症バスターケーキ!」

NOVA「ちょ、ちょっと、何だかケーキが必殺技みたいになってるんですけど?」

翔花「解説するね。冷凍花粉ケーキは、わたしとアキちゃんのW花粉症バスターの成分をケーキに込めて、それを冷凍保存したケーキなの。だから、必殺技の成分が入って栄養抜群なんだから」

NOVA「必殺技の成分で栄養抜群……って調理方法は聞いたことがないんですけど?」

晶華「大丈夫。死なないから」

NOVA「でも、お腹を壊すんじゃないか?」

翔花「こんなことで壊れるような柔なお腹じゃ、この先の敵には勝てないから、ここで脱落した方が身のためよ」

NOVA「この先の敵って何? 冷凍花粉症バスターケーキより、恐ろしいものが待ってるのか?」

晶華「大丈夫。NOVAちゃんならきっと乗り越えられる。花粉症ガールの父なんでしょ?」

NOVA「あ、ああ。娘の愛はしっかり受け止めないとな。たとえ、嵐が吹こうとも、たとえ大波荒れるとも、温もりを信じ合えば、みんなの笑顔も近いはず。そうだ、ボルテスVに命を預けて、冷凍花粉症バスターケーキを俺は制覇する! 行くぞ、Vトゥギャザー! レッツ・ボルトイン! 天空剣、ケーキVの字斬り! そして、パクッ!」

 

 はたしてNOVAの運命は?

 

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龍王丸とスターガオガイガーの話(DD第3章パート10)

NOVAの近況

 

翔花「必殺話が終了した後、NOVAちゃんがリモートモードで別ブログに行きっぱなしね」

晶華「今、サラモニスってところにハマっているらしいから」

翔花「サラモニスって?」

晶華「詳しい話は、こちらを見て、とのこと」

翔花「ゲームブックの世界ってことね。これじゃあ、しばらく帰って来れないかあ」

晶華「明日には帰って来ると思うわ」

翔花「どうして?」

晶華「どうして……って、明日が誕生日だからよ」

翔花「え? 誕生日って、3月27日じゃなかった?」

晶華「それは私たちの誕生日。去年はNOVAちゃんが間違えて、3月28日に誕生日祝い記事を書いていたけど」

翔花「すると、2月26日は誰の誕生日なのかしら?」

009『それは、ぼくの誕生日だな』

晶華「確かに、ナイン君はNOVA2009だから、誕生日はNOVAちゃんと同じだけど、年はとらないので、いつまでも009なのよね」

翔花「ナイン君登場から、今年で何年めだっけ?」

009『……今、過去記事を検索すると、NOVA2009としてのデビューはこの記事らしい』

晶華「2020年デビューで、今年は4年めになるのね。だったら、009から013にバージョンアップしてもおかしくない。それなら、明日から014(フォーティーン)と名乗るといいわ」

009『いや、そうなると、仮面ライダー剣の映画ボスになってしまうだろう。ぼくは009でいい』

翔花「とにかく、ナイン君はNOVAちゃんの代役なのよね。だったら、明日の誕生日にNOVAちゃんがサラモニスってところから帰って来なかったら、代わりにナイン君の誕生日を祝いましょう」

009『え? ぼくの誕生日を祝ってくれるのか? それは嬉しいが、NOVA本人は祝わなくていいのか?』

晶華「まあ、去年、私たちの誕生日をうっかり1日間違えたわけだし、今年は祝わなくてもいいんじゃない? 本人もこれ以上、年を取らないほうが幸せだと思っているだろうし」

009『う〜ん、だったらNOVAの代わりに、同じ2月26日生まれの人をいろいろ祝うか』

晶華「誰がいるのかしら?」

 

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娘のために戦う裏稼業(まっしぐら&剣劇人)

これで最後の必殺ヒロイン話

 

NOVA「非・仕事人のヒロイン話も今回で終わりだ。仕舞人(81年)から橋掛人(85年)までの5年間、5作品は西崎みどりさんをレギュラーにした作品が続き、中村主水の仕事人シリーズよりも女性にスポットを当てた小品を基軸に、主水シリーズで描きにくいテーマを補完する役割を果たしたと言える」

