Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

妖精たちの世界の話

やっぱ消化不良なので

 

NOVA「前回はD&Dの新作シナリオ(ワールドガイド付き)と、ソード・ワールドの新作ワールド・ガイドとシナリオの紹介をしつつ、何だか寄り道脱線(転覆はしてない)を繰り返していたわけだが……」

翔花「何と、信長さんは妖精だったって話ね」

NOVA「違う。魔王になったり、狼になったり、ゴーストアイコンになったり、仮面ライダーバースになったり、女体化したりはするが、信長が妖精になる話は知らんし、前回もそんな話じゃなかったはずだ」

翔花「だったら、代わりに家康さんに妖精になってもらいましょう」

NOVA「そいつは……ありかもな」

晶華「ありなの!?」

NOVA「うむ、今度のD&Dシナリオでは、『謎のサーカス団に誘い込まれて、妖精の世界に至る中で、砂時計の魔女団の邪悪な計画を阻止する話』らしいんだが、新たにプレイできる種族として、フェアリーとウサギ人のヘアレンゴンってのが用意されているみたいだな」

翔花「へえ。妖精郷のウサギ人かあ。ウサギ年だもんね。タイムリー」

NOVA「まあ、作ったのがアメリカ人だからウサギ年は関係ないと思うが、とにかくウサギが目玉の一つとなっている」

晶華「ヘアレンゴンかあ。フェアリーは知ってるけど、ヘアレンゴンは初耳ね」

NOVA「俺も知らん。まあ、ウサギをプレイしたきゃ、ソード・ワールドのタビットという例があるが、どういう能力か事前にチェックしたいと思って、英文サイトをあさってみた」

NOVA「これによると、フェアリーは飛行能力を持った小妖精で、ドルイド魔法の『フェアリー・ファイヤー』や『エンラージ(拡大)』『リデュース(縮小)』をボーナス呪文として習得しているようだ」

翔花「相手を大きくしたり、小さくしたりできるの? 面白そう」

NOVA「ウサギのヘアレンゴンは、危険察知能力が高く、機敏さによる回避能力やジャンプ力が特徴らしい。あまり強くない逃げ特化の種族で、ローグ(盗賊)向きかな。ソード・ワールドみたいに魔法が得意ということもなく、それでもウサギの暗殺者による首切りなんてのは考えたくなるな」

晶華「D&Dのウサギは忍者向き。確かに今の大河の家康さんの方向性ね」

NOVA「家康が忍者ってわけじゃなくて、前回の戦で忍者を活用したってだけだからな。無理やり、つなげるのは良くない」

晶華「NOVAちゃんがそれを言う? 無理やりつなげて寄り道脱線転覆の常習犯のくせに」

NOVA「だから、寄り道と脱線はするが、転覆はしてないだろうが。むしろ、天福のNOVAって呼んでもらいたいものだ。どんなに寄り道しても、最後にはハッピーな天福エンドを迎えるんだからな」

晶華「はいはい、そういうことにしておいてあげるわ。天福天福」

翔花「呪文みたいね。天福天福」

NOVA「繰り返されると、いつ転覆に置き換わるか分からないので、それぐらいにしておいて下さい」

 

2つのゲームの妖精郷

 

