Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

ゼンカイドンブラの話

GW映画の感想

 

翔花「面白いドンブラ映画だったわね」

晶華「楽しいゼンカイ映画だったわよ」

NOVA「う〜ん」

翔花「何、NOVAちゃん? 不満そうな顔をして」

NOVA「物足りん……と言うか、戦隊VS映画を見た感じがちっともしない」

晶華「確かにVSしてなかったわね。どちらも内輪で揉めていて、別々に話が進行していて、最後だけちょこっと絡む程度だったし。VSよりは&でつなげる方がいい感じ」

翔花「いいのよ。今回のVSはビクトリースーパーの略って言ってたし」

NOVA「まあ、このカレンダーポスターをもらえただけでも映画を見た価値が十分にあったがな」

晶華「相変わらず、写真を撮るのが下手ね。思いきりハミ出てるじゃない?」

NOVA「放っておけ。去年のゼンカイキラメキの撮り方の方が良かったってのか」

翔花「キングオージャーなんていらないから、ドンブラだけに専念してよ」

NOVA「いや、キングオージャーは大事だろう」

翔花「いいえ、ドンブラの方がもっと大事よ」

NOVA「仕方ないなあ。写真の撮り直しだ」

翔花「わ〜い。これで雉野さんも映ったね」

晶華「ステイシーザーさんや、ハカイザーさん、それにカシワモチワルドさんも映ったわね」

翔花「だけど、ポスターにソノイさん、ソノニさん、ソノザさん、それにムラサメが映ってないのが残念」

NOVA「そう言われてみると、こっちも物足りなさを覚えるな。映画はロボ戦もなかったし、尺の短さ(1時間)がせめて1時間半あればなあ、と思ったほどだ」

晶華「とにかく、今から感想会ね」

NOVA「ここからネタバレも混じるから、注意だな」

 

今回は年末ライダーのムービー大戦形式

 

NOVA「ゼンカイジャーとドンブラザーズはどちらも戦隊の王道を外した、超個性的な世界観を持つ作品同士で、今回のVSが発表された時は(いや、発表される前から)『混ぜるな危険』と恐れられたものだ」

晶華「結果的には、それぞれの世界観を混ぜることなく、別々の後日譚ドラマを描いて、クライマックス部分だけ共闘させた形ね」

NOVA「言わば、この形だな」

NOVA「2010年のムービー大戦は、ディケイドの完結編と、Wの誕生編と、両ライダーが共闘するクライマックス編の3本立て映画の豪華さだった。別々の物語が一つに収束する満腹感は当時サプライズも覚えたし、平成初の年末ライダー映画ってことで新時代感覚満載だったよな」

晶華「で、今回もゼンカイジャーとドンブラザーズは、別々のストーリーをそれぞれの世界観で描いてみせて、最後だけ共闘する流れなのね」

NOVA「『混ぜるな危険』の作品同士を混ぜたら、どんな強烈な化学作用が起こるかとドキドキハラハラブルブルワクワクして見に行ったら、ほとんど混ぜませんでしたってオチだ。ええと、ゼンカイはカレーハンバーグで、ドンブラはご飯に汁と麺をぶっ掛けたラーメン丼みたいな作品で、それぞれが独特の味わいなんだが、それを混ぜた『カレーハンバーグ乗せラーメン丼』がどんな代物になるのか、と思ったら、カレーハンバーグとラーメン丼が別々にお出しされて混ざってないだろう? って感じたようなものか」

翔花「例えが意味不明だし」

NOVA「だったら、どう例えるんだよ?」

翔花「ドンブラだったら、ラーメンじゃなくて、おでんよ。おでん丼にすべきだわ」

NOVA「そこにキビ団子と、おにぎりと、はるか先生特製のビーフストロガノフを付けたら、ドンブラ風味だな」

翔花「それと赤いタロウ汁で味付けして、デザートにバースデーケーキを付けたら、完璧ね」

NOVA「デザートはキビ団子じゃないのか?」

翔花「それは主食の一つよ」

NOVA「何だか、ドンブラだけで胸焼けを起こしそうなんだが」

翔花「それがドンブラってものよ(キッパリ)」

NOVA「今だと、デザートにはレインボージュルリラを添えたくなるんだが?」

翔花「それは来年のVSのネタにしましょ」

 

