Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

続・さらなるマルチバースの話(ドラクエとかFFとか)

D&Dと絡めて

 

NOVA「前回は、ドンブラ映画が楽しみだワクワクって話と、ファミコン時代のドラクエおよびFFの話をしていたんだったな」

翔花「早くドンブラ映画を見に行って、FF3をプレイしたいよ〜」

NOVA「行くのは日曜日って言ったろう。1日ぐらい待ってなさい」

晶華「時空魔術師なんだから、さっさと時間を進めて明日にしなさいよ」

NOVA「それには、昼夜を逆転させるラナルータの呪文が最適なんだが、外伝なんかを除く正伝では、ドラクエ3〜5のみに採用で、現在はほぼ遺失呪文になっているな」

翔花「どうしてよ?」

NOVA「やはり、昼夜を逆転させるという大きな変化は、世界に与えるリスクが大きいから禁呪扱いにされた、という説が一つ。また、8と9を除くと、ゲームシステム的に昼夜のイベントの違いがなくなったからという事情が一つ。あとは、8と9では錬金釜というシステムが採用されて、アイテム生成に時間を費やすようになった。時間はゲーム内での移動距離から算出される仕様になっているんだが、もしもここで時間操作のできる魔法と組み合わせた場合、何だかシステムがおかしくなってしまうから、錬金釜を優先して大掛かりな時間操作呪文はなし、ということになったと推測する」

翔花「つまり、世界からラナルータが消えたのも錬金釜のせい。わたしたちが今すぐドンブラ映画に行けないのも、錬金釜のせい。諸悪の根源は錬金釜のせいってことね。だったら、そんな憎き釜を生み出した錬金術師を殲滅させましょう。ガッチャードはドンブラの敵ってことで」

NOVA「その短絡さは何だよ? 落ち着いて1日待つぐらいのことができないのか? むしろ、俺なんか時間の経つのが遅い方がいいのに、と思っているのに」

翔花「何で?」

NOVA「仕事が休みの日は、少しでも長く過ごしたい。社会人の誰もが考えることじゃないのか?」

翔花「わたしは社会人じゃないもん」

NOVA「だから、社会人の気持ちに立って考えろってことだよ。世の中には、休みの日は少しでも長く過ごしたいって考えながらも、1日が過ぎてしまうことに惜別の念を覚える大人がいっぱいいるんだよ。のんびりダラダラ過ごせる幸せをしっかり噛みしめることだな」

晶華「で、NOVAちゃんは何をしてるの?」

NOVA「資料の整理だ」

翔花「何の資料?」

NOVA「そうして見つけたのがこれだ!」

NOVA「今のテーマに近い話を、去年の2月にもやってたんだ。今年の3月にコンパーニュで語った話と一部かぶってるけどな」

晶華「同じような話を繰り返しているのって、成長しないよね」

NOVA「いや、それは同じ人間を相手にしている場合だろ? 去年はお前たちとD&Dの話を語り、今年はヒノキ姐さんと語って、勢いでウォーハンマーにまで達したんだ。同じことをやっているわけではなく、DNAの二重螺旋のように時期に合わせて遺伝子構造が進化してるんだよ」

翔花「でも、今回はわたしたちが相手なんだから、去年と違う話をしないと芸がないってことね」

NOVA「そうだ。だから、去年した話をチェックして、そこから先を目指さないといけないんだよ。勇気爆発のその先にビッグバーンがあるようにな」

晶華「まあ、ブレイバーンは去年はなかったけどね」

NOVA「去年の俺に、スミスとイサミの話をしても、ホモ臭くてイヤだって拒絶反応を起こしていただろうな。しかし、グエル・ジェターク→ルイス・スミスのイケボと漢ぶりにアニメキャラとして惚れ込んだんだよ。ソロキャンできるバイタリティと劇中でしっかり成長を遂げて第一印象の傲慢アニキぶりから謙虚なイケメンに返り咲いたグエル先輩の勇姿と、ヒーロー好きなあまり死んでも敵ロボと融合転生して時空跳躍を果たした後で、主役ロボにまでなってしまい、主人公のイサミを勇者に導いた好漢のルイス・スミスは、2023年度の俺の推しアニメW副主人公格だった!」

