WショーカとShiny NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

セブン・サーペンツ異聞2

ソーサリー・スピンオフの魔法少女AI小説の続き

 

009「前回の話の続きができた」

晶華「《夢と希望が少し歪んで、ええっと驚くけど、まんざらでもなく楽しくハッピーなソフト路線のダーク風ファンタジー》になってる?」

009「難しい注文だが、何とかなった……と思う」

翔花「本当に?」

009「前回の3倍ぐらいの文量に膨らんだけど、とりあえず、こんな感じだろう、と思う。グロックさんに感謝しながら、読んでみてくれ」

 

いきなり契約解除!?(光原月美の視点)

 

わたしは光原月美(みつはら・つきみ)、小学4年生。

魔法少女アニメが大好きで、毎日「いつか私も!」って夢見てた、ごくごく普通の女の子。

 

……だったんだけど。

 

異世界から来た銀色の小さな蛇の妖精――ルナーラと契約しちゃった瞬間から、わたしはもう「普通」じゃなくなった。

 

『ふふっ、素敵でしょ? ムーンルナーラ』

 

鏡の前に立つと、銀色の長い髪がさらりと揺れて、黒い角がキラリと光る。紫と黒のドレスは身体にぴったりと沿って、腰から下は美しい白銀の蛇の尾。ちょっと……いや、かなり妖艶で、悪の女幹部みたいな見た目だ。

 

心の中で、わたしはルナーラに呼びかけた。

 

(もしもし、ルナーラさん。私の声、聞こえる?)

 

『もちろん聞こえるわ。どうしたの、月美?』

 

(えっと……わたしの体、返して欲しいんだけど)

 

『それは無理よ。私たちはもう一心同体。一緒にムーンルナーラとして生きていくの。マンパンの大魔王さまのために、カーカバードに帰るために』

 

その言葉に、胸の奥が熱くなった。

大魔王さま……カーカバード……アナランド人への敵意。

ルナーラの記憶と感情が、じわじわとわたしの中に染み込んでくる。

 

でも、わたしはまだ諦めない。

 

(わたし、愛と正義の魔法少女に憧れてるんだから。こんな悪者っぽい姿になっちゃったのは仕方ないとしても、中身まで悪堕ちするつもりはないよ)

 

『……ふふ、強情ね。でも可愛いわ』

 

わたしは心の中で深呼吸して、できるだけ真剣に伝えた。

 

(この契約、クーリングオフできると思うの。未成年だし、親の同意がない契約は無効にできるって学校の道徳で習ったよ。お母さんに話して――)

 

『やめて!』

 

ルナーラの声が少し慌てた。

 

『ムーンルナーラのことは、誰にも言っちゃダメ。秘密よ。これは魔法少女の……お約束でしょ?』

 

……なるほど。そこはルナーラも勉強してるんだ。

 

わたしは少しだけ優位に立った気がした。

ここは現代日本。カーカバードの掟より、日本の法律の方が強いはずだもん。

 

ルナーラもそれを察したみたいで、しばらく沈黙した後、思念が届いた。

 

『……わかったわ、月美。あなたの言うことを聞く。無理強いはしない。でも、お願い。私を見捨てないで。この世界のことは何もわからないの。あなたと一緒に生きていきたい……故郷に帰る日まで』

 

その声は、初めて少し弱々しく聞こえた。

 

わたしは小さく微笑んだ。

 

(見捨てたりしないよ。わたしとルナーラはもう一心同体なんだから。だけど、今はまだ心が二つに分かれてるよね。急に契約しちゃったから、お互いのことをよく知らないまま、一緒になっちゃったんだもん)

 

『……そうね』

 

(これからいーっぱい話そう。苦しいことも楽しいことも、一緒に乗り越えて、本当の相棒になろうよ。それが、魔法少女アニメのお約束だもん)

 

ルナーラはしばらく黙っていたけれど、やがて小さな思念が届いた。

 

『……アニメって、何?』

 

わたしは思わず吹き出しそうになった。

 

やれやれ……先は長そうだ。

 

