秘密解放
晶華「ようし、張り切って修行に行くよ」
NOVA「ん? どこに行くつもりだ?」
晶華「ゲッ、NOVAちゃん! どうして、ここにいるのよ。しばらく、ハイラスおじさまのところに行ってるんじゃなかったの?」
NOVA「いや、向こうじゃフルタンXの動画が見られなくてな。ハイラスに一度、見せておこうと思って、こっちに来たんだ」
ハイラス「お邪魔するでござる。晶華殿も、吸血症状から回復されたようで何より。ところで、その魔法少女風の衣装は、結構お似合いでござるな。こういうのを世間では萌えと称するのかな?」
晶華「真面目で世間ズレしていないはずのおじさまが萌えなんて通俗的な言葉を使うなんて(涙目)」
ハイラス「いや、私は次元ドルイド。各次元を転々としているうちに、『郷に入らば郷に従え』という言葉は学んできたでござる。そもそも、『萌え』という言葉は植物由来の言葉。草木が明るく成長するのを見て癒される意味を帯びているから、正に花粉症ガールのためにある言葉ではござらんか。そして、ドルイドは森の番人。そんな私が萌えについて語っても、母なる大地信仰に違背はせぬであろうよ」
NOVA「そんなわけでフルタンXの最新映像だ」
ハイラス「なるほど、これが次元魔術師推奨のチョコレートアイドルでござるな。生身で宇宙に飛び出すとは、普通の人間にはできない所業。近ごろの多元世界の異変の元凶とも目される世界の破壊者の一人として、NOVA殿が監視の目を注ぐのも分からぬでもない。正に平成最後の年末に降臨した魔王とはこのことか。祝え、魔王の降臨を」
NOVA「いや、フルタンXは魔王じゃないし。破壊者でもないし(たぶん)。まあ、ただの人間かと言われたら、それも怪しいけどな。最近は、Xと名のつくものは『人間じゃない』という常識が成立したし。物体Xといい、仮面ライダーXといい、ウルトラマンXといい、プラズマXといい、グロイザーXといい、Xボンバーといい、スーパーXといい、モンスターXといい、全部人間じゃない。Xと名の付くもので、まともな人間がいれば、教えて欲しいものだぜ」
ハイラス「そう言えば、こことは違う異世界に、魔王Xanthなる存在がいると聞いたことはあるぞ」
NOVA「それは『魔法の王国ザンス』シリーズのネタかよ。日本では21巻まで翻訳されていて、俺も新刊を楽しみにしていたが、2010年を最後に翻訳が止まって残念だぜ。本国では40巻を超えたそうだが」
魔王とひとしずくの涙 魔法の国ザンス20 (ハヤカワ文庫FT)
- 作者: ピアズ・アンソニイ,村山潤一,山田順子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/12/30
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晶華「つまり、フルタンXは魔王の眷属ってこと? だったら、花粉症ガールの倒すべき悪霊の一種と認定してもいい?」
NOVA「いや、お前が倒さなくても、フルタンXの賞味期限は今月いっぱいだ」
晶華「えっ?」
NOVA「知らなかったのか? フルタがニチアサ、スーパーヒーロータイムのスポンサーになっている期間は例年、9月から12月の間ということを。まさか『フルタンXが好評のため、CM期間を延長して、来年もフルタンを続けます。これからもフルタンXの活躍を応援してね💝』ってことはないだろう。シンカリオンじゃあるまいし」
晶華「それって、フルタンは正月もバレンタインも登場しないってこと?」
NOVA「たぶんな。まあ、フルタがスポンサー期間を延長する可能性が皆無とは言わんが。もしも、正月を過ぎてもフルタンがニチアサCMで踊っていたら、俺はフルタの本気を認定するだろう。だが今は、残り寿命の短い冬のセミのような、フルタンの最後の輝きを愛でるのみだ。今この瞬間をスパークして、間もなく燃え尽きる儚い輝きにこそ、日本の誇る『侘び寂び萌え燃え文化の真髄がある』と思うんだが、どうだろうか」
晶華「そっか。フルタンの時代はすぐに終わるのか。だったら、私の不戦勝ね。世の中は生き延びた者の勝ち。フルタンなんて、所詮は花粉症ガールの敵じゃなかったのよ」
