3匹の留守番
シロ「新星さまとアッキーがしばらくコンパーニュに行っているので、留守番を頼まれてしまったんだが」
リトル「時空魔術の修行のために、ケイPさんのスパクロ話に付き合うように、と言われましたね。ところで、スパクロって何ですか?」
ケイP『これだッピ』
【スパロボxω】サンダーライガー/サンダーファイナルスラッシュ(獣神ライガー)
シロ「獣神サンダーライガー! これは獣の皇子の称号を持ち、雷の力を習得した正にボクのためのユニットじゃないか。ゲットしたのか?」
ケイP『シクシク。100個以上蓄えたクリスタルを大奮発したものの、外れたッピ。ゲットできたのは、闘将ダイモスとガンダムマックスターのみ』
| スーパーロボット大戦T | ガンダムマックスター | 全武装 |
シロ「それはそれで悪くないんじゃないかな。ダイモスと言えば空手。空手と言えば、琉球発祥の武術。一方でガンダムマックスターと言えば、名前の通りMACの星。MACと言えばウルトラマンレオ。ウルトラマンレオと言えば、やはり空手。しかも星と言えば、時空魔術にも通じるシンボル」
ケイP『ダイモスはともかく、マックスターの方は強引すぎるッピ。普通、マックスターと言えば、ボクシングにつなげねえと』
シロ「だったら、マックスターと言えばボクシング。ボクシングと言えば、リングにかけろ。リングにかけろと言えば車田正美。車田正美と言えば、風魔の小次郎。小次郎と言えば忍者。忍者と言えばボク。ほら、つながった」
ケイP『そんなに自分につなげて、スパクロがやりたいでピか?』
シロ「スパクロは、多元宇宙の理を体現しているゲームゆえ、時空魔術の修行には最適、と聞いた。是非ともプレイさせて欲しいです」
ケイP『修行なら仕方ないでピね。ならば、このケイPの権限で、お二人にはスパクロ番見習いの称号を与えるッピ。オラの代わりに、スパクロを日課にするといい』
リトル「本当に? ケイPさんはどうするんですか?」
ケイP『オラは、忙しいマスターに代わって、DDの続きをプレイしてもいいかな。そろそろ第一章の続きが気になるし』
21章までのまとめ(その1)
ケイP『では、スパクロの21章も先日、終了したので、報告書をまとめるッピ』
シロ「いきなり21章か。これまでのストーリーはどうなっている?」
ケイP『それは、スパロボタグで各自がチェックして欲しいッピ。でも、簡単にまとめると、1章から13章で第一世界の当面の危機を救うために戦ったスーパーロボット軍団が、14章から19章で第二世界の危機を救って帰ってきたッピ。したがって、その辺から物語が仕切り直しになったわけで』
シロ「つまり、13章までが昭和で、19章までが平成で、今が令和ということか?」
ケイP『そう単純に切り分けられるものでもねえが、物語の分かりやすさはそんな感じかも。侵略者が攻めてきたり、戦争をやってたりするから、平和を求めて戦うのが概ね第一世界の物語。物語の中心は、ガンダムOOとガンダムSEED、そこにマジンカイザーとスタードライバーと、ガオガイガーとダイターン3辺りが強く絡んできて、時々コードギアスってところ。他は割とおまけッピね』
シロ「すると敵は、アロウズとZAFT、ドクターヘルと綺羅星と、ゾンダーとメガノイドか」
ケイP『ずいぶん詳しいな』
シロ「敵の情報収集は、忍びの基本だからな」
リトル「リウはちっとも分からないですぅ」
シロ「だったら余計な口を挟まずに、過去記事をしっかり読んで、なおかつ空気も読んだりしながら、しっかりした見解を身に付けるんだ。話題になっているものを、ろくに観察もしていないのに、知ったかぶりの知識で余計な茶々を入れるのは、子どもなら許されても、一定以上の年齢になれば『空気の読めない痛い奴』になるからな。忍びとは己を殺し、自分の役割をしっかり果たすもの」
リトル「それなら、1章から20章までの記事を全部読めばいいですね。頑張って読んでくるですぅ」
