WショーカとShiny NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

『暗黒の三つの顔』攻略解析録(準備編)

遅ればせながらのゲームブック攻略記事

 

シロ「今回から、ボクがここに来た目的を果たす」

翔花「故・山本弘さんのゲームブックね」

晶華「昨年秋に出版された故人の追悼本に収録された『暗黒の三つの顔』なんだけど、旧ウォーロック誌の18号〜20号(88年6〜8月号)に連載された200パラグラフの連作3部作です」

009「ここで以前に記事書きした『モンスターの逆襲』が、同誌の3号〜6号(87年3〜6月号)に連載されていて、88年4月に単行本化されたから、モン逆の次回作みたいなものだね。残念ながら、生前中には単行本化されていない幻の作品だったわけだが」

晶華「追悼本には、故人の雑誌連載記事がいっぱいで、目玉の記事は『RPGシナリオ創作講座』とコミックの『どこでもT&T』など、そして本記事のゲームブックになる、と」

 

シロ「で、ゲームブック素人のボクが、難易度の高い本作のプレイヤーに抜擢されたんだけど、まずは最初のアランシア編を何度か失敗しながら、ようやくクリアできた」

翔花「あれ? ゲームブックは素人なんだ」

シロ「ウルトロピカルやここのゲームブック攻略記事は目を通したんだけど、自分でプレイするのは今回が初めてだ。それにしても、本作は結構難しくて、初心者には向かないんじゃないか?」

009「発表が88年だからなあ。その年は本家のFFシリーズでも、24巻『モンスター誕生』やら26巻『甦る妖術使い』やらが邦訳されていて、高難度が当たり前だったという年だ」

晶華「すると、87年9月に邦訳出版された『王子の対決』よりも難しいってこと?」

シロ「いや、そこまでややこしいシステムではないんだけど、パラグラフ選択の仕掛けが凝っているというか、初見殺しの詰み展開が多い。正解ルートを知らなければ、いろいろとバッドエンドを繰り返して、最適ルートを探し回るタイプのゲーム」

翔花「じゃあ、当記事では、シロちゃんのキャラクターが死にまくって、四苦八苦のマゾゲー冒険譚をお披露目するってこと?」

シロ「初心者相手にイジメかよ(苦笑)。ええと、試行錯誤の過程を描く記事も一興だけど、物語としてはテンポが悪いので、苦労して見つけた最適ルートを中心に描くことにします。まあ、この作品をノーミスクリアした人はいないんじゃないか、と思うぐらいイヤらしい罠や仕掛けの多いゲームなので」

 

キャラ作りと作品背景

 

シロ「今作のヒーローキャラは、大魔法使いケマンダーの弟子という設定で、獣使いの能力を持っている」

翔花「ドルイ道おじさんみたいな感じ?」

シロ「ドルイドってわけじゃないんだけどな。どちらかと言うと、ダイナゼノンの怪獣使いに近いというか、近くにいる獣にテレパシーを送って、やって来た獣に命令する形だ。それには獣の種類に合わせて、体力点を消費する形になる。どんな獣を操れるかは、ストーリーの流れ次第だな」

009「D&Dのドルイドだったら、獣に変身したりもできるんだが、そういう能力はないんだよね」

翔花「多彩なモンスターに変身するのは、『モンスターの逆襲』でやったので、今度は獣を操る魔法だけ、と」

シロ「で、能力値なんだけど、1Dの出目が5だという扱いで、技術9、体力22、運11でスタートすることにする。どうも技術点8以下だと厳しそうだし、魔法で消費するから体力点も大事だ」

晶華「出目6の最強モードでプレイしたら?」

シロ「それだと、チートプレイみたいなので、最強一歩手前ぐらいがいいかな、と。もっとも、当時のリビングストンさんのゲームだと、それでもキツいのがFF20巻台以降だと聞いているけど」

翔花「名前は?」

シロ「そうだな。獣と言えば、ナンバーワン戦隊というのが今の旬なので、新登場の救世主に合わせてマシロで行こうか」

晶華「キュアプリズムっぽいわね」

シロ「だったら、マシロンで。大魔法使いケマンダーの弟子マシロン。師匠が最近、亡くなったので、修行半ばの身ながら、師匠の遺言を聞いて、『かつて師匠が封印した3体の闇の復活を阻止するために、アランシア、旧世界、クールの3大陸を旅して回る壮大な冒険譚』ってことだ」