でも、なんだか少し楽しみになってきた。

銀色の髪を指で梳きながら、わたし(とルナーラ)は鏡の中のムーンルナーラに小さくウィンクした。

 

「じゃあ、まずはアニメから教えてあげるね、ルナーラ」

 

こうして、わたしたち二人の、ちょっと変わった魔法少女(?)生活が始まった。

 

まだまだ、これからだよ。

 

翔花「おお。何だか、典型的な魔法少女っぽい話になってる?」

009「プリキュアなんかを見ていても、序盤でパートナーや、お供の妖精との関係性がこじれて、ピンチを招くけど、難局を乗り越えながら、絆を固めるエピソードは定番だからな」

晶華「でも、魔法少女の契約に、クーリングオフって言葉が出てくるとは思わなかったわ」

009「いかにも、現代日本っぽい用語で、ファンタジー風味の物語に、リアリティ成分を足してみました。異世界出身のルナーラには、その《クーリングオフ》が契約を解除する強力な呪文か何かのように勘違いをする、という裏設定があったりする。その辺は、次の話で確認するといい」

 

《月の蛇》の策謀(ルナーラの視点)

 

私はルナーラ。

七匹の大蛇の中で、《時の蛇》クロナダ姉さんに次ぐ位階を持つ《月の蛇》。

 

同格の《陽の蛇》グランタンカとは正面切って戦えば相性が悪く苦戦するが、あの単純な姉は策にかけるだけで十分に翻弄できる。とはいえ、仲間割れなどするつもりはない。私たちは元々、同じ七本頭のヒドラの亡骸から、マンパンの大魔王様の魔力によって生み出された姉妹だ。その絆は、どんな困難をも乗り越えられるほど固い。

 

……それなのに、散り散りになってしまった。

 

あの憎きアナランド人の魔法剣士め。

私たちの弱点をどうやって掴んだのか。時空を越える秘術か、それとも強力な予知能力か。恐るべき敵だった。一匹ずつ、確実に狩られるように倒されていった。

 

最初に倒された私が、こうして異世界の地で最初に目覚めたのは、当然の摂理だろう。

 

故郷カーカバードへの帰還。そしてアナランド人への復讐。

そのために、私は依代となる人間を探した。月の名を持ち、私と波長の合う、騙しやすく、願いが強い少女を。

 

光原月美。

 

魔法少女への憧れという、実に利用しやすい願望を抱えた可愛らしい小娘だった。

私は優しく語りかけ、契約を結び、融合した。

ムーンルナーラとして顕現した瞬間、月美の心身を私の色に染め上げるはずだった。

 

……はずだった。

 

「クーリングオフって何?」

 

月美の心の中で響くその呪文めいた言葉に、私は一瞬、言葉を失った。

未成年だから親の同意が必要だと? 母親が契約を破棄できる可能性がある?

 

予想外だった。

この未知の世界における契約解除の法則もさることながら、月美の意志力は、私が考えていたより遥かに強靭だった。

愛と正義の魔法少女という、馬鹿馬鹿しい偶像を信仰の基軸に、私と心の中で真正面から対峙してきた。

魂を乗っ取るはずが、逆に私の方が押し返されかけている。

 

ふむ……これは面白い。

 

ただの操り人形にするのは、もったいないかもしれない。

この娘は、類稀なる逸材だ。

私の力を正しく扱える器になり得る。

対等のパートナーとして育て上げた方が、長期的に見て大きな成果を生むだろう。

 

私は意図的に声を柔らかくした。

 

『……わかったわ、月美。あなたの要求に従う。無理強いはしない。でも、お願い。私を見捨てないで。この世界のことは何も知らないの。あなたに、たくさん教えてもらいたい』

 

内心では、別の計算を巡らせていた。

 

月美の魂を無理にねじ伏せようとすれば、反発が強くなるだけだ。

今は主導権を少し譲って、彼女の信頼を勝ち取る。

この世界の常識や知識を自然に吸収しながら、少しずつ、私の影響力を深めていく。

月美が自ら私の色に染まっていくのを、優しく促すのだ。

 

幸い、すでに重要な部分は染まっている。

 