晶華「ドンブラがそれなら、ゼンカイも負けていられないわね。寿司とカシワモチと、喫茶カラフルの駄菓子がゼンカイ風味ってことで」

NOVA「他に、キノコとカキ氷と干し柿と牛乳と大根と麺類とニンジンなんかを混ぜることもできそうだな」

晶華「ワルドのモチーフを挙げればいいってものじゃないわよ」

NOVA「とにかく、ゼンカイにはゼンカイの味が、ドンブラにはドンブラの味があって、それが混ざると、どんな味になるかを期待したら、まあ混ぜずに別の皿やドンブリでお出しされて、これは戦隊伝統のVSシリーズとは違うよねって思った感」

翔花「今まで、そういう構成はなかったの?」

NOVA「なかったな」

NOVA「古の『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』より約20年を経て、『オーレンジャーVSカクレンジャー』以降が現在に通じる戦隊VS物の歴史だが、基本的に新旧メンバーがドラマ的にもがっつり絡み合って、最初はそれぞれの作風ゆえに相手の戦い方や生き様が噛み合わなくて衝突していた2大戦隊が、やがて相互の違いを理解するようになって強敵を粉砕するクライマックスに流れるわけだ。

「とりわけ印象的なのは、ハードな軍隊物のオーレンジャーと、コミカルでお茶らけたカーレンジャーを軟弱だと断じて、オーレンジャーの司令の三浦参謀長(宮内洋)がカーレンジャーを厳しく特訓する展開だな。他にも学生戦隊のメガレンジャーに対して社会人の立場で(柄にもなく)教訓を垂れる先輩カーレンジャーとか、戦いのプロであるギンガマンとレスキューのプロであるゴーゴーファイブとか、それぞれの戦隊の対立軸はこれだ、という形でドラマ構築されているのは印象深い」

晶華「ゼンカイとドンブラの対立軸って何?」

NOVA「……ええと、ゼンカイは介人の性格が寛容で、基本的に対立を和らげる天然系のキャラなんだよな。好戦的で暴れる連中には立ち向かう一本気の強さはあるが」

翔花「暴太郎戦隊だから、暴れるわよ」

NOVA「暴れるの意味が違うだろう。彼らの暴れるのは、暴力じゃなくて、王道を破壊するカオスって意味の暴れ方だ。作品そのものが暴れているのであって、ドンブラの基本は祭りだ祭りだの精神で、好奇心旺盛のゼンカイジャーとぶつかる理由があまりない」

 

ドンモモタロウ『ほう、お前たちが新しいお供たちか』

ゼンカイザー介人『そう、お友達だね。一緒に全力全開だ〜』

ドンモモタロウ『おもしろい。ワーハッハッハー、祭りだ祭りだ〜』

 

NOVA「こんなノリだから、対立する理由があまりない」

 

ツーカイザー『誰がお供だ』

ガオーン『はいはい、お兄さんは話がややこしくなるので、介人に任せて黙ってようね〜』

 

NOVA「好戦的な界賊ゾックスが、今回はゼンカイ側の悪役として、カシワモチワルドのカシワモチ中毒になってカシワモチ王として暴虐の限りを尽くしていたからな。正気に戻ると、多少は反省して発言力を封じられたというか、ゼンカイ側はゼンカイジャー&ステイシーザーVSワルドに洗脳された界賊&ハカイザー(介人パパ)の内戦ドラマだったわけで」

晶華「暴虐の限りと言っても、人々を脅迫してカシワモチをいっぱい作らせて献上させていただけだったけどね」

NOVA「カシワモチワルドに支配されて、カシワモチ中毒になった人々がカシワモチを自由に食べることを許されず、作ったものを全て王さまに献上しないといけないんだぞ。搾取以外の何ものでもないだろう」

