20周年記念の父娘OPコント
晶華「とうとう、この日が来たわね。2020年11月16日。『White NOVAのホビー館』創設20周年おめでとうございます。ハッピー♪」
Shiny NOVA「ああ、まさか20年も続くとは思わなかったぜ。空っぽのNOVA、時代をゼロから始めよう……なんて心の歌を口ずさみながら、サイトを作り始めたのが懐かしい」
晶華「って、何で今、ここにいるのよ? 屋久島に行ったんじゃなかったの?」
Shiny NOVA「俺は神出鬼没だぜ。同時に二箇所にいることは不可能だが、うまく時間差を作ることで、すき間時間にリモート出演することは十分可能だ。いたい時にいたい場所にいる、それが時空魔術師のNOVAってキャラだろうが」
晶華「ふうん。痛い時に痛いことを言う言霊魔術師じゃなければいいんだけど」
NOVA「今のは、居たいと痛いを掛けた痛烈なギャグだな。まあいい。せっかくの20周年に俺がここにいないのでは、問題だろうと思ってな。さらに姉の翔花も未来から呼んで来ないといけないし」
晶華「やっぱり、その裏技を使うんだ」
NOVA「いや、厳密に言えば、過去から呼んでくることになるのかな。まあ、これまでの記事で伏線は張っているので、後はガイア様と交渉して、実行に移すのみ。今日は屋久島のエピソードも本編のこちらと対を為す裏話として書かないといけないんだ。『20周年バトル話・外伝』って感じでな。まあ、こちらを補強する裏話的なエピソードと思ってくれていい。こっちほど長くはならないはず」
晶華「それで、こっちは何話で完成させるのかしら?」
NOVA「今、書いている4話、まあ、書いているうちに膨らんで5話になる可能性はある。当初の予定では3話で終わるつもりだったんだが。『復活のK』『邪神K対A、そしてゼロ』『つながる想い』の全3話だったのが、NOVA2009を登場させたことで延びた形」
晶華「NOVA2009は登場させるつもりはなかったの?」
NOVA「登場させるつもりはあったけど、少し違う形なんだ。本当はケイPマーク2ではなく、悪霊に憑依されたマーク1に使って欲しかった。俺の思念がマーク1の中に侵入して、悪霊を追い出すという没プロットがあったんだが、書いているうちに、つまらんと思って方向が切り替わった」
晶華「確かにつまらないわね。それじゃNOVAちゃんが主役みたいじゃない」
NOVA「いや、俺は主役でもいいんだけどな。だけど、最近キラメイジャーで『真の戦士はサポート能力に秀でたもの』というメッセージがあって、そちらに影響された可能性も否めない。そう、俺は神サポート能力に徹する方がいいのでは、と書きながら思ったりもしたわけだ」
晶華「つまり、平成NOVAメモリは切り札のつもりで用意したけど、ただの前座アイテムになってしまったわけね」
NOVA「その結果、ケイPマーク2があっさり壊れてしまったんだけどな。書いてて、『お前、いくら何でもメンタル弱すぎだろう(苦笑)』と思ったり、『お前、ここで壊れたりしたら、この後のフェアリーガーデンのキャプテン・マークスのプレイヤーはどうするんだよ?』とかツッコミ入れたりもしたんだけど、まあ、面白ければいいか、と開き直ったりも」
晶華「面白ければいいか、で壊されるKPマーク2ちゃんが哀れね」
NOVA「まあ、おかげで当初のプロットにはなかった『アッキー・ノヴァン・キーパー』という20周年限定フォームがアドリブで登場したのは収穫だったんだけどな」
晶華「あれがアドリブだったなんて……」
NOVA「プロットは物語の土台みたいなもの、あるいはアイデア原案だからな。書いているうちに、話の流れでもっと面白いネタが思いついたら、上手く混ぜこぜして、ライブ感覚で物語を仕上げるのはよくある話だろう」
晶華「で、いきなり全部が終わったかのように裏話トークを始めちゃってるけど、まだ物語は完成していないんだからね。本当に今日中に完成するの?」
