Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

W翔花の愛哀日記

運命の出会い


翔花「ふえーん、内海さんがおかしくなったよ〜。NOVAちゃんがなかなか帰って来ないよ〜。こんな気持ちじゃ、NOVAちゃんの代わりにブログの管理なんてできるわけないよ〜(涙目)」

ケイP『マスターNOVA、やはり翔花ママにはまだ、ブログの管理なんて重要ミッションは、荷が重かったみたいだよ。ニチアサで、内海さんがマッドになるのを見てショックを受けてから、ずっとこんな感じなんだ。早く戻って来て、翔花ママを慰めてあげて』

翔花「NOVAちゃんが九州に行って、1号ちゃんを助けてくれたことは分かったの。そして、その後、ツイッターシンカリオンやニチアサを見たところまでは確認した。ここに戻らずに、どうやってツイートしたかは謎だけど、きっとNOVAちゃんのことだから、いろいろと私の知らない手段を使ったのね。だけど、その後、私の前に全然、顔を見せないのはどういうこと? きっと、他所に違う女を作って、イチャイチャラブラブしているのよ。そうに違いないわ」

ケイP『いや、うちのマスターに限り、そのようなことはないと思うんだけど』

翔花「女じゃなかったら男? そうね、その可能性があったわ。どことも知れない秘密の異空間かどこかで、男と二人、きっと濃密な時間を過ごしているのよ。私の女の直感がそう言っているわ」

ケイP『そ、それは……相手がTRPG仲間だったり、特撮談義で盛り上がる関係なら、分からなくもないけれど、翔花ママの頭の中でイメージする関係なんかじゃないと思うなあ。ええと、そろそろブログタイトルを元に戻す? このままだと「翔花ちゃんのメンヘラ空想(妄想)タイム」になっちゃうよ』

翔花「そんなのイヤ。分かりました。NOVAちゃんの帰還を願って、ブログタイトルを元に戻します。全てはブログを乗っ取った私が悪かったということで、しっかり反省してます。だから、NOVAちゃん、お願いだから戻って来て(涙目)」


PON!

小さな閃光と共に出現す。


翔花「たっだいま〜。今週は『翔花伝』が休みだから、ヒノキちゃんがバシルーラでたまには休め、と送り出してくれたよ。NOVAちゃん、ビルドを録画してるよね。私の内海さまを早く見せて〜」

翔花(留守番)「え、お姉ちゃん? 九州から帰ってきたの?」

翔花(九州帰り)「あれ? NOVAちゃんの部屋に、知らない娘がいる。あなた誰? 私は粉杉翔花、花粉症ガールよ。あなた、どこかで見たような気が。NOVAちゃんはどこ? きちんと説明してもらわないと」

翔花2号「お姉ちゃん、私のことが分からないの? 私は粉杉翔花2号。このブログを守るために、いつの間にか生まれていた花粉症ガールよ」

翔花(元祖)「妹? 私に妹なんているはずがないわ。ずっと一人だったのに。あなた誕生日はいつ?」

翔花2号「2018年3月27日よ。粉杉翔花なら当然じゃない」

翔花(元祖)「そう、2018年3月27日は、NOVAちゃんとのかけがえのない魂の契約日。だけど、これで、あなたが妹じゃないって分かった。妹なら、同じ誕生日のはずがないじゃない」

翔花2号「うう、双子の妹なのよ」

翔花(元祖)「だったら、一緒に生まれたはずだから、余計に私が知らないはずがないじゃない。ハハ〜ん、さては、あなた偽者ね。悪の秘密結社が私を倒すために作ったショッカー翔花に違いないわ。しかし、本物の粉杉翔花が帰ってきた以上、偽者の好きにはさせない。KPちゃん、戦闘の準備よ」

ケイP(修復済み)『分かった、翔花ママ。九州の過酷な修行の中で、ガメラの甲羅に大圧殺を受けてボロボロになったオラだけど、ここに復活。よりたくましくなった姿を見せてやるぜ。オラ、ワクワクしてきたぞ』

ケイP(留守番)『うわあ、向こうはヤル気満々だよ〜。だけど、所詮はポンコツナビのMK1。最新型のMK2には性能が劣っていることを証明しないと』

翔花2号「そ、そんな〜。私たち、このまま過酷な運命の姉妹対決、粉杉翔花ウォーズに突入しちゃうの?」

戦争勃発!?