晶華「そこで、ステイシーさんの策略で、他所の世界からカシワモチを集めてきて、闇カシワモチをばら撒いてカシワモチ王に反抗する機運を高めるカシワモチ革命が実行されるのよね」

NOVA「キノコトピア製のキノコカシワモチとか、寿司トピア製の寿司カシワモチとか、氷トピア製の氷カシワモチとか、多元世界各地のカシワモチが登場して、ゾックスが『こんな闇カシワモチがはびこるとは、俺は認めん』とキレて、介人たちが『カシワモチは自由に味わうものだ。独り占めして、お前好みの一色に染め上げるのは許せない』と白熱したカシワモチ議論を展開するのは笑った。もう、この映画は『カシワモチの、カシワモチによる、カシワモチのための奴隷搾取や自由のない偏狭な画一性に抵抗する政治や社会風刺ドラマ』なんだなあ、と」

翔花「もう、カシワモチってだけで、お腹いっぱいね」

 

NOVA「いやあ、久しぶりにゼンカイジャーを楽しませてもらったよ。去年の焼き肉ネタも面白かったが、やっぱりゼンカイジャーは面白いなあ、と」

 

ドンブラ後日譚

 

NOVA「一方、ドンブラはTV本編の笑える話ではなくて、ドンブラ解散劇と桃井タロウの死につながるシリアス風味の話だったな」

翔花「大筋はシリアスなんだけど、ところどころのセリフ回しにネタやユーモアを仕込んでいて、密度は結構濃い物語。一つのシーンでクスッと笑えばいいのか、しんみりとなればいいのか、複雑な情感を突きつけて来るペーソスたっぷりな演出だったわね」

NOVA「ドンブラは基本、コメディの皮をかぶったアイロニックな物語なんだよな。ギャグテイストでキツい演出をしてきて、うわ〜マジかよ〜と笑いながら慄くというシーンがTV放映中もいくつもあった。例えば、『桃井タロウが死んだ〜(爆泣き笑い)』ってのが代表的演出だな」

翔花「まさか、例の忍者魔法冒険星獣(未遂)王様おじさんの大野さんが、最強オンリーワンの機界鬼になって、桃井タロウ様を殺してしまうなんて思わなかったわ」

晶華「大野さんがヒトツ鬼になることも、桃井タロウさんが死んじゃうことも今に始まったことじゃないけど、もうここまでしつこく天丼展開をしてみせて、大野さんキターとか、タロウ死んだーと物語を沸かせてくれるのは、ドンブラならではよねえ。ゼンカイだと、カシワモチのネタかぶりをツッコミ入れていたのに」

翔花「いつものドンブラ感は大事なことよ。今回の映画は、最終回でタロウ様がリーダーから外れた新生ドンブラ(ジロウ体制)がいかに一年間の戦いを経て、それがマンネリ感で飽きられて崩壊解散したのが、復活タロウ様の元に再生ドンブラに展開する話なんだから」

NOVA「何だかんだ言って、一年間リーダーを務めたんだから、ジロウも大したものだ。しかも、メンバーの私生活が充実するように働きかけて、猿原先生が私塾を開き、雉野が社長になり、犬塚翼がソノニとスイーツ食堂を経営できるようにバックアップしている」

翔花「突然、資産提供されて富豪になっているのよね、ジロウさん」

NOVA「でも、井上敏樹脚本でお馴染みの『いけ好かないキザな金持ち』演技で、ヘイト買いまくりだけどな」

翔花「それでも、幻ルミちゃんの件で、心にポッカリ穴が空いたまま、ヒーロー活動と仲間の日常支援に力を注ごうとしていたんだし、立派よ。ただ、何でもかんでも自分の思うとおりの型にはめようとしがちなのは、カシワモチ王のゾックスさんに通じるものがあるけど」