シロ「まあ、こういうのは好みだからな。今の話の流れを的確につかめるならそれでよし。話の流れに乗りつつ、より盛り上げる方向にネタ振りするのもよし。ただし、盛り上がってる話に水を差す奴は嫌われる。話に寄り添いつつ、うまくズラせて自分の興味と相手の関心事をつなげられたらいいのだが。相手に関心を持ってもらいたければ、相手の世界に表面だけの付け焼き刃ではなく、本気で没入することも必要。全てを受け入れろとは言わないけれど、『あなたの関心事には、自分も共感して追求したいと思っています』ってアピールは大事だろうな」
リトル「よく分からないけど、要はシロ姉さんとケイPさんの話をしっかり聞いて、自分なりにポイントをつかめってことですね」
シロ「独りよがりじゃない話のツボが見極められたら、それでいいんだけどな。相手のツボじゃないところをいくら突いても、心の凝りはほぐせない。とにかく、内面世界を広げて深めたいと思っている人間に、偏狭な閉じた世界を見せられても、うんざりするだけなので、そういう人間のツボを突こうと思えば、『世界を広げたいという心意気』を示せることが肝心。そこが若さであり、未来とか、希望とか、ボクたちの可能性なんだと思う」
ケイP『へえ、なかなかいいことを言うッピな。さすがは忍者として、長年修行してきただけはある』
シロ「いや。ボクの世界も偏狭で閉じていたからな。仇討ちとか、相手を殺して自分も死ぬとか、そういう暗いことばかり考えていたし。でも、翔花がボクに教えてくれたんだ。誰かのために泣けるとか、誰かを守りたいって気持ちとか。アリナ様やゲンブには誰かのために尽くすことを教えてもらったし、セイリュウ師匠からは自分の内面と周囲の気を通じ合わせる極意を教えてもらった。自分が学び、教えてもらったことは、しっかり受け止めて、誰かにまた伝えていきたい。そういうことのできる自分になれたらいいなって」
ケイP『何だか違う話になったので、仕切り直すッピ』
21章までのまとめ(その2)
ケイP『第一世界の敵は、総じて世界の覇権を獲得するのが目的だッピ』
シロ「ドクターヘルとかはそうだけど、ゾンダーなんかもそうなのか?」
ケイP『ゾンダーの目的は機界昇華。つまり、自分たちの理想とするストレスのない、感情のないメカニックの支配する世界を構築すること』
シロ「まあ、感情を持たない機械だけの世界じゃ、物語として面白くないので、そういうキャラがいかに感情を獲得するかがストーリーテーマになることは多いよね」
ケイP『それは分かるッピ。オラも翔花ママや、マスターNOVAのおかげで人間性を獲得できたから』
シロ「でも、逆に感情だけで暴走しがちなキャラが、自分をどのように制御して、心の平静を保てるように修行するかって物語もあるし」
ケイP『要は、偏った未熟なキャラがどう周りの世界との調和に向けて成長するか、それとも周りを巻き込んで自分の理想郷を構築するか、それとも周りを巻き込んで破滅するか。自分と世界の関係で、いろいろな物語に展開していくッピ』
シロ「王道は、自分と世界の調和でハッピーエンドなんだけど、今は世界を自分の色に染め上げるオレサマ物語とか、自分か世界のどちらかを破滅させかねないピカレスク風な物語も人気を得がち」
ケイP『さすがに、世界を壊して自分も死ぬような無理心中を目指すようなキャラは、主人公ではなくて敵役になるッピ。普通は、世界を敵に回しても自分の大事なものを守るとか、自分を犠牲にしても世界を守るって選択型に収束する』
リトル「世界も自分も守るってのはダメなんですか?」
シロ「ダメなものか。それができるなら一番いいわけで』
ケイP『で、第一世界の敵は、世界を自分の色に染め上げるのが目的で、世界を滅ぼそうとまでは考えていないんだッピ』
シロ「あっ。そういう風に話がつながるのか。だったら、第二世界の敵は?」
