WショーカとShiny NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

『暗黒の三つの顔』攻略解析録(アランシア編2)

ここまでのIFルート

 

シロ「前回は、チャリスの街で買い物をしたところまで話を進めた」

009「続きをプレイする前に、前回、通らなかったルートをチェックしてみよう。まず、最初に野盗に襲撃された隊商を助けずに見殺しにした場合だが……」

晶華「正義の冒険者なら、義を見てせざるは勇なきなり、と助けたくなるものだけど、自分には関係ないことだから、とわざわざ危険を冒さない選択肢もありってことね」

009「その場合、隊商は全滅し、君は野盗の立ち去った後に襲撃跡をあさることもできるし、野盗たちの前に姿を現して、話しかけることもできる」

翔花「話しかけたらどうなるの?」

009「仲間に入れてくれないか? と申し出ると、野盗は面白がって、君を袋叩きにして(6点ダメージ)、その後、縄で縛られて近くの木に吊るされる。野盗が去った後、飛んでいる鷲を操って縄をくちばしで切り裂いてもらうんだけど(体力2点消耗)、背負い袋の中の食料はすべて野盗に奪われてしまって、最悪のスタートだ」

翔花「そこから野盗に復讐する物語の開始ね」

009「それはそれで一興かもしれないけど、普通は最初からやり直すだろう? そういう8点ダメージを受けて、体力回復手段の食料も奪われたところから続けたいプレイヤーはごくごく少数派だと思うな」

晶華「それでも頑張れば、挽回できなくはないと思うけど、茨の道なので決してお勧めできないわ。野盗に話しかけるのは、マゾプレイヤーと自覚ある人だけに留めておくべきね」

009「野盗の去った後に略奪跡をあさるなら、縄とハンマーと、金貨1枚を拾える。いずれにせよ、その後に、パラグラフ69番に進めて、チャリス行きの北西か、太古の森行きの西かを選ぶことになる。まあ、西に向かわないと、ザックと出会えなくて、最終的に詰むわけだが」

 

009「次に隊商を助けて、同行する場合。初見だと、それで順調にチャリスの街まで到達できて、マシュウから金貨10枚とシルバートン行きの隊商への〈紹介状〉をもらえるので正解だと錯覚するが、ザックと出会えないとどうあっても解けない」

翔花「ザックさんは超重要NPCってことね」

009「太古の森に入って、樹上じゃなくて、地面で眠る。そうすると土魔人に襲われるのはザックではなくて自分になる。運だめしに失敗すると、土魔人にあっさり殺される。成功しても6点ダメージを受けて、結局、樹上で寝直すことになる。その後は、土魔人に襲われる旅人を見捨てるという選択肢もある」

翔花「隊商を見捨てて、ザックさんを見捨てて、ずいぶん臆病者の選択を続けるのね」

009「その場合、土魔人がザックを十中八九殺してしまうんだが、ザックが万が一にも勝つ可能性もあって、いずれにせよ、ザックを味方にすることはできない。そして、ザックが土魔人に殺された場合は、ザックの遺品として、金貨8枚と、攻撃力+1の剣を拾うことができる。後の展開を知らなければ、それでも得した、よっしゃラッキーと思わなくもない」

晶華「山本さんのゲームブックの選択肢は結構巧妙で、間違った選択肢を選んでも、当座は得をしたと思わせることが多々あるのよね。野盗に話しかけるような、その場で即失敗だと分かるような選択肢だと、すぐに選び直すことができるけど、後にならないと正解か不正解か分からないような選択肢が本家に比べても多すぎる」

009「ただ、作者的にはヒーロー志向があるから、基本的に勇気をもって人助けをするような選択肢を選ぶのが正解となる。誰かを見捨てるような選択肢を是とするケースは稀なので、その点では立派に王道エンタメと言えるな。まあ、例外はあったりするわけだけど」

 

