アナランドからの旅立ち
晶華「前回は、背景情報をいろいろ話した後、いよいよ今回から旧世界の冒険開始です」
マシロン(シロ)「目的地は西の王国ガランタリア。そこで戦争を引き起こそうとしている〈闇の精〉を退治するのが、この大陸でのボクたちの使命なんだけど、その前にフェンフリィに寄って、『炎の書』を入手しないといけないらしい」
ルビーK(翔花)「その書物さえあれば、炎の精霊力が充填できて、このわたしがパワーアップできるってことね」
ザック(009)「いや、そういう話じゃなかったはずなんだが」
ルビーK「そういう話にしましょう。今からでも遅くないわ」
晶華「考えておきます。とにかく、サイトマスターの老軍曹トマスさんから、いろいろな情報と『チャランナ王への紹介状』を受け取ったあなたたちは、出発前にアークレトンの街の市場で買い物をすることができます」
マシロン「買い物といっても、攻略上、重要なアイテムが何も売ってないんだよな」
ルビーK「金貨10枚で買える〈はでな服〉がお勧めよ」
ザック「嘘をつくな、嘘を。冒険でいちばん役に立たないアイテムじゃないか」
ルビーK「派手に着飾りたい女の子の心理を考えなさい」
ザック「お前、タヌキだろう? タヌキだったら、PONと化けてしまえば、服なんて何を着ても問題ないはず」
ルビーK「化けるのと、きれいな服で着飾るのは話が別よ」
マシロン「ロープも、ランタンと火口箱も持ってるし、この大陸では宿賃として金貨4枚が必要だから、無駄遣いしない方がいいってグァンドゥムが言っている」
ザック「いるのかよ、グァンドゥム。ここは別の大陸なんだぞ」
マシロン「大地の精霊の声はどこにいても聞こえるようになった、ということで」
ルビーK「わたしのおかげね」
ザック「何でだよ!?」
ルビーK「ほら、精霊少女のわたしと契約したことで、マシロン様の魔力が飛躍的に高まって、大地の精霊の声も聞こえるようになったのよ、たぶん」
晶華「グァンドゥムの声という理由で、先読みネタバレを遠慮なくして、相変わらずのチートぶりね」
マシロン「最適解狙いで進みたいからね。とにかく、ここでは何も買わない。その代わり、食料3食分を金貨3枚で売ります。残り金貨14枚だ」
ザック「おいおい。これから旅に出るのに、食料を売ってどうするんだ?」
マシロン「このゲームブックでは、食料が最大5食までしか持てないからね。道中ですぐに食料が入手できるみたいだから、売って金に換える方が得だってのが精霊占いの結果だ」
ザック「よく分からんが、未来が見えてるってことなら、俺はそれに付き合うまでだ」
晶華「では、買い物をせずに、食料を売って小銭稼ぎをした後、いよいよ出発します。大陸の反対側に向かうには、3つのルートがあります」
- 北のモーリステシアに向かう。
- 南からレンドルランドに回る。
- 海路を行くことにする。

マシロン「最適解は、レンドルランドに向かう途中でリーブラ湖へ寄って行くことだと思う。モーリステシアと海路は、IFルートということで、後でチェックしよう。今は、女神さまの名を冠したリーブラ湖へ向かうことにする」
女神リーブラの話
晶華「女神リーブラは『ソーサリー』初出の神さまで、その後、『タイタン』で〈正義と真実の女神〉としての設定が公開されました。本作では、その加護は旧世界の大陸にのみ及ぶとのことですが、その後、ジャクソンの小説『トロール牙峠戦争』において、ヒロイン・リッサミナの真の姿であることが最後に明かされ、密かにバルサス・ダイアを次元に放逐したり、主人公のチャダ・ダークメインを導いたりしていました。正義の冒険者を支援してくれることで名高い存在です」
ザック「旧世界限定の神さまと思われていたのが、TRPGの『アドバンストFF2版』のルールで、アランシアでも普通にリーブラの神官キャラが作れるようになって、ゲームブックでもジャクソンの最新作『サラモニスの秘密』で、リーブラの信仰活動がサラモニス周辺では普通に行われていることが描かれたわけだ」