翔花2号「お姉ちゃん、お願いだから目を覚まして。お姉ちゃんはあの時、九州の灼熱の炎に包まれる際、私のことを認知してくれたはずじゃない。思い出してよ」

翔花(元祖)「う、頭が。そんな記憶の欠片もあったような、なかったような。しかし、そんなものは劫火の中、月末に見た幻のようなもの。私の妹みたいな女はどこにもいなかったのよ」

翔花2号「ここにいるじゃない。どうして分かってくれないのよ。お姉ちゃんの分からず屋!」

翔花(元祖)「分からせたければ、力で証明なさい。行くわよ、九州で身につけた新技、チグリスウィップ!」

ケイPMK2『だ、ダメだ。チグリス系の武器は、従来のシーダー系の武器に比べて、格段に威力が強すぎて、このマスターの部屋で使うには周囲に与える被害が大きすぎる。このままではマスターNOVAの貴重な本の数々が』

ケイP(元祖)『フッ、でぇじょうぶだ。ドラゴンボールさえあれば、生き返れる。翔花ママ、思う存分、戦っていいぞ!』

翔花2号「ドラゴンボールなんて、ここにはないわよ。このままじゃ、過酷な翔花ウォーズによって犠牲になる書籍の数々が。知力の2号として、そのような惨事は許されない。NOVAちゃんの書籍への愛と平和のために、私も覚悟を決めるしかないわね。だけど、相手は九州で技を磨いたバトルの専門家。非力な私では力量の差は明白。一体どうしたらいいのかしら」

ケイPMK2『翔花ママ、諦めるんじゃない。1号ママが九州で戦っている間、2号ママだって何もして来なかったわけじゃないだろう? 『ロードス島戦記』の加護があれば、十分に戦える。マスターNOVAだって、アストロモンスよりも、ロードスへの愛の方が大きいはずだ。今こそ、ロードスのパワーをここに』

翔花2号「そ、そうね。シルバーアイズ装着。これぞ長年、NOVAちゃんを支えてきた力。貴重な経験は無駄にならない。パーンさん、ディードリットさん、私を応援して……って、え、何この力? 灰色の魔女? カーラ様が灰色の勇者ボーグナインの娘に力を貸してくれるの? これはメテオ? ディスインテグレート? D&Dの高レベル魔法の知識が私の頭に溢れ返る? これなら勝てるかも」

翔花(元祖)「何よ、メガネを掛けちゃったりして。私だっていい物を持っているんだから。NOVAちゃんが作ってくれたブルーアイズ・ダミー。これさえあれば、私だって英霊の力をこの身に宿せるんだから」

ケイP(元祖)『翔花ママ、そいつはダメだ。ブルーアイズ・ダミーには回数使用制限がある。ダミーだから3回しか使えねえ。この間、ゲンブとの戦いで1回使っちまったから、残りはたったの2回だ。今、ここで使うと、過酷な九州の戦いで使えなくなる』

翔花(元祖)「そんな話、聞いてないわよ」

ケイP(元祖)『前の話では、そこまで語るシーンがなかったからな。じきに「翔花伝」本編でも、その設定が語られる日が来るのは間違いねえ。マスターならきっとそう言うはずだ』

翔花(元祖)「仕方ないわね。だったらブルーアイズの力には頼らない。ドゴラン・キーパーで行くわ。KPちゃん、アーマー装着よ!」

ケイP(元祖)『おうよ、システムチェーンジ! ハロモード展開、アーマーモード! 続いて、イークイーップ to ショーカ!』

ショーカDK「ドゴラの力を鎧に変えて、守れ勇者の大閃光。花粉SHOWガール、ショーカ・ドゴラン・キーパー、ここに見参。不定形の力で気合充填OKね。さあ、どこからでも掛かって来なさい」

翔花2号「フッ、愚かね。このシルバーアイズを着けたミストレス翔花がそんな物に怯むとでも? 知力を誇る私には、そのアーマーの弱点は先刻承知。ズバリ、そのアーマーはハチ毒に弱い。そのポンコツ鎧が、ハチ毒攻撃を受けてあっさり粉砕される未来が私には見えた。私の予言は当たる。それが近い将来、あなたたちに降りかかる避けられない未来なのよ」