009「最後に、森で黒ヒョウと戦った場合。手加減できずに殺してしまうんだけど、その正体がハーフエルフの娘だと知って、呆然としてしまう主人公。直後に、妹を殺された兄の怒りの矢が飛んできて、右肩に突き刺さり、技術点1、体力点2、運点2を失うペナルティーだ。まあ、その時点で間違った選択をしたことが分かるので、黒ヒョウへの対処を考え直すことになるんだろうな」

翔花「誤って、女の子を殺してしまう選択肢を選んだら、昭和の男の子はガーンとショックだったでしょうね」

009「黒ヒョウ娘にして、ハーフエルフのシーナさんは、出番が少ないけど魅力的なヒロインだと思う。山本さんのヒロイン嗜好に、自然と共に生きるアクティブな女ターザンがあるのは後年に明らかになったんだが(ご自分でもサイトで公開してた)、その原型とも言える」

晶華「原型は、ロードスのディードリットじゃないの?」

009「エルフという点からそこにつなげるのも一興だけど、むしろシーナの元ネタは名前も含めて、この映画だと思うな」

 

少女の依頼

 

シロ→マシロン「では、前置きを終えて、改めてパラグラフ84番からプレイ再開だ」

晶華「はい。前回は説明し損ねていたけど、チャリスはシルバー川のほとりにある交易都市です。人里離れたフラットランドで育ったマシロン君にとって、初めて訪れた都会で、見るものすべてが珍しく、わくわくする場所ですね」

翔花「野生児のマシロン君が買い物をしたりできるの?」

マシロン「その辺は、ケマンダー師匠がいろいろ教えてくれたんだよ。都会に何があって、お金をどういう風に使うか、とか」

晶華「経験はしたことがないけど、知識だけはあるってことですね。で、そんな田舎者のマシロン君をいいカモだと思ったのか、一人の強盗が裏通りでナイフを突きつけて来ます。『おい、おとなしく金を出しな』」

マシロン「やれやれ。都会にはこういう手合いがいて、弱気になれば、身ぐるみ剥がれるから気をつけろって師匠が言ってたな」

晶華「選択肢は、ふつうに戦うか、野良猫を呼び出して攻撃させるか、金を払うか、ですが」

マシロン「行け、野良猫。ニャー、ふぅ〜、キシャー、バリバリ、と相手の顔を爪で掻きむしる」

晶華「野良猫を操ったので、体力2点を消耗ね(22→20)。不意打ちで顔を引っ掻かれた強盗は悲鳴をあげます」

マシロン「このネコをなめんなよ」

晶華「『ちくしょう、覚えてやがれ』とお約束の捨て台詞を残して逃げ出す強盗。うっかり、金貨4枚の入った財布を落として行ったので、拾っていいです。運も1点差し上げましょう」

マシロン「だから、運は使っていないので、もったいないです。原点を越えた分も、貯めておければいいんだけどね。とにかく、金貨が増えて23枚になったのはラッキーに違いないけど」

晶華「はい、そこに白い高貴な衣装を着た若い娘が近寄って来ます。お姉ちゃん、出番よ」

翔花「わ〜い、メインヒロイン登場ね。でも、セリフが長いわよ」

晶華「大切な役なんだから、ケイさんのセリフをしっかり読むこと」

翔花「仕方ないわね。心をこめて読んであげる。ニャンニャンニャミー」

晶華「もう、そのネタは古いんだから。今は、心キュンキュンの時代よ」

翔花「あれ? ズキューンとキッスの新キャラ2人の時代じゃないの?」

マシロン「プリキュアネタはそれぐらいにして、話を進めようぜ」

翔花「そっちだって、キュアプリズムか、シロクマ戦士の名前のくせに。とにかく、重要ヒロインのケイさんのセリフいきま〜す」

 

ケイ『今の一部始終を拝見させていただきました。あなたは強い勇気と力をお持ちの方のようですね。ぜひあなたにお頼みしたいことがあるのです』

 

マシロン「あなたは?」

 