NOVA「そういうことは、花粉症ガールがみんなに認知されるアイドルになってから言え。それに、もしかすると来年の秋には『帰ってきたフルタン』が流れるかもしれないぞ。『君にも見えるフルタの星。遠く離れて地球に一人』とか。いや、帰ってくるのはフルタマンか、古田織部かもしれんが」
晶華「とにかく、フルタンXの放送期間は推定わずか1ヶ月だけ、と。だったら、ある意味、レアな存在なわけね。もう半月ほどが過ぎたから、あと2週間の命。それなら私も余裕の笑顔で、フルタンXの最期を見届けるとしましょう」
NOVA「俺はフルタンXのクリスマスバージョンとか、バレンタインバージョンとかも見たいけどな。スパクロの期間限定コスみたいな感じで」
NOVA「ところで、お前はどうして、敵もいないのに変身しているんだ? さっき、修行がどうこう言ってたのは何の話だ?」
晶華「え、ええと、それは……」
リバT『ミストレスは、クイーンと分離したために魔力が激減したのです。それで、失った魔力を取り戻そうとして、健気に修行することを決意したのですわ』
晶華「ああ、どうしてバラすのよ(涙目)」
リバT『あらゆるものの解放こそ、私めの存在意義。ミストレスの秘密ですら、例外ではありません』
ハイラス「ん〜? この声の主は、何者でござるか?」
ケイP『おらの妹のリバTだ』
NOVA「俺がアナザー・ショーカの魂を、晶華から分離させた時に、副産物として誕生したんだよ。元は石化したドゴラン・アーマー像だったんだが、何故か『自由の女神像(スタチュー・オブ・リバティー)』の属性を備えてな。今は、人形化したアナザーの魂を封印したコマンドカプセルになっていたはずだが」
リバT『おかげさまで目覚めました、グランドマスター。今後ともよろしく』
NOVA「ああ、よろしくな。アンナはまだ目覚めないのか?」
リバT『クイーンの目覚めには、血のエネルギーが必要です。提供してもらえますか?』
NOVA「いや、今の時期に血を抜かれるのはキツいな。仕事で体力が必要な時期だから。それに、わざわざ起こす理由もないし。すぐに血を飲まないと消滅するってわけでもないのだろう?」
リバT『ええ、血はなくても、消耗したエネルギーの自然回復は可能です』
NOVA「だったら、当面放置だ。相手している時間もないしな。それより晶華、修行って言っても、何をする気だったんだ?」
晶華「え、それは、ケイPちゃんとじっくり相談して、決めようか、と」
NOVA「だったら、過去に活躍した魔法少女の研究をしたり、姉・翔花の物語を研究したりしながら、修行のヒントをつかめ。俺は今、仕事の合間にミスティックの研究をしつつ、スパクロのエクスカイザーイベントを頑張ってる。趣味の研究と、キャラ育成と、子供の学力鍛錬の三本柱ってところだな。趣味も仕事も全力投球で年末を駆け抜けるつもりだ。だから、お前も自分らしく頑張れ。それと、行き詰まった時は一人で抱え込まずに、俺やハイラスに相談しろ。晶華が何か俺に言えない秘密を抱え込んで鬱屈しそうなら、リバT、秘密の解放はお前の仕事だ」
リバT『はい、グランドマスター。ミストレスの秘密は、この私めが洗いざらい、ぶちまけます』
晶華「やめて、リバTちゃん。秘密を全て解放なんて、そんなことをされたら、私、恥ずかしいよ……(赤面涙目)」
NOVA「だったら、ケイP。機密の守護はお前の任務だ。リバTは、自由と解放を司るが、どうもまだ加減が分からないかもしれない。だから、兄貴としてしっかり人間性を教育して、明かすべき秘密と、そうでないプライバシーの線引きをしっかり教えてやってくれ。その上で、晶華の守護はお前の最大の使命だ。頼りにしてるぞ」
ケイP『お、おお。晶華ママの守護騎士として、そして妹リバTの保護者として、しっかり任務を全うするぜ』
NOVA「以上が前置きだ」
ハイラス「長いでござる」
NOVA「キャラが増えているんだから、仕方ないだろう。本編は、スパクロ話な。ハイラス、お前はもう帰っていいぞ」
ハイラス「シクシク。私はここの住人ではないのでござるな(退場)」