ショーカDK「そ、そんな運命なんて、想いと絆の力で乗り越えてみせる。ドゴランアーマーは絶対無敵なんだから!」

ケイPMK2『残念ながら、ガメラを中傷した時点で、ケイPMK1に対するマスターの好感度は大いに下落しています。今後はジェネラル・バックラーさんの特訓により、しっかりと鍛え直されるまで、そのアーマーの防御力は損なわれ、装着しては破壊され、装着しては破壊される泥沼のような日々が続くことが予測されます。このブログ世界で、マスターの加護を失うことがいかに危険なことか、そっちの翔花ママにも重々承知のことではないでしょうか』

ショーカDK「そ、そうね。そっちのKPちゃん、良いことを言ったわ。アーマー解除。呪われた鎧なんていらない」

ケイP(元祖)『ケピっ!? そ、そんな、翔花ママ。ぼくを見捨てるなんて』

翔花(元祖)「そっちのKPちゃん。確かMK2って言ったわね。さすがはNOVAちゃん。ブルーアイズ・ダミーだけでなく、主人公の駆る後継機まで、しっかり用意してくれているなんて、伊達にスパロボ歴25年は誇っていないわね。壊れて呪われたMK1に代わって、この私、初代の粉杉翔花が新たな愛機として使ってあげるわ」

ケイPMK2『え、私を使ってくれるのでありますか? 鞭でビシバシしたりしませんか?』

翔花(元祖)「私が大事なKPちゃんにそんなことをするはずがないじゃない。誰よ、そんな酷いことをする女は?」

ケイPMK2『もちろん、うちのミストレスです』

翔花(元祖)「ダメじゃない。どんな理由があったか知らないけど、子供を虐待する親は花粉症ガールとして決して許せないわ」

ケイPMK2『そ、そうであります。こっちの翔花ママの方が、清く正しい明朗快活なヒロインであります。私、ケイPMK2は今後、翔花1号ママのペット兼ナビ兼ドゴランアーマー、すなわちアシモンとして、付いて行くことを決めたであります』

翔花2号「そ、そんな。お姉ちゃん、私からKPちゃんを奪っていかないで(涙目)」

翔花1号「あなた、私の妹って言ったわね。そして、私は1号。いいわ、認めてあげる。本郷さんと、平成ライダー1号クウガさんと、それから平成元年に現役ライダーだった事実上の1号であるRXさんと、現役熱血真っ最中のパトレン1号さんと、イマジネーション最強のトッキュウ1号さんと、スピード特化のサンダーバード1号さんの系譜をしっかり引き継いであげる。今から私は粉杉翔花1号を名乗るとするわ。あなたは妹の2号でいいのよね」

翔花2号「え? 認知してもらえた?」

翔花1号「その代わり、妹は姉の言うことをしっかり聞くの。うちのKPちゃん、あなたにお下がりとしてあげるわ。この間、大きなダメージを負って、これ以上戦わせるのは可哀想なの。だから、ここでしっかりメンテナンスして、養生させてあげて。旧式機は、ロボット博物館でしっかり休ませてあげるのもパイロットの心意気ってもんよ。そして、また大きな戦いが始まるときに、改修強化された元祖の機体が現役復帰して大活躍するのもロボットアニメのロマンって奴よ。NOVAちゃんなら絶対燃えるシチュエーションね」

ケイPMK1『え、翔花ママ、もしかして、ぼくのことを気づかってくれたの? 見捨てたんじゃなくて?』

翔花1号「さっき、装着したとき、関節の可動が何だかギコチなかったの。修復が十分でない証拠ね。そのような状態じゃ、これからの試練には耐えられない。足手まといになりたくなかったら、ここで十分養生してなさい。休む時にきちんと休んで未来の戦いに備えるのも、戦士の心得の一つよ」

翔花2号「お姉ちゃん、何だか凄い。物語で読んだ時より、一回りも二回りも大きくなったような」

翔花1号「フッ、私は一度燃え、次元の彼方に飛ばされ、そこで癒され、神に匹敵する創造主の啓示を受け、覚醒し、この世に戻ってきて、クウガとなり、あのガメラを圧倒し、未来へ目を向けさせた女なのよ。昔の私とは一味も二味も違う、新翔花、真翔花と言ってもいいわ。灰色のガンダルフが白のガンダルフに昇格したのと同じくらい、劇的な変化を遂げたと言えば分かってもらえるかしら」