NOVA「桃井タロウは破天荒なキャラだったからな。ドンブラザーズも型にはまらないカオスな気質が売りだったのに、それを型にはめようとしたジロウの、良く言えばマジメさ、悪く言えば独り善がりな部分がチームに限界を感じさせたわけだ。それでも1年間の活躍をしていたのだから、彼なりに頑張ったというのも事実だ」

翔花「物語はジロウさん率いる新生ドンブラザーズのヒトツ鬼退治(相変わらずの大野さん)から始まるんだけど、ジロウさん以外は私生活が忙しくて慌ただしい様子だった」

NOVA「そんな1年後に記憶を取り戻した桃井タロウ。ただ、最初に取り戻したのはドンブリーズの記憶だった」

翔花「すぐに訂正して、ドンブラザーズの記憶に置き換わるんだけどね」

NOVA「記憶を取り戻したタロウがドンブラザーズの面々に会いに行って、そこでジロウ以外のメンバーがドンブラザーズの活動に倦んでいることを知る」

翔花「売れっ子マンガ家に上り詰めたはるかさんは、『ネームは仕上げたんだから、後はアシスタントに任せればいい』と言いながら編集さんたちと接待カラオケを満喫中。その様子を見て、ソノザさんが不満中」

NOVA「後のメンバーはジロウのバックアップで、充実した私生活を過ごしているように見えつつも、縛りの多いドンブラザーズ活動に不満を覚えていて、それぞれが脱退したいとタロウに申し出るようになった」

翔花「現リーダーのジロウさんには言わないのね」

NOVA「はるかはともかく、他のメンバーはジロウに私生活で借りがあるからな。前リーダーのタロウには本音で告白できることが、ジロウに対しては遠慮して言えない関係だ」

翔花「ジロウさんとは、タロウ様ほど心が通じ合う関係にはなれなかったのよね」

NOVA「これはジロウにタロウほどのカリスマがなかったこともあるだろうが、ジロウが『リーダーの座』にこだわり過ぎて、それを維持すること自体が目的となって、元の純真さを失ったこともあるだろうな」

翔花「タロウ様とは別の意味で、ジロウさんも友だちがいないし」

NOVA「田舎の友だちが幻と分かってから、金やリーダーの立場でしか友だちを作れない寂しさみたいなものがジロウには溢れてしまったんだな。ドンブラザーズそのものが、自発的なボランティア活動だったのが心の通わないビジネスライクな集団に陥ってしまった」

翔花「そのことに反発したソノイ様が、ジロウさんに異を唱えたけど、決闘に負けてチームを追い出されて、今ではただのおでん屋さんになっていたのね」

NOVA「でも、自分の好きなものを作って、人々に笑顔を与えているのだから、彼なりに充実した暮らしみたいだけどな。そもそも、桃井タロウのいないドンブラザーズは、ソノイにとって魅力に欠けるものだったのだろう。ソノザははるかとの縁で、ソノニは翼との縁で、チームに参加してるけど、ソノイはタロウとの縁で参加したにも関わらず、ジロウがチームからタロウ色を消す方向で活動しているからな。社長が変わったことで、組織のあり方が変わった企業みたいなものか」

翔花「ソノイ様としては、タロウ様に自分の作ったおでんを食べてもらって、絶賛してもらい、タロウのドンブラザーズを再生させるために貢献し、自らの役割をしっかり果たして散って行ったのだから本望ってところね」

NOVA「ああ、スピンオフで『復活のソノイ』という脳人をメインにした話を作ってくれる可能性もゼロじゃないしな。たぶん、脳人にとっての死後の世界みたいなのがあって、そこでソノシゴロとか、カイザとかイエローレーサーも登場して、ついでにソノクとかソノトとか出てきて、脳人だけで物語を展開することも可能だろう」