晶華「ある意味、仕事人を表とするなら、非・仕事人が裏ということになるわね」

NOVA「仕舞人で元締めの坂東京山をチームの母親とするなら、若手の踊り子リーダーのおはなが娘に相当するし、非・主水シリーズは殺し屋チームの中での母娘関係や夫婦関係などの家族愛にスポットを当てた作風だと総じて言えるだろう。仕事人では、三味線屋のおりくさんと勇次の母子関係や、秀とお民ちゃんの年の離れた兄妹関係など、義理の家族模様を描いてはいたけど、政と竜の時代から壱弐参のはぐれ仕事人の時代にかけて、一匹狼的な仕事人キャラが定番になるのと比べると、その時期の非・主水シリーズの方がよりレギュラー男女の日常的な情愛が描かれやすい感じだな」

翔花「中村主水さんの夫婦関係は、情愛というよりもホームコメディ的な扱いだもんね」

NOVA「今の時代では、昭和のステロタイプ性別像と批判されるかもしれないが、女元締めはウェットな情に流されやすく、主水も含む父系組織の方が掟とか義といったハードな物語になりやすいという作品傾向がある。まあ、女殺し屋として散った、からくり人の元締め仇吉や、うらごろしのおばさんなどは、それぞれハードな最終回だったけど、結末はともかく女性が中心のチームは総体的に人情路線のストーリーになりやすいってことだ」

晶華「今の小五郎さんのシリーズは?」

NOVA「元締めは和久井映見さんのお菊さんだけど、彼女がチームのリーダーシップを積極的にとっているようには描かれていないよな。形式上のリーダーではあるけれど、どちらかと言えば受付嬢的な立場で、チーム運営については放任主義というか、元は主水さんの秘書とかマネージャー的なポジションから、惰性的に続けている気がする。

「脚本的にも、お菊さんをメインにした人情劇とかは、これまでも描かれて来なくて、小五郎と涼次だけだと意見が対立しがちなのをマイルドに仲裁する役どころ。でも、本人はあまり強く自己主張する姿勢は見せず、歴代の女元締めの中で最も押しが弱い感じだ。女性リーダーなんだけど、決して強いリーダーシップをとるわけじゃない。ただ、ドラマとして描かれていない範囲で、表でも裏でも顔が非常に広く、それなりに財力も持っていることが示唆されているから、チームのマネージメントはしっかりできているんだろう」

翔花「ビジネス的な関係ってこと?」

NOVA「何しろ、今のチームって成立過程が描かれていないからなあ。2007年にシリーズが始まった時点で、主水、小五郎、涼次、お菊のチームがすでに仕事していて、そこに新入りの源太や匳、リュウ、陣八郎の参入や退場エピソードが入ってくる。主水さんがいなくなった後で、小五郎、涼次、お菊の関係性が深く掘り下げられることもなく、ダラダラ付かず離れずのドラマを継続してきたわけだ。ここで小五郎が退場したら、お菊さんがリーダーシップをとることを期待するんだが、棗の参入によっても、チームの雰囲気がマイルドな方向になる可能性が高いなあ」

晶華「次があれば、女性主導の仕事人チームに変わるかもってことね」

NOVA「だから、過去のモデルケースを参考に、復習して来たわけだ。ただ、ここまでの小五郎シリーズの傾向としては、レギュラーの女仕事人とか人情重視ドラマを切り捨てる方向で、仕事人の80年代よりも70年代に時代を逆行していたような作風だから、ここで男女の殺し屋の数のバランスをとることで、作風がどう変わるかは気になる。役者を変えての2代め小五郎続投なら、キャラ配置は変わらないのだろうけど、現時点では何が正解かは分からない」