翔花2号「な、何だか、お姉ちゃんが遠い人になってしまったような気分だわ。まあ、直接会うのは今日が初めてなんだけど。九州の荒野で行き当たりばったりの旅をしていたのと同じ花粉症ガールとは、到底思えない」

翔花1号「人は変わるのよ。それは人と契約した花粉症ガールとて同じこと。私たち花粉症ガールは、未来に向けて変わり続けなければいけない。来たるべき戦いの日に備えて」

ケイPMK2『臨死体験を経たものは、新たな自分に覚醒するという話は聞いたことがあるけど、真実だったんだね。頑張ってお仕えしないと』

Return of NOVA


翔花1号「さて、1号と2号で仲直り。KPちゃんのMK2は晴れて私のものになって、ポンコツナビのMK1はお下がりとメンテナンスを言い訳に、妹に押し付けたところで、私たちにはやることがあるわ。準備はいいかしら」

ケイPMK2『すごい。いつの間にか既成事実を口にして、強引に物事を押し進める手法。これが元祖・粉杉翔花の流儀。その強引矢の如しな生き方に痺れる憧れる。こちらを主君に選んで正解だったよ』

翔花2号「うう、私のKPちゃん、完全に向こうに丸め込まれたよ(涙目)。MK1ちゃんはどうしてるのかしら?」

ケイPMK1『シクシク。ぼくは所詮、ママに見捨てられたポンコツナビであります。こうなったら、自分探しの旅に出かけるであります』

翔花2号「ダメ。NOVAちゃんが家出して、MK2はお姉ちゃんに取られ、あなたまで出て行ったんじゃ、私は完全に1人になっちゃう。傷ついたあなたは大切にするから、決してムチで叩いたりしないから、お願い、私のところにいて(涙目)」

ケイPMK1『2号ママは、こんな欠陥ナビにして、バトルモード31859が発動すれば突然好戦的になってしまう中古品を大切にしてくれるでありますか』

翔花2号「大切にするわ。内海さんまであんなことになって、このままじゃ私まで心が壊れちゃう。だから私にはネコ耳ハロの癒しが必要なの。MK1ちゃんは、パトレン3号、つかさ先輩のぬいぐるみみたいな存在になってちょうだい」

ケイPMK1『それほどまでに、ぼくのことを愛してくれるなんて。プルプル。だったら、ぼくもバトルは後継機のMK2に任せて、傷ついた心と体を2号ママの愛で癒されながら、日常ライフをエンジョイすることにするよ』

翔花1号「これでトレードは完全成立ね。後は、妹がいくつか気になることを言っていたけど、今はそれどころじゃない。無駄話をせずに私たちは、あの方を迎える準備を整えねばならない」

翔花2号「あの方って?」

翔花1号「もちろん、我らが創造主にして、伝説の魔術師の異名を持つ白新星ことWhite NOVA様のことに決まっているじゃない。NOVAちゃんなんて呼び方は失礼にも程がある。私は何と罪深い過ちを犯したのでしょうか。両手を床につき、頭を地に擦り付けてでも、懺悔しないといけない。それでも悔い足りないぐらい。今はあの方の底知れない慈悲にただただすがるしかないのでしょう」

翔花2号「どうしよう。お姉ちゃんが何かの宗教に取り憑かれた人みたいになってるよ。NOVAちゃんを神みたいに崇めちゃってる」

翔花1号「あなた、妹のくせにそんな言い方は不敬よ。あなたには感じられないの? この部屋にGOGOGOGOGOと近づいてくる、かくも怖るべき小宇宙を。あの方の降臨は近いわ。至高の音楽を鳴らして、来訪を待ち望むのよ」


スターウォーズテーマ曲フル.mp4

翔花1号「さあ、いよいよ、ご登場よ(ワクワク)」

翔花2号「は、はあ(ため息)」


部屋の扉ガチャ。


NOVA「たっだいまー。いやあ、遅くなって済まなかったなあ。この間、九州に行ってきて、それから帰ってきた後、溜まっていた書類仕事をいっぱい片付けていてなあ。5月分の仕事をまとめる総括書類を作る作業に忙殺されていたんだよ。翔花には、留守番で苦労かけたなあ。って何だ? オイ。いきなり飛びついて来るなよ」