翔花「面白そう。ソノクさんとかソノトさんは誰が演るの?」

NOVA「9番めはともかく、10番めだったら世界の破壊者を希望する」

晶華「ディケイドさん? ドンブラの世界も破壊するってこと?」

NOVA「W井上、混ぜるな危険ってことかもしれんが、井上正大と言えば、こんな作品も作られていてな」

晶華「何これ? 華衛士って花粉症ガールを守ってくれるの?」

NOVA「花粉症ガールが絡むかどうかは知らんが、ディケイドとアギトとナイトと牙狼の流牙が登場するネットオリジナル作品だ。プロデュースが井上正大氏で、平成ライダー牙狼のエッセンスが混ざってそうだな。よく知らんけど」

晶華「知らないの?」

NOVA「この記事を書いている途中で、YouTubeで第1話が配信されていることに気付いたから見てみた。ええと、主人公っぽいAKB上がりの女の子がディケイド、いや神牙かな、にストーキングされて森の中を走っていて、よく分からないままに追いつめられて殺されてしまった。と思いきや、そこで彼女が別の場所で目覚めて、夢オチ? 幻? 何があったの? ってところで続く、だ。1話だけだと、変身するわけでもなく、特撮かどうかも分からない。とりあえず、謎だけ提示して、世界観や登場人物については2話以降を楽しみにって内容だな。まあ、雨宮監督はタッチしないが、牙狼の延長線上にある作品と受け止めた。公式サイトはこちらだ」

翔花「って、NOVAちゃん。今はドンブラの話じゃなかったの?」

NOVA「おっと、危うくドンブラの世界が破壊されるところだった。おのれ、ディケイド」

 

改めてドンブラ感想の続き

 

NOVA「とにかく、今回のドンブラ映画はソノイさんのインパクトが非常に強くて、ソノイの、ソノイによる、ソノイのための桃井タロウ復活劇という見方もできる。桃井タロウの棺桶に向かって、『タロウよ、今こそお前にもらった命、お前に返そう』とか言って、ガバッと口からタロウ汁を吐き出して、棺を赤い液体で満たすソノイの姿は、感動的なドラマなのに映像インパクトが凄くて、笑いと驚きとホラーっぽい戦慄が入り混じって、本作最大の笑劇インパクトだな。もう、感情スイッチのいろいろなところを押されて、何これ状態だった」

翔花「わたしは、ソノニさんが犬塚さんのセリフの一言一言に『翼、わたしのために❤️』と反応するラブラブ溺愛っぷりに感じ入ったわ。だから、クライマックスの戦闘にソノニさんとソノザさんと、あとムラサメさんも参加して欲しかったんだけど」

晶華「編集長のソノザさんもいい味出していたわね。ソノイさんが追放されたからか、ジロウさんの指揮下でどんどん硬直化するチーム、そして、はるかさんのマンガへの取り組み方に不平不満を挙げる役どころ。『お前たち、本当にこれでいいのか?』と訴えることで、理想のドンブラと理想のマンガが彼の中でつながってる」

NOVA「だって、はるかのマンガの元ネタがドンブラザーズだからな。戦隊活動が硬直化すれば、マンガのストーリーだって硬直化する。ある意味、ジロウ指揮下のドンブラってマンネリ化してチャレンジ精神を失いかけた戦隊シリーズへの創り手の自虐ネタなのかもしれない。ゼンカイジャーで白倉プロデューサーが担当したときに、『戦隊は平成ライダーほどの冒険をしなくなったから、今のままだと遠からず行き詰まる。戦隊にもライダーに負けないチャレンジ精神が必要だ』と主張していたからな。それでできたのが、ゼンカイとドンブラなわけで」

翔花「だから、その2作はマンネリ打破のカオス作品になったのね」

NOVA「ゼンカイジャーでゼンカイ脳って言葉が生まれ、いろいろカオスだなあと思っていたら、ドンブラザーズはもっと訳の分からない作品になったからな。でも、最終回で見事に王道打ち上げ花火を上げてくれた」