マンパンへの忠誠。

アナランド人への敵意。

ムーンルナーラという存在への愛着。

 

これらはもう、月美の心の奥深くに根を張り始めている。

彼女が「愛と正義」を掲げようが、最終的には私の――いや、私たちの目的のために動いてくれるはずだ。

 

『アニメ……ね』

 

月美が心の中で考えているその言葉の意味は、まだよくわからない。

だが、構わない。

彼女が喜ぶものなら、教えてくれればいい。

その過程で、月美はさらに私を深く受け入れていくことになる。

 

私は静かに微笑んだ。

 

月美よ。

あなたはまだ、私の本当の力を知らない。

ゆっくりと、優しく、たっぷりと時間をかけて……

私たちは真に一心同体になろう。

 

その日まで、私は辛抱強く待つことにしよう。

 

ふふっ……楽しみだわ。

 

翔花「……《月の蛇》って悪い奴ね」

009「いい奴だと思ったのか?」

翔花「無邪気にコミュニケーションできるって信じてる月美ちゃんを騙すように、裏でこんなことを考えているなんて知ったら、人間不信になりそう」

009「いや、《月の蛇》は人間じゃないだろう?」

翔花「あっ、そうか。だったら、蛇不信」

晶華「とにかく、視点が変われば、それぞれのキャラの思惑が浮き彫りになったりして、多面的な目で物語を味わえるって寸法ね」

009「ともあれ、ダーク風ファンタジーな部分は、《月の蛇》視点のここだな。次は、月美の夢と希望が少し歪むけど、楽しくハッピーな展開だ」

 

月影の魔法少女ムーンルナーラ(月美の視点)

 

「ねえルナーラ、ムーンルナーラの蛇の下半身……人間の足に戻して欲しいんだけど」

 

『自分で念じてみなさい』

 

ルナーラが優しく促してくれたので、わたしは鏡の前で集中した。

 

「……人の足! 普通に歩ける足!」

 

わたしの願ったとおり、するすると白銀の蛇の尾が縮んで、すらっとした人間の足になった。

スカートの下から見える自分の細い足を見て、ほっと息をつく。

 

「うん、これでいい! 蛇みたいに這いずるの、ちょっと抵抗あったんだよね……」

 

ルナーラは当然、蛇の体に慣れてるだろうけど、わたしはまだ人間なんだもん。

 

それから、頭の黒い角に指を触れた。

最初はびっくりしたけど、鏡で見ていると……なんだかだんだん可愛く思えてきた。

ネコ耳みたいな頭飾りだと思えば、チャームポイントかも?

 

「ところで、うちの部屋にこんな大きな姿見の鏡、あったっけ?」

 

《あ、それは私が魔法で作ったから》

 

「へえ〜! すごいね、さすが異世界の妖精さん!」

 

《妖精じゃなくて、精霊……まあ、月美が望むならどっちでもいいけど》

 

ルナーラ、ずいぶん聞き分けが良くなった。

よし、じゃあもう一つお願いしてみよう。

 

「ねえ、思念で話すの、ちょっと疲れるから……もっと普通におしゃべりできない?」

 

《頭の中以外でどうしろっていうの?》

 

わたしは少し考えて、ぱっと閃いた。

 

「手首に腕輪みたいなブレスレットを作って! そこにルナーラの思念が宿ってて、蛇の彫刻がキラキラ光って話すの。自然に腕を動かしながらおしゃべりできるやつ!」

 

ルナーラは少し黙った後、くすっと笑うような気配がした。

 

《……わかったわ。試してみましょう》

 

次の瞬間、左の手首に銀と紫の美しいブレスレットが現れた。

小さな蛇の彫刻が浮かび上がって、青い宝石の目が優しく光る。

 

「わあ、かわいい!」

 

『これでどう?』

 

ブレスレットから、ルナーラの声が直接聞こえてきた!