翔花「NOVAちゃんの希望は?」

NOVA「ゲスト出演でいいから、旧必殺俳優が出て来ることだな。涼次の忍者時代の師匠として京本政樹さんが出るとか、お菊さんの昔馴染みの女元締めとして工藤夕貴さんが出るとか、ちょっとぐらい昔の必殺作品とのリンクを匂わせるキャスティングがあれば嬉しいな。あるいは、谷村美月さんが成長した如月役として出ると、シリーズの歴史を大切にしている風で感じ入ると思うな」

晶華「NOVAちゃんの願望が実現したら、また祭り記事を書くとして、今回は昭和のレギュラー放送最後の2作について語って終わるのよね」

NOVA「ああ、ある意味、シリーズ内の異色作3本に入るであろう『必殺まっしぐら!』(86年)と『必殺剣劇人』(87年)だな。最大の異色作は『翔べ!必殺うらごろし』(78年)であることは言うまでもないとして」

 

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非・仕事人シリーズのヒロイン話2(仕切人、橋掛人から仕舞人へ)

再放送で追っかけて

 

NOVA「さて、83年に『仕事人III』の途中から必殺シリーズを見始めて、『渡し人』を経てから『仕事人Ⅳ』に至った俺。その後、時系列順に『仕切人』以降も喜んで追いかけたファンだったが、それとは別に、『シリーズがあるなら、旧作も何とかチェックしたい』というマニアの入り口に入るわけだ」

晶華「全作品網羅なんて考えるのが、ただのファンとマニアの違いらしいわね」

NOVA「受け身に与えられた、もしくは目についた作品をただ消費するだけの一過性なただの好きがファンで、それが積極的に追いかけて、シリーズコンプリートとか、レアアイテム見っけとか、作品論を語り始めるとか、愛好家の話を喜んで拝聴するとか、自分で喜んで小道具を作ったり映像編集したり、まあ道はそれぞれだが、とにかく過剰な心意気で作品を追いかけて、一家言ぶてるほどの執着を持つに至った愛好家がマニアだもんな」

翔花「NOVAちゃんの中でのファンとマニアの違いね」

NOVA「まあ、マニアにもいろいろなレベルがあるが、1983年だとまだレンタルビデオ業界も発展しておらず、そもそも必殺シリーズのビデオ商品なんて物も、その段階では存在しなかったはずだし、俺がビデオで必殺シリーズを追いかけるようになったのは、平成に入って大学生になってからの話だ。よって、それまでの必殺旧作追っかけの手段はTVの再放送に限られる。俺の記憶では、初めて見た必殺旧作は日曜の昼に地元ローカルのサンテレビの再放送でやっていた『必殺商売人』となる」

NOVA「で、商売人については、まだ必殺初心者の頃に再放送で見たわけだが、その内容をよく理解しておらず、後年(2009年)に再び再放送で見た話がここからになる」

NOVA「2009年の過去記事読んで、ついでに仕事人2009の昔書いた過去記事なんかを読むのも一興だなあ、なんて思ってるわけだけど、実は必殺シリーズの歴史懐古は昔、いろいろ書いているんだよね」

翔花「わたしたちが2018年に誕生して、ここのブログがNOVAちゃんと花粉症ガールのお喋りモードになる前から、NOVAちゃんは必殺追っかけを続けていた、と」

NOVA「だから、去年が俺の必殺追っかけ歴40周年だってことだよ。で、必殺シリーズの歴史を時系列順に語っても、今さら芸がないと考えているわけだから、テーマ別に記事書きして、今回は『女の仕事人ほかの裏稼業』で語り尽くそうとしているわけだな。棗さん登場記念でもあるし、小五郎の引退ということで、シリーズ継続が危ぶまれている中での総括とか、俺視点での必殺追っかけ史みたいなものも混ぜている次第だ」

晶華「時系列順なら、『うらごろし』→『仕事人』→『仕舞人』に続くところを、『渡し人』に行っちゃったのは、NOVAちゃん視点ってことね」

NOVA「そうだな。そして、サンテレビの再放送で『商売人』→『からくり人 富嶽百景殺し旅』→『暗闇仕留人』→『仕置屋稼業』ぐらいまでを追っかけつつ、『激闘編』時期の朝日放送の再放送で、『仕掛人』→『仕置人』→無印の『仕事人』などに続きつつ、87年にサンテレビで『うらごろし』も見たりしながら、少しずつ知識の穴を埋めて行ったわけだが」