晶華「3大陸を旅するなんて、イギリス本家のFFよりも壮大ね」

009「本家だと、FFコレクション2に収録された34巻『魂を盗むもの』が旧世界からアランシアに渡るという壮大な背景だったんだが、実際は大陸を渡る途中の島のダンジョンがメイン舞台だったからな。壮大な幕開けの割に、内実は小ぢんまりとした(良く言えば手堅い)作品だった。最初からダンジョン物だと思えば、立派な佳作だったと思う」

シロ「それにしても、連載形式とは言え、200パラグラフで1大陸ずつ舞台と特徴を描きながら、それぞれの物語を構築していった手腕は凄いなあ、と今さらながら感心した」

翔花「『モンスターの逆襲』は100パラグラフずつの4本立てで、最後が150パラグラフの合計450パラグラフ」

009「雑誌連載版は最後も100パラグラフで、単行本に際して加筆されたんだな。一方、『暗黒の三つの顔』は200×3の合計600パラグラフ。山本さんのゲームブックでも最大級の作品で、しかも88年だからワールドガイドの『タイタン』が邦訳出版される前の作品だ」

翔花「だったら、世界設定資料は使わずに、書いたってこと?」

009「英語版は86年に出ていたんだから、それを参考にしたんだろうさ。で、ゲームブックのFFはまずアランシアから始まり、『ソーサリー』で第2の大陸・旧世界が誕生し、23巻の『仮面の破壊者』から第3の大陸クールが本格的に展開するようになっていた。邦訳は大体イギリスの2年遅れで展開していたが*1、『タイタン』は90年邦訳で少し遅かった。だから、日本での暗黒大陸クールの紹介は、ワールドガイドよりも山本さんのゲームブックの方が早かったんだな」

晶華「暗黒大陸クールって、『王子の対決』のガンドバッド王国のあるところね」

009「後付けだけどな。最近のFFコレクションでは、『サソリ沼の迷路』が初めてのクールの物語として今年に復刻された」

晶華「先日、ウルトロピカルで攻略記事が完結したばかりね。それが終わったから、こっちのゲームブック記事が立ち上がったという」

009「FFコレクションでも、『アランシア大陸を離れて』が今期のテーマだったからな。それをいち早く復刻させたのが、今回の『暗黒の三つの顔』ということさ。もちろん、山本さんの追悼本の意義はあるんだが、それだけじゃなくて山本さんも力を注いだファイティング・ファンタジーゲームブックの今の時流に合わせた作品復刻だと考える」

 

シロ「作品背景は分かりました。それでは、完成したキャラクターのお披露目です」

★獣使いマシロン(プレイヤー:シロ)

 

・技術点9

・体力点22

・運点11

 

・食料:5

・金貨:0

・所持品:背負い袋、ナイフ、獣皮の服

 

主人公の背景

 

晶華「何だか装備品が見すぼらしいわね。冒険者なのに、剣の一本も持っていないなんて。お金もないし」

シロ「仕方ないだろう? 未開の地フラットランドの出身で、文明とは無縁の環境で育って来たんだから」

翔花「フラットランドってどこ?」

009「解説しよう。フラットランドとは、アランシア大陸の中央に横たわる大草原地帯で、野生動物やホースマン(ケンタウロス)の遊牧民が駆けていく地。そして、邦訳ゲームブックでは、この地を舞台にした作品はないという未開地だ」

009「上は、『タイタン』に所収の地図で、大陸全体が載っている。下は最近のゲームブックに載っている地図で、アランシア北西部が昔からの伝統となっている冒険の地だな」

晶華「有名な火吹山や盗賊都市ポート・ブラックサンドもあるわね」

009「FFゲームブックのシリーズ展開が続くうちに、地図も拡張されたり、新しい地名が加えられたりして行ったのだけど、日本ではFF30巻辺りで、南アランシアを舞台にした作品がいくつか邦訳されたところで展開終了した。だから、フラットランドを越えた東部アランシアについては、作品として語られなかったのが現状だ。一応、『タイタン』には広大なドワーフ王国のファングセインとか、雪と氷の地(北欧風の)フロストホルムや、城塞都市サルダス(未訳の49巻の舞台)などについて、ちらちらと触れられているが、やはり、それらの地の冒険譚なんかを読まないと、実感できないよなあ」

