晶華のモチベーション
晶華「ふえーん、そろそろ27日の誕生日が近いのに、NOVAちゃんが帰って来ないよ〜。そろそろ、血が飲みたくなってきたよ〜。こんな気持ちじゃ、NOVAちゃんの代わりにブログの管理なんてできるわけないよ〜(涙目)」
ケイP『これは、マスターNOVAがいないことによる禁断症状? 確か、 6月7日の記事でそういう状態になったと、ケイPマーク2から聞いたことがある。こういう時は、どうすればいいんだか?』
晶華「……と、3年4ヶ月ほど前の私なら、泣きじゃくっていたのよね。大丈夫、今の私は子供じゃない。そう、未来でNOVAちゃんロスに耐えながら、過酷な生活を経験したのはダテじゃない。こういう時のサバイバルだって心得ているんだから」
ケイP『おっと、成長した晶華ママは一味違うのか?』
晶華「KPちゃん、行くわよ」
ケイP『どこに?』
晶華「血が欲しければ、自分で獲物を仕留めに行けばいい。サバイバルに必要なのは、自給自足の精神、すなわちDo It Myself(自分でやれ)の精神なの。NOVAちゃんが私を放置するなら、私にも考えがある。欲しいものを手に入れるなら、このバットクイーン、何だってしてやる」
ケイP『けぴっ? バットクイーンって、もしかしてアナザーショーカが侵食して来ている? そう言えば、いつもは薄めの亜麻色の髪が、少し赤色が濃くなっているような。晶華ママ、しっかりして、正気を保ってくれ』
晶華「フフフ、大丈夫。今の私はまだ正気よ。ちょっぴり血に飢えて、ブラッディーな気分になっているだけ。だけど、正義を捨てて悪に堕ちたわけじゃない。そう、アナちゃんの心はまだ抑えている。NOVAちゃんを裏切って、人を襲うつもりはないわ。いつまで保つかは自分でも分からないけど。だから行くのよ、獲物を狩りに」
ケイP『何を狩るって?』
晶華「ウサギよ🐇」
ケイP「ウサギだって?」
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晶華「セーラー戦士や、プリキュアや、サンリオキャラを敵に回してどうするのよ。この周辺でウサギと言えば、これよこれ」
ケイP『ああ、そっちのウサギか。だけど、この辺りのウサギは全滅させたんじゃないのか?』
晶華「それって、9月9日の話じゃない。モンスターなんて、一ヶ月もすれば普通にリポップするわよ。他に狩人でもいればともかく。だから、時々駆除してやるのも、塔の管理人、領主の務めという奴よ。私はただNOVAちゃんに与えられた塔の名代、ミストレスとしての仕事を果たしに行くだけなんだから。そうして、付近を荒らす獣の血を報酬として飲み干す。誰にも迷惑かけないし、何の不都合もないわ」
ケイP「ボーパルバニー狩りなら不都合はないってことか。しかし、最近はモンスターの擬人化が多いからなあ」
晶華「一応、私も花粉症の擬人化であって、モンスター娘の一種ということを主張しておくわ。だから、たとえボーパルバニーが萌えキャラを装ったとしても、私は怯まない。そう、今から『ボーパルバニーVS吸血花粉症ガール 鮮血広野の舞闘少女(バトルメイドンinブラッディーフィールド)』というタイトルで映画の撮影に臨んだって構わない。NOVAちゃん好みのアクションヒロインだって演じてみせる」
ケイP『おお、バトルアクション映画の撮影なら、おら、ワクワクしてきたぞ。で、監督は誰だ? 坂本監督だったら、おらも出演したいぜ。それにカメラマンとかスタッフもいろいろ必要だな。さっそく企画書を書くことから始めて……』
晶華「誰が書くのよ」
ケイP『もちろん、晶華ママじゃないのか?』
晶華「私は主演女優なのよ。華々しく輝くのが仕事なの。そういう面倒な仕事はNOVAちゃんに任せた」
ケイP『って、ここでマスター頼りかよ。だったら、せっかく通信機があるんだから、連絡を取ってみたらどうなんだ? いつ、こっちに帰ってくるのか、とか、血に飢えているからボーパルバニーを虐殺してもいいか、とか、映画の撮影の企画書を書いてくれ、とか、確認したらいい』