翔花「で、それとD&Dがどうつながるの?」

NOVA「D&Dにはつながらないが、スパロボDDの主演キャラ声優としてはつながるんだよな」

晶華「スパロボ30にも、次元の壁を越えてDLC参戦を果たしていたのね」

NOVA「ディーダリオンとして巨大ロボに変身した声優さんが、今度はルイス・スミスとしてもロボに変身するなんて、憧れるぜ。俺も巨大ロボに変身したいと思ったぐらいだ」

翔花「NOVAちゃんだったら、頑張ればロボにだってなれるよ」

NOVA「なれるかな?」

翔花「だって、ドンブラ脳なんでしょ? ドンブラだったら、ロボにだってなってるし」

NOVA「そう言えば、ドンブラは戦隊がロボに乗るんじゃなくて、ロボになる系のヒーローだったな。カクレンジャーなんかと同系統の変化(へんげ)型のロボだ。そうか、ドンブラ脳を極めれば、ロボにだってなれるってことか」

翔花「うん、そのためには変身後のイメージを作るために名前を決めましょう?」

NOVA「名前? う〜ん、新星合体といえば牙大王だし、輝星合体ビッグノバーンってのはどうだ?」

晶華「ベタすぎて、センスがないので却下ね」

NOVA「何を! ビッグノバーンの何が悪いんだ!?」

晶華「あからさまにブレイバーンの影響がありありでしょ。オリジナリティに欠ける」

NOVA「オリジナリティか。う〜ん、妄想合体だとアキバレンジャーっぽいし、時空合体も普通にありそうだ。俺らしく、他にないものといえば……おお、思いついた」

翔花「何なに? 花粉合体?」

NOVA「それは娘であって、俺じゃない。俺の芸を活かすなら、これだろう?」

 

寄り道脱線合体!

 

晶華「戦隊の放送時間枠は決まっているんだから、合体するのにいちいち寄り道脱線していたら、尺に収まらないから却下。合体事故が発生しそうなロボは、実戦の許可は出せません」

NOVA「う〜ん、ロボになるという夢は意外と難しいんだな」

 

DDからの道

 

NOVA「さて、ロボになるという夢は先送りにして、D&Dに話を戻すとだなあ」

晶華「FFじゃないの?」

NOVA「実は、FF第1作はシリーズの中でもトップレベルにD&D要素が強いんだ」

翔花「第1作って、何年の作品だっけ?」

晶華「87年12月よ。その年の1月にドラクエ2が出て、翌年の2月にドラクエ3が出たから、その間に収まるわけ」

NOVA「87年のゲームで今も有名なのは、パソコンゲームの『イース』と、FF1の前日に出た『ロックマン』と、対戦格闘ゲームの2になる前の初代『ストリートファイター』が挙げられるな。なお、英語版のウィザードリィ4の時代で、ライバルのウルティマは4が85年で、5が88年で、パソコンRPGファンはそっちを注目していた時代だ」

晶華「ファミコン版のウルティマは?」

NOVA「おっと、それも87年の10月だったな」

 

晶華「って、何でドラクエやFFの話をするはずなのに、ウルティマのプレイ動画なんて見てるのよ?」

NOVA「いや、俺、パソコン版のウルティマ3は攻略したけど、ファミコン版はプレイしたことないんだ。どんな感じかな、とつい気になってしまったわけで」

NOVA「なるほど。これでファミコン版のウルティマクソゲーと言われている理由が納得だ。攻略本なしには解くのが難解な謎と、戦闘がいかにも楽しくなさそう、あとゲームパッケージのイラストと実際のキャラクターのグラフィック格差の大きさ。まあ、グラフィックについては、ファミコン時代だから仕方ないにしても、ドラクエやFFはモンスター絵が鳥山さんや天野さんのイメージを再現しているのに、ウルティマは戦術マップでのユニットアイコンの敵だからチマチマした外見。やはり、戦闘シーンにおける敵の絵の大きさは大事だな、と」