ケイ『申し遅れました。私はケイ。この地方で昔は名を知られたキノックス家の末えいです。私がまだ赤ん坊だったころ、父は悪徳商人の罠にかかって財産を巻きあげられ、あげくに病気で死んでしまいました(中略)。しかし、街はずれの〈死の井戸〉に隠された我が家の秘宝の箱さえ取り戻せば、没落した家の復興が叶うのです』

 

マシロン「それをボクに取りに行け、と?」

 

ケイ『ええ。〈死の井戸〉には恐ろしい魔物がいるそうなので、私にはとても降りていけません。しかし、強盗を難なく追い払ったあなたなら、きっとうまく行くでしょう。どうかお願いします。私に代わって秘宝の箱を取り戻してください。もちろんお礼はいたします』

マシロン「う〜ん、ストーリーを知っている身から言うと、この依頼は引き受けたくないんだよなあ」

ケイ(翔花)「どうして?」

マシロン「どうして……って、おい、ディレクター役のアッキー、翔花にネタバレをしていいのか?」

晶華「ネタバレ禁止」

マシロン「ううっ、だったら〈死の井戸〉って聞いて、そんな物騒な名前の場所に好き好んで降りて行きたいバカがどこにいる? と、真っ当な常識のうえで断るぞ」

ケイ(翔花)「あれ? そんな臆病なことを言うキャラだっけ? 確か、救世主じゃなかった?」

マシロン「救世主……であることは間違いないな。ゴジュウジャーの元ネタはともかく、ゲームブックの設定上でも世界を破滅させようとする三つの闇から、世界を救うのがボクの使命。しかし、この依頼を達成すると……」

晶華「ネタバレ禁止。それに、マシロン君はこの先のストーリーは知らないはずよ」

マシロン「この依頼を引き受けてはいけない、とグァンドゥムが言っている」

晶華「グァンドゥムの声は、森の中でしか聞こえません」

ケイ(翔花)「何だか、よく分からないけど、ケイさんとしては、もしも断られたら、『そんな……ひどい(涙目)』と答えてから、『私に代わって、秘宝の箱を取り戻してください。もちろんお礼はいたします』と繰り返します。はい、と答えるまで、会話がループするのが88年クオリティーだと聞いたわ」

マシロン「ドラクエかよ!? 確かに、その時代はドラクエ1〜3が旬だったが」

晶華「今も、ドラクエ1〜3が旬だったりするのよね。歴史はくり返す」

マシロン「とにかく、断るという選択肢はないんだな」

晶華「断った場合、『そうですか、残念です……だれかほかの人に頼むことにいたしましょう』と言って、去って行くんだけどね。作者の山本さんは、それでも物語が進むようにしてくれています」

マシロン「だったら、ここは断るのが正解だ! と、攻略上の最適解を明言しておいて……だけど、攻略記事の必要性と、翔花の頼みを断りにくいというボクの気持ちの面から、仕方なくケイの頼みを聞いてあげるんだからね」

ケイ(翔花)「どうして、そんなにケイさんが嫌われているのか分からないんだけど、この井戸に入るのがハイリスクだってことは分かった。そんなマシロンさんに、心からの笑顔を見せるとしましょう」

マシロン「そ、そんな笑顔を向けられても、プレイヤーとしては騙されないんだからね。だけど、マシロン君は単純な田舎者なので、都会の洗練された美少女の妖艶な笑みにメロメロになるんだろうな」

ケイ(翔花)「だったら、マシロン君の心をズキューンと撃ち抜いたってことで」

晶華「はい、ニチアサ時事ネタはそれぐらいにしておきましょう。たぶん、1年後にこの記事を読み直しても、意味不明な読者さんがいっぱいでしょうから」

 

〈死の井戸〉の危険な探索

 

マシロン「では、頼まれたら断れないお人好しのマシロン君は、チャリスの街はずれにある〈死の井戸〉まで案内された」

晶華「使われていない井戸は苔がびっしりと生えていて、底からはかすかに悪臭がたちのぼってきます。石を投げ入れると、ぼしゃんという音がして、井戸水がかなり深いところまで溜まっていることが分かります」