翔花「再放送での追っかけは、地方ごとの放送タイミングに左右されるから、いつにどの番組をどの順番で見たかの感覚が、個々人ごとにズレて来るのね」

NOVA「同じ番組でも、中学時代に見たか、大人になってから見たかで感想が変わって来るものもありだからな。若いときに理解できなかったものが、10年後に味わいが分かるようになったり、誰か先達の感想に接して、そういう観点で見れば楽しめるのかあ、と開眼したりすることもあるから、作品に対して安易に駄作のレッテルは貼りたくないわけだよ。『自分にとっての傑作』は主張するけど、『自分にとっての駄作』を主張しても単に物を見る目がない(育っていない)だけ、というケースもあって、それは作品の罪ではなくて、自分が未熟なだけ(あるいはその作品を味わう素養の欠如)だからな」

晶華「でも、良い物と悪い物を峻別する目は必要よ」

NOVA「だから、評論家は良い物と悪い物の例を示しながら、良い物を教えてくれるのであれば建設的に学べるし、良い物の良さをろくに示すことなく、主観的な悪口をあたかも一般論のようにバラまくしか能のない輩は、話を聞くに値しないと俺は認識している。まあ、俺はせっかく作品を見るなら、楽しんで見たいわけだし、楽しめる要素を見出すことに喜びを感じる人間だからな」

翔花「だけど、楽しめない作品もあるでしょ?」

NOVA「まあ、好きなジャンルとか、作風とかもあるからなあ。それに、本当に美味しいものを食べた後だと、その味を繰り返し楽しみたいのに、他の同種の作品が見劣りするように思えて、その物足りなさの正体が何なのか探りたくもなる。そして、いろいろ追っかけているうちに自分の趣向を知って……別ジャンルにその要素を見出してセレンディピティを感じたり、自分が気付かなかった味わいを舌が肥えたから気付かされたり、逆に昔は好物だった濃い味付けがドギツく感じられて淡白な方向に好みが移ったり、作品論を語るにしても、料理を語るにしても、語り手の視点や感覚の変遷があったりする」

晶華「何だか難しいことを言ってるわね」

NOVA「簡単に言うと、夏の暑いときに食べるアイスクリームは美味しいが、冬の寒空の下で食べるアイスは美味しくいただけない。だけど、部屋の暖房がきいた場所で食べるなら、冬のアイスが季節外れなのに美味しく味わえたりもする。それを、単純に『冬にアイスを食べるなんてバカか?』と斬って捨てる人間に、アイス好きの人間は『冬アイスの美味しさが分からないなんて、可哀想な人間だ』なんて思ったりするわけだよ」

翔花「NOVAちゃんは冬アイス派?」

NOVA「いや、俺は夏冬関係なく、『食べたいときにアイスを食べる派』だ。アイスマニアじゃないので、自分から積極的にアイスを求める人間じゃないけど、アイス好きな人間を否定しないし、他人がアイスを美味しく食べているのにバカにするような輩は無粋だと思っている。ただ、世の中には自分が好まないことに対して、どうしようもなく攻撃的でバカにする人種がいるってことだ。こんなものが流行するなんて世も末だ。世の中を良くするために、私が間違った風潮を正さねば……と強烈な使命感に駆られがちな人とかな」

晶華「もはや、必殺話じゃないわね」

 

NOVA「おっと、『エセ評論家を斬る』みたいな話の流れになってしまったな。とにかく、軌道修正すると、中学時代に分からなかった商売人の良さは、大人になって多くのマニアな先輩諸兄の言論を土台に、少しは自分でも感じられるようになった。ただ、それには仕事屋稼業でのおせいさんの話の前提が必要だったし、夫婦の殺し屋という人情の機微が読みとれるほどの人生経験が必要だし、男女の仲のハッピーエンドで終わらないほろ苦さを受容する出会いと別離の人生経験も必要かもしれないし、作品を受け止められるタイミングがあると思うんだ」