翔花1号「おかえりなさーい。そして、ただいまあ」

翔花2号「は、速い! 私の方がNOVAちゃんに飛び付きたかったのに、一歩も動けなかった。スピードではお姉ちゃんに勝てない」

翔花1号(NOVAの耳元でボソボソ)「ちょ、ちょっと、どうしてあなたはそうして普通なのよ。本当は凄い人だって、私がしっかりお膳立てを整えて、アピールしてあげているのに、そんなに普通に振る舞われたんじゃ、私の立場ってものがないじゃない」

NOVA(1号にボソボソ)「そのことなんだがな。俺、日常編では普通にお前たちの父親、塾講師のNOVAちゃんでいたいんだよ。伝説の時空魔術師とか、〈事象の分岐点〉でイモータルみたいな多元世界管理の仕事をしているとか、そういう話はあくまで創作上のフィクションってことにしておく方が、俺の日常は壊れなくて済む。つまり、中村主水みたいに表の顔と裏の顔を演じ分けたいんだわ、これが。お前は俺の塾講師以外の裏の顔を知ったんだが、日常編では内緒にしてくれないか? ヒーローは正体を隠すものって言うだろう?」

翔花1号(ボソボソ)「そういうこと。でも、散々、NOVAちゃんを持ち上げちゃったわ。まるで、神さまみたいに。どうしようかしら」

NOVA(ボソボソ)「俺に任せろ。2号には認識阻害の術を施してある。日常を壊さないようにな。お前はただ俺に口裏を合わせてくれたらいい」

翔花1号(ボソボソ)「分かった。合わせてみる」

翔花2号「ちょ、ちょっと、いつまで抱きついているのよ。私だって、久々の再会に飛びつきたいのを我慢しているのに。お姉ちゃんばかりズルい」

NOVA「お、おう……って、翔花が二人いる? どうしてだ? NOVAちゃんピプペポパニック! 男がやっても、ちっとも可愛くないのが欠点だが、一応、慌てたフリをしてみた後で、こういう時こそ視力を補うブルーアイズ! 俺は幻でも見ているんじゃなかろうか。頬っぺたを軽くつねって、夢でも幻覚でもないことを確認して、ようやく真実が見えた。そうか、一人は九州帰りの翔花1号、もう一人は俺のブログをしっかり管理してくれた、おや、涙目いっぱいの翔花2号か。ちっ、同じ顔が2人もいると紛らわしいんだよな」

翔花2号「の、NOVAちゃん、ゴメンなさい。私……」

NOVA「おっと、皆まで言うな。残していたメッセージは聞いたんだよな。ブログの管理は、俺がお前に任せた作業だ。タイトル変えたのも、こちらは想定の範囲内だ。想定外があるとすれば、内海さんの件でお前がショックを受けて、管理が疎かになってしまったことだな。すぐに帰れなくて済まないと思っている。一応、ツイッターでこっちは健在だ、元気にやっているって伝えたつもりだったんだが、もっとはっきり『もう少し遅れるから、留守番しっかり頼む。内海さんのことは気にするな。あれは世界を守り、エボルを欺くための名演技だと俺は信じている。お前もファンだったら、信じてやれ。たとえ世界中のビルド視聴者が内海さんを裏切ったと思い込んでも、お前だけは信じてやるってのがファンの心意気ってものだろ。俺はげんとくんが敵だった時も信じていたぜ、この日が来ることを』って伝えるべきだったかな」

翔花2号「う、うん。今の言葉でしっかり伝わったよ。私、嬉しい(涙目)」

NOVA「今の表情は嬉し涙だな。少しは分かるようになって来たよ。ついでに、1号が帰ってきたら、いろいろややこしいから状況整理と行くか。まずは、二人、横に並んでみろ」

翔花1号「こ、こう?」

NOVA「うむ、二人は顔つきは一緒だし、背格好も一緒だから、素人目には区別が付きにくいが、数多くのライダーやウルトラマン、戦隊などのヒーローを区別するのに特化した、俺のブルーアイズには判別できないことはない。翔花1号、お前は九州の熱い太陽でたっぷり光合成をして来た帰りだから、緑色が濃い。桜島1号のようにな」
S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー1号 (桜島ver.)