マシロン「本当に、こんなところに秘宝が?」

ケイ(翔花)「私を疑うのですか?」

マシロン「心をズキューンと撃ち抜かれて、ハート目メロメロになってそうなマシロン君は、泳ぎやすいように服を脱いで下着姿になって、服や手荷物をケイ様に預けよう。そして、ナイフ一本だけを手に、井戸から吊り下がった縄を伝って、下に降りる」

晶華「勢いよく飛び降りてもいいのよ」

マシロン「そんなことをすれば、汚れた水を飲んでしまって、1点ダメージだからな」

晶華「その方が楽だと思うけどなあ。ゆっくり縄を伝って降りると、数十匹のゾンビ蝶の群れが襲いかかってきます。技3、体20のザコなんだけど、マシロン君も縄にぶら下がったまま戦わないといけないので、技術点を3減らしてください」

マシロン「それでも、技術点は6あるからな。3差で勝っているんだから、無傷で倒せることを期待する」

 

 結果的に、無傷でゾンビ蝶を全滅させたマシロンだった。

 その後、井戸の底に溜まった水場を避けて、周囲を観察すると、真上から入る日の光に照らされて、横穴が伸びているのが分かった。そちらに足を踏み入れようとすると、大きな黒い影が現れて、何かの液体を吹きつけてきた。

 

晶華「液体をかわすのに、技術点判定を行なってください」

マシロン「5が出て成功」

晶華「残念。毒液に当たると、ダメージ5点だったのに。出現したのは、体長8メートルもある大ナメクジです。こいつを何とかしないと横穴の先へは進めません」

マシロン「この井戸の中では、なぜか魔法が使えないような気がするので、ナメクジを操ることはせずに、ナイフで戦います」

晶華「そういうところがズルいのよね」

マシロン「何も知らない翔花を利用して、ボクを陥れた魔女が言うことか!」

晶華「シーさん、ネタバレ禁止」

マシロン「魔女はお前に言ったんだ、アッキー」

晶華「とにかく、ナメクジの技術点は7、体力点は15。ただし、足場がぬかるんで動きにくいので、そちらの技術点は1点減らしてください」

マシロン「すると、技術点は8で、1差かよ。こいつは厳しい戦いになりそうだ」

 

 井戸の中で体長8メートルの大ナメクジと戦う未来の救世主マシロン。

 技術点はともかく、体力点が多い化け物相手に、運だめしも活用して、勝利を果たす。結果として、体力点2と、運点3を消耗して、残り体力18、残り運8となった。

 

晶華「一回の戦いで、運点を3も消費するなんて、思いきってるわね」

マシロン「割と運が回復しやすいゲームブックだからな。使わないと損だろう?」

 

 FFシリーズでは、運だめしが特徴的なルールだけど、しばしば運だめしが失敗するとバッドエンドを迎えてしまうので、運のムダ使いを避けるプレイヤーは多い。

 しかし、本作は運が比較的、小まめに回復するので、それを見越して戦闘中の運だめしを多用するプレイスタイルもありだろう。

 さらに、体力点の方が、魔法で消耗することが多いシステムなので、運よりも体力の温存を優先したのが、マシロン君のゲームスタイルである。

 

晶華「ナメクジを倒したマシロン君は、その死体を横穴から引きずり出すと、穴の探索を始めました。壁がぼんやり青白く光っているので、明かりは必要ありません。やがて、通路の壁沿いに白い彫像がいくつも並んでいるのに気づきました」

マシロン「何だ?」

晶華「どうやら、霜に覆われて凍りついた人間の死体のようです」

マシロン「犯人は冷気を武器にする? シロクマ戦士にとっては、冷気など効かん」

晶華「いや、そういう特殊能力はないから」

マシロン「今はまだ、な。話が進めば、救世主パワーで冷気を遮断できるのだ」

翔花「そうなの? ゴジュウポーラーになるの?」

晶華「そういうアイテムを入手できるみたい。でも、今はまだ救世主として半人前だから、冷気も遮断できないわ。とにかく、通路の奥まで進むと、突き当たりに装飾の施された小さな金属の箱が置かれていました」