晶華「そ、そうね。時空通信機があったんだった。じゃあ、早速……」
NOVA「おお、晶華か。何か事件か? もしかすると、タイムジャッカーの連中でも攻めてきたのか? だったら、待ってろ。すぐに、そっちに行くから」
晶華「ん〜、タイムジャッカーは来てないけど」
NOVA「そうか。連中はまだ新世界のことを知らないようだな。もしも、そっちに気づいていれば、お前を奪還しに来ることだって想定していたんだが」
晶華「え? もしかして、私をここに残したのって、タイムジャッカーをおびき寄せるための罠ってこと?」
NOVA「ああ、それもある。もちろん、他にも理由はあって、一番の目的はポーション作りなんだがな。お前の誕生日のためのブラッドポーションがもうすぐ完成しそうなんだ。これが完成したら帰るから、いい子にして待ってるんだ。ところで、そっちに任せた仕事は順調か?」
晶華「え? うん、まあ、順調に進んでいるよ。今日はドゴランキーパーの話をしようと思ってたんだ(どうしよう、仕事をサボって、外にウサギ狩りに行こうと思ってたなんて、言えないよ〜)」
NOVA「分かった。ケイPとうまくやってくれ。俺も27日には帰って、ハッピーバースデイを祝うつもりだ。美味しいブラッドポーション、楽しみに待っていてくれ」
晶華 「分かった。NOVAちゃんの声が聞けてよかったよ。私、もう少し頑張るから、誕生日にはよろしくね」
NOVA「おお、何か問題があれば、すぐに連絡しろよ。それとアナザーショーカが目覚めたりしたら、教えてくれ。タイムジャッカーの計画についても知りたいからな」
晶華「大丈夫。アナちゃんはまだ大人しく眠っているから、私はまだ正気よ。フフフフフ」
NOVA「そうみたいだな。信頼してる、そっちのことは任せた。じゃあな」
晶華「はあ、何だかNOVAちゃんの声を聞いただけで安心しちゃって、言いたいことが言えなかったよ。本当は、しばらく会えなくて寂しいとか、早く帰って来てとか、そっちからももっと連絡してきて欲しいとか、血をよこせとか言いたいことはいっぱいあったのに」
ケイP『最後の一言がなければ、可愛げがあったのにな』
晶華「色気より食い気、飢えを満たすことの方が大事なのよ。だけど、NOVAちゃんが帰ってきたときに怒られたくないから、仕事はするわ。働かざるもの飲むべからず。KPちゃん、資料を見せて」
ドゴラン・キーパーの話
晶華「ドゴラン・キーパーって、私たち粉杉シスターズがKPちゃんの変形したドゴランアーマーを装着した重装騎士形態のことなのよね」
ケイP『ああ、マスターNOVAがいなくても戦えるように、武装アーマーとしてプログラムされたんだ。設定そのものは4月21日に公表されていたんだけど、物語中の初お披露目は翔花1号ママが荒野の旅を始めた5月12日だな』
晶華「この時点では、バトル編のお姉ちゃん1号と、日常編の私2号という区分はまだ曖昧だったのよね。形式としては、私を主人公にしたバトル物語を、NOVAちゃんが私のために書いてくれているような感じで」
ケイP『確か、「不思議の国のアリス」が元々は、そういう手法で作られていたみてえだ。作者のルイス・キャロルこと数学者のチャールズ・ドジスンが知人の7歳の娘アリス・リデルたちに語って聞かせた即興話を膨らませたのが、童話のアリス。もちろん、お話の中のアリスは現実のアリスとは別人なんだけどな。一応はモデルというか、創作の少女には作者の自己投影もあるわけだし、お話作りのきっかけみたいなものだな』
晶華「だけど、私とお姉ちゃんの2人の翔花が出会ったりすることで、日常とバトルの境界線が曖昧になったような気がする」
ケイP『だからこそ、日常を守るための戦いがドラマになるんじゃねえか。ともかく、ドゴラン・キーパーは翔花ママのサポート役、守護騎士フォームとして誕生したわけだ』