NOVA「それで、ソード・ワールドで妖精郷をプレイしていた縁から、D&Dの世界の妖精郷についても興味津々なんだが、この2つの妖精郷には大きな違いがある」

翔花「はい、分かったわ。ソード・ワールドの方はネコ妖精のケットシーにスポットが当たって、D&Dはウサギにスポットが当たっている」

NOVA「なるほど、間違いじゃないな」

翔花「わ〜い」

NOVA「しかし、俺の意図した答えじゃない」

翔花「くすん(半涙)」

晶華「きっと答えはあれね」

NOVA「ほう、言ってみろ」

晶華「ソード・ワールドの妖精郷には吸血鬼がいて、D&Dの方は吸血鬼がいるのはフェイワイルドではなく、影界シャドウフェルである」

NOVA「それは正しい。世界観をよく理解しているじゃないか」

晶華「ふふん♪  任せてよ」

NOVA「しかし、俺の求める答えじゃない」

晶華「だったら何よ。つまらない答えじゃ許さないんだから」

NOVA「世界のでき方が違う。ソード・ワールド2.0の妖精郷フェアリーガーデンは、魔女が作った人工的な擬似世界だ。ラクシアの地上から隔離されているが、ラクシアの中に存在していて、厳密には異世界ではない。しかし、D&Dの妖精境フェイワイルドは物質界の外側にある独立した異世界である。つまり、フェアリーガーデンは多元宇宙の話にはつながらないが、フェイワイルドを語るには多元宇宙の知識とつながる話になるってことだ」

晶華「ラクシア世界の中にある妖精郷と、D&D物質世界の外にあるフェイワイルドってことね」

NOVA「そうだ」

晶華「でも、ロードスを含む旧ソード・ワールドフォーセリアでは、物質界の外に妖精界があって、そのさらに外側に精霊界があるわ。異種族のエルフ、ドワーフ、そしてグラスランナーは全て元は妖精界の住人であるけど、ドワーフとグラスランナーは精霊とのつながりが薄く、エルフだけが今も精霊に親和的である。そして、上位のエルフのハイエルフだけが今でも妖精界に暮らしていて、その他のエルフは妖精界から物質界に軸足を置いて世俗化している……って覚えているけど」

翔花「すごい、アキちゃん。まるでゲームマスターみたいに世界を熟知している」

晶華「ロードス好きなら当然の知識よ」

NOVA「ロードスや旧ソード・ワールドフォーセリアは、D&Dの世界観を元にしつつも、そこに始原の巨人や神殺しの竜など、独自設定を加えたからな。だけど、大枠の世界観はD&Dを参考にした」

晶華「ラクシアは、そのフォーセリアを土台に、対比させるように構築されたのよね」

NOVA「ああ。異世界出身は公式に魔神とグラスランナーだけで、他は何もかもラクシアの世界内で完結している。神も魔法技術もラクシアという世界内に起源を持ち、異世界から来たのは他にフォールンという憑依侵略生物しか観測されていない」

翔花「フォールン?」

NOVA「ドラゴンレイドという一大キャンペーンで構築された主敵だ。2014年から2015年ぐらいまで複数のリプレイやサプリメント、小説などで展開していったが、俺がちょうどTRPG離れしていた時期だからな。一応、文庫リプレイで追いかけてはいたんだが、ゲームのサプリを買っていないので、追加ルールやデータ関連は未所持となっている」

晶華「そんなドラゴンレイドが始まって、来年で10周年になるのね」

NOVA「2008年に2.0が始まってから5年を経て、改訂版ルールも出揃って、次の展開企画という形でドラゴンレイドがスタートしたんだ。ただ、世界を脅かすフォールンの危機って展開が、割とお気楽冒険譚の雰囲気でプレイする既存のソード・ワールド展開に合わなかったような気もする。まあ、その後、古代魔法時代のサプリを出した後、版上げの2.5再始動が2018年の話で、それから5年を経過したのが今年。歴史が繰り返すのなら、来年またグランドキャンペーンの時期が来るんじゃないかなあ、と何となく思っている次第だ」

翔花「どんなグランドキャンペーンかしら?」

NOVA「テラスティアのルキスラ帝国から飛空船団がアルフレイムの代表都市ハーヴェスに来訪して、宣戦を布告するか、世界の危機に際して力を合わせようって流れになるか。国家レベルの大きな話だと、そのどちらかじゃないかなあ。前者だと、時流にはかなうかもしれないが、冒険者としてプレイしていて戦争に巻き込まれるのはソード・ワールドとしては違和感があるので(地方ごとの近隣国家レベルならともかく、大陸間レベルとなると大事に過ぎる)、フォールンに匹敵する、例えば異世界の魔神の王とか? が大侵攻を始めて、それに対抗するための大陸を股にかけた冒険譚……って方向なら、いいかもな」