マシロン「これが秘宝の箱か。で、当然、守護者がいるんだろうな」

晶華「実体を見せず、忍び寄る白い影。不気味なドクロの顔をした霊体ですね」

マシロン「こいつを倒すには、銀のナイフが必要なんだけど、救世主候補のボクにはそんなもの必要ない。やあ、亡霊さん。ボクの名前は救世主マシロン、大魔法使いケマンダーの弟子だ。その秘宝の箱をボクに譲ってくれないか?」

 

亡霊『ケマンダーの弟子だと? 本当にそうなら、わしと賭けをしよう。ダイスを振り合って、3回勝てば、古の盟約にしたがい、秘宝の箱を渡すとしよう。ただし、そなたが負けるたびに、そなたの命を少しずつ削ってやる。そなたが息絶える前に、3回勝てたなら、ケマンダーの弟子の救世主だと認めてやろう』

 

マシロン「話の分かる亡霊だな。師匠のことを知っているのか?」

亡霊『余計なお喋りは無用だ。さあ、骨のダイスを用意した。お前から振るといい』

マシロン「(コロコロ)3だ」

亡霊『甘いな。こちらは……2だ』

マシロン「低レベルな争いだな。今度は本気で行くぞ。(コロコロ)6!」

亡霊『さすがは救世主を自称するだけある。こちらは……1だ』

マシロン「よし、最後は師匠のことを念頭に浮かべて……(コロコロ)1。師匠、それはないですよ」

亡霊『バカめ。師匠離れしない未熟者だから、そうなるのだ。こちらは6。さあ、お前の技術点を1点、吸い取ってやろう』

マシロン「ぐわあ。技術点が9から8に下がった。こうなったら、無我の境地で……(コロコロ)3」

亡霊『愚か者。無念無想は、何も考えぬことではないわ。6』

マシロン「技術点が7に下がった。無我ではダメか。そうか、見えた、水のひとしずく。そう、真の無想とは、勝利をつかめと轟き叫ぶ魂の咆哮なり。(コロコロ)6出た!」

亡霊『こちらは3だ。さすがはケマンダーの弟子マシロンよ。それでは、古の盟約にしたがい、秘宝の箱を返すとしよう。しかし、それは力ある品ゆえ、扱いにはくれぐれも慎重にな。これでわしも解放される。そなたから吸いとった生命の一部も返してやろう』

 

 技術点7→8に戻った。

 勝負に勝ったので、運点も2点回復する(8→10)。

 さらに、亡霊はマシロンに〈骨の髪飾り〉をくれる。これがあれば、ネズミやコウモリを体力点消費なしで呼び出せるのだ。

 

マシロン「亡霊さん、ありがとう」

晶華「答える声はありません。盟約に縛られた亡霊は、役目を果たして消滅したものと思われます」

マシロン「何だか師匠のことを知っているような口ぶりだったが、もう少し事情を教えて欲しかった」

晶華「物語が正しく進めば、後で分かることは承知しているんでしょ?」

マシロン「ああ、そうだな。だけど、この場面で伏線を張ってくるとは思わなかった」

晶華「そりゃあ、私だってディレクター役なんだから、それぐらいのアドリブは利かせます。ここの現・管理人を務めているのは伊達じゃないってことで」

翔花「ふえ〜ん。どういうことなのか、わたしだけちっとも分からないよ〜(涙目)」

晶華「お姉ちゃんは、『暗黒の三つの顔』を未読の読者さんと同じ立場になってもらってるから、ネタバレはもう少し待って」

翔花「もう少しっていつ?」

晶華「そうね。あと一記事か、遅くても二記事めで、謎が解けるから」

マシロン「とにかく、目的を果たしたんだから、井戸から出るぞ。ケイ様に秘宝の箱を渡す前に、いろいろ聞きたいこともできたしな」

 

疑惑

 