晶華「ラスボスのエクソダスとは、バトルにならないってのも、盛り上がりに欠ける感じね」

NOVA「まあ、これはウルティマというシリーズのゲーム性としか言えないな。バトル重視ではなくて、知恵と工夫で危険を避けて目的を達成するゲーム性だから、バトル好きはウィザードリィを楽しめ、と。ファミコンウィザードリィも、1987年に発売されて、ウルティマよりも遥かに好評だったわけで」

晶華「ウィザードリィは元々、グラフィック重視のゲームじゃなかったから、ファミコンでも原作のパソコンゲームの再現がしやすかったと聞くわ」

翔花「パッケージ絵も、アニメ風に媚びることなく、いかにもマニアさん好みのシックな感じだしね」

NOVA「なお、最新版のウィザードリィ1はこんな雰囲気だ」

翔花「それで、FF3の話の続きかと思ってワクワクしていたのに、何でウルティマさんとかウィザードリィさんに先祖返りしちゃってるの?」

NOVA「まあ、D&Dが起源なんだが、それをコンピューターで再現しようとして、ダンジョンとモンスター退治とアイテムゲットを突き詰めたゲームがウィザードリィ、広がる世界を探索し謎を解明していくエキスパートなシナリオと秘めたるSF要素に展開したのがウルティマということになる」

翔花「D&Dから生まれた2人の子どもがWとUの2本なのね」

NOVA「で、それらの美味しいところ取りをした初心者向きハイブリッド作品がドラクエだ」

翔花「FFは?」

NOVA「一般にFFはドラクエの後釜と言われているが、少し待って欲しい。実は当時のスクウェアは、ウィザードリィ風のゲームである『ディープダンジョン』(86年12月)を先に作っている」

晶華「そんなゲームがあったんだ」

NOVA「ファミコン初の3Dダンジョンゲームらしい。それと厳密には、開発元がハミングバードソフトで、発売元がDOG(スクウェアが提唱した複数のパソコンソフト会社の連合体)。そして、このゲームの売り上げがそこそこ良かったおかげで、ハミングバードソフトが成長し、その後、『ラプラスの魔』や『ロードス島戦記』のパソコンゲームを作る流れになったそうだ」

晶華「へえ。つまり、ロードスの系譜元に『ディープダンジョン』があったってことかあ」

NOVA「イニシャルもDDになるわけで」

翔花「すると、こういう流れになるの?」

 

D&D→ウィザードリィディープダンジョン→FF

 ↓              ↓

ロードス島戦記(リプレイ) ロードス(パソコン版)

 ↓       ↓                     ↓

ロードス小説  テーブルトーク版ロードス

 

NOVA「『ディープダンジョン』がいわゆるミッシングリンク的存在として、マニア心のツボを突くわけだ。つまり、スクウェアという会社はドラクエの成功を見て、後からのこのこRPG製作に乗り出したのではなく、ドラクエ2が出る前に、ディープダンジョンという形で同年末にファミコンRPG界に参入。

「そして、FF第一作は、D&Dのシステムと、ウルティマRPGのビジュアル面を採用した独自性を持った作品として登場したんだ。ドラクエがあまりD&D要素を持たないのに対し、FF1作めはゴブリンを始めとするモンスターや、エルフを始めとする異種族、そしてウィザードリィおよび原点のD&Dを踏襲した魔法のレベルごと回数消費制(ドラクエの採用したMP消費制ではなく)、その他、ビジュアル面も含めてドラクエとの差別化、新鮮さをこれでもかと見せつけたアンチテーゼ的RPG作品として生み出されたわけだよ。これをドラクエのパクリと言ってしまうと、あらゆるマンガを水木しげる手塚治虫のパクリと言ってしまう暴言に等しいわけで」