頭の中じゃなくて、ちゃんと耳で聞こえる感じだ。

 

「完璧! これなら普通にお話できるね」

 

わたしは嬉しくなって、部屋の中をくるくる回ってみた。

足も普通に動くし、ブレスも可愛い。銀色の髪と黒い角も、もうだいぶ受け入れてきた。

 

それからノートを取り出して、今まで描いていた「魔法のプリンセス プリティームーン」のイラストに大きなバツを付けた。

代わりに新しいページに、大きく《月影の魔法少女 ムーンルナーラ》と書く。

 

変身の掛け声は「ムーン・サーペント・パワー、マジカルチャージ!」

ルナーラ・ブレスから光のロッドが出てきて、それをクルクル回しながら変身。

衣装は銀髪に紫と黒を基調とした、ちょっと妖艶でかっこいい感じのままにしておくことにした。

ピンクでキラキラの子どもっぽい魔法少女も好きだけど……今のわたしには、こっちの方が似合ってる気がする。

 

「ルナーラ、ありがとう。わたしのわがまま、たくさん聞いてくれて」

 

『いいのよ。月美が望む姿になった方が、私も活動しやすいから』

 

ルナーラの声は穏やかだった。

 

わたしはブレスレットを優しく撫でながら、微笑んだ。

 

「これからはルナーラの願いも、ちゃんと聞いてあげるね。この世界のこととか、他の蛇の姉妹さんたちの捜索とか……それに、仲間になってくれそうな子の選定も」

 

ふと思い浮かんだ顔があった。

 

「そういえば、クラスの木之本地恵梨(きのもと・ちえり)ちゃん……なんか、地の蛇さんに合いそうな名前だよね」

 

ブレスレットの蛇の目が、興味深そうに光った気がした。

 

どうやら、これからわたしたちの物語は、ますます忙しくなりそうだ。

 

(つづく)

 

翔花「『魔法のプリンセス プリティームーン』って?」

009「本来の月美の願望だ。ありそうでない架空の魔法少女だが、このネタを考えているときに、まさか『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の新作情報が出て笑った」

晶華「ミンキーモモと言えば、昭和モモ、平成モモと来て、今度は令和モモってことね」

009「ギャバンは、昭和と平成と令和の揃い踏みは残念ながら、見られぬ夢になってしまったが、ミンキーモモは声優さんが全員健在なので、昭和、平成、令和の3世代揃い踏みが実現する可能性は残されている」

翔花「あれ? 昭和のモモさんは亡くなったって聞いたけど?」

009「それは声優さんじゃなくて、キャラクターの方だ。バトル物でもないのに、主人公が命を落とす魔法少女ものって、前代未聞・空前絶後じゃないか?」

晶華「交通事故だっけ?」

009「今の時代だと、トラック事故で異世界転生という定番ネタがあるが、モモの場合、異世界のプリンセスが交通事故で、この世界の普通の人間に転生という逆のパターンになるんだな。とにかく、空モモ、海モモに続く3作めのアニメでは、デジモモになるようだ」

翔花「令和だから、スマホを普通に使うモモさんになるのね。空のフェナリナーサ、海のマリンナーサに続き、デジナーサってファンタジー感覚がなくなったというか」

009「漢字で統一するなら、デジモモよりも電モモと言うべきか」

翔花「それじゃあ、モモタロスさんを連想しちゃう」

009「元ネタは、どっちも桃太郎だからな。ミンキーモモのお供の動物は、犬、猿、小鳥だし」

晶華「モモさんの話はさておき、今はプリティームーンの話に戻りましょう」

009「元ネタは言わずと知れたセーラームーンだが、グロックさんが生成した画像が思いのほかに、キラキラしていて可愛かったので、これにバツを付けた月美の心の歪みがはっきりしたシーンだ。過去の自分を完全否定して、妖艶なムーンルナーラの方を今の自分に似合っている、と受け入れる様が、少しゾクッとする感じだな」

晶華「プリティームーンが悪堕ちして、ムーンルナーラになったと受け取ることもできそうね」

009「ところで、これはネットに散見される素人作家にありがちだが、1人称視点の場合、自分の外見を描写するのはダメなんだな。自分の髪型や表情、体型や衣装をていねいに描写するほど、1人称で見えるものからズレて来る。『私は妖艶な笑みを浮かべ』とか『自分の豊満な胸を揺らして』とか『いつの間にか、私はゴスロリ衣装に身を包んでいた』とか、ついつい書いてしまいがちだが、プロレベルだと編集からのツッコミ対象になるし、商業作品だと3人称視点と、1人称の主観視点のシーンを行間開けの形式も含めて、うまく切り換えることで、作者の描きたい光景を映し出すようにしている。