晶華「それでは、パラグラフ92番です。マシロン君は苦労しながらも何とか無事に井戸から帰還し、依頼された〈秘宝の箱〉を持ち帰ることに成功しました」

マシロン「箱を渡す前に質問するぞ。この中には何が入っている? 箱の守護者は、力ある品だから扱いを慎重にって言ってたぞ」

ケイ(翔花)「えっ、箱の中身が何かは、わたしが知るわけないし。ええと、『申し訳ありません。私も詳しいことは聞かされておりません。ただ……高価な宝の石か何かだと考えていますが』と口を濁すように言う。それよりも、お礼に金貨50枚をあげるので、これで許して下さい。それで足りないようでしたら、キノックス家が復興の暁に、出世払いってことで。これでダメ?(涙目)」

マシロン「まあ、何も知らない翔花をこれ以上、イジメても仕方ないか。プレイヤーが疑っても、キャラクターはその疑念がまだ形になっていないからな。じゃあ、服を着て、荷物を持って立ち去るとしよう。無事に、お家が復興できることを願っているよ」

晶華「『ええ。あなたのおかげで、私の望みも遠からず叶うことでしょう』とケイ・キノックスと名乗った女性は、含みのある微笑をこぼしました」

翔花「え? もしかして、このケイさんって悪い奴? アキちゃん、わたしを騙したの?」

晶華「騙したんじゃなくて、黙ってただけ。このケイさんがアランシア編のメインヒロインであることは変わりない。そして、メインヒロインが悪女であるという話も、スパイ物やミステリーなどの陰謀劇でしばしば見られる展開なの」

マシロン「本当は、初見のプレイヤーが騙されるよう、作者の山本さんが上手く仕込んでいたんだけどね。このプレイでは、初見なのが翔花しかいなかったから、こういう形にアッキーが仕込んだ」

翔花「ディレクターがプレイヤーをサプライズで引っ掛けることはよくあることだけど、まさかNPC担当のサブディレクターを騙すとは思わなかったわ。自分の演じたキャラが悪い奴だと知ってたら、もっと考えて演技していたのに」

009「まあ、実際の俳優や声優だって、連続ドラマやアニメでは、自分のキャラが話の途中で裏切ったり、悪堕ちしたりするのを途中で知って、演技プランを考え直したりするからな」

翔花「とにかく、次にケイさんが出て来たら、悪女らしく演技すればいいってことね」

晶華「いや、この後は私が交代しようと思っていたんだけど?」

翔花「いいえ。ここまでやったら、悪女バージョンも演じてみせるわ。妖艶にニヤリとすればいいのよね。大丈夫、『モンスターの逆襲』でそういうキャラは経験済みだから。女優として新境地の開拓よ」

晶華「変なスイッチを入れてしまったみたいね」

 

マシロン「プレイヤーはともかく、キャラクターのマシロン君は人助けを頑張ったつもりで、気分よく宿屋に泊まるんだな。金貨がいっぱいなので、野宿って選択肢はない」

晶華「はい、宿代は金貨4枚です」

マシロン「残り金貨69枚だ」

晶華「美味しい夕食をいただいたので、体力4点回復してください」

マシロン「フル回復だ。あと、悪臭のある井戸に潜ったので、風呂にも入ろう」

晶華「そうすると、風呂場の天窓を破って、3体のグレムリンが襲撃して来るのよね」

 

 グレムリンの技術点は5とか4のザコだけど、風呂場で武器を持たない状態での戦闘なので、マシロンの技術点も8から5に下がっている。

 どうでもいいけど、山本さんのゲームブックやリプレイでは、男女問わず入浴シーンでの戦闘がやたらと多かったと思う。サービスシーンという目的もあるのだろうけど、都市冒険で簡単にピンチを演出できるという点で、重宝していたのだろう。

 

