今年は、読書にも力を入れるぞ、と決意して『ガンダムUC』最終巻も徐々に読み進めている最中ですが、
とりあえず、読んだ物を紹介。
Gガンダム
共にグレンファイヤーを賛美した友人に、「島本和彦らしく熱い作品」と語られたので、読んでみました。
いや、確かに熱いのですけど、それ以上に、アニメよりもギャグ調にデフォルメされたドモンが爆笑できます。
基本的にアニメに準じたストーリーにも関わらず、いきなりツンデレ発言が飛び出したり、考え始めると妙に深読みしすぎて自爆したりするような、おバカなドモンと、原作アニメよりもラブラブ感情丸出しのレインが楽しめます。
まあ、アニメは基本シリアスで、ギャグ的に崩れることはないのに、言動テンションが妙に高くて、バカバカしさと格好良さがスレスレのバランスが魅力なんですが、
コミックはコミックらしく、後々顔を見せるドモンの頭の悪さとか、そういうのが最初から全開。シリアスとギャグの切り替えテンポが早いのは、やはりコミックならではの表現だと感じました。コミックは、コマが変わったり、ページが変わったりすれば、絵柄がパッと変わっても問題なし。また、ギャグシーンではキャラの等身が下がるなど、演出も多彩。
同じことを、文章の小説でやっても、感情移入できずに疲れてしまうので、ラノベでギャグとシリアスの切り替えをどうするか、というのは、他所で話題にしたこともあった。
アニメなら、声優の声の演技で、それを補うこともできるね。自分にとって、印象的なのは『キン肉マン』の神谷明とか。最近だと、『モモタロス』の関俊彦にも、そういう資質を感じた。
『ドモン』の関智一はどうだろうか。声優としては、ギャグキャラもシリアスキャラもこなせる人だけど、一人のキャラで双方を合わせ持つケースはよく知らない。強いて言えば、『フルメタル・パニック』の相良宗介が該当しそうだけど、アニメ作品の方は未見だからなあ、自分。
まあ、昨年完結した原作小説の方を、貼り付けた上で。
小説の方では、宗介は別にギャグを演じているわけではなく、戦争のプロである彼が真面目に考えて行動していることが、平和な日常生活が舞台では思いきりズレているというシチュエーションそのものが、ギャグになっているわけで。
こういうギャグは、「現代にタイムスリップした侍」とか、「日常生活の常識を持たないT2のシュワちゃん」とかの振る舞いがおかしいわけで、本人達にいたずらに過剰演技させないのがポイントかな、とも。
一応、アニメ本編よりもギャグ描写の強いコミックを読んで、シリアス作品におけるギャグ演出の妙(メディアによる違いなど)を考えた次第。
あ、ガンダムといえば、クロスボーンも昔のが復刊されるとか。
これもまた、「海賊ブーム?」と感じたり。
ドラッカー本
2年前の年末に発売されて、昨年ブームになった一冊。
ええと、「ラノベ感覚のビジネス書の啓蒙本」? あるいは「ビジネス書を元ネタにしたラノベ」。
一応、小規模ながら経営者の端くれとして、経済とか組織運営の本をあれこれ読み漁っている昨今なんですが、この本については、即飛びつかず、まず元のドラッカー本をじっくり読んでから、と思ってました。
で、一通りの勉強も済んだので、そろそろ派生作でも読もうかなあ、と思っていたら、いつの間にか家族の本棚にあるのを発見。買わずに済んだ、というわけで、読むに至った次第。ちなみに『天地明察』も家族が購入したのを読んだり。
自分で買った本ではないので、読み始めるまでに若干のタイムラグがあるのですが、読み始めると「早く読んで返さないと」という気になるので、一気に読むことになります*1。
で、文体そのものは淡々としていますが、「間違えて買ったドラッカーのビジネス理論を、弱小野球部の立て直しに何とか活用しようと奮闘する女子マネージャーが、その努力とひたむきさで周囲のやる気を促し、目的達成まであと一歩」というところまで、結構のめり込んで読むことができました。下手に装飾過剰な文章になったり、余計なキャラ描写をせずに、ある意味、主人公視点の事実描写、ドラッカー理論の彼女的解釈にしぼった分、かえって感情移入しやすかったです。