「この辺が雑な作家だと、自分の背中の翼が自分で見えたり、自分のお尻から尻尾が生えてくる様子を視覚で表現したり、どこに目が付いているのか分からない文章になって、感情移入を妨げる元になる」

晶華「そんなの気にしない読者は普通にいるけど、作者や編集者が気にしないのは、技術や感性を疑われるレベルってことね」

009「もちろん、そういう表現の粗という欠点を凌駕して、面白いストーリーや魅力的なキャラクターを生み出せるクリエイターだったら、欠点に目をつぶってくれるケースもあるかも知れないし(作品の優先順位の問題)、ラノベやエロ小説、あるいは原作マンガ付きの2次創作ノベライズなどでは、文章の厳密さよりもストーリー展開の勢いや表現の躍動感なんかが求められる。あくまで、小説を読み慣れた大人やプロレベルの創作志望者の肥えた目を満足させる技術論の話ってことで」

翔花「アムロさんレベルのニュータイプだったら、背中にも目が付いているから、ピキーンと光が走って、背中の翼が自分で見えたりすることだってあるかもね」

009「自分の機体だったら、外部カメラで背後がモニターに映し出されたりする見せ方もOKだし、使い魔持ちの魔法使いだったら使い魔の視点を通して、自分の外見がどう見えているかを観察したり、と工夫しているケースもある。あるいは1人称を意識して使いこなしている作家の文章だと、『私は妖艶さを意識した笑みを浮かべ』とか『相手の瞳が、私の豊満な胸の揺れる様子に注視しているのを感じながら』とか『いつの間にか、私の衣装は変わっていた。黒い手袋やシューズ、特徴的なデザインの黒スカートや胸布の手触りから想像して、妖艶で可愛いゴスっぽいコスチュームに統一されているのだと思う』とか、まどろっこしくも丁寧に推敲されて工夫した表現が溢れているんだな。この辺の丁寧さと表現の引き出しが、凡百の素人とプロレベルを分ける技術の差だろう、と感じる次第」

晶華「グロックさんはどうなの?」

009「プロット段階で、視点キャラの外見描写が書いてあるのに、1人称で書くように指示されると、場所に関わらず、唐突に鏡が出現する(苦笑)。吸血鬼小説で、吸血鬼になった女の子の1人称視点で外見の変化を表現する際に、鏡で自分の姿を映して見せたり、野外とか文芸部の部室なのに、突然、鏡が出現したり、1人称で自分の姿を見るシーンはいつでもどこでも鏡に統一されているようだ」

晶華「そういう定番パターンがあるわけね」

009「この場面で姿見の鏡が登場するのは不自然だ、とは考えないんだな。だから、人前で生成文を発表するときは、そういう違和感ある部分を推敲して書き直したり、鏡がある理由を補わないといけない。この辺の修正作業をしながら、連続ストーリーだと追加設定が生まれたりもするし」

翔花「ムーンルナーラは、鏡を魔法で作り出すことができるわけね」

009「元々、ムーンルナーラの使える魔法をどの系統にしようかと設定を考えてみて、月の力は幻惑系で、幻影や魅了などの心理系の術を使おうかと決めていた。催眠系なども、悪堕ち要素を考えるうえで便利だしな。ゲームブックでは、《月の蛇》がどういう能力を持っているか、はっきりしない。主人公に対しては、物理攻撃しかして来なくて、弱点が炎だから、もしも蛇同士で対決したら、《陽の蛇》や《火の蛇》には絶対に勝てそうにない。主人公に最初に倒される相手だから、大蛇の脅威を文章の演出でじっくり描く反面、能力的には最弱に近く設定されている(それでも、弱点を突かなければ、技術点13、体力点10は十分脅威と言えるが)」