マシロン「せっかくフル回復していたのに、3体のグレムリンを倒すのに14点もダメージを受けたのってひどくないか?(残り体力8点)」

晶華「おわびにグレムリンの持っていた指輪をあげるわ」

マシロン「はめた。呪われた。外せない」

翔花「(笑いながら)何、その可哀想な展開は!?」

晶華「後から判明するんだけど、このグレムリンはケイさんの差し向けた刺客なのよね。証拠隠滅を図ったと思われ」

翔花「何の証拠?」

晶華「秘宝に関わったことね」

翔花「つまり、舞台裏では、ケイさんがほくそ笑んで、こんなことを言ってたのね、きっと」

 

ケイ(翔花の妄想)『フフフ、これであのバカな田舎者もおしまい。秘密を知る者は少ない方がいいものね』

 

マシロン「で、どんな秘密なんだ?」

翔花「わたしが知るわけないじゃない。でも、何となく雰囲気で、悪そうなことを言ってみるのも楽しいし」

晶華「暴走しそうなら、ディレクター権限で止めるからね」

マシロン「そして、翌朝、ケイからもらった金貨50枚が、全て石ころに変わっていることに気づくんだ」

翔花「あ、分かった。ケイさんの正体」

晶華「本当に?」

翔花「山本さんの過去作から推察して、結論は一つ。タヌキよ」

晶華「何で、タヌキなのよ!?」

翔花「悪徳商人に騙されて、父親が殺されたって言ってたわね。きっと、その商人がウサギで、背中に火をつけられたの。そこで、後に残された娘のケイは、タヌキ一族に伝わる伝説の黒水晶の力で、人間とウサギに復讐しようとしている。もちろん、秘宝ってのはモンスターに変身進化できる黒水晶。見事に『モンスターの逆襲』の続編してる。さすが、山本さん」

晶華「いや、山本さんはタヌキの復讐譚なんて、書いてないし。そりゃあ、『妖魔夜行』にはタヌキの少女も出てるけど、『モンスターの逆襲』で描いたのはゴブリンの復讐であって、タヌキに改変したのはここだけの話。ましてや、ケイさんの正体がタヌキなんてことは絶対にないんだから」

翔花「だったら、キツネ? キツネだから、イニシャルがKとか?」

晶華「どんどん、違う話に展開しないで」

マシロン「まあ、タヌキであろうがなかろうが、もらった金貨が紛い物で、ケイがボクを騙したのは事実なんだな。生まれて初めて、人を疑うということを覚えた。腹が立ったので、食料をやけ食いする。2食分消費して、体力を8点回復しておく」

★獣使いマシロン(プレイヤー:シロ、パラグラフ193)

 

・技術点8/9

・体力点16/22

・運点10/11

 

・食料:5→3

・金貨:19枚

・所持品:背負い袋、ナイフ、獣皮の服、15メートルの縄、ランタンと火口箱、魔よけのペンダント、紹介状、骨の髪飾り(ネズミとコウモリをただで召喚可能)、銅の指輪(呪われていて外せない)

・手がかり:ブラックサンドでは、ダルミナートの酒場に寄ること

 ブラックサンドでは、魔法使いのニカデマスを訪ねること

 鋼鉄ゴーレムは冷凍光線を放つ

 ケイは報酬をチョロまかした悪女

 

翔花「それにしても、ケイさんが悪女だなんてね」

晶華「ただ、雑誌連載時は、ケイさんが悪女ってことはバレバレだったらしいの」

翔花「どうして?」

晶華「イラストで目立つように仮面の魔女が描かれているんだけど、仮面を付けていても、髪型が同じなので、簡単に推測できるようになってるのね。文庫本だと、イラストはページをパラパラめくらないと見えないけど、雑誌だと紙面が大きいから、イラストも自然に目に付いてしまう。だから、ケイさんと出会って、イラストを見た瞬間、勘のいい読者なら、これが仮面の魔女だって分かったらしいわ」

翔花「ふ〜ん、ケイさんの正体って、仮面の魔女だったんだ」

晶華「あっ(冷や汗タラリ)」

シロ「人にネタバレ禁止と言っておきながら、自分で失言するとはな」

晶華「ゴメンなさい🙇‍♀️」

翔花「それじゃあ、仮面の魔女さんの登場を楽しみにしてます」

(当記事 完)