晶華「そして、最後はリウイさんみたいな公式勇者が魔神の王を倒して、決着をつけるのね」

NOVA「いや、それは公式ではなく、キャンペーンシナリオで各卓のプレイヤーキャラが別個に決着をつけたらいいだろう? 公式勇者が全部持って行くのは面白くない」

晶華「そんなグランドキャンペーンを立ち上げる余力が今のSNEにあるのかしら?」

NOVA「少なくとも、リプレイ形式では無理かもしれないな。リプレイの女王の秋田さんも退職したし、2.0時代に活躍した藤澤さんもいない。まあ、SNEのゲーム製作体制が10年前みたいにTRPG中心ではなく、マーダーミステリーとかボードゲーム制作&販売とか、多彩な方向に舵を切っているので、TRPGであまり大きな動きはし難いと思っている。あくまで、願望交じりの妄想だと思ってくれたらいい」

翔花「公式でできないなら、NOVAちゃんが趣味でやればいいじゃない?」

NOVA「……と思って、やってるのが魔神ハンターなどの妄想リプレイなんだけどな。いわゆる眼高手低な気がする」

翔花「ガンコウシュテイ?」

晶華「理想は高くても、技術が追いつかないって意味ね。または、他人の作ったものに批評はするけど、実際に物を作らせると下手くそってこと」

NOVA「評論家として粗探しするだけなら、割と手軽に上から目線になれるもんな。ただ、実際にものづくりしている者の言葉と、作り手意識のない者の言葉では明確に違いがある」

翔花「どんな違い?」

NOVA「生みの苦労が語れず、作り手の苦心が察せれない。こういう時はこうすればいいって実体験から来る適切なアドバイスが言えず、話が抽象的で具体性を持たない。評論の質が空理空論の理想主義に終始して、現実の落としどころまで考えない、などなど」

晶華「理想はこうでも、なかなか現実には上手く行かないよね(苦笑)……って、和ませるような自虐オチを言えるかどうかが、ポイント?」

NOVA「まあ、時々は掲げた理想の通りに仕上げることのできる眼高手高な天才または大ベテランもいるけど、他人を評価してどうこうに時間を浪費することよりも自分の目指すところを追求することに心血を注ぐ求道家スタイルもある。後者の場合、評論するとしたら自分より高みにいる者の技術や心根を学び取りたいって想いで評論するのであって、その言葉は憧れや敬意に満ちたポジティブなことが多い」

晶華「そういう人は、自分より下手でつまらない相手には眼もくれないってことね」

NOVA「まあ、批評の目的は、物事の良し悪しや価値判断をする目を養うとか、悪貨が良貨を駆逐しないように世を啓蒙したいとか、自分の視点を表明しつつ再確認するとか、ただの雑談のネタとして仲間意識を確認する内輪だけのやり取りとか、いろいろあるけど、それが聞き手にネガティブな印象を与えるようでは失敗しているんだよな。ただの感情論や暴言は、自分で戒める自制がなければ敵を作りやすくて、人を呪わば何とやら……となりかねん」

翔花「誰かへの暴言で締めくくるようなネガティブな文章は書きたくないよね」

NOVA「ああ。自制力のある人間は、そういう文章を恥じて反省するのが、社交マナーだと思う。俺も読んだ人間(共通の趣味仲間、同志たるべき相手)を不愉快にさせる文章になってないかな、とは気にしながら、記事やメールの最後をポジティブに締め括りたいと心掛けている。最後の文章内容が悪口とかバッドエンドだと、うんざりされるだけだからな」

晶華「鬱な気分のときの文章って、そうなりがちってことね」

 

次いで多元世界の話

 

NOVA「自分の書く文章は、読み直して自分の気分の状態を測るバロメーターになると思うが、今の自分はやや躁気味なので、ハイテンションで集中力に欠けて落ち着きが伴わない、つまり勢いだけで突き進んで、注意力散漫になりやすいと自覚している」