マシロン「ボクは精霊信仰で、どちらかと言えば、動物の神を崇めているのだと思う。何か良い神さまはいるかなあ」
晶華「『タイタン』によれば、すべての動物の頂点に立つのがドラゴンで、その王神キラニラックスの下に陸の王、空の王、海の王が設定されているみたい。陸の王はライオン神ロガールで、空の王は鷹神ホークロード、海の王は鯨神クジラ王として記されているわ」
ルビーK「ホークロードとかクジラ王なんて、固有名詞とは言いにくいよね」
ザック「動物信仰や精霊信仰は原始的なシャーマニズムの範疇で、北西アランシアの信仰イメージはそちらの傾向が強いんだろうな」
マシロン「だけど、サイトマスターのトマスさんが、きっと旅に出る前にリーブラ湖に巡礼に行った方がいい、と熱心に勧めてくれたのだと思う」
晶華「うん。アナランドではリーブラ信仰が盛んだからね」
マシロン「では、リーブラ湖へ向かった」
晶華「すると、パラグラフ394番で巡礼の一団が鉤爪獣に襲われているのを目撃します。巡礼を助けますか? それとも無視して先を急ぎますか?」
マシロン「そんなものは決まっている」
ザック「だよな。困っている人を助けるのが正義の冒険者の仕事ってものだ」
ルビーK「そして、後から高い助け料を請求するのが、今どきの世直し救世主の道ってことで」
マシロン「いやいや。助け料なんて請求するつもりはないし。ただ、ここで人を助けないと、後からリーブラ様の加護が得られ難くなるから、地元の神さまの覚えをめでたくするうえでも、正義は守らないと」
晶華「そんな下心つきの正義で、巡礼を助けに向かったあなたたち。剣で戦うか、鉤爪獣を操っておとなしくさせるか、それとも別の獣を呼び出して鉤爪獣と戦わせるかの3択です」
マシロン「鉤爪獣よ、鎮まれい、と術を使うぞ」
ルビーK「そうよ。こちらにおわすお方は、偉大なる魔法使いケマンダー様の弟子にして、将来のゴッドネス・マシロン様よ。頭が高い、控えおろう」
ザック「調子に乗ってるなあ、元は邪悪な魔女だったのに」
ルビーK「心を入れ替えたんだから、いいでしょ。正義だろうと悪だろうと、相手を力で支配する快感は同じこと。さあ、我が主人の前にひれ伏せ」
晶華「体力点5点を消耗して、運だめししてください」
マシロン「(コロコロ)9が出て成功した。残り体力17で、運点は10。鉤爪獣は操られて、仲間になった」
晶華「なりません。凶暴な鉤爪獣をずっと従えさせるには、バルサス・ダイア並みの強固なカリスマと悪の威圧感が必要になりますので、今のマシロン君にできるのは、一時的におとなしくなった獣に去れ、と命じるのみ」
マシロン「だったら去れ」
晶華「去りました。巡礼たちの目には、マシロン君が鋭い眼光と威嚇のポーズで恐ろしい獣を難なく追い払ったように見えます。リーブラ様の使いの救世主さま、と崇め奉りますよ。運点2が回復します」
ルビーK「チョロいわね。このまま、上手くいけば、リーブラの高司祭として君臨できる未来が待っているかも」
晶華「……お姉ちゃん、何だか性格変わった?」
ルビーK「気にしないで。ただのロールプレイよ」
晶華「だったらいいけど、将来の神霊候補がこんな腹黒いキャラになったらイヤだなって」
マシロン「腹黒いアッキーに言われたら、世話ないな。とにかく、巡礼たちに同行して、リーブラ神殿まで一緒に行くぞ」
晶華「腹黒呼ばわりされて、ちょっぴりムカついたけど、公正なディレクターを目指しているので、今は我慢しておきます。で、リーブラ神殿では、巡礼たちの窮地を救った冒険者に感謝した神官たちが癒しの奇跡を施してくれます。体力点が全快しますよ」
マシロン「よし。リーブラ様に感謝の祈りを捧げるぞ」