ケイP『物語の中心は、エウレカセブンとゼーガペインとアクエリオン。キングゲイナーも絡んではいたけれど、話の中心にまではならなかったッピ。これらの作品のクライマックスは、いずれも「世界の謎の解明と世界崩壊の危機」にある。これらはセカイ系という物語形式から発展したもので、「主要人物の想いが世界構造と連関して、世界を構築維持するなり、破滅再生させるなり」の特質を持っている。神の如き力を持った創造主によって構築された箱庭世界とも呼ばれる感じだッピ』
シロ「つまり、世界の支配権をめぐる戦いではなく、世界を維持させるか破滅させるかの戦いってことか」
ケイP『そう。創造主がいるわけだから、世界の支配なんかは割と簡単にできるんだ。ただ、支配しているから楽しいか、と言われると、必ずしもそうでもなくて、モチベーションの維持とか、飽きたから誰かに管理を託すとか、自分の思いどおりにならない場合は放棄するとか、削除するとか、その辺の創造主ゆえのドラマが背景にはあるんだろうけど、物語の当初の主人公にはそういう裏事情が分からない。普通に世界の住人として生活しながら、敵と戦ったり、世界の矛盾に感情を揺さぶられたりする』
シロ「うん、それで?」
ケイP『やがて戦いを続ける中で、世界の秘密に行き当たった主人公は、選択を迫られるんだ。この先の世界はいかなる形であるべきかって』
リトル「主人公が神になるってこと?」
ケイP『神になるというか、神から選択権を委ねられるというか。もちろん、人格を持った神ではなくて、抽象的な世界の仕組みやら、人知を超えた異形生命体やら、神の代理になる存在は物語によって異なるッピ。要は、世界を破滅させるための何らかの仕組みがあって、その仕組みに対して、主人公や敵ボスがどう向かい合うかがクライマックス。基本は、世界を滅ぼしたい敵役と、世界を守りたい主人公に分かれるんだけど、時には世界を改変したい主人公と、秩序を維持したい敵役のドラマもあるから、単純ではない』
シロ「この娘がいれば世界が崩壊するから、封じないといけない。だけど主人公はそうさせたくないから、娘を守るために世界を敵に回すんだけど、最終的には娘も世界も両方を救う方策を見出だすってアニメかな」
【MAD】ガンダム ビルドダイバーズ FULL【Gundam Build Divers/AMV】
シロ「もはや、スパクロの話から大きく逸脱している気がするんだけど」
ケイP『これはマスターNOVAの構築した「時空魔術の初歩:多元宇宙概論」のプログラムデータが暴走しているようだッピ』
シロ「そんなものがあるのか?」
ケイP『つまり、時空魔術とは多元宇宙を認識し、観察し、時として事件に干渉し、裏設定を構築して矛盾に辻褄合わせをしたりしながら、世界の調和を図るための魔法的技術と、マスターNOVAは定義しているッピ。その初歩において、世界の多様性を認識するところから始めようというテキストなんだが』
シロ「とても初心者向きとは言えないよな」
リトル「でも、リウには分かりましたですぅ」
シロ「本当か? 何が分かったって言うんだ?」
リトル「要は、世界を滅ぼそうとする悪がいて、世界を守ろうとする主人公がいて、どうしたら世界が守れるか一生懸命に考えて、ギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張って、どうにもならない時に、神さまが奇跡を授けてくれるので、そんな神さまの心を動かすぐらいの立派な自分になって世界を守れってことですね」
シロ「そんなまとめ方でいいのか、ケイP?」
ケイP『少々、ざっくりした結論だけど、マスターNOVAもそう断定してるッピ。時空魔術の心構えとして、世界を守るために戦う主人公であれ。それを悪用して世界を滅ぼすような輩は主人公として失格なので、因果地平で魂の修行をして出直して来い、とか』
シロ「で、第二世界は結局どうなったんだ?」