でも、最後の方で、彼女のモチベーションが破れる事態が発生し、自暴自棄になってしまう、という展開が発生します。夢のために情熱を込めて取り組んできた作業が、意味を持たなくなった衝撃に接して、彼女は何もかも投げ出したくなるわけですね。それでも、彼女のやってきたことはムダではなかった。彼女の影響を受けて奮起してきた野球部のメンバーたちが、逆に彼女を励まし、最後まで夢と感動を紡ごうとする姿に、久々に読書で涙をこぼしそうになりました。
まあ、これって、夢のために努力して、それが挫折する経験を味わったからこそ、感情移入できたのかな、と思います。本当にかなえたかった思いは達成できなくても、一途に取り組んできたことは周りを変えて、無駄にはならない……って話が好みなら、お勧め、と。
文学少女シリーズ
こっちは、最近読んだ本ではないのですけど、一応、ドラッカー本みたいに「何か題材とする書籍に基づいたラノベ」という点で共通点を感じたので、貼り付けておきます。
昨年の春に、劇場版の話題が挙がっていた頃に、他所の掲示板で話題に出したついでに読んだわけで。
これも主人公の少年は「挫折したラノベ作家」。何だか、「挫折した」って設定に今さらながら、感情移入しきり。
で、彼が「文学グルメの先輩」に憧れたり、諭されたりしながら、ミステリー的な事件に遭遇する話が基本なんですが、物語の背景には著名な「文学作品」があって、そこでのエピソードと事件の類似が語られたりするのが薀蓄的にも面白い。
この手の作品だと、重い物では「京極夏彦の京極堂シリーズ」なんかが既読なんですが、
作品内で、書籍薀蓄を語るキャラなんてのは、自分のツボかもしれない、と最近になって感じたりも。
ここで、この作品を紹介しなかったのは、最近、自分の読書の嗜好性が変わってきている? と感じたため。
昨年は、ここで語ろうにも、これまでの自分の嗜好スタイルと異なる作品について、どう記事書きしようか、見えなかったという理由もあります。ある意味、自分の中になかった世界を取り込んではみたものの、消化するのに時間を費やした、というか、感想書いても表面だけさらったものになりそうで、だったら書かずに適度に発酵するのを待とう、という気になった、と。
……う〜ん、言い訳しているけど、結局は、「読み慣れない(でも嫌いじゃないと分かった)スタイルの作品に対して、料理の仕方が分からなかった。そこまで、じっくり考えるのが億劫だった」ということですね。
まあ、今年は、そういう溜め込んできたものを、程よく消化して適度に吐き出しながら、血肉にしていこう、と考えている次第です。
ちなみに、その時期、こんな物も読んで、ラノベのギャグネタツッコミを考察する材料にもしたり。
この手の「ラノベファンの日常生活とおしゃべりそのものをネタにしたラノベ」って、『らき☆すた』みたいなマンガをラノベ化した感じに思えます。
ドサクサ紛れに、最近読んだ新刊と、まあ、いろいろ貼り付けてみたり。
PS:で、最近、購入したものはこれ。
天道総司の書いた小説、というネタで、そのうちブログでも話題にしようと思ってました。素直に感想書いても面白くないので、当ブログらしく『仮面ライダーカブト』というフィルターを通して読めるか、試みるつもり。
*1:逆に、自分が買った本は、読み始めた後、一気に読み進まないときは、他の本と同時並行になりがちで、読み終わるのに時間が掛かったり……って、ゲームのプレイも同じような感じか。違うのは、ゲームの場合は、半分くらいまで進めて止まるのに対し、小説は20ページぐらいで加速しないと止まりがち。たまに、つまみ食いみたいになっているので、微速前進ながら進んではいるんだけどね。毎月コンスタントに読めず、読む気になったときに、一気にいろいろ読み終わることになる。ブログのネタとして考えると、一気に読み終わったものを一気に書くのはきついので、定期的に読み終わるように調整していくことを考慮中。