晶華「だから、NOVAちゃん個人は、傑作・駄作の見極めはマニアほど慎重に、ってことね」

NOVA「時代が変われば、かつては駄作呼ばわりされたものが再評価されることもあるからな。ともあれ、前回、語っていた『渡し人』だけど、『商売人』がテーマとして掲げた夫婦というものを発展させて、殺し屋夫婦は幸せになれないという路線を見せたのがベテラン惣太で、被害者としての洗礼を経て殺し屋の世界に足を踏み入れた大吉夫妻は、新たに幸せになれる80年代の方向性を示したとも言える」

翔花「ああ、夫婦をテーマに『商売人』→『渡し人』につながるわけね」

NOVA「間にいろいろな作品を挟んだから気づくのに時間がかかったけど、自分にとっては、『渡し人』と再放送の『商売人』が同タイミングで視聴していたわけだよ。でも、今までこの両作は、自分の中ではつながっていなかった。ここに来て初めて、夫婦裏稼業の末路ってテーマで考えたときにつながったってことだ。両作を最初に見てから40年を経て、ようやくな」

 

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非・仕事人シリーズのヒロイン話(渡し人編)

今期最後の必殺懐古話(の予定だけど)

 

NOVA「さて、2月に入ったので、必殺話もそろそろ終わらないとな」

晶華「よく、ここまで語るネタがあるわね」

NOVA「むしろ、必殺ヒロインについて語るなら、仕事人以外の方がネタの宝庫だと思うな。仕事人は長らく密偵役のレギュラーだった加代さんや、中村主水の姑嫁のせんりつコンビ、それに山田五十鈴さんの枠が固定されているので、女性の殺し屋数が限られている。女性の裏稼業について語るなら、非・仕事人シリーズの方がネタが多いほどだ」

翔花「確か、仕事屋稼業から草笛光子さんの女元締めが始まって、1クール物のからくり人から山田五十鈴さんの女元締めが定着し、うらごろしから女性レギュラーの方が男性よりも多くなったって話を聞いたわ」

NOVA「元締め役だった草笛光子さんが中村主水と合流したのが商売人で、同じく山田五十鈴さんが主水と合流したのが仕事人。その後、第3の女元締めとして京マチ子さんが抜擢されたのが、必殺仕舞人のシリーズだ。旅芸人の一座が江戸以外で裏稼業を営む形式で、新からくり人以降の非・主水旅もの形式を受け継いでいるとも言える」

NOVA「歴史順に並べると、仕事人→仕舞人→新・仕事人→新・仕舞人→仕事人III……と続くわけで、最初の仕事人以降は、中村主水役の藤田まことさんのスケジュール空き期間を作るための非・主水シリーズが1クール分、仕事人の間に挟まる形で展開されるようになる。そして、どうしても仕事人中心で考えるなら、非・主水シリーズは場つなぎのための小品扱いされがちだが、『女性メインの裏稼業』『マンネリ化した仕事人に対して、いろいろなアイデアを試せる実験精神に富んだ佳作』『仕事人よりも奇抜な殺し技や演出』などで、シリーズの可能性を考える上では宝の山だと考えている」

晶華「仕舞人のテーマは『女の涙を晴らします』みたいね」

翔花「つまり、花粉症ガールと相性がいいってこと?」

NOVA「そして、この作品から歌手にして、女優にして、日本舞踏家の西崎みどり(現・西崎緑)さんが5作品の非・主水シリーズに連続出演して、マイ・ベスト必殺ヒロイン女優という道を歩むことになる」

晶華「あれ? 女仕事人の最高峰は何でも屋の加代こと鮎川いずみさんだと言ってなかった?」

NOVA「仕事人だけを考えるならそうなるが、昭和の必殺シリーズ全体を見ると、西崎みどりさんを抜きに語れない要素もいろいろあるんだよ。彼女のシリーズデビューは、第4作『暗闇仕留人』の主題歌、『旅愁』でまずは歌手としてのスタートだ。その時の彼女は弱冠14歳で、芸能活動は子役から始めて、作曲家・平尾昌晃先生の秘蔵っ子とも言われたそうだ」