晶華「ファイナルファンタジードラクエ以上に、TRPGの文脈に則って作られていると言っていい?」

NOVA「言っていいが、FF2になってシステムが大きく変わった。D&Dではなくなって、クトゥルフルーンクエストなどのベーシックRPG、つまりスキル制のゲームシステムを採用した。レベルアップではなくて、使用した能力が経験チェックによって個別に細かく成長するシステムは思いきりルーンクエストと言えるだろう」

翔花「ええと、D&DがTRPG界では第1世代、ルーンクエストは第2世代と呼ばれているそうね。FF1が第1世代のTRPGのシステムに準じ、FF2が第2世代のTRPGのシステムに準じたって話?」

NOVA「そう。ドラクエは1でコマンド型RPGを紹介し、2でパーティー制を取り込み、3で自由にキャラメイクとパーティー編成できる職業制システム(および転職によるキャラカスタマイズ)を導入して、3作かけてウィザードリィを追っかける道を進んで、一応のシステム完成形を見た。また、2で海を渡る乗り物として船を採用し、3で空を飛ぶ乗り物(ラーミア)を採用したのも、ウルティマ4(85年)の気球を受け継いだと言える」

晶華「キャラメイクや育成はウィザードリィ、世界の見せ方や旅の手段はウルティマを採用か」

NOVA「ドラクエに対するこういう考察は、同じコンピューターゲームだから、しばしば言及されるところだけど、ファイナルファンタジーについてはドラクエと対照的なライバルということばかり取り上げられて、テーブルトークRPGからのシステム採用というアイデア元については、ほとんど語られた記事を読んだことがない。おそらく、CRPG関連の記者はそこまでTRPGとの関連を掘り下げないし(源流のD&Dに比べても、ベーシックRPGという呼称自体マイナー寄りでマニアックなワードだし)、TRPG業界からもファイナルファンタジーの源流についてはスルーしてたというか、海外のパソコンゲーム(AD&D絡みとか)をプッシュするあまり、ファミコンRPGはメジャーなドラクエしか見ていなかった節がある」

晶華「たぶん、FF2のシステムは、それ一作で終わったからじゃない? それよりもジョブチェンジがFFの代名詞みたいになって行ったし」

NOVA「FF2のスキルごとの個別熟練度システムは、ロマンシング・サガの方に踏襲されて、メイン街道から外れて行ったからな。あるいはジョブ熟練度や魔石、マテリアなんかに受け継がれたという見方もできるが」

翔花「細かいシステムの歴史はよく分からないけど、もしかして、ファイナルファンタジーを日本のTRPG業界が意識したのって、21世紀に入った『アルシャード』(2002)が最初ってことかな?」

NOVA「ああ、ファンタジー世界に飛空艇を登場させたのは、『ギア・アンティーク』(91年)や海外の『アースドーン』(93年、邦訳は97年)を経て、スタンダード化させたのは『アルシャード』だもんな。後から『ソード・ワールド2.0』(2008)が追随した形だけど」

晶華「飛空艇はD&Dも採用したよね」

NOVA「まあ、ドラゴンランスのノームの発明品とかにもあったが、旧世紀にその辺のルールが邦訳されることはなく、小説のみに見られる程度だな。本格的に飛空艇のある世界を提示したのは、21世紀に入っての『エベロン』世界からだ」

 

飛空艇の発展

 

NOVA「さて、ファイナルファンタジーと言えば、飛空艇を連想するファンも多いと思うんだが、古代遺跡から発掘されたオーバーテクノロジーの産物で、もうこれだけで語ることができるほどネタが多いわけで」

晶華「FF1が87年だから、ドラクエ3ラーミアよりも先に空を飛んだことになるのね」

NOVA「そうだ。なお、飛空艇と言うと、アニメの『天空の城ラピュタ』(86年)のイメージも強いんだが、その前に俺にとっては『ムーの白鯨』(80年)の小型艇ムーバルが印象に残っている」