NOVA「この前置きOPトークは、『11月16日の20周年パーティーで、全てが終わった後の父娘会話』という想定で書いてるからな。本編でゼロさんが邪神Kと戦っているのは、まだ15日で、『バトルエピソードも15日で終わり、16日は大団円のパーティー』という物語内時間の設定で考えている。今日中に完結できればいいが、1日2日ズレてリアルで17日とか18日になったとしても、劇中時間との多少の誤差は想定の範囲内ってことだ。それでも終わらせる予定スケジュールぐらいは、読む人にも宣言しておきたいし、あまり引き延ばすと、いろいろな定例作業にもしわ寄せが来るからな。勢いつけて一気に終わらせたいのが本音だ」
晶華「では、助っ人ゼロさんVS邪神Kのバトルの続きから、お楽しみください」
ゼロVS邪神
晶華「わ〜い、メガネブルーことウルトラマンゼロさんが駆けつけてくれたことで一気に形勢逆転ね」
アスト「ああ、アステロイド観測所に来てくれるって話は聞いていたが、ゼロ師匠がオレたちのために戦ってくれるとは夢のようだぜ」
NOVA2009『あれが噂のウルトラマンゼロかあ。初めて見たよ。セブンの息子ってのは本当なのか?』
晶華「そっか、2009年バージョンのNOVAちゃんはまだ知らないんだ。ゼロさんのデビュー映画は、2009年の年末だもんね」
NOVA2009『ぼくにとっては、ウルトラマンメビウスと大怪獣バトルのレイモンが現役ウルトラだからな。しかし、いくら何でもウルトラマン1人で、300メートル級の巨大超獣を相手にするのは厳しくないか?』
晶華「でも、ゼロさんが最初に戦った時の怪獣は、百体怪獣ベリュドラ。ウルトラマンベリアルさんと怪獣墓場の亡霊たちが結合した身長4000メートルの超巨大怪獣だよ。その後で戦った超銀河大帝アークベリアルも300メートルだし、ゼロさんだったらサイズ差は問題にならないと思う」
アスト「だけど、その時は他のウルトラマンや、ウルティメイトフォースゼロの面々が共闘してくれただろう。オレたちも支援射撃ぐらいはした方がいいんじゃないか?」
晶華「うん、それもそうね。アストにしては、いい判断よ」
アスト「オレはいつでもいい判断しかしない……とまでは言わないが、そろそろオレの評価を上方修正してもいいんじゃないか? こう見えても、読者代表の看板を背負っているんだぜ。オレを大事にしたら、それは読者の皆さんを大事にするってことになるんだからよ」
晶華「お前が勝手に読者の代表ヅラするなって意見が聞こえるんだけど」
アスト「本当かよ。とにかく、アッキー様に具申申し上げる。ゼロ師匠への援護攻撃を果たすべき時かと」
晶華「ジョエル君、サンライズキャノンは撃てる?」
ジョエル「あれは波動砲と同じで、連発できません。通常の主砲や対空機銃なら何とか生成できそうですが」
晶華「では、NOVAちゃん、命令して。『主砲、副砲、その他、攻撃武装生成の後、邪神Kに向けて、一斉掃射! あ、ゼロさんには当てないようにね』」
NOVA2009『無茶な命令だな。まあ、了解した。主砲、副砲、ミサイル、機銃、いろいろ生成。その後、一斉掃射! 目標、邪神K。友軍のウルトラマンゼロには当てるなよ』
ジョエル「本塔の位置を調整の上、何とかしてみます。だけど、誰か戦闘班班長を指定して、火器管制をお願いします。その人のイメージどおりに射線は誘導されます」
晶華「アスト、あんたに任せた」
アスト「え? オレでいいのか?」
晶華「その代わり、間違えてゼロさんに当てたら、あんたが責任をとること」
アスト「……分かった。責任重大だな。だけど、パグマイアでは遠隔射撃が得意なハンターをやってるんだ。ゲームで鍛えた射撃の腕を今こそ見せてやるぜ。目指すは、導きシューティングの為朝さんだあ」
ダイアンナ「あたしにも何かできないだろうか」
晶華「そうね。リウ君を補佐して、索敵・戦況報告をお願い。オペレーター任務は二人って相場が決まっているわ」
ダイアンナ「了解した」
シロ「アッキー、ボクは?」
晶華「シーさんには、そうね。20周年記念を成功させるために一番重要な任務を与えるわ。私たちが戦闘をしている間に、厨房でパーティー用の食事の準備をすること。それができるのは、ここではシーさんしかいないわ。腹が減っては戦ができないんだから」