翔花「へえ、そうなんだ〜」

NOVA「……今のは、或人でないと〜って反応すべきところか?」

翔花「???」

晶華「ダジャレなのかって意味よ、お姉ちゃん」

NOVA「躁状態って言って、『そうなんだ〜』って返されると、不破さんなら大爆笑間違いなしだ」

翔花「フワさんって、芙羽ここねちゃん?」

NOVA「いや、そっちじゃなくて……って、お前、もしかしてゼロワンを知らないのか?」

晶華「仮面ライダーゼロワンは、2019年9月から2020年8月までの放送。お姉ちゃんは2019年秋に屋久島修行から帰って来たけど、その年の終わりに行方不明になって、こっちに腰を落ち着けたのは2021年の春以降だから、ゼロワンの第1クールめを途中からチラッと見て失踪、その後、帰って来てからセイバーの第4クール辺りから見て、初めて全話をしっかり見たライダーはリバイスってことになる」

翔花「うん、仮面ライダーと言えば、基本は悪魔でしょ?」

NOVA「いや、基本はバッタだ」

翔花「ええ? そんなの知らない。仮面ライダーと言えば、キツネとタヌキとネコと、あと恐竜とかコウモリとかコブラとか蜂とかじゃないの?」

NOVA「平成だったら、せめてクワガタとか言えよ」

翔花「それは今度の邪悪な王でしょ」

NOVA「う〜ん、仮面ライダーがバッタじゃない世代っているんだなあ」

晶華「そんなお姉ちゃんのために、この映画よ」

NOVA「とうとう、残り1ヶ月に迫ったなあ」

翔花「とにかく、バッタのライダーなんて違和感ありまくりよ」

NOVA「そんなことを言う娘にはライダーを語る資格はない」

翔花「横暴よ。あ、思い出した。ドンブラの桃井タロウ様と共演した桃のライダーがいたっけ」

NOVA「そんなこともあったなあ」

晶華「ところで、こんな話に流れて良かったのかしら?」

NOVA「小見出しが『多元世界』だから、どんな話に流れても辻褄合わせはできるんだが、『躁なんだ〜』から違う世界線に分岐した気がする。軌道修正を図らねば」

晶華「今のソード・ワールドは、地域別、大陸別で一つの世界内で様々な冒険ができるけど、多元世界ってわけじゃない。だけど、D&Dは多彩な世界観があるって話よね」

NOVA「ああ。基本となる物質世界でも、5版のDMGには7つの公式既知世界が紹介されている」

 

1.フォーゴトン・レルム(世界名トリル)

2.グレイホーク(世界名オアース)

3.ドラゴンランス(世界名クリン)

4.ダーク・サン(世界名アーサス)

5.エベロン(世界名エベロン

6.バースライト(世界名アイブリニス)

7.クラシックD&D(世界名ミスタラ)

 

翔花「え? 一口にD&Dと言っても、そんなにあるの?」

NOVA「ダーク・サンとバースライトは、公式に日本語で翻訳された作品がないから、英語版ユーザーでないとよく分からない世界だが、ダーク・サンは荒廃した砂漠の過酷な世界観を舞台にしたダークファンタジー、バースライトは神の末裔たちが邪神モンスターと立ち向かいながら覇権争いを展開する世界らしい。より詳しい説明を望むなら、ここがお勧めだ」

NOVA「とりあえず、日本で普通に有名なのは『フォーゴトン・レルム』。次にオールドファン御用達の『ドラゴンランス』『ミスタラ』で、俺にとっても比較的馴染み深いのはこの辺だな。ゲームとしては3版のメインワールドが『グレイホーク』で、D&D初のワールドガイドが出た伝統的世界観。そして、この中で一番新しいのが『エベロン』で、鉄道や飛空艇のある魔導科学テクノロジーの世界」

晶華「エベロンは、ソード・ワールドラクシアっぽいわね」

NOVA「やっぱり、21世紀になると、伝統的な剣と魔法だけがファンタジーじゃないって流れになるんだな。機械文明を取り込んだ、近代風の要素が求められた結果だ」

翔花「う〜ん、世界がいっぱいなんて、正に多元世界ね」

NOVA「あと、D&Dがカードゲームのマジック:ザ・ギャザリングとコラボもしていて、マジックの背景世界の一つであるラヴニカをD&D5版のルールで遊べるワールドガイドサプリが2018年に出ているみたいだな」