晶華「ええと、もしかして、『ムーの白鯨』って、ファイナルファンタジーのイメージソースになってる?」

NOVA「少なくとも、FF3から5ぐらいまでは類似点とか多く感じるよな。オリハルコンってワードも、俺は白鯨で初めて知ったし、俺よりもっと上の世代は『海のトリトン』で主人公トリトンの持つ短剣の名前が印象的だろう。FFのオリハルコンが短剣なのも、トリトン由来なんだろうな」

晶華「元ネタ発掘もいいけど、FFの飛空艇といえば、まずはエンタープライズかしら」

NOVA「FF3は複数の飛空艇が登場する初の作品なんだな。最初に登場するシドの飛空艇、船(海賊からの贈り物)から変形機能の付いたエンタープライズ、最速にして潜水機能も付くノーチラス、そして大型飛空艇のインビンシブル。それぞれの飛空艇にそれぞれのドラマがあって、語るだけでもワクワクする」

翔花「ああ、でも、今は語るのをやめて。わたしはこれからFF3をプレイするんだから、ネタバレを聞きたくないの」

NOVA「そうか。では、飛空艇の名前だけで勘弁してやろう。プレイ後に、お前が熱く語るといい。総括すると、新しいマシンが登場するのはワクワクするってことだ」

晶華「戦隊で2号ロボや3号ロボが登場すると、ワクワクするようなもの?」

NOVA「それもあるが、FF登場時は、仮面ライダーBLACKやRXの記憶がまだ新しくてな。バトルホッパーとロードセクター、アクロバッターとライドロンといった感じに、複数のバイクやマシンが登場して、用途によって乗り分けたりするんだ。まあ、ライダーが初めて複数のバイクを使うようになったのは、スーパー1のVジェットとブルーバージョンからだな」

翔花「あれ? 最初のライダーさんがサイクロン、改造サイクロン、新サイクロンって乗り換えるのが初じゃなかった?」

NOVA「いや、マニアックに言うなら、それが正解だけど、サイクロンはサイクロンだろう? 複数のサイクロンを使い分けることはしない。撮影時はオフロード用とオンロード用の複数のバイクを使い分けたり、アクション用に邪魔になるカウルを外したものを用意して、アップ時にだけカウルを付けて、分かる人にはバイクが回によって切り替わっているのが分かるとか(俺は映像で気づかずに、書籍で読んで初めて認識した口だが)、とにかくサイクロンにも飛空艇に負けないほどの逸話はいろいろあるが、劇中では1つのサイクロンで、改造強化はされても、乗り分けたりはしない」

晶華「複数の飛空艇や乗り物を入手すると、1ヶ所に全部集めて、記念写真を撮りたくなるのよね」

NOVA「乗り物コレクションって感じだな。それは4でもあって、ホバーカー、エンタープライズ、ファルコン、そして大きなクジラに例えられる大型宇宙船の魔導船とかだ。多分、一度に所有できる数の最も多いFFだと思う。後の作品は飛空艇の稀少価値が上がったり、途中で破壊されたりして後継機を入手するから、同時には持てないとかだからな」

晶華「シャイニングガンダムゴッドガンダムの同時運用は劇中でできないようなものね」

NOVA「お前、ガンダムファンじゃなかったのでは?」

晶華「Gガンダムは別よ。NOVAちゃんが一番熱く語ってくれたじゃない? あの夜だって……(ポッ)」

NOVA「顔を赤面させて何の話だ。読者の誤解を招くだろうが」

晶華「『お前が好きだ。お前が欲しいッ!』とか言って、ラブラブと告白したじゃない?」

NOVA「それは主演の関智一さんのモノマネをしただけだ。別にお前に告白したわけじゃない」

晶華「だったら、私のことが嫌いなの?」

NOVA「好きだぞ。娘として愛している。アシスタントガールとして助けてくれて感謝している。同じ趣味仲間として、楽しく興が乗って話ができる。俺には気付かない、いろいろな視点に気付かされて、時にいい勉強になると思わせてくれる。成長する娘の姿を見ているだけで、満たされるものがある。そんなところか」