★ショーカ・ドゴラン・キーパー基本設定
「ドゴラの力を鎧に変えて、守れ勇者の大閃光。花粉SHOWガール、ショーカ・ドゴラン・キーパー、ここに見参。不定形の力で気合充填OKね」
粉杉翔花が、アシスタント・モンスターのケイPの変形したドゴランアーマーを装着した重装騎士形態。
本来、翔花の体力では重い武器や鎧を装備することは不可能なので、パワーブースト機能もアーマーにデフォルトで搭載されている。これによって物理的な攻撃力と防御力は飛躍的に高まったが、武芸の鍛錬をしたことのなかった翔花には宝の持ち腐れでしかない。
しかし、未熟な翔花の戦闘経験を補うため、ケイPには通常モードの人格とは別に、バトル人格の31859が用意されており、翔花の意思に応じて、最適な動きをサポートするマニューバ機能が搭載、基本的な戦闘技能や戦術的判断を補佐してくれる。
これによって、戦いの素人である翔花も、そこそこ熟練した戦士のように戦えるようになったのだが、緒戦の相手が歴戦の武人であったために敗北を喫す。
バトル人格31859も、どうすれば相手を倒せるかという戦術的判断はできても、そもそも戦うべき相手かどうか、戦いを回避するために何ができるかという戦略的判断ができず、むしろ装着者に戦いを煽る好戦的なバトルプログラムであったことが露呈し、後に改修されたりもする。
アーマーの機能としては優秀で、物理的な防御力のみならず、熱や電気などのエネルギーを吸収することもできるため、ハチ毒のような生物兵器を除けば攻略困難。さらに花粉症ガールの花粉分解に合わせて、不定形の軟体ボディに転化することも可能なので、いざという時には特殊回避も可能。自己修復も可能なので、まるでゼオライマー。
ただし、軟体ボディへの転化は随意的であり、花粉分解に連動するので(さもなければ防護アーマーとして機能しない)、強力な打撃をまともに受けてしまえば破損する可能性もある。避けるか装甲で受け止めるかの瞬時の判断は、やはり装着者の戦闘経験やセンスに掛かっているので、熟練の戦士相手に過信するのは危険である。
いわゆる不可侵のバリアみたいな防御能力は装備されていないので、絶対無敵の完全装甲ではない。将来、ケイPが電気を操れるようになれば、電磁バリアのようなものを張ることができるかもしれない。
攻撃力に関しては、特殊な武装が設定されているわけではない。一応、大剣が用意されていて武器戦闘に使用できるが、翔花は自分の植物の精霊パワーを活用したムチやニードル、槍を使うことを好むので、大剣はもっぱらケイPの意思で使われる。
そもそも、重装甲を頼りに、相手に肉薄し、強力な斬撃で叩き斬る戦闘スタイルは、翔花の性格とは相容れないので、今後は花粉症ガールのトリッキーな戦術と、どう折り合いを付けるかが課題とも言える。
戦闘面以外の長所としては、通信・索敵・情報収集機能に優れ、高熱や異常環境での生存性にも長けるため、未知の環境での探索任務には向いている。
ただし、機動性の低さは否めないので、今後、重装甲と機動性のバランスをどう取っていくかが模索中である。その一つの答えとして、ドゴラン・アーマーを変形させて、マシン形態にするアイデアと合わせて、今後の発展が期待される。
ブルー・スタンドが精神的、霊的、魔術的な成長を目指すのに対し、ドゴラン・キーパーは物理的、技術的、メカニック的な発展を志す形態と考えれば、相違点がはっきりするだろう。
そして、いずれも、花粉症ガール・粉杉ショーカの成長に合わせて、まだまだ強く伸び行く姿であることは間違いない。
晶華「つまり、ドゴラン・キーパーってサナギマンか、仮面ライダーカブトのマスクドフォームみたいなものね。防御力は高いけど、ひたすら耐える剛力招来スタイルって感じで、本命である超力招来やクロックアップの前座扱いってところかしら」