シロ「……何だか釈然としないが、忍びたる者、己が役割を全うすべし。食糧準備の件、心得た」
晶華「これで人員配置は完了したかしら。誰か手の空いている人はいない?」
リバT『ミストレス、私めは何をいたしましょう?』
晶華「そうね。通信で、触手キングさんに呼びかけて。触手の女神さまの声なら、ヤプールの洗脳が解けるかも。もしかしたら、KPマーク1ちゃんやマーク3ちゃんの良心回路が起動するかもしれないし。敵に一定量のダメージを与えたら、説得コマンドが出るかもしれないから、その時を見逃さないようにね」
リバT『承りました。悪くても撹乱効果で弱体化が図れるかもしれません。悪霊の支配から兄たちを解放し、キングさんに正気を取り戻させる役割を果たしてみせますわ』
晶華「お願いね。さて、何だか司令官みたいな仕事をしているけど、メガネンジャー司令代理と言ったところかしら。すると、このクリスタルタワーにも艦らしいネーミングが欲しいところね。ええと、『超時空星晶母艦☆メガクリスター』って感じかな。これより、メガクリスター、作戦行動に移る」
ゼロ「チッ、この邪神野郎! ただデカいだけじゃねえ。さっきから何度も攻撃しているのに、すぐに再生しやがる。これじゃ、キリがねえ。長期戦じゃ、時間制限のある分、こっちが不利だから一気に決めたいところだが、さすがのオレも今のままじゃ決め手に欠ける。だが、諦めるわけにはいかねえ。オレの後ろには守るべきものがあるからなあ」
晶華「ゼロさん、少し右に避けて。今からメガクリスターで支援射撃を送るから」
ゼロ「メガクリスター? メガネンジャーの新兵器か?」
晶華「そう。昭和と平成と令和のNOVAちゃんの想いが生み出した超時空の要塞よ。私たちは守られるだけじゃない。守り、紡ぎ、創造するの」
ゼロ「よし、司令のその想い、確かに受け取った。だったら、こっちも負けちゃいられねえな。ウルティメイトイージス装着。ウルティメイトゼロ、これがオレたちの光だッ」
ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE OP : GO AHEAD~すすめ!ウルトラマンゼロ~ Full
晶華「メガクリスター、全砲門一斉発射!」
NOVA2009『命令繰り返す。メガクリスター、全砲門一斉掃射だッ』
アスト「照準OKだ。誤射はない」
ジョエル「分かりました。魔力充填、撃ちま〜す」
ゼロ「よし、こっちも合わせるぜ。ファイナル・ウルティメイト・ゼロだーーッ!」
邪神の猛威
晶華「やったの!?」
リバT『ミストレス、そのセリフは禁句かと』
ゼロ「何てこった。奴め、今の攻撃でもピンピンしてやがる」
ウルトラマンエース ピンチ BGM / Ultraman Ace Battle Theme 2 - Cover
リバT『ちなみに、ゼロさんのピンチBGMはこちらになりますね』
ゼロ「勝手にBGM流して、ピンチ演出してるんじゃねえ。オレはまだまだ戦える。切り札だって、まだまだ残しているんだ。シャイニングとかビヨンドとか、オレの進化は止まらねえ」
NOVA2009『しかし、その力は円谷時空の加護あってのこと。ここでは少し勝手が違うようだ』
ゼロ「その声は司令か? どういうことだ?」
NOVA2009『ウルトラマンゼロ君と言ったね。初めまして』
ゼロ「はあ? 初めましてだと? あんたは司令じゃないのか?」
晶華「ゼロさん、ここにいるのはNOVAちゃんだけど、NOVAちゃんじゃないの。ええと、10年ぐらい前の平成NOVAちゃんであって、今のShinyなNOVAちゃんじゃない」
ゼロ「10年前か。オレがまだまだ未熟だった時だな。あの頃のオレは、レオ師匠に鍛えられて、テクターギアなんてものを身に付けさせられていたが、思い出話はどうでもいい。10年前でも司令は司令なんだな。何か分かったことがあれば、早く言ってくれ。奴を倒す手掛かりになるかもしれねえ」