翔花「わたしは?」

NOVA「以下同文。同じことを何度も言わせるな、恥ずかしい」

晶華「NOVAちゃんの娘への愛を確認したところで、次に行くわね。最近は映像表現がリアルになったおかげで、飛空艇の描写も非常に豪勢になったんだけど、個人所有の機会が激減して、自由に大空を飛び回る醍醐味が薄れたそうなのよね」

NOVA「ああ。昔を知る者にはガッカリだ。解像度が上がった分、表現が精緻にリアルになる反面、デフォルメだからできた表現が失われたり、昔の豪快さがリアルじゃないと削られたりするわけで、マシンの描写にしても時代ごとの流行り廃りがあるわけだ」

翔花「豪華な映像なんだけど、演出が豪快ではなくなったってこと?」

NOVA「リアルさを求められるから、飛空艇にドリルを付けて、地底に向けて掘り進むとか、宇宙船として月に飛び立つとか、そういう古き良き荒唐無稽なSF観(19世紀のヴェルヌやウェルズ風味)が今のFFからは消えたのかな、と外から見て感じるわけだ。まあ、13以降は実プレイをしていないので、実は形を変えて残っているのかもしれないが」

晶華「個人所有の超技術の産物だと、スーパーロボット風味だけど、今の飛空艇は軍が所有するリアルロボット感覚だとか、公共交通機関みたいな感じで料金払って行きたいところに連れて行ってくれる便利な乗り物って感じだもんね」

NOVA「個人所有のゴージャスさや、世界におけるヒーローの特別性(凄いマシンに乗って、世界中を駆け回る)がリアリズムのために減少した感だ。もちろん、その代わりに得た進化はいろいろと語れるんだろうが、やはり変質したことは否めない」

翔花「進化の代わりに、失った特性もあるってことか」

NOVA「古き良きレトロ感覚ってことかな。飛空艇を称してレトロというのも変だが」

晶華「でも、飛空艇って元々は古代遺跡から発掘されたんだから、レトロ感覚でいいんじゃない? 最新テクノロジーの産物ってわけじゃないんでしょ?」

NOVA「まあ、FF4からそういう一面も出て来るんだけどな。古代文明もしくは宇宙とかからもたらされた超技術を軍事利用して……とか世界観の変化があって、シリーズの文明レベルも中世風ファンタジーからFF6産業革命期(炭鉱都市とか魔導科学という用語など)を経て、FF7の近未来サイバーパンクのノリに急発展した」

翔花「ええと、現代を飛ばしたってこと?」

NOVA「ファンタジーって言葉が、古代や中世のヨーロッパファンタジーから拡張して、現代や近未来にもファンタジー要素が加わっていく過程が90年代なんだな。古代の神話や魔法が現代もしくは近未来に復活した物語とか、TRPGからの文脈もある。『シャドウラン』(89年。初邦訳は2版で94年)とか、国産の『トーキョーN◎VA』(93年)が近未来サイバーパンクと魔法や不可思議な力のハイブリッド作品として古参なわけで、FF7にはそうしたTRPG文脈からの影響も濃厚だったりする」

晶華「ああ。TRPGの流行→コンピューターRPGへの受容があるわけね」

NOVA「そういう海外TRPGのノリをいち早く導入する先見性が当時のファイナルファンタジーにはあったからな。この辺は、ドラクエよりもFFの方が革新的と言えるが、残念ながらTRPGの文脈とFFの共時代性(シンクロニシティ)を論じた記事は読んだことがないので、今のタイミングが語り時かなあ、と感じる次第だ」

晶華「これからが旬になりそうだもんね」

 

翔花「それで、飛空艇の話に戻るんだけど、空が飛べることで世界が大きく広がるよね」

NOVA「ああ。多元世界のテーマに準えるなら、観測手段も大切だが、移動手段はもっと大事。見ることと、実地に現場に行って体験することの違いだな。冒険ゲームで新しい乗り物を入手することは、これまで探索できなかった世界を新しく見て、探索を広げるきっかけとなる。自分の知らない世界を開拓する楽しさは、冒険ゲームの醍醐味と言えよう。その象徴であり、手段こそが船とか飛空艇とかの乗り物なんだな」