翔花「そんなにたくさんの世界があっても追いかけきれないわよ」

NOVA「まったくだ。とりあえず、5版はフォーゴトン・レルムが中心で、エベロンの設定資料も邦訳されているので、日本語で遊べる環境はこの2つだけだな。まあ、過去のワールドを使っていいなら、3版時代のグレイホークや、クラシックD&D時代のミスタラを使ってもいいし、その辺はDMとプレイヤーが望むとおりに世界を決めていい」

晶華「D&Dでロードスを遊ぶってのは?」

NOVA「それこそ、日本の伝統芸ってことだったな。ロードスが日本のD&D対応世界として公式に認められるよう、当時のTSR社が柔軟に振る舞っていたなら、その後にロードスRPGソード・ワールドを出す必要もなくて、日本のTRPG史ももっとD&D一強の時代が続いただろう……とは、ロードス作者の水野良さんの弁」

晶華「つまり、ロードスは最初、D&Dの紹介用のリプレイ物語として始まったけど、『日本で勝手に公式とは違う世界やストーリーを作って、展開することは認めません』ってダメ出しが来たのね」

NOVA「D&Dのルールブックには、『あなた(DM)が独自に自分のワールドを作って、遊ぶことは自由である』旨が記載されていたのに、80年代後半から元のゲーマー社長が追い出されて、ゲームのことが全く分からない女社長が利益重視、D&Dをゲームではなく小説やアニメの元ネタとして売り、その管理を徹底して、公式世界をたくさん出す……って方針で推し進めていたんだな」

晶華「公式世界をたくさん出すなら、その中の一つにロードスを含めればいいだけなのにね」

NOVA「当時はインターネットもなく、日米の文化的距離も今より大きかったんだ。84年にアメリカで公開された『ターミネーター』が日本で公開されたのは翌85年だってぐらいタイムラグがある。91年の『ターミネーター2』だと、7月3日全米公開が8月24日の日本公開になって、タイムラグは2ヶ月弱に縮んだんだがな。

「つまり、アメリカ本国から日本独自の展開を管理する余力もなく、だったら黙認すればいいだけなのに、『自分たちのやり方に追随しろ、それ以外の勝手な世界構築など認めん』って態度を崩さなかったんだな。全てをD&DのTSRが支配する、逆らう者は訴訟だ! って著作管理の姿勢を強硬に進めた結果、『だったらD&Dにこだわるのはやめた。もっと自由に遊べるゲームを用意すればいいだけの話だ』って、日本は独自にロードスを始めとするフォーセリア展開を進めるし、本国アメリカのゲーマーたちもTSRの横暴に反旗を翻した結果、まさかのTSR倒産という結果に至ったわけだ」

晶華「その話、多元世界に関係ある?」

NOVA「あるぞ。D&Dは元々、公式世界を持たないゲームだったんだが、それだとストーリー展開が行いにくい。よって、原作者ゲイリー・ガイギャックスさんがゲームで遊んでいる世界観設定を商品として売り出すことを考える。それが最初の公式世界のグレイホークだな。グレイホークはD&Dの基盤を作り上げた世界と言っていい」

翔花「でも、今の主流ではないのね」

NOVA「ああ。次に生まれた世界はクラシックD&Dのミスタラなんだが、世界の名前が付けられたのは後年のことになるので、公式にD&D第2の世界に位置づけられているのはドラゴンランスのクリンということになる。ドラゴンランスは小説とゲームシナリオの連動企画として、物語の面白さを重視して作られ、日本でゲーム小説のモデルとなり、ロードス島戦記やその後の異世界冒険ラノベの源流の一つとも言える傑作だ。

「でも、日本では小説展開が中心で、ゲームとしてのドラゴンランスは未邦訳のまま今に至っている。しかし、去年、向こうでドラゴンランスの5版対応設定本が出て、大いに期待しているんだが、その前に今回の妖精郷ウィッチライト(2021年)が出るって話から当記事は始まった」