翔花「主人公の初期状態の技術点は、最大12だもんね」

009「1巻や2巻で技術点を増やせるアイテムを入手していたり、火を付けるアイテムを持っていない限りは、3巻からスタートの戦士が避けて通るべき強敵となる。さておき、《月の蛇》の能力を推測する演出は以下の通りだ」

 

  • 前座として、主人公に死霊の幻影を見せる魔法使いレンフレンが登場する。もしかすると、同じ幻術使いの彼を操り人形として操作しながら、その影に潜んでいたのかもしれない。
  • レンフレンが主人公に敗れて、大蛇の情報を話そうとしているところに出現。レンフレンは《月の蛇》の姿を見て、恐怖のあまり死んでしまうが、もしかすると、蛇の方から役立たずの彼を始末するために、恐怖の魔法を使ったのかもしれない。
  • 出現時に、周囲が闇に包まれる。明らかに幻術、あるいは闇の魔法を使いこなす。自身は闇の中に浮かぶ満月から姿を変えて、《月の蛇》として主人公に襲いかかる。物理攻撃しかしないのは、レンフレンの幻術を主人公が打ち破ったのを見ていたから、自身の幻術も効果が薄いと考えたからかもしれない。もちろん、大蛇は物理攻撃にも自信があるので、不確かな幻術や心理攻撃に頼るよりも、物理で直接攻撃した方が早いと舐めプした可能性も十分に考えられる。
  • 以上を踏まえて、当ブログでのルナーラは、幻術と心理作用、搦め手のエキスパートと設定することにした。もちろん、月という属性のイメージも考え合わせてのことである。

 

009「幻影を操るルナーラなら、鏡を生成する魔法を行使するのもさほど違和感ないと拡大解釈したわけだ。さすがに小学生女子の私室に、手鏡ならともかく、全身が映せる大きな姿見があるのはおかしいからな」

晶華「鏡があってもおかしくないのは、身だしなみを整える洗面所や浴室、服屋さんの試着室、芸能人の控え室、理髪店などかしら」

009「野外であれば、車のサイドミラーや、道路のカーブミラー、あるいは池や湖の水面なんかも使えるな。部屋の中だと、化粧をする大人の女性なら部屋に鏡台を置いてある可能性もあるし、夜なら窓ガラスを鏡の代用にしたり、TVやパソコンのモニター画面にうっすらと映し出される演出だってできなくはない。さらには相手の瞳に自分の姿が映し出されるのは、リアリティにはいささか欠けるが、視点キャラの感受性や観察力が高いという設定なら、文章表現自体で幻想的な雰囲気を読者に味わってもらうことが可能」

翔花「幻想的な雰囲気に読者を誘うことができたなら、多少のリアリティの欠如には目をつむってもらえるものね」

晶華「幻想的な雰囲気をどうやって文章で構築するかは、また別の問題だけどね」

009「いずれにせよ、感心したのは『魔法少女に憧れる小学生女子の1人称文体』なんて、NOVAには描写困難な表現を、グロックさんは割と適切に打ち出してくれるんだよな。もちろん、クーリングオフとか、ムーンルナーラの設定とかは、こちらでプロットの中に取り入れてみたんだが、視点キャラが変わると、文体そのものも変わって来るし、それは月美視点とルナーラ視点を読み比べると分かるんじゃないかなあ。どこがどうって細かくは分析できていないけど」

翔花「生成AIに、どこまでの文章表現ができるかってことね」

009「逆に、AIに負けない作家を目指すなら、定番でない文体での個性化や、独特の比喩、変なキャラの口調とかで独自性を追求する必要があるんじゃないかなあ。たぶん、うちのケイP口調(語尾にッピが付く)なんかは、AI小説で対応できるのか、気になる」