晶華「多元世界に行くにも乗り物が必要ってこと?」

NOVA「まあ、魔法で自分の身をガードして、生身で魔法のゲートを潜るという手段もありだがな。D&Dで最初の多元世界として紹介されたのは精霊界だが、炎の精霊界に入るには生身で行けないことぐらいは分かるよな」

翔花「炎で燃えないようにガードしないといけないし」

NOVA「水の世界だと、水中呼吸の呪文と水中行動できる手段、もしくは潜水艦が必要だし」

翔花「花粉症ガールは水中だと体が溶けちゃうので、防護用の特製水着が必要だしね。ヒノキちゃんが用意してくれたような」

NOVA「その辺をリアルに考えると、異世界ってのに軽々しく行くのは大変ってことだけど、自分たちと同種の(あるいは近い種の)文明レベルの知的生物が生活している世界なら、多少はハードルが下がる。現地と同じ空気を吸える環境なら惑星移住は簡単だが、同じ星でも暑さ寒さの気候環境とか文化レベルの差などで移住が困難なケースも考えられる。そして、物理的環境が異なれば、そこに適応したのは同じ人類とは言い難いが(魔法や肉体改造など人工的な手段で差異を乗り越えることは可能)、それよりも物語として面白い題材は文化的な差異だな。SFファンタジー小説では、そちらを掘り下げて異文化交流や衝突をテーマにしたものが多い」

晶華「ゲームだと?」

NOVA「世界の表現技術が未発達な時代は、文化の差異なんてデリケートな要素を物語で再現するのが困難だとも言えたが、『クロノトリガー』(95年)とかタイムマシンで5つの時代を巡る作品で、各時代を一つの世界と見なすことでマルチバース風味を描写したと言える。まあ、当時はドラクエのスタッフと、FFのスタッフが協力して黄金タッグによる大型RPG企画として盛り上がったものだが、今となっては普通に両者合併したからなあ(2003年以降)」

晶華「スクエニ以前と以後で、歴史を切り分けることも可能ね」

NOVA「で、やはりFFの黄金期と感じるのはスクエニ以前で、ドラクエのライバルとして切磋琢磨していた頃だと考えるのが、オールドファンになるわけだよな。ともあれ、スクウェアエニックスという二つの文化が組み合わさること自体が、当時は異世界交流のマルチバース的な文脈で語ることも可能なわけだ」

翔花「そこまで大掛かりに広げなくても、両者がコラボしましたでいいんじゃない?」

NOVA「今だと、コラボ企画が溢れ返ってるから珍しくも何ともないかもしれんが、当時は情報通信技術も未発達で、連絡手段もファックスとかでネット以前の時代に、あのスクウェアと、あのエニックスが手を組んだってだけで大ニュースだったんだよ。今で言うなら、『ドラえもんとコナン君が映画で共演した』とか、『ちびまる子ちゃんVSサザエさん さくら家と磯野家を襲う強敵出現に際し、たまちゃんと猫のタマが融合合体して最強のネコ戦士が誕生する』って企画を発表するようなもんだな」

晶華「それは凄いかも。たまちゃんと猫のタマってつながり自体が盲点というか、コロンブスの卵的というか」

NOVA「ああ、俺も書いてから驚いた。よく、こういうネタが思いついたなって。天からの啓示を感じとった瞬間だ」

翔花「他にも、たまちゃんというキャラをいろいろ集めて、『オールたまちゃん大集合』的な企画に発展させればいいと思うの」

NOVA「たとえば?」

翔花「ん〜と、ドラえもんのび太くんのお母さんとか?」

NOVA「野比玉子かよ。だったら、仮面ライダーV3から、珠純子も呼んで来たいぞ」

翔花「探せば、いっぱい出てくると思うのよ。タマちゃんマルチバースって」

NOVA「スーパー戦隊からは、キュータマに絡むキューレンジャーを登場させて……ってキリがなさそうなことに今、気がついた。収拾が付かなくなる前に……」

(当記事 完)