NOVA2009『なかなかせっかちな若者だな。ぼくは今、ケイPマーク2のボディにいるんだが、邪神Kも同じケイP一族を2機取り込んでいる。そこからの推測なんだが、ヤプールを倒すのにウルトラの力が必要ということはいいよね』
ゼロ「ああ、Aの力があれば最高だが、メビウスやZでも倒せたことを見るに、怨念に打ち勝つ心の強ささえあれば、そして鍛えた技や力さえあれば十分倒せる。だが、こいつはただのヤプールじゃない。そういうことか?」
NOVA2009『思ったよりも頭がいいじゃないか。噂では、ただの乱暴者だったらしいが、印象を撤回しよう』
ゼロ「この10年、いろいろあったんだよ。だが、司令、いちいち勿体ぶるのは、10年前から変わっていないんだな。結論を早く言え」
NOVA2009『じゃあ、結論。ゼロ君、君がどれだけ強くても、邪神Kには勝てない』
ゼロ「何だと? 勝てるか勝てないかは、まだ分かんねえだろうが。勝手に人の敗北を予想してるんじゃねえ。そんなに後ろ向きでどうする?」
NOVA2009『まあ、落ち着いて話を聞いてくれ。昔、ショッカー怪人の毒サソリ男と、古代怪獣ガドラスが東京で暴れたことがあったんだが、それぞれ仮面ライダー1号と、初代ウルトラマンが戦っていたんだ。1993年の話なんだけどね』
晶華「2011年にDVDやブルーレイでも再販されているわ」
ゼロ「ウルトラマンは怪獣退治の専門家、仮面ライダーは怪人退治の専門家だな」
NOVA2009『そう、両者はそれぞれの世界観で倒すべき相手が決まっている。しかし、怪獣と怪人が一つとなって、合体巨大怪人獣サソリガドラスとなったとき、それぞれの力では倒せないことに気付いたんだ』
ゼロ「合体した敵には、バラバラで戦っても勝ち目がない、と言いたいのか?」
NOVA2009『そうなんだ。これは単に物理的な質量の問題ではない。世界法則の問題なんだ。詳細は省くが、自分の普段の世界と違う場所で戦うなら、戦闘力をフルに発揮できないことも多い』
ゼロ「そいつはよく分かる。いつもと勝手が違うってことだな」
NOVA2009『ゼロ君、君は分かりのいい生徒だな。将来が楽しみだ』
ゼロ「へヘッ。お世辞はいいぜ。こっちは戦いながら、あんたの話を聞いているんだからな。だが大体、言いたいことは分かった。こいつを倒すには、他にも仲間が必要。それをあんたが用意してくれるから、それまで持ちこたえろって話だな」
NOVA2009『そこまで先を読まれちゃ、ぼくが教えることはもうなさそうだな』
ゼロ「こっちはこっちで、未来のあんたを見習って、教師の真似事をやってるんだ。他にも手があるなら、そいつはあんたに任せた。時間稼ぎぐらいならやってやるぜ。無駄なエネルギーを消耗しない程度の戦いなら、まだまだ行ける」
晶華「で、NOVAちゃん、私はゼロ師匠みたいに分かってないから、もう少し詳しい解説をお願い」
NOVA2009『では、時間もないので、簡単にまとめよう。邪神Kで一番厄介なのは、後から取り込まれた触手キングのようだ。触手キングはケイPマーク3の要素を宿していたが、このマーク3の中には「メガネグリーン」と「仮面ライダーブレン」という二大ヒーローの力が秘められている、とケイPマーク2のメモリにはある。ぼくの知識は2009年までなので、よくは知らないんだが、「明鏡戦隊メガネンジャー」と「仮面ライダーブレン」という作品がこの未来の世界には存在しているんだね』
アスト「前者は非公認のオリジナル戦隊で、後者は結局、夢オチみたいな終わり方だったがな。一応、時の王者の映画でブレンは登場したりもしたが、公式のお遊びみたいなものだ」
NOVA2009『それでも、人々の想いを宿した戦隊であり、ライダーだと判断する。つまり、あの邪神Kは、ヤプールというウルトラ関連の力、ドゴラという東宝怪獣の力、そして仮面ライダーとスーパー戦隊の力も取り込み、それぞれの世界観の障壁を張り巡らせているわけだ。だから、それを倒すには、こちらもウルトラの力以外に、東宝怪獣やスーパー戦隊、そして仮面ライダーの力を一つに結集させなければならないという話なんだ』