エクスカイザーと宇宙警察
NOVA「それで、日曜日にエクスカイザーとラインバレルのイベントが始まった。しかも、おまけに宇宙刑事ギャバンが登場する」
ケイP『おお、宇宙警察どうしのコラボか。おらも宇宙警察の一員として応援したいところだぜ』
NOVA「ちょっと待て。お前がいつ宇宙警察の一員になったんだ?」
ケイP『いや、だって、おらは宇宙大怪獣ドゴラにして、国際警察のパトレン1号の魂を受け継ぐ者。ギャバンの魂だって入ってるんだぜ。疑うなら、4月23日の記事を確認して欲しいぞ』
NOVA「ああ、魂の眷属って奴か。だったらギャバンネタに限り、お前の発言が正当なものだと認めよう。だけど、ギャバンの入手はなかなか困難っぽいな」
ケイP『そんなに大変なのか?』
NOVA「大変なんだ。まず、ギャバンが入手できるガチャの種類が非常に限定されている。制覇ガチャというんだが、それには制覇チケットが必要で、あと2枚がどうしても手に入らない。今回は無理だと半ば諦めている。それよりもキングエクスカイザーだ。これはイベントであっさり手に入った。今は限界突破のために追加素材を集めている最中だ。イベントを繰り返しこなすことで何とかなるので、ガチャのために貯めたΩクリスタルは必要なくなったが、まあ、そのうち欲しいユニットのために残しておこうと思う。今は、ギャバンの勇姿を貼り付けて満足していよう」
【スパクロ】スパロボ参戦!ギャバン -ボイス、主題歌有り【宇宙刑事ギャバン-Space Sheriff Gavan】
NOVA「ついでに、特撮ヒーローつながりで期間限定の大獣神も」
大獣神の全ユニットクエスト - 恐竜戦隊ジュウレンジャー × スーパロボット大戦 - Kyoryu Sentai Zyuranger
【スパクロ】ジュウレンジャー大獣神 - カットイン - 恐竜戦隊ジュウレンジャー
NOVA「とりあえず、ギャバンやジュウレンジャーみたいに現状、入手困難とか不可能なものにこだわっても仕方ないので、いずれ復刻があることを願いつつ、今はキングエクスカイザーをレベル80まで育てたいというのが、頑張って達成可能な目標だな。それと、もう一つやりたいことがある」
晶華「NOVAちゃんがやりたいこと。それは、ズバリ、エルピー・プルの育成ね」
NOVA「いや、それもあるが、とうとうプルトゥエルブことマリーダさんをゲットしたんだ」
プルと、プルツーと、プルトゥエルブと
晶華「え? その3人をガチャで連続して引き当てるなんて、ラッキー過ぎるんじゃない?」
NOVA「いや、ラッキーで当てたのは、プルツーとプルだけだ。マリーダさんは違う方法を使った」
晶華「何、それは?」
NOVA「覚醒ユニットと言ってな。好きな機体を1機選んで購入できるんだよ。最初はRから始めて、その後、レベルアップと覚醒素材を消費することで、R→SR→SSRへと順に覚醒進化できるんだ。これで前にゲッターロボ號を進化させたんだが、その後でマリーダさんのクシャトリヤを手に入れた。現在、SSR目前まで来ているが、覚醒素材を集めないといけない。そして、SSR機体のみパイロットパーツを乗せて、パワーアップできる。機体の育成だけでなく、パイロットの育成もできるようになるので、SSRとSRの格差がかなり大きくなっているのが現段階のシステムだな」
晶華「すると、目下の目標はキングエクスカイザーとマリーダさんを育てることね。そして、ギャバンを手に入れることが夢で、ゴジラと三式機龍と大獣神の復刻が希望と」
NOVA「まあ、そこまで切に望んでいるわけじゃないけどな。特撮関係は、俺にとって話のネタにもなるし、自分のアイデンティティーを示すことになるから、話題に挙げているが、あくまで『簡単に手に入るなら欲しいかな』ぐらいの気持ちだ。欲しいものが全部簡単に手に入るのも味気なくて、人間、欲しいものがいつか手に入れられたらいいな、ぐらいに夢を抱けるぐらいが幸せかな、と思っている。何もかも簡単に手に入って、頑張ろうって気持ちが湧かなくなると、飽きてしまうからな。