晶華「すると、リーブラ様のイメージが目の前に浮かび上がり、こう告げます。『ケマンダーの弟子マシロンよ。そなたの使命を正義の名の下に手助けいたしましょう。今後、困ったときは私の加護を求めなさい。呪いを解呪するか(パラグラフをマイナス30した先に進む)、いつでも(戦闘中でも)体力点を全快できるでしょう。ただし、加護の効果はこの大陸の中で1度きりですよ。具体的には〈闇の精〉を倒すまで。この旧世界の平和を、そなたが救世主として守ってくれることを期待しています』」
ザック「その神託は、俺にも聞こえるのか?」
晶華「あなたは主人公でない脇役ですし、マシロン君みたいに霊感に秀でているわけではないので、女神の言葉ははっきり聞こえません。ただ、マシロン君の周りに清浄な気が漂うのを感じるのみ」
ザック「そっかあ。つまり、マシロンが女神さまに選ばれた真の救世主で、俺はその介添人に過ぎないってことをはっきり悟ったわけだ。まあ、神の声が聞こえなくても、俺の正義の心が揺らぐことはないってことで」
晶華「さて、リーブラ様はルビーKにも声をかけます」
ルビーK「え? わたしにも?」
リーブラ『元は邪悪な魔女ミューマ・バジオであったケイよ。あなたは精霊となって、救世主マシロンと契約したということですが、それは真意ですか? それとも純粋な彼を利用して、己が野心を満たそうという企てですか?』
ルビーK「ええと、どう答えたらいいのかしら?」
晶華「ここは、ゲームブックにないオリジナル・イベントです。だけど、今後のルビーKのキャラ性に関わってくるので、お姉ちゃんのロールプレイ指針を表明してもらえれば、と」
ルビーK「う〜ん、ロールプレイ指針といっても、テキトーに小悪魔っぽい演技を狙ってしているだけなんですけど? とりあえず、リーブラ様を相手にウソは通じないのよね」
晶華「真実の神さまでもありますから、下手なことを言うと裁きにかけられて神罰を受けるかも?」
ルビーK「もしかすると、存在の危機に直面している?」
晶華「リーブラ様は正義の神ですが、裁きを司る神でもあります。あなたが邪悪でなければ、慈愛の神と言ってもいいでしょう」
ルビーK「問題は、わたしが邪悪であったということで、どう裁かれるのかしら?」
晶華「ケイさんは一度、死ぬことで裁かれてはいるのです。問題は、今も邪悪に立ち返るのか、それとも救世主マシロンの邪魔はしないと確約できるのか、ということですね。真に生まれ変わったというのであれば、その証を示せということです」
ルビーK「証といっても、どうやって示せばいいのかしら?」
晶華「女神の従属精霊になって、全ての暗黒を打ち払うことを誓いなさい」
ルビーK「わたし以外の暗黒を打ち払います。自分が暗黒であることは変え難い事実だし、他の生き方は知らないから。ただ力を求めて、人を騙し、脅し、誘惑して生きてきた。それがわたしの本質。そこを今さら変えろと言われてもね」
晶華「騙すことだけはやめなさい。ただ、力を求めるのはいいでしょう。悪を脅し、魅惑を武器にするのも女神の戒律には引っ掛かりません。正義の力を振るい、悪への脅威となり、女神の誘惑オーラを使い、真実の使徒になることを誓うなら、リーブラの従属精霊として認めましょう」
ルビーK「嘘をついてはいけないって厳しくない?」
晶華「要は、桃井タロウさんみたいに振る舞えばいいってことよ」
ルビーK「! 桃井タロウ様! そうか、そういうことね。ドンブラ脳だったら、それは簡単。今からわたしは桃井タロウ様に忠誠を誓います。ワーハッハッハと高笑いして、祭りを楽しんで、この世はハッピーパラダイスと振る舞えばいいってことね。そういうことなら、リーブラさまに喜んで仕えます。リーブラとドンブラはブラで通じるものがあるし」
こうして、ルビーKはプレイヤーのドンブラ脳が転じて、リーブラ脳になった。
なお、女神リーブラと、ドンブラザーズに縁ができたのはここだけの話である。公式設定には何のつながりもないことは改めて強調しておこう。
レンドルランドにて
マシロン「うちの契約精霊が何だか女神さまの従属精霊になったんだけど?」