リトル「東宝怪獣の力なら、ここにありますよぉ。リウの力、そして父さんのブルーソウルの力があれば、いいんですよねぇ」
NOVA2009『それは確か、ゴジラ様の魂のかけらだったか。だったら、後は戦隊とライダーの力だな』
晶華「相手の持っているのがメガネグリーンの力なら、ゼロさんのメガネブルーと、私のメガネシルバーの力で十分じゃない?」
NOVA2009『だったら、残りはライダーの力か。誰か、ライダーの力は持っていないかな?』
一同「……」
晶華「どうやら、ここには仮面ライダーの力を宿した人、精霊、その他キャラがいないみたいね」
アスト「そもそも、このブログ時空にライダーの力を宿した奴がいるのか?」
晶華「メガネンジャーの仮面ライダー代表が、メガネグリーンのブレンさんだったのよ。他にライダーの力を使っていたのは……お姉ちゃんかな。クウガさんの力を使ったことがあるし」
アスト「翔花ちゃんにできるなら、妹のアッキー様にだってできるんじゃないか?」
晶華「ごっこ遊びならしたことあるわよ。お姉ちゃんが翔太郎で、私がフィリップ。2人でWショーカになって、シャドウムーン役のNOVAちゃんをやっつけたりしていた」
アスト「つまり、アッキー様は花粉症ガール2号だけど、その秘められたライダーの力は1号の翔花ちゃんに基づく力だから、単独では発動できないってことか」
晶華「簡単に言えば、そういうことね。NOVAちゃんがどうして、この20周年記念にお姉ちゃんを呼びに屋久島まで行ったのか、本当の理由が今、分かったわ。つまるところ、お姉ちゃんの持つ力がなければ、邪神Kが倒せないってこと。ふえ〜ん、NOVAちゃん、早く来てくれないかなあ(涙目)」
アスト「畜生、NOVAの野郎。アッキー様に涙を流させやがって。翔花ちゃんクエスト、オレが代われるものなら代わってやりたいぐらいだ」
Shiny NOVA(晶華、その涙は何だ? その涙で世界が救えるのか?)
晶華「え? NOVAちゃん?」
Shiny NOVA(俺がここを出る前に、お前に言い残した言葉を思い出せ)
晶華「ええと、どの言葉だっけ?」
Shiny NOVA(ここだよ、ここ。まだ一週間も経っていないんだから、忘れるな)
晶華「ああ、あの言葉ね。念のために貼りつけておくわ」
NOVA「2009年の俺は、まだブルーアイズを着けていなかったんだがな。まあいい、明日からのクリスタル湖畔は、花粉症ガールを中心とするスーパー時空大戦の戦場と化すだろう。しっかり戦い抜くんだぞ、粉杉晶華。どんな時でも、夢と希望は忘れるな。最後の希望は一人じゃない。昭和、平成、そして令和の希望をつないで、ハッピーに導くのがお前の仕事だ。じゃあな(閃光とともに消失す)」
晶華「どんな時でも、夢と希望を忘れない。しっかり戦い抜く。最後の希望は一人じゃない。私には、助け、助けられる多くの仲間がいる。昭和、平成、そして令和の3つの想い、希望をつないで、ハッピーに導くのが、花粉症ガールの仕事なの。そう、私にだって、まだできることはあるはずだから。今は、ゼロさんを助けて、NOVAちゃんたちが来るための扉を開ける。そのために、希望を絶やしちゃダメなの。
「晶華の晶の字は太陽サンサン、晶華の華の字は輝く華。私の光が世界をつなぐ。そうでしょ、NOVAちゃん」
NOVA2009『あ、ああ、よく分からないが、命令すればいいんだな。ゼロ君を助けるために、支援射撃を続けろ。そうすれば、希望の扉は必ず開く。全員、絶望するな!』
ジョエル「了解しました。〈白き栄光の杖〉の魔力集中。支援射撃再開! 希望の扉捜索開始! 対絶望障壁展開!」
晶華「あれ? 私、そんな命令したかなあ? まあ、いいや。ゼロさんが諦めずに戦ってくれる以上は、私たちが諦めるわけにはいかないの。希望は1人でも、最後でもない。いつだって紡ぎ、つなげて、広げるもの。希望の扉の鍵は自分自身。希望の風よ、勇気の光よ、正義の祈りよ、暗黒邪神をやっつけろ〜」
闇の障壁を越えて
Shiny NOVA(晶華、聞こえるか?)