翔花「NOVAちゃんが本命として待ち望んでいるのは、ドラゴンランスってこと?」

晶華「2021年に出たシナリオが2年後に出るってことは、待望のドラゴンランスも来年邦訳されるかもって期待ね」

Dragonlance: Shadow of the Dragon Queen (Dungeons & Dragons Adventure Book)

NOVA「小説の方も、一昨年から昨年末にかけて関連作の『レイストリン戦記』が邦訳されて、嬉々として読んだからな。感想は書いてないけど」

翔花「どうして?」

NOVA「面白すぎるんだけど、その面白さのハードルが非常に高いから」

NOVA「『レイストリン戦記』はランスの仲間の一人、魔法使いのレイストリンの過去話になるんだな。彼と双子の兄の戦士キャラモンの関係を中心に、初代主人公のハーフエルフのタニスや仲間たちとの出会いと、レイストリンの魔法使いとしての学習や成長、そして戦場での最初の戦いを描いた壮大な過去話。ただし、その面白さを十分味わうには、最初の小説『ドラゴンランス戦記』を読む必要がある」

晶華「何、その全25巻って、ハードルが高すぎでしょう」

NOVA「『戦記』だけなら6巻だ。闇堕ちしたレイストリンが主役の時空を駆けた続編『ドラゴンランス伝説』6巻までが本筋で、その子孫の物語まで展開されていくから、長大になっていく。じっさいのところ、ゲームのD&Dに関係しているのは最初の『戦記』だけで、その後はゲームと関係なく、小説独自の物語が自在に展開されていくわけで」

晶華「でも、5版のD&Dでは、ドラゴンランスも商品展開に組み込まれているのでしょ?」

NOVA「大人気作だからな。一時期のD&D関連のゴタゴタから小説作者のヒックマンやワイスが距離を置いていた感じもあったが、その後、関係が修復された……と言っていいのかな。少なくとも、ゲームのサプリメントとして出版され、小説の新シリーズも始まるほどの時代が戻って来た感がある。やっぱり、日本で紹介された元祖ゲーム小説として盛り上がって欲しいんだよな。来年がドラゴンランス40周年だし」

翔花「だったら、ドラゴンランスのD&Dサプリが翻訳されたら、当ブログでもドラゴンランス話を大々的に展開するってことで」

NOVA「本当を言えば、『レイストリン戦記』の感想も書かないとって思っていたんだが、それをするには最初の『ドラゴンランス戦記』の思い出にたっぷり浸って、延々と語り続けることになりそうだし、こう見えても自制しているんだ。自分が帰って来れなくなりそうで怖い」

晶華「そんなに恐ろしい作品なんだ、ドラゴンランスって」

NOVA「ああ、思い出補正込みでな。ロードスが一つの目標としたゲーム小説の嚆矢と言えば、日本のファンタジー小説界に与えた影響の大きさも察することができるだろう」

 

世界観商法の話

 

NOVA「さて、D&Dという新基軸のゲームが74年に生まれて来年で50周年なので、いろいろ大きな動きが想定されているのが今なんだが、ゲーム業界にいろいろな革命をもたらした。その一つに、ゲームという商品で『何を売るのか』という考え方に変化をもたらしたわけだな」

晶華「もちろん、ルールブックでしょう?」

翔花「あと、ゲームで使うボードとか、コマとか?」

NOVA「そうだな。言ってみれば、『ゲームを遊ぶためのシステム』が商品となる。サイコロとか、ゲーム盤とか、カードとか、フィギュアなどの物それ自体だな。そこに、敵や味方の数値データというソフト面も加わって商品となるんだが、その後、『ストーリーゲーム』という特性が加わって、ゲームから生み出された『物語』や、物語の背景となる『世界観』がRPGの商品になることに80年代から気付かれることになる」

晶華「ゲームと物語の融合ってことね」

NOVA「それ以前のゲーム、モノポリーや、オセロや、人生ゲームなんかには物語はない」

翔花「人生ゲームにはあると思うけど?」

NOVA「それは、ランダムにルーレットを回して止まったマスのイベントに一喜一憂するだけだ。例えば、『このマスのイベントが気に入らないので、勝手に改変します』なんてことは許されないだろう」