ザック「まあ、リーブラさまだったら、問題ないだろう。これがまかり間違えて、ロガーンの手下になったら、何を仕出かすか分からないからな」
ルビーK「女神さまの強烈な思念を受けたわたしは、テガソードさまを崇拝する竜儀さんみたいに、女神さまを称える歌を歌います」
マシロン「どこが女神を称える歌なのか分からないんだが。女神を称える歌だったら、こっちだろう?」
ザック「テガソードさまだったら、こっちだな」
晶華「どうして戦隊ソングに寄り道脱線しているのかは知らないけど、女神リーブラさまの加護を受けたあなたたちは、南の壁の隙間を抜けて、レンドルランドに入ります」
マシロン「アナランドって、周りを壁に囲まれているんだよな。中国の万里の長城みたいで凄い建築技術だ、と感心するよ」
ザック「その昔、平和主義で発展したアナランドが周辺の略奪者の侵攻で酷い目にあったために、当時の国王アークル13世が防壁構築を始めたんだが、その後、120年かけても完成しなかったので、3ヶ所の大きな隙間と細々とした破損箇所を残したまま、壮大な国家事業が中断して、今に至ると『タイタン』には書いてある」
マシロン「へえ。じゃあ、これから向かうレンドルランドって、どういうところ?」
ザック「『レンドル』というのは、旧世界の山岳部族の言葉で『平らな土地』という意味らしい。だから『大平原国』とでも訳せばいいのか。他には、ガランタリアの首都もロイヤル・レンドルといって、『王の平原都市』の意味合いだそうだ」
マシロン「『平原』かあ。だったら、ボクの故郷のフラットランドと似たような感じかな」
ザック「アランシアのフラットランドと、旧世界のレンドルランドは、どちらも大陸中央の大平原で、遊牧民族や獣たちが支配する自然豊かな土地という共通点はあるみたいだな。ただ、レンドルランドの場合は、西海岸まで広がっていて、首都ポルアはそこそこ文明的な港町だそうだ」
晶華「基本的には、馬だらけのワイルドな辺境国みたいね。FFコレクション2集に収録された『魂を盗むもの』(1988)では、レンドルランドの首都ポルアから物語が始まって、そこでは魔法使いが大きな顔をしているみたいだけど」
ザック「同じ1988年の作品で、大陸を渡るゲームブックが作られていたんだな。『魂を盗むもの』では、旧世界からアランシアへ渡る途中の島が舞台で、結局、主人公はアランシアへは行けなかった。それに対して、こちらはアランシアから旧世界へ到着して、その後は、第3の大陸クールにも行く予定なので、こっちの方が豪華ということになる」
ルビーK「ふうん。本作は凄いゲームブックということなのね」
晶華「雑誌連載のみで、単行本化されなかったために、正当に評価される機会がこれまでなかったみたいだけどね」
ザック「当時は『タイタン』翻訳前だったから、レンドルランドについてもほとんど情報がなかったわけで」
晶華「本作でも、イベントは1つだけです。広大な平原を踏破するなかで、ランダムにモンスターと遭遇します。1Dを振ってください」
マシロン「3だ」
晶華「死鷹(技4、体5)が襲いかかって来ました」
マシロン「一番ザコじゃないか」
晶華「ザックさんが支援してくれますので、技術点+2していいですよ」
ルビーK「わたしの応援は?」
晶華「ゲーム上は反映されません」
ルビーK「フッ、そんなザコ鷹ぐらい、わたしが力を貸すまでもないようね」
技術点に7差もあれば、事故など起こる可能性も稀で、無傷で難なく撃退成功。
ここでのランダム遭遇は、最弱の死鷹から最強のサーベル虎(技12、体8)まで強さの差が極端だが、倒した後は相手の技術点の半分の食料が手に入る。
マシロン「チッ。食料が2つしか手に入らなかったとは。3つ以上は手に入ると思って、最初に売ったのに、予想を外してしまった」
ザック「まあ、変に強敵と出会って、体力点を削られるよりは良かったんじゃないか」
晶華「とにかく、レンドルランドでのイベントはこれだけです。あなた方は、長い徒歩の旅を大禍なく終えて、フェンフリィ国の首都チャランナブラッドに到着しました」