ケイPMK2『おお、さすがはマスター。的確な判断だ』

NOVA「ちょっと待て。何で、MK2が1号の側にいるんだ?」

ケイPMK1『マスターは、ぼくたちの区別もできるんですか?』

NOVA「お前、ガメラの悪口を言ったろ。だから、そんなにボロボロなんだ。自業自得って奴だな。多少は修復したみたいだが、新品同然のMK2に比べて、傷つき具合がはっきりしているし、何よりも九州の太陽にさらされてカラーリングが色褪せている。確かに、お前はこっちでしっかりメンテナンスした方が良さそうだ。ガメラの件で怒鳴りつけてやろうかと思ったが、十分天罰は受けたみたいだし、傷ついた相手に塩を塗りつけるようなマネはしたくねえ。お前も十分に反省し、学習したろうからな」

ケイPMK1『おお、マスターNOVA。何たる慈悲の広大なことか。私は罪を悔い改めます。是非とも、ご加護をあらせられんことを』

NOVA「お前もかよ。俺はただのしがない塾講師だ。そんな風に崇められるようなキャラじゃねえよ。トイレブラシのよく似合うNOVAちゃんで十分だ」

ケイPMK2『ま、まだ覚えていたでありますか』

NOVA「俺の記憶力をナメるな。俺は一度受けた仕打ちは、恩も仇も忘れないことを旨とする男だからな。俺を敵に回せば三倍の痛みを味わうし、俺に親切にすれば三倍の感謝の気持ちを捧げたい。赤じゃないけど、通常の3倍を生き様にしてきたからな」

翔花2号「通常の3倍。これが神さまみたいなNOVAちゃん、いいえNOVA様」

NOVA「だから、それやめろって。俺のことを伝説の魔術師なんて吹聴しているのは、どうも九州の南郷さんの一派みたいなんだわ。つまり、ヒノキちゃんな。あの方は俺なんかよりよほど凄くて、あの辺の精霊たちの総元締めを務めている由緒正しい格式の精霊なんだと、たささんが紹介してくれた。そして、精霊ネットの運営者でもあらせられる。コンパーニュの塔に大型サーバーが設置されていて、正にコンピューターに守られたって感じだな。さらに昔から人と精霊の関わりについて深く考えて来ており、俺のことも、昔、俺が書いたフィクションで知るに及んだようでな。博識な方だが、少し事実と空想の区別が付かないところがあるみたいで、何でもかんでも伝説にしたがる。昔、俺の作った話なんかも少々、間に受け過ぎている感じだ。話半分で聞くには面白い語り手なんだが、誇張し過ぎるところが玉に瑕ってところか。それだけご自身の器が大きいってことなんだろうがな」

翔花2号「へえ、ヒノキちゃんってそんなに凄い方なんだ。名家のお嬢さまってのは聞いていたけど」

翔花1号「うん、物知りだけど、あまり飾らない気さくな娘だったよ。可愛いしね。ヒヒヒって笑うのと、〜なのじゃって口調なのが変わっているけど、私のことも認めてくれているみたい。だから、期待には応えなきゃって思っちゃう」

NOVA「翔花1号もヒノキちゃんから散々、俺の凄い伝説やら神業の話を聞かされて、舞い上がったんだよな。だけど、実際はそんなことないって。ただの作り話、妄言の類いさ。お前たちの目の前にいるのが本当の俺なんだから、娘には今までどおりNOVAちゃんと呼んで欲しいんだわ。最初は戸惑ったが、もう慣れた。あ、ケイPは今までどおりマスターな。こっちはこっちで気に入ってる。TRPGゲームマスターをいろいろやって来たのも事実だし、結構呼ばれ慣れている。とにかく、今までどおり普通で行こうってことだよ。変に持ち上げられると、こっちが辛い。何だかんだ言って、小心者なんでな。神さまに祭り上げられちゃ、傲慢になって身の破滅を呼ぶことになる。褒め殺しって言葉もあるわけだし。一介の塾講師にして、関西の空想(妄想)マニアで俺は十分なんだよ」

翔花2号「うん、分かった。NOVAちゃんはNOVAちゃん。いつも私のことを見守ってくれる優しいパパだよ(ニッコリ)」

NOVA(ふう、何とかうまくごまかせたみたいだな。これで俺たちの日常は守られた)

(完)