ケイP『度重なる世界崩壊の危機に、マスターもいい加減うんざりして、「もう、この世界はさっさと見捨てて、崩壊するに任せて、第一世界に帰ってきて、ややこしいセカイ系の話じゃなくて、単純明快な勧善懲悪物語でいいんじゃないかな」と言っていたタイミングで、何とか崩壊を免れて、世界は救われたッピ』
シロ「それって、新星さまが救ったんじゃなくて、新星さまが諦めたのを、物語の主人公が頑張って自分たちの世界を守ったということだよな」
ケイP『マスターも別に完璧じゃないッピから。自分の世界は自分で守れ。「ねだるな、勝ち取れ、さらば与えられん」ってセリフと、WinWinの精神で生きていますから。誰かを助けるにしても、それは「助ける相手が、助け甲斐のある楽しい相手だから」という前提に立って考えるので、「助けられたければ、自らも人を楽しませられる立派な男として振る舞え」ってことでピね。つまらない相手は、つまらないゲームと同じで切り捨てることも時には辞さないぞ、と』
シロ「つまり、自らの世界を守り抜く努力をした主人公たちを、新星さまが認めたってことでいいのかな」
ケイP『さすがに、何度も滅びそうになる世界に付き合うのは、うんざりするってことでもあるッピ。やはり、日常生活があって、そこで楽しむことを前提にした上で、時々訪れる世界の危機に立ち向かうぐらいの頻度が望ましいわけで、基本はスカッと爽やかな陽性の物語を好む人ですから。陰鬱さに巻き込まれて、自分の生活に支障をきたすような物語に時間を割きたくはない、と』
21章のまとめ
シロ「で、何度も世界崩壊の危機に直面する陰鬱な第二世界から帰ってきて、元の世界に帰って来たら」
ケイP『インベーダーの侵攻で、こちらの世界も大ピンチだッピ』
シロ「結局、どこの世界も戦いだらけじゃないか」
ケイP『そりゃ、そういうゲームだからッピ。おまけに主人公のアサヒは暴走を恐れて出撃できず、 陰鬱さは変わらずってところで、話がボトムズのキリコに移るわけで』
シロ「やっぱり陰鬱だ」
ケイP『そこに登場したのがゲッターチーム』
真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日 OP1 今がその時だ
シロ「これもやはり陰鬱な世界観に思えるんだが」
ケイP『陰鬱さを吹き飛ばすバイオレンスだッピ。石川賢原作に則ったゲッターチームは、「世界崩壊の危機だと? そんな奴らは、この俺が、俺たちが叩き潰してやる。くたばりやがれッ!」って暴言かまして暴れ回る連中だから、陰鬱さをさらなる凄惨さで晴らしてみせる70年代魂ってことで』
シロ「新星さまはこういうのが好きなのか?」
ケイP『まあ、好きというと語弊があるけど、基本は穏和ながら、キレたら暴走する人らしいッピ。で、必殺シリーズを見て興奮していたのが青春時代だったし、最近もゴブリンスレイヤーのバイオレンスっぷりに魂を持って行かれてたッピな。今回のライガーイベントでも、マスターNOVAの好きそうなのは、大河剣と名前つながりで共演した海動剣だろうし』
シロ「つまり、この時期のスパクロは、いろいろとダイナミック祭りだったわけだ」
ケイP『気になるのは、21章の最後で、新型ゲッターが登場するような前振りがあったけど、真ゲッターはすでに登場済みだッピ。すると次のゲッターは、どうなるのか』
シロ「これじゃないのか?」
SRW X-Ω - Shin Dragon (Omega) l 真ドラゴン [Ω]
ケイP『それは母艦扱いで、以前のイベント報酬だったんだけど、未ゲットだったわけで。確かに今回の21章終了時に購入可能になったものの、これだけなのか? その続きで、これが出て来たりしないのか? と気にしているッピ』
| スーパーロボット大戦T | 真ゲッタードラゴン | 全武装 |
シロ「とにかく、ダイナミックに憂さを晴らすような展開が求められているわけだな。ライガーが未入手なのは残念だけど、縁があれば、そのうち機会があるさ」
(当記事 完)