晶華「でも、今回は西アランシアが舞台なのよね」

シロ「フラットランドからトロール牙峠を越えて西を目指し、チャリスからシルバートン、そしてポート・ブラックサンドに至る物語だ」

晶華「田舎者が都会で一旗挙げようと頑張る話ね」

シロ「違うだろう。一旗挙げるのが目的だったら、ブラックサンドじゃなくて、サラモニスに行く。サラモニスには冒険者ギルドがあって、ブラックサンドには盗賊ギルドがある。ボクの夢はケマンダー師のような偉大な魔法使いになることで、盗賊になることじゃない、とマシロンなら考えるだろうな」

翔花「シロちゃんだったら?」

シロ「忍びとしては、盗賊技能も必要だから、ブラックサンドで修行することもありだとは思うが……」

晶華「とにかく、今回はブラックサンドが目的地ってことね」

シロ「ああ。亡き師匠ケマンダーが言い残した言葉によると、ブラックサンドの地下にある古代都市の遺跡に、最終兵器、鋼鉄ゴーレムが眠っているらしい」

翔花「鋼鉄ゴーレムさんかあ。マグネットパワーでハニワ幻人さんをやっつけそうな名前ね。ゴーレムブリーカー死ねえ、とか言って」

晶華「大丈夫。マグネットパワーだったら、アポロンウィンドウを封じることで遮断することができるって話を聞いたことがあるし」

009「それは違う話だな。ハニワ幻人も、アポロンウィンドウも本作には登場しない」*2

翔花「だったら、鋼鉄ゴーレムさんって、どういう存在なのよ?」

シロ「ケマンダー師匠が言うには、偉大な魔法使いミッドウッド・ワンローが創造した悪魔の機械で、額にはめ込まれた魔法のルビーが動力源。それを外して、ゴーレム周辺に封印の結界を張ることで、眠らせることに成功したらしい」

晶華「すると、ルビーをもう一度、額にセットすると目覚めるわけね」

シロ「一度目覚めると、恐るべき力であらゆるものを破壊するそうだ」

翔花「ルビーは今どこに?」

シロ「ブラックサンドにいる老魔法使いニカデマスさんに託して、処分してもらう手はずだったんだけど、きちんと処分できたかは確認できていないので、それが当面の目的になる」

晶華「でも、邪悪な奴が禁断のゴーレムの眠りを覚まさせようとしているわけね」

シロ「結果的にはそうなるな。いずれにしても、他の大陸に渡ろうとしたら、ブラックサンドのような大きな港町から船に乗る必要があるし、そのために船賃も稼がないといけないな」

翔花「野生育ちだから無一文だもんね」

シロ「マシロンは元々、捨て子だったんだ。それを、フラットランドの洞窟で隠遁生活をしていたケマンダー師に拾われて、魔法使いの弟子として育成されたんだ。だけど、高度な封印魔術を教える前に、師匠は病気で亡くなった。だから使える術は動物使役のみ。もしも、もっと修行期間があれば、元素精霊を召喚したり、変身魔法を使いこなしたりもできたかもしれない」

晶華「師匠さんが亡くなったから、かつて施した巨悪の封印が弱まって、目覚めるかもしれない。それを確認するために、師匠の友人の魔法使いニカデマスさんを訪ねようってことね。では、冒険譚を始めましょう」

シロ「ここまでが準備編だから、続きは次回だな。アランシア横断の道を頑張ろう」

(当記事 完)

*1:『ソーサリー』の邦訳刊行ペースは例外的に早い。本国では83〜85年に順次刊行していったが、邦訳は85年の7月〜10月まで毎月1冊ずつ出て4巻完結という。訳者がそれぞれ違ったゆえのスピード出版とは言え、最終巻の『王たちの冠』は85年に出たばかりの新作を、その年のうちに訳して出版するなど、当時の出版社(東京創元社)のゲームブックに対する熱の入れようは凄かった。

*2:念のため、ハニワ幻人は『鋼鉄ジーグ』、アポロンウィンドウは『キン肉マン』のネタである。