ザック「『タイタン』によると、元々フェンフリィの首都はフェムニスといったそうだ。しかし、現王チャランナが秘宝〈王の冠〉を発見し、それによって国に隆盛をもたらしたことで、新たに築かれたのが今のチャランナブラッドという話だ」
ルビーK「英雄王の名前にちなんだ首都名かあ。よほど名声欲に駆られた王さまみたいね」
晶華「日本だと、豊田市みたいなものかな。街の発展に貢献した企業とその創設者の名前にちなんだ名称で、1958年までは挙母(ころも)市という市名だったそうよ」
ザック「人名に由来する街の名だと、古くはサンクト・ペテルブルク(聖ペテロの街)が有名で、ソ連期にレニングラード(レーニンの街)に改名されて、その後、ソ連崩壊後に再びサンクト・ペテルブルクに戻された。アメリカだと、首都のワシントンDCやサンフランシスコ市などがメジャーすぎるだろう」
マシロン「そもそも、アメリカという名前自体がアメリゴ・ヴェスプッチ由来だからな。余談はさておき、フェンフリィに着いたところ(パラグラフ213番)で一度、話を中断して、IFルートの確認をしよう」
ルビーK「ここでセーブ、と」
★獣使いマシロン(プレイヤー:シロ、パラグラフ213)
・技術点9
・体力点22
・運点11
・食料:4
・金貨:14枚
・薬:技の薬(技術点回復)、ツキ薬(運点回復)
・所持品:背負い袋、ナイフ、獣皮の服、15メートルの縄、ランタンと火口箱、骨の髪飾り(ネズミとコウモリをただで召喚可能)
・ルビーK関係:銅の指輪(ケイとの契約指輪)、ケイのルビー(精霊ケイの力の源。獣モードの額に付いている。大爆発の危険あり)、銀の盾(ケマンダー師匠の遺品。ケイの邪悪性を師匠の霊魂の善性で中和していたが、女神リーブラの加護で師匠の中和作用は必要なくなった。それでも形見として重要なフレーバーアイテム)
・リーブラの加護:呪い解除(パラグラフマイナス30)か、体力完全回復
モーリステシアの旅(IFルート)
晶華「さて、女神リーブラの加護が得られるために、レンドルランド経由が最適解と考えますが、北のモーリステシア経由でも攻略は可能です」
ルビーK「モーリステシアって、厳しい山岳地帯っぽいわね」
ザック「確かにそうだが、キース・マーティンの吸血鬼2部作や、FFコレクション5集に収録された『狼男の雄叫び』の印象で、ゴシックホラーの世界のイメージが強いと思う」

ルビーK「すると、本作でも吸血鬼とか狼男とか出るのかな?」
晶華「いいえ、出ません」
ザック「モーリステシアにゴシックホラー要素が付いたのは、未訳のFF38巻『吸血鬼の城』(1989)以降だからな。それ以前は、厳しい山岳地帯のイメージしかない。危険な秘境という意味では、カーカバードと大差ないような場所だ」
ルビーK「そんな場所にわざわざ足を踏み入れるなんて、物好きもいいところね」
晶華「命知らずのバカだってのは『狼男の雄叫び』でも記されていたけど、魔物の領主に支配されてはいるものの、意外にも文明的だと描写されていたわ。ルーマニアとかトランシルヴァニアとかホラー映画の東欧イメージで、小さな集落が点々としていて人々は魔物に怯えて迷信的だったり、魔の力に誘惑されて宿の娘が独学で魔女の勉強をしたり、身近に魔性が息づいている世界観っぽい」
ルビーK「つまり、わたしたちにとっての日常ってことね」
晶華「そうかしら?」
ルビーK「だって、領主のNOVAちゃんがゴシックホラー好きの魔法使いだし、今の管理人が魔女だし、獣の力を持ったシロちゃんだっているし、割と魔性っぽくない?」
ザック「それ以上に、メカロボとかヒーロー要素が濃いから、違う雰囲気になっているはずなんだけどな。ゴシックホラーはうちの要素の一部でしかない。陰鬱な世界観よりは、ゼンカイジャーの方向性が近いと思うが」
ルビーK「ゴシックホラー風味といえば、マジレンジャーの敵か仮面ライダーキバって感じね」