晶華「その声は、またもやNOVAちゃん?」
NOVA(ああ、しつこいようだが俺だ。ようやくガイア様の助けを借りて、平成31年の翔花を呼び戻すことに成功したぜ。詳しい話は、時間がある時にレポートでも読めばいいが、今、屋久島から次元回廊を伝って、そっちに向かっている最中だ。だけど、一つ問題があってな……)
晶華「何?」
NOVA(どうも、こっちが次元回廊を使うことは、ヤプールの奴も予想していたらしい。あらかじめ先手を打たれて、そちらの空間は結界で封印されちまっている。時間を掛ければ解除できなくもないだろうが、何しろ奴は異次元の専門家だ。どれぐらいの手間暇が必要か今のところ想像もつかねえ。お前に思念を伝えるのがやっとなんだ)
晶華「じゃあ、どうすればいいの?」
翔花(アキちゃん、私の声が聞こえてる?)
晶華「その声はお姉ちゃん?」
翔花(そうよ、私は粉杉翔花。花粉症ガール1号よ)
晶華「私は粉杉晶華。花粉症ガール2号」
翔花(私たち、W花粉症ガールは元々1つだった存在が、2つに分かれた双子の姉妹。だから、その絆は誰よりも強く、固く結ばれている。そうでしょう?)
晶華「うん、遠く離れていても、想いは一つよ。……たぶん」
翔花(たぶんって何よ?)
晶華「たぶんはたぶんよ。お姉ちゃんと私は違う。お姉ちゃんは勇者だし、時を翔ける修行をして、神さまみたいな力を手に入れて、キラキラしてる。それに比べて、私は日常アシスタントガールで、友だちがいないと自分では何もできなくて、今でも涙が流れそう。そんな弱い心の私が、お姉ちゃんと想いが一つなんて言われても、そうかなあ? って思うのが私の偽りない本音なの」
翔花(私、別に勇者なんかじゃないよ。時を翔ける修行って言っても、ガイアちゃんの神パワーで飛ばされただけだし、行き当たりばったりで「キャーッ」って悲鳴を上げて、涙目になることもしょっちゅうだし、早くNOVAちゃんのところに帰りたいってことばかり考えていて、正直、いつもNOVAちゃんと一緒にいるアシスタントガールの妹が羨ましいって思ってるもん。私がキラキラしてる? そんなことない。キラキラしてるのは、アキちゃん、あなたよ。明鏡戦隊メガネンジャーって私は知らなかったし、あなたは私の知らないNOVAちゃんをいっぱい知っている。私だって、早く修行の旅を終えて、日常アシスタントガールに戻りたいんだけど、NOVAちゃんもガイアちゃんも「お前には大地を守る使命がある」って言って、私の願いなんて聞いてくれないの。こんな弱い心の私が勇者なわけないじゃない)
晶華「……お姉ちゃん、そんなに寂しい心を抱えていたんだ。ゴメンなさい。私、双子の妹なのに、お姉ちゃんの気持ちがちっとも分かっていなかった。それなのに、絆が誰よりも強いとか、固く結ばれているなんて、無邪気にそんなことを言う資格なんてないわよね」
ヤプールの声《そうだ。いかに双子とはいえ、精霊少女とはいえ、その絆は脆く儚いものなのだ。我がヤプールの邪念、怨念、悪意の思念で、お前たちの夢や希望など容易く蝕んでくれるわ》
翔花(出たわね、悪霊。私の演技に誘われて、こうも簡単に出て来るなんて、狡猾な異次元人の噂が泣くわ。しょせんは悪霊、花粉症ガールの敵じゃない)
ヤプール《はっ? 演技だと? さっきまでの心の声は嘘だと言うのか? 花粉症ガールとは、こうも卑怯な存在なのか?》
翔花(悪霊に卑怯なんて言われる覚えはない)
晶華「そうよ。卑怯もらっきょうもあるかって、メフィラス星人の二代目さんも言っていたわ。あなたが何代目のヤプールかは知らないけど、花粉症ガールの絆をナメないでよね。落ち込んだりもするけれど、時々、闇の誘惑にフラフラって迷うこともあるけれど、花粉症ガールの心には揺るぎない光があるの」
翔花(確かに、さっきまでの弱音は私の本音よ。涙だって流れるし、妹を羨ましいって思ったりもする。だけど、それが全てじゃない。花粉症ガールの涙はキラキラ希望の光にもなるの。涙で世界が救えるか? 何、その昭和時代のセリフは? 少女の涙は武器になり、時に世界を救う鍵になるのが平成時代の魔法よ。涙をバカにするな!)