NOVA「『暗闇仕留人』は1974年の作品だから、今年で50周年となる。そして、これまでの必殺シリーズが大体、殺しのシーンだとアップテンポのアクション曲が続いた中で、本作は『旅愁』アレンジのスローバラードの曲で、殺しのシーンが演出される。それと、主役の石坂浩二が演じるインテリ蘭学者・糸井貢の悩み多きドラマ、そして愛する妻を殺され、最終話で自身も非業の死を遂げた展開で、全体的に湿っぽいストーリーが特徴だけど、後期の仕事人にはなかなか見られない殺し屋の葛藤や悲劇的な末路、そして要所要所で挿入歌としても流される『旅愁』の演出などが相まって、歴代必殺シリーズの中でも人気の高い作品だ」

翔花「ふうん、話が遡ってる気がするけど、50周年記念なら納得ね」

NOVA「で、西崎さんはこの仕留人の最終話で、悪役の娘としてゲスト出演している。父親の悪業を知らない純朴な娘で、糸井貢が彼女の絵の先生として関わりのある関係だ。悪人と言えども、娘にとっては良き父親であり、また貢にとって大願とも言える開国派の役人だったために、殺しに迷いが生じた貢は返り討ちにされてしまうわけだな。

「また、父親を失った娘の悲劇も映し出して、遺体が海に流される貢と、自身の歌う主題歌をバックに孤独に巡礼の旅に出る西崎さんの姿で、話が終わる流れ。もう、『暗闇仕留人』で一話限りのゲスト出演とは言え、主題歌と合わせた西崎さん(弱冠14歳)のイメージが作品の雰囲気を引き立てたと言っても過言ではない。本当に、暗闇仕留人の最終話は、主水が初めて味わった仲間の死とも相まって、必殺マニアの間では大いに語り草となっている」

晶華「なかなかハードな話みたいね」

NOVA「時代背景が、ウルトラマンレオと同じく石油ショックで陰鬱世相の真っ只中だからな。仕置人のテーマが晴らせぬ恨みを晴らす怒りを強調しているのに対し、仕留人は主人公に殺しの虚しさを語らせている。そこから主水の本格的な『稼業としての殺し』に続くのが仕置屋稼業で、黒船が来た世相を巻き戻すなどの背景リセットを行いつつも、1人の殺し屋としてのドラマは継続されて、必殺マニアの研究ネタとなっていくわけだけど、それはさておき、その後の西崎みどりさんだ」

翔花「今回のメインヒロインは、西崎みどりさん?」

NOVA「ああ。俺が必殺シリーズで初めて、『萌え』という感情を意識した女優さんが西崎さんということになるな。当時は、そういう概念がなかったけど、とにかく西崎さんは清楚な美人のお姉さんという形で、『渡し人』で初めて見たときから必殺女優として注目していたんだ」

晶華「NOVAちゃんの必殺初恋ヒロインってこと?」

NOVA「まあ、当時はそういう意識はなかったけどな。ただ、後から振り返ると、西崎さんという女優にして歌手の声や演技に惹かれていたのは事実だと思う。後に『仕切人』で山本陽一演じる日増(通称スキゾー)というキャラとコンビで、火薬を使った殺しの前の陽動役を担当する形で、言わば順之助と加代コンビみたいな形の役回りを担当するんだが、順之助にとって加代が保護者的なおばさんだったのが、スキゾーにとっての西崎さん(役名はお清)は『おねぇと呼んで、スキスキと求愛する対象』だったわけで、この加代との扱いの違いは何だろうと思っていたんだが、役者の年齢が当時24歳ということか、と後年納得した」