翔花「そりゃあ、人生ゲームで結婚するマスに泊まったときに、『私は相手が気に入らないので、結婚はしません』なんて言えないわよね」

NOVA「今のLGBT界隈では、男性を表すブルーのピンと、女性を表すピンクのピンが差別だって話にはならないのかな。ええと、『自分はブルーのピンだけど、パートナーもブルーのピンを望みます。子供は養子ってことで』……と人生ゲームのルールを改変しろって動きにはならないだろうか」

晶華「最近の人生ゲームを調べると、来月はこういうのが発売されるそうよ」

NOVA「ドラえもんで、人生ゲーム!? すると、のび太としずかちゃんの結婚イベントでもあるのか? ところで、昔から疑問だったんだが、ジャイアンとかスネ夫の結婚相手は誰なんだ?」

晶華「そんなの、私が知るか! とにかく、結婚するゲームじゃなくて、地底、海底、宇宙、夢、白亜紀、お城と6つの世界に迷い込んだりして、冒険するゲームみたい。ひみつ道具カード100種類が用意されていて、お金じゃなくてKP(経験値ポイント)をたくさん集めた人が勝つらしいわ」

ケイP『ケピッ!? 呼んだッピか?』

NOVA「ドラえもんの世界では、KPをたくさん集めれば勝ちって話だ」

ケイP『ついに、このおいらの凄さがドラえもんに認められたってことッピね』

NOVA「明らかに誤解だが、他人の幸せな誤解にツッコミを入れるような野暮なことはしたくない。出番が終わったら、さっさと退場するんだな。ただでさえ、収拾のつかなくなってる多元世界雑談が、ますます混迷しないうちに」

 

晶華「とにかく、この話の流れで、結論は一つね」

NOVA「結論なんてあるのか? 俺にはまったく結論なんて見えなくなっているんだが? 今は、そろそろ文字数が1万を越えたので、どう話を締めくくろうかと気にしている。結論があるなら、早く言ってくれ」

晶華「ドラえもんの世界で、多元世界の冒険をくり広げ、経験値が勝利につながる……ってのは正にTRPG的、D&Dの影響が大きいってことよ」

翔花「そっかあ。D&DのDはドラえもんのDってことね」

晶華「そう。『ドラえもん&どこでもドア』、これが令和の時代のD&Dってことね」

NOVA「違う……って言いたいが、現実の商品予定を見せられると、そういう裏設定があっても不思議じゃない。何しろ、現在、D&Dの版権を持ってるWotC社の親会社はハズブロ社で、人生ゲームの版権も持っている。ドラえもん版は、タカラトミーハズブロと提携して売り出している商品である以上、そこにD&Dの影響がある可能性もゼロじゃない」

翔花「ドラえもんの最初のアニメは1973年なので、D&D誕生の74年と関係しているような気がするし」

NOVA「無理やりつなげるな」

翔花「NOVAちゃんが言わないで。むしろ、『よくつなげた』って褒めて欲しいところよ」

NOVA「ああ。D&Dについて考えていたら、『ドラえもんの人生ゲーム』が出て来るとは、書いている本人がビックリするセレンディピティだぜ。しかし、一つ大きな疑問がある」

晶華「何?」

NOVA「セレンディピティな『ドラえもん人生ゲーム』には、タイムマシン、どこでもドア、もしもボックスというワクワクなひみつ道具フィギュアも付いて来るんだが、さらに、もう一つ『土管』のフィギュアも付いている。しかも、その土管を背景にしたイベントが『空き地でツチノコを見つけよう』というネタだ。

「イベントネタもドラえもんのオールドファンなら苦笑を浮かべるほどの『今の世代の子に分かるのか、これ?』っていう70年代時事UMAネタで、密かなツッコミどころっぽいが、それよりも土管だ。タイムマシンや、どこでもドアや、もしもボックスに相当するドラえもんの象徴アイテムなのか、土管って?」

翔花「土管のドの字はD&D。『ドカン&ドラえもん』って商品名にして、D&Dファンにアピールしたいと思います」

NOVA「あかん、この記事、ドカンと転覆したわ(涙目)」

(当記事 完。次回につづく?)