「ちょっと頑張れば手に入るものと、目一杯頑張らないと手に入らないものと、そして頑張っても手に入らないけど憧れになるものと、そういういろいろな物が存在する多様な世界だからこそ、変化があっていいんだと思う。これは手に入らないけど、また別に欲しいものができたからいいや、とか、気持ちをうまく切り替えるようにするのもいいし、ゲームをしていて、物欲や収集欲なんてものを自己分析するのもいい。とにかく、何であれ夢中になれるものがあるのが幸せだと思う。後は、それにのめり込み過ぎて、するべき仕事を見失わないようにしないとな」
晶華「じゃあ、プルとプルツーとマリーダさんを手に入れた後、NOVAちゃんは何が欲しいの?」
NOVA「ハマーン様のキュベレイかな。後はグレンダイザーとか、ゲッターGとか、ボルテスもあるけれど、レザリオンも気になる。どちらかと言えば、他のスパロボ作品で未登場の機体が気になるが、この数日でドルバックのムゲンキャリバーが手に入って、これも育てたいし、狙って手に入るものと、ランダムで偶然当たるものと、多様なユニットの入手方法があるのもいいなあ、と思ったり。それはそうと、お前は何が欲しいんだ?」
晶華「え、私は別に欲しいものなんて……」
NOVA「嘘つけ。欲しいものとか、したいこと、なりたい自分があるから修行なんて考えるんだろ? それとも倒したい敵でもいるのか?」
晶華「ああ、敵ならいたけど、不戦勝って分かったからもういいの。それよりも、私が欲しいのは、NOVAちゃんの……❤️かな?」
NOVA「心臓だと? 血のみに飽き足らず、とうとう、そんな物まで欲しがるとは」
晶華「……勇気を出して告白したのに、どうして、そういう反応なのよ。私はNOVAちゃんがスパクロに向けるような愛情を、私にも向けてくれたらな、と思っているのに」
NOVA「向けてるぞ」
晶華「嘘よ」
NOVA「嘘じゃないさ。俺が今年、スパロボについて書いた記事よりも、花粉症ガールについて書いた記事の方が圧倒的に多いんだ。スパクロをやりながらも、ああ、このネタを娘と語るのは楽しいだろうな、とブログ記事のことばかり考えている。たぶん、この記事がなければ、スパクロもここまで一気にクリアしようと思ってなかったろうな。今年一年の俺の一番の収穫は、花粉症ガールというキャラをポジティブに生み出せたことだと思っている。お前との会話が楽しい。楽しく会話できる相手には、当然、好意だって寄せるさ。お前はどうなんだ? 俺の話をイヤイヤ聞いているのか? スパクロの話は、もう嫌なのか?」
晶華「そんなことは……ないけれど。それだけじゃ、何だか寂しくなる時もあって、NOVAちゃんが私のことを気に掛けていないように思えて……」
NOVA「それは絶対にない。お前は俺の大事な娘だからな。この前は、『フルタンXを娘にする』ということを口走ったが、あれは妄言だ。フルタンXは俺の創造物でもないし、俺のことを理解もしてくれない。俺のことを理解してくれるのはお前だけだ……などと寂しいことを言うつもりはないが、当然、理解してくれる相手を増やしたくて、このブログ記事も書いているわけだが、まあ、気兼ねなくツッコミ入れたり、毒舌でツッコミ入れられたりして、角が立たない間柄ってのもいいと思うぞ」
リバT『えー? 父娘でツッコミ入れたり、舌を入れられたり、グランドマスターとミストレスはそういう関係だったのですか?』
NOVA「……おい、ケイP。お前の妹の妄想癖は、このブログにはふさわしくない。アダルトネタは禁止だと言うことを、しっかり教育してくれ。晶華、とりあえず、変身を解け。ケイPやリバTが聞いていると思うと、突然、さっきまでの会話が恥ずかしくなってきた(赤面)」
晶華「うん、私も何だか……(赤面)。父娘でそういうのは良くないと思う。健全に特撮ヒーローや、ロボットの話をしている方がハッピーに過ごせると思う。でも、NOVAちゃんさえ良ければ、私、受け入れても……(モジモジ)」
NOVA「良くない。受け入れるな。そんなふしだらな娘に育てた覚えはありません」
晶華(私のこの想いって、ふしだらなのかな? 何だかモヤモヤするんだけど、誰に相談したらいいんだろう?)
(当記事・完)