NOVA(ゴメンなさい🙇♂️。俺だって涙もろいです)
翔花(反省したなら、よろしい。ヤプールさん、あなたも謝りなさい。そして、おとなしくKPちゃんたちを返してちょうだい。今ならまだ許してあげるわ)
ヤプール《このヤプールに謝れ、だと? 反省しろだと? 許すだと? たかが小娘に、そういう上から目線で見下ろされたことなど、一度もないわ。身の程知らずも大概にしろよ》
晶華「身の程知らずは、あなたの方よ。ヤプールの名を借りた小悪霊め。あれからいろいろ調べたけれど、円谷公式さんはヤプールの名義使用権をNOVAちゃんに認めていないらしいのよね。商業利用ではない私的な二次創作だから大きな問題にはならないという判断だけど、そういうことだったら、あなたも公式の加護が得られない、すなわち、どう扱うかはブログ作者の胸先三寸ってこと。つまり、ヤプールであろうと、この時空ではNOVAちゃんには勝てない。したがって、NOVAちゃんの加護に包まれし花粉症ガールには勝てない。それが世界観の法則という奴よ」
翔花(世界観ってのが何なのか私はよく分かってないけど、分かっていることは一つある。花粉症ガールの中の揺るぎない光、それはNOVAちゃんなの。NOVAちゃんが希望を失わない限り、花粉症ガールは無敵よ)
ヤプール《そうか。それはいいことを聞いた。お前たち小娘がどれだけほざこうが、力の源であるNOVAとやらを落とせば、お前たちは無力と化す。人の心は弱いもの。White NOVAよ、お前は我を信じなさい。ほれ、信じなさい。ほれ、信じなさい……》
NOVA(信じるか、ボケ!)
ヤプール《いきなり、取り出したハリセンでスパーンっと叩かれるだと!? このヤプールにボケ呼ばわりするとは、おのれ! この恨み……》
NOVA(やかましいわ、おんどれェ。そんな子どもだましの歌に、今どき大の大人が誘われるか! 空は青いし、山は緑で生きている。70年代の公害で汚れた自然と一緒にするな。今、怖いのはコロナであって、ヤプールの洗脳ソングじゃない。90年代までなら、まだしもな。とにかく、今はお前と議論している暇はない。20周年パワーShinyパーンチ!)
ヤプール《グフォーッ。バカな。精神戦闘で、この私が敗れるだと!?》
NOVA(精神戦闘なら、俺も得意中の得意だからな。魔術師ナメるな。ついでに、物書きナメるな。今は小説家だって剣で戦う時代なんだぜ)
ヤプール《グーッ。こちらも闇の小説家ストルム星人の悪霊でも、連れて来るべきであったわ》
NOVA(そっちが、伏井出ケイを連れて来るなら、こちらはベリアロクさんで対抗するまでだ)
ヤプール《おのれ、こうなったら物理で叩きつぶす。邪神Kの世界に引きずり込んでやる》
NOVA(ほう、自分からわざわざ結界を解除してくれるとはな。だったら見せてやるぜ、20周年パワーの面白さをな!)
翔花(そこは普通、「恐ろしさ」って言うところじゃない?)
NOVA(自分のブログ世界を恐ろしくして、どうするんだよ? そんな悪霊の暗黒世界なんて、こっちから願い下げだ。俺が目指しているのは、わざわざ敵が開けてくれた希望の扉がつなぐ先……)
「ShinyでHappyな世界」につづく。