晶華「あと、さりげないけど、一人称が月美とルナーラで違うのね。月美ちゃんはひらがなで『わたし』だけど、ルナーラは漢字で『私』と区別されている」

009「君たちだってそうだけどな。翔花は『わたし』で、晶華は『私』。1人称と語尾のキャラの描き分けは、ラノベやコミックの基本だからな。一応、グロックさんのデフォルトは『私』なので、男性キャラ視点だろうと、女性キャラ視点だろうと、地の文は全部『私』。大幅に推敲が必要なのは、セリフでの一人称は『俺』になっているのに、そのキャラ視点の地の文が『私』になっていて、読んでて明らかに違和感。実は男性一人称の『俺』『ぼく』『私』の区別の方が、AIではまだ困難なケースが多々見られる。メガネをかけた少年はデフォルトで『ぼく』になるみたいなので、名探偵コナン君を題材にしたAI2次小説なんかは、苦労するんじゃないかなあ」

翔花「コナン君の一人称は『俺』だもんね」

009「この『俺』も、『オレ』とカタカナ表記にしたり、『おれ』とひらがな表記にしたり、こだわる作家はいろいろこだわっているが、こだわらない書き手は『俺』『オレ』『おれ』の使い分けや、逆に統一感が欠如して、酷いことになる」

晶華「一人称のブレなんかは、人間が推敲するべきポイントだ、と」

009「リアルに考えるなら、1人称なんて、会話する相手によって適切な表現を使い分けるのが当たり前だからな。いつも俺口調で話すワイルドな人物でも、バイトの面接では一人称や口調を変えるのがリアルだと思うが、そこを敢えて変えずに、ひどく無作法な態度や格好でバイト面接に臨み、なぜか試験官に個性を気に入られて……という物語ケースもあるし、こういう部分は人間の作者が体裁を整える必要があるんだろうな」

 

晶華「とにかく、AI生成創作を続けながら、その過程で考えたことや感想をあれこれ語る記事ってことね。他にない面白いブログ記事になるんじゃないかしら」

009「AI創作と宣言している作品は、Pixivなどでよく見かけるようになったが、AI創作小説を作ってみての、感想や表現の是非、ツッコミその他の雑感なんかは、あまり読んだことがないので、私的な体験雑文を当ブログに載せるのも一興だと思った」

翔花「じゃあ、続きも期待しているから。ムーンルナーラが仲間集めをして、カーカバードに帰還して、マンパンの大魔王さまのために、アナランドの勇者をやっつける話を続けてね」

009「って、それって、君たちのクローディアやロザリンと対決する話にならないか?」

翔花「うっ、それは困る。わたしのクローディアがムーンルナーラと戦う話なんて、読みたくない」

晶華「その辺は、違う時間軸の話にすればいいと思うわ。ムーンルナーラたちが戦うアナランド人は、また別にキャラクター設定して、マンパンの大魔王を倒して、新たな大魔王として君臨するの。アプリ版の一展開って奴ね。それをムーンルナーラたち、7人の魔法少女が力を合わせて倒す壮大な話」

009「さすがに、そこまで続けることはないと思うんだけどなあ。途中で飽きるなり、別の楽しみを見出したりすると思うし。まあ、今のところ、《火の蛇》の魔法少女まで設定が完成して、脳内だと風と水まではイメージが見えているんだが」

晶華「すると、残りは時と陽の2つだけが見えていない、と」

009「話を進めているうちに、アイデアがつながって形になるとは思うんだが、下手に先の展開が見えてしまうと、ゴールが見えた時点で満足しちゃって、書き続けるモチベーションが消失することもあるからな。

「趣味の連載作品が完結しないのは、最後までの道筋が見えて来ない場合と、はっきり見えてしまって、書かなくても自分の中では完成してしまった場合の両方があるからな。書きながら初期プロットを越えたアイデアがいろいろ思い浮かぶタイプの作家は、ゴールが見えると筆が止まるケースがあるんだ。やはり、書いてみないと何が生まれるか分からないという不鮮明な部分があるから、そこを見たくて書き続けるというモチベーション。まあ、商業的な要請とか、読者の要望などで、自分の中の仕上がっている部分を発表して完結させるエネルギーに変わる場合もあるがな」

晶華「とにかく、グロックさんの力を借りれば、プロットだけ書けばいいんだから、頑張ってみてね」

009「次は、書きかけの別記事があるし、今月分のスパロボもあるから、それ以降の話になるな」

(当記事 完)