翔花「加代さんに比べて、若いってことね」

NOVA「加代さんも美人女優で、それでも三田村さんより2歳上、西崎さんよりは9歳上ということになるのか。まあ、年齢差が9歳なら、加代さんがおばさんで、西崎さんはおねぇ扱いってことも納得かな。とりあえず、西崎さんと同年齢の有名女性だと、大場久美子山本百合子鶴ひろみ浅野ゆう子麻倉未稀、美保純、涼風真世黒木瞳石田えりなどなどとなって、俺の世代だと憧れても不思議じゃないわけか。まあ、俺にとっての当時のアイドルは中森明菜で、もう5歳年下になるんだが」

晶華「その世代だと、誰がいるの? NOVAちゃんのツボは?」

NOVA「佐久間レイ小林靖子さくらももこブルック・シールズ緒方恵美沢口靖子河合その子松本伊代、渡辺典子、大谷育江橋本潮柏原芳恵……と言ったところか。まあ、アイドルとしてファンになったというわけじゃなく、80年代に露出が高くて印象的だった歌手とか女優、それと90年代以降にクリエイターとして作品を楽しんだ女性に分かれているか。もう少し後になると、南野陽子が出て来るし、俺と同じ年齢の必殺女優は、剣劇人の工藤夕貴ということになる。まあ、当時は自分と同じ年齢=女優としては幼いというイメージで、TVに出る芸能人として憧れの対象になるのは5歳から10歳ぐらい上ということになるか。

「まあ、俺が初めて惚れた映画の登場人物の1人は、『メカゴジラの逆襲』に出てきたサイボーグ少女役の藍とも子さんと記憶するんだが、役者に惚れたというよりも役柄に惚れたという形だな。仕事人IIIでも順之助主役回で、被害者のお姉さん役で出ているので、悲劇女優に感情移入してしまう気質はあるらしい」

晶華「涙に惚れやすいのかもね」

NOVA「否定しない」

 

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続々・必殺仕事人本の話(竜の完結編)

最後の『最後の大仕事』話

 

NOVA「一記事で、政と竜の話が終わるかな、と思ったら、予想よりも長引いたので、竜の話を切り分けての完結編だ」

翔花「秀さんだけで二記事ぐらい書けるって言ってたけど、割愛したのよね」

NOVA「ああ、秀は最初の仕事人(79〜81年)と、新・仕事人〜Ⅳまで(81〜84年)と、映画の必殺3で復活してからの、まっしぐら(86年)と、激突(91年)で細かいキャラ付けが違っているので、いろいろ語ろうと思うと、ネタがたくさんあるんだよ。まあ、インタビュー本の主流は、最初の仕事人からⅣまでの5年間で、まっしぐら以降は触れられていないんだけどね」

晶華「撮影がきついから、と足抜けした秀さんがどうして帰って来たの?」

NOVA「役者としては必殺に限らず、舞台とかいろいろな仕事に触れたかったから、という理由もあって、必殺をやめる際にはプロデューサーさんとあれこれややこしく揉めたそうだけど、映画の撮影に際して、工藤栄一監督に来てくれ、と呼ばれて、その流れでまっしぐらにも出たらしい。工藤監督は、秀にとっても、政にとっても重要な恩人だったみたいで、どちらのインタビューでもいろいろ持ち上げてたほど」

翔花「どんな人?」

NOVA「仕事屋の最終話とか、からくり人の最終話とか、とにかくハードな作風に定評がある。映画の必殺3の予告編を見るだけで分かるだろう」

晶華「なるほど、からくり人を全滅させたり、組紐屋の竜さん他2名の仕事人を映画で殺した監督さんね」

NOVA「俺が必殺を見始めた時は、いわゆるバラエティ路線になっていて、この人は撮らなくなっていたんだが、映画の必殺3でハードな活劇スタイルに初めて触れて、ええって驚いて、後から集団抗争時代劇の名手という評価を聞く。必殺以外の代表作の一本が『十三人の刺客』だそうだ」

NOVA「2010年には、三池崇史監督の手でリメイク版が公開された、とも」

晶華「って、今回は組紐屋の竜さんの話のはずなのに、どんな話の転がし方をしているのよ!?」

NOVA「転がるものは仕方ないだろう。まあ、とにかく今は……前置き完」

 

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