Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

水戸黄門6話&7話

 隔週追跡記事になってます。
 今回は、助さん主役編2本立て。
 助さんに、亡き父親の面影を見る老猟師の孫娘との交流エピソードと、
 お城を飛び出して城下町見物に出かけたじゃじゃ馬姫との交流エピソード。
 何だか、似たような話が2本連続で続いたのですが、物語構成的には変化球気味の前者と、ストレートな王道物の後者に分かれるかな。
 でも、キャラ的には助さんって普通の優等生風ですし、今さら特筆することがないか。あと、悪人像もそれほど大したことなく、ゲストキャラとの交流に時間を割いているため、事件の内容もとって付けたようなありきたりな物。普通に及第点とは思いますが、記事書きでは少し困った。
 まあ、ぼくは普通に人情話を見て、「ああ、いい話やな〜」と感じる人なので、見て損したとは思いませんが。


 一応、連載記事として、何かネタを探してみた次第。

6話「助さん、行方不明になる」

 この話の面白いところは、助さんが「旅の路銀を為替場で換金した帰り」に、浪人集団に絡まれて負傷したため、ご老公のところに戻れなくなったこと。
 よって、路銀を持たない老公一行が、宿の無銭宿泊をすることになり、難儀をするという顛末が、特筆するところかな。
 宿の番頭に、冷たくあしらわれて逆ギレした格さんが声高に反論しようとするも、武士の身分を隠さないといけない立場に歯噛みするところとか、その後、飯抜きで宿を追い出されて空腹で閉口しているところとか、たまたま落ち合った楓に飯屋でおごってもらうところとか……本編よりも、そういうところが面白かったです。


 大体、旅慣れた一行なら、いざという時の路銀ぐらい多少とも持っているだろうに、今回のメンツは旅慣れていない設定の上、今まではそういうのを助さんに任せっきりになっていたことが、この回で判明したわけで。
 さらに、常々、宿の手配に回っていた八兵衛も、路銀は持っておらず、世間ずれしているはずなのに、肝心なところでうっかりぶりを披露。


 助さんの方は、金目当ての浪人衆に囲まれて、普通ならあっさり返り討ちにできるところを、通りかかった少女を人質に取られ、やむなく無抵抗のままにボコボコにされて負傷、お金も奪われるという不運な目に。
 助けた少女と、その祖父の老猟師の小屋で介抱されたんだけど、肋骨にひびが入っているため、しばし休息が必要。


 で、そんな助さんのフォローに入ったのが弥七。
 賭場でバクチに興じている浪人どもの会話から、「助さんが金を奪われたこと」を察した弥七は、浪人どもにお仕置きをし、金を奪い返す美味しい役どころ。
 ちなみに、次の回でも、窮地の助さんを陰に日向にフォローする、名サポーターぶりを示します。こういう、いぶし銀のアシストぶりが実に格好いいですぞ、弥七さん。


 さて、この話、メインエピソードは、老猟師と孫娘にあるわけですが、もう一つ、サブエピソードとして、「病気がちで部屋に引きこもる藩重役の息子」の話があります。これには、主に楓が絡むわけですが、山育ちの楓の気風の良さが彼に影響を与えて……という流れがあります。
 ただ、二つのエピソードを同時並行的に描いたため、一つ一つが薄味になったとは思いますね。おまけに、怪我していたはずの助さんが、町に戻ってきて、老公と再会後、息子の方にまで説教をするなど立ち入ってくるのですが、この部分は格さんの役どころかなあ、と思いました。


 最後の悪人退治も、金のないご老公に親切に宿を世話した商人が(本音は老公の連れの楓を藩重役の息子の世話係に推薦したい思惑あり)、結局は悪徳商人だったりして、改めて記事にしてみると、脚本的には「いろいろな試みをした意欲作」とは思いつつ、やり過ぎて焦点がぶれた? って気がしなくもない。

7話「楓、衣替えする」

 これまで中山道を舞台にしていた本シリーズ。ここで、加賀に入って、都会が多くなりそうなタイミングからか、楓の衣装が「山娘風の冴えない格好」から「赤を基調とした服」に変わります。
 「馬子にも衣装」と言えば、女優さんに失礼ですが、ここでは逆に「色気のある娘も、地味な馬子衣装じゃ台無し」と感じていたため、衣替えしてくれたのは素直に嬉しいです……と言いつつ、次週で元に戻る可能性もなきにしもあらず。


 もっとも、本話のメインヒロインは楓でなく、助さんと交流するお城のじゃじゃ馬姫。実は、老公の姪に当たる彼女を中心にした悪人退治劇。前話よりストレートな話で、その分、感情移入度も高いです。


 注目は、前話に続き、行方不明になった助さんに対して激怒している格さん。「まったく、けしからん。よりによって女の尻を追い掛け回すとは!」と堅物発言。


 じっさいの助さんは、町で見かけた世間知らずの町娘が、危なっかしくて見てられず、嘆息しながら付き従ううちに、彼女が「しつけが厳しくて城を抜け出した姫」であることを悟り、その我がまま振りには説教するも、下々の暮らしに同情的に振る舞って、いろいろ学ぶ姿に共感していく流れ。
 折りしも、町では「姫様の名を悪用して、商人たちを脅迫する藩役人の企て」が進行していて、それを知った姫を始末しようという展開に。
 結局、姫の行動力が、悪人どもをいぶり出す結果になって、うまく事件解決。助さんとのエピソードは、ちょっとした「ローマの休日」感覚もありました。
 ドラマとしては、前話よりもこちらの方が、ストレートにゲストキャラの心情を掘り下げて、変に錯綜しなかった分、より味わい深かったと言えるかな。