NOVA「ドンブラはなかなかメンバーがそろわず、戦隊伝統の名乗りさえもがレアなお約束崩しな作品だったが、最終回の10人名乗りはもう最高のクライマックスと言えた。その勢いのピークが、ジロウ指揮下ではなくなって、それを取り戻すための映画が今作だったんだな。だから、今作はドンブラにとってのピークではなくなって、一度、解散と桃井タロウの死からの再生を経て、ようやく真のドンブラザーズが再誕する話となる。破壊からの再生って奴だ」

晶華「名乗りがクライマックスってのは、キングオージャー最新話でもそうよね」

翔花「だから、キングオージャーが侵食して来ないで。ドンブラ話に集中してよ〜(涙目)」

NOVA「いや、キングオージャーはキングオージャーで盛り上がってるからいいんだよ。もしも、キングオージャーの勢いがなくて、戦隊がこれで終わりとなったら、ドンブラとキングオージャーのVS映画も作れなくなる。ドンブラが帰って来るためには、きちんと帰って来る場所を作る後継作が大事なんだよ」

翔花「ううっ。ドンブラが帰って来るためには、居場所を守るキングオージャーが必要ってこと?」

NOVA「そりゃそうだ。シリーズは飽きられず、継続してこそ、関連作品も広がって行くもの。ドンブラの未来はキングオージャーに掛かっている」

翔花「仕方ないわね。ドンブラのためにも、後輩にはしっかり頑張ってもらわないとね。涙を呑んで、キングオージャーも応援してあげるわ。そう、全てはドンブラのためなんだから」

NOVA「まあ、桃井タロウが映画で葬式をしたら(復活するけど)、キングオージャーも対抗するように次回のTVで主役の葬式をするし(死んでない偽装だけど)、何だか妙につながってる感もある。仮にゼンカイドンブラがVS映画としては物足りない、不満を覚えるものであっても、他の作品でその不満を解消してくれるなら、互いに補い合える関係性なわけで、それこそが戦隊ってものだろう」

翔花「ええと、一作一作では完璧でなくても、同じ志を抱いて進み続ければ、伝説にだってなれるってこと?」

NOVA「たとえ、暴太郎戦隊と王様戦隊が不倶戴天の敵で、来年はVSするような仲であっても、ファンのために交わって、来年また新しい伝説を降臨させることを俺は願ってるぜ」

晶華「ドンブラも、キングオージャーも異なる高みを極めし英傑であってほしいものね。ゼンカイジャーは全力全開の英傑、ドンブラザーズはドンブラ脳の英傑、キングオージャーはムシキングな英傑ってことで」

翔花「ドンブラ脳の英傑ってどういう意味よ?」

晶華「そんなの私が知るか。私はドンブラ脳じゃないんだし、そういうのはドンブラ脳のお姉ちゃんに任せた」

翔花「ドンブラ脳の英傑……ワッハッハ〜祭りだ祭りだ〜、この世は楽園パラダイスな英傑ってこと?」

NOVA「パラダイスということは、井上敏樹大先生の特撮次回作はこれっぽいな」

NOVA「令和5年5月5日に発表って、すごいタイムリーな展開だな。もう、ファイズの新作ってだけで、俺のスマートブレインがはち切れそうだぜ」

晶華「ファイズさんの場合はファイズ脳じゃなくて、スマートブレインって言うのね。何だかお洒落な感じ」

NOVA「ドンブラの時代が終わっても、また1年後には帰って来るし、作品が良くて縁がつながれば、20年後に帰って来ることもあるのが証明されたわけだ。どんな話になるか、今から楽しみだぜ」

翔花「だったら、ファイズさんの新作にも桃井タロウ様を呼びましょうよ」

NOVA「そいつは勘弁してください。世界が壊れそうだ。とりあえず、脳人のソノヤさんだけで勘弁」

晶華「仮面ライダーカイザさんね。どうやって復活するのかしら」

NOVA「さあな。まあ、カイザの棺に赤いフォトンブラッドが注がれて、ワハハと笑いながら神輿に乗って現れることだけはないことを願う」

(当記事 完)