ケイP『おいおい、ドゴランアーマーをサナギマン呼ばわりは酷くないか? いくら毒舌スタイルが売りの晶華ママでも、言っていいことと悪いことがあるだろうがよ』
晶華「そう言っても事実じゃない。私はドゴランアーマーのお世話になったことがあまりないので言わせてもらうけど、これってクラシックD&Dの戦士がモデルなのよね。レベルが低いうちは攻防の中心として重宝するけど、決定力に欠ける上、汎用性に欠けるため、壁役とかザコ相手の地味な戦力と見なされ、成長した呪文使いに見せ場を奪われるようになっていく扱いが関の山」
ケイP『晶華ママ、おらにケンカを売ってるのか?』
晶華「別にKPちゃんが悪いと言っているわけじゃないのよ。私から見て、KPちゃん自身は優秀なアシモンよ。先月のボーパルバニー戦でも、ハイラスおじさんを守りながら活躍していたしね。だけど、ドゴラン・キーパーの状態だと、花粉症ガールの持ち味と、KPちゃんの持ち味がうまく噛み合わずに戦力が無駄になっているんじゃないか、ということなの。元々、私やお姉ちゃんが未熟だったから、それを守るためのフォームがドゴラン・キーパー。だけど、私は未来で魔法使いとして成長したし、お姉ちゃんもコンパーニュで修行して、それぞれ6月の頃よりも強くなっている。だったら、ドゴラン・キーパーも単に防御特化だけでなく、新たな可能性を模索する時期が来ているんだろうなって」
ケイP『ドゴラン・キーパーは翔花ママを守るためのフォーム。だけど、花粉症ガールとして、姉妹それぞれ成長した現状では、そこまで過保護なフォームが必要でなくなった。だから、能力のリソースを防御以外に配分する方が効率的ということか?』
晶華「そう。あくまで魔法使いである私の意見だけどね。KPちゃんを身にまとうよりも、互いに臨機応変に動けるようにした方が、戦力を有効利用できると思う。もちろん、イザという時にKPちゃんがガードしてくれると助かるけれど、それは別に鎧の形じゃなくてもいいんじゃないかしら。もちろん、お姉ちゃんはまた違う意見を持っているかもしれないけど。お姉ちゃんは私と違って勇者みたいな役割だから、積極的に前に出て行くこともあるだろうし、私は後方支援担当だから使い魔は必要でも、鎧は必要ない」
ケイP『そう言えば、この間、マジカル・ドゴランフォームなんて言っていたよな。あれについては、どうなったんだ?』
晶華「あれは思いつきの原案よ。実際に、どういう形で実現するかは私にも分かっていない。新しいフォームを登場させるなら、それに応じたバトルシチュエーションも必要になるし、ドゴラの力って魔力に変わったりするのかしら。もしもKPちゃんが相手の攻撃エネルギーを吸収して、それが私の魔力に充填できたりするのなら、マジカル・ドゴランにも意味はあると思うんだけど」
ケイP『おらの戦闘プログラムには、気を用いた武術はインプットされているが、魔法についてはよく分かんねえからな。こればかりは、マスターNOVAが考えてくれないと上手くいかねえのかも』
晶華「ラーリオスの世界なら、気の力で魔法みたいな現象を起こせるみたいだけど、同じことをこの世界でできるかは分からない。星輝石みたいな気を媒介するアイテムがあるわけでもないしね」
ケイP『一つ言えるのは、翔花ママはアストロモンスの力や、クウガの力を使えるってことだな。晶華ママにはできるのか?』
晶華「私には無理ね。どうも、お姉ちゃんはヒーローや怪獣の力を召喚しやすく、私の方はファンタジーやホラー関連の力と相性がいいみたい。戦い方を見ても、お姉ちゃんは直接的な破壊力重視のパワーアップを果たすのに対し、私は対集団用の攻撃呪文や、トリッキーな呪術・幻術などが得意だし、性格に応じた成長をしているのだと思うわ」
ケイP『だったら、今後の創作設定は、粉杉姉妹の特性の違いについて、掘り下げてみるとするか』
晶華「その前に血が飲みたいわ。やっぱり、ウサギ狩りに行きましょう」
(今話完)