晶華「ともすれば、特撮ヒーローに寄り道脱線しがちなのがうちの世界観ってことで、モーリステシアに行きます。厳しい山岳地帯を歩いているうちに、洞窟を発見しました。中に入りますか?」
マシロン「IFルートだから安心して、危険をものともせずに入って行くぞ」
晶華「すると、洞窟の中から火の玉が飛んできて、避けるのに運だめしをしてください」
マシロン「一応、ダイスを振って……8だから成功だ」
晶華「では、体力4点のダメージを受けることを免れました。洞窟の奥から現れたのは、巨大な飛龍ワイヴァーン(技10、体11)です。こいつを獣使いの能力で操るか、体力を5以下にすれば、仲間になります」
ルビーK「えっ? ワイヴァーンが仲間になるなら、こっちの方がお得じゃないの?」
マシロン「仲間になったワイヴァーンは、ボクとザックを乗せて、モーリステシアの山岳地帯を一気に飛び越えて、フェンフリィの首都チャランナブラッドか、途中にある水晶都市か、それとも直接ガランタリアまで連れて行ってくれる。それで役割終了なので、戦力にはならない」
ザック「それでも、龍に乗って空の旅ができるのは、なかなかいい経験だ」

ルビーK「もしも、飛龍の洞窟に入らなかったら?」
晶華「モーリステシアの山岳越えのイベントをランダムで決めるわ。試しに、お姉ちゃん、1Dを振ってみて」
ルビーK「わたしでいいの?」
マシロン「IFルートだからな」
ルビーK「分かった。(コロコロ)5が出た」
晶華「食料の入った袋を谷底に落としてしまい、食料を全て失う」
ルビーK「何それヒドい」
晶華「他にも険しい山岳越えで、なだれに遭ったり(6点ダメージ)、嵐に遭ったり(4点ダメージ)、猿に似た魔物マンギーに金貨を全て盗まれたり、崖を登っている最中に手を怪我したり(技術点1点を失う)、出目6で何も起こらず無事に乗り越える以外は、楽しいペナルティーがいっぱいよ」
ルビーK「そんなのちっとも楽しくない」
晶華「さらに、運だめしをして失敗すれば、山脈から脱出できずに、もう一度ランダムイベントを繰り返す。運が良かったときだけ、何とか水晶都市に到着できるのよ」
ルビーK「つまり、モーリステシアでの最適解は、洞窟に入って飛龍と遭遇して、空の旅を体験することなのね」
ザック「攻略上の損か得かを言えば、レンドルランドでランダム遭遇で食料をゲットできる方が得だと思うな」
海の旅(IFルート)
晶華「山ルートの次は、海ルートを見ていきます」
ザック「金貨6枚を払って、フェンフリィ行きの船を調達できるんだが、どうも噂話だと海賊が出てくるらしいんだな」
ルビーK「海賊といえば、これね」
晶華「ということで、船の旅の途中で海賊の襲撃を受けるのよね。場所は、カーカバード海を北上して、北の海を巡ってオニクス海に差し掛かった頃合い。ドクロの旗を掲げた船が迫ってきます」
ルビーK「戦って倒して、味方になったりはしない?」
晶華「味方にはならないけど、4人の海賊(技6〜9、体6〜9)を倒すと、金貨9枚をゲットできます」
ザック「6枚使って、9枚もらえるから、結果的に3枚の得だな」
晶華「他には、大ダコを召喚して、海賊を襲わせることもできますが、あまりに凄惨な殺戮劇で海賊が海の藻屑と消えるので、やり過ぎたと後悔して運点が1点減ったりします。結果的に、体力6点と、運点2点を消耗して、しかも海賊船が沈んだので金貨9枚も手に入らずに、消耗しただけで終わるの」
ルビーK「損得で言えば、明らかに損なのね、海は」
マシロン「そうして、フェンフリィの首都チャランナブラッドに到着するんだが、手間のかかる割に収穫も多くなく、あまり面白いとは言えない船旅だ」
ルビーK「結局、安全に進めるのは、レンドルランドの平原ルートってことになるのか。リーブラ様の加護も得られるのだから、それが一番お得だ、と」
晶華「それでは、今回はここまで。次回はフェンフリィ編で、チャランナブラッドから再開です」
(当記事 完)