Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

よもやま近況話

いろいろ雑談タイム

 

NOVA「さて、妖精郷の続きをする前に、いろいろと消化しておきたい話がある。だが、現状、何よりも心配なのはコロナ関連だな」

晶華「大阪が変異株のせいで大変だもんね」

NOVA「俺も兵庫県阪神間住人なので、ほぼ当事者だもんな。高校時代の友人で、年賀状のやりとりをしていた元TRPG仲間が大阪府の役所に勤めているんだが、今年の正月に『コロナ禍が無事に終息したら、久々に飲み会をしようね』と約束をしていたんだが……当面この約束は叶えられそうにない。

「他にも、現役のボードゲーム仲間がやはり大阪在住なんだが、コロナ禍以降、会えていないし(うち以外の掲示板で定期的に話している間柄)、総じて、コロナ禍以降、リアルの友人とはなかなか会えずにいるなあ。一応、一人だけ同じ市内在住の特撮仲間と年末映画(ワンダーウーマンとライダーの同日鑑賞)を見たぐらいか。彼とは『ゴジラVSコング』を見に行く予定だが、今のコロナの流れが悪化すると、映画観賞後の食事感想会がやりにくそうだなあ」

晶華「食事の席での会話を控えめにすべし、という世相だもんね」

NOVA「それと教え子の中に大阪の私学に通っている子も何人かいるんだが、彼らの健康も心配なんだな。ウィルスといえば『目に見えない魔物』なわけで、しかも『誰がいつ感染するか分からない』ということはゾンビ映画やら物体Xみたいな緊迫感もあるんだな。ゾンビの場合はゾンビに噛まれたという伏線もあるんだけど、自覚症状のないウィルスというのが人への不信を招くという意味で一番恐ろしい」

晶華「自分が魔物に取り憑かれていたことに自分でも気付かないでいるというシチュエーションね。ホラー映画ではたまにある」

NOVA「今回のコロナ禍では、『ホラー映画あるある』のシチュエーションが結構、リアルだということを証明しているのが、創作マニアとしては面白い側面がある。モンスターが人を殺し回っている状況で、『俺は誰も信じない』と引きこもりを選んで協力しない者、『俺だけは大丈夫』と無警戒にはしゃぐ者、そういう連中がどんどん犠牲になっていくのがホラー映画の定番で、映画を観ているものは彼らを『バカやなあ(笑)』と見なしているんだが、緊張感が高まってストレスが一定量に達すると、人間はバカな行動で躁鬱どちらの極端な行動も取り得るんだよな。言わば、酒でも飲まなきゃやってられるか、とか、いろいろ冷静な判断ができなくなる状態だ」

晶華「NOVAちゃんはどういうタイプ?」

NOVA「『この状況は知っているぞ。○○の映画でやっていた』と空気を読めずに、嬉しそうに解説するオタクタイプだな。これで実学方面の研究スキルが高ければ、もっと頼り甲斐のある科学者タイプにもなれるんだが。『これはわしがかつて研究していた薬が有効そうだ。あの薬はどこに保管したかな? ええと倉庫の奥にしまっていたはずなんだが、あれさえ手に入れれば、今の状況に対応できる。誰か、わしと一緒に取りに行ってはくれんかね』とか」

晶華「何で、そんな薬を研究しているのよ、とツッコミが入るところね」

NOVA「そりゃ、映画だからだろう? 限られた登場人物の中で、役割が指定されているわけだから、『事件の解決に何の役にも立たず、物語の進行にも寄与しないキャラクター』は存在理由を失うだけだ。まあ、ホラー映画だったら『愚かな行動で死んじゃう犠牲者の一人』という役柄にも意味はあるんだが、『偉そうなことを言ってる癖に、何の役にも立たない科学者』というのはギャグキャラになるか、さもなければ無駄にヘイトを集めるかしかない」

晶華「オタクは?」

NOVA「基本的には、役に立たないと周りから見なされている(苦笑)。ただ、そういう映画を好んで見る層もオタク(自認しているか否かはともかく)が多いうえ、作り手も同じタイプであることを今は隠さなくなっているから、いろいろと感情移入できるように作られているし、雑学系の無駄知識においては博学だし、空想科学やオカルト現象が現実化したシチュエーションでは、彼らの妄想が事件を解決する鍵になることも多い。

「何よりも『最初は軽く見られたキャラクターが、物語の展開に応じて、意外な活躍をして周囲から一目置かれるようになるサクセスストーリー』の定番にもなるから、『アクション担当の肉体派マッチョ』『可愛いヒロイン』と組み合わさる『事件解決の知識担当のナード、マニア枠』というのはSF映画の定番になっているな。まあ、現在はヒロインが肉体派マッチョを務める作品も増えたが」

晶華「ウルトラマンの防衛チームでも、『アクション担当ヒロイン』と『研究マニアなヒロイン』の二人体制が定番になっているものね」

NOVA「主人公も、体育会系か、怪獣好きあるいは科学者タイプに分かれるもんな。後者の元祖はガイアの我夢だろうが、それ以降、怪獣好き少年がそのまま大人になったような若者主人公が数年に一度は出ていて、大人の怪獣好きも温かい目で見られる作風だ」

晶華「で、そんな少年を厳しく叱咤する体育会系の女先輩が、銃を撃ったり、肉弾戦をしたり、戦闘機などのメカのパイロットになったりするのが今の定番ね」

NOVA「女性の社会進出が多くなる中で、男性の後輩を叱咤する女上司も当たり前になって、特撮監督もアクションできるヒロインを撮りたい人が多くて、女性の特撮ファンも『女に薫陶される可愛い弟分が、一生懸命ひたむきにヒーローを頑張る姿にキュンと鳴り、そして彼が成長して立派になるドラマを応援する』構図だな。もちろん、ルーブのように姐御ヒロインが出ないヴァリエーションもあるわけだが、前半はマニアな敵が新米ウルトラマンを厳しく鍛える話で、後半は妹ヒロインの成長ドラマに切り替わって、成長ドラマであることには変わりない。ドラマである以上、『主人公の成長』と『事件の解決』は欠かせないわけで、そこにキャラクターの特殊能力や人間関係でヴァリエーションを構築していき、作り手や観客が作りたいもの、見たいものを描いていくわけだ」

晶華「作り手が作りたいもの、観客が見たいものってことね」

NOVA「いや、それだけじゃなくて、作り手が見たいもの、観客が作りたいものが入り混じっていたりもするのが現在の実情だ。現在の作り手は観客以上のマニアであることを公言して恥じないから、『自分が見たい映像はこれだ!』と積極的にアピールしている。で、見たいんだけど現実にないから自分で作ることにした……と言ってのけるのが今の現役クリエイターなんだな。少なくとも、公式には『今の観客にはこれがウケるだろうと思って造った』という発言はしていない。上から目線ではなく、『自分が好きなものを作ったら、結果として観客にも伝わって幸いだった』というアピールをしている。そして、先人へのリスペクトを欠かさないのが今のトップレベルの作り手になるんだな」

晶華「トップレベルの作り手?」

NOVA「今は、まず庵野監督だろう? 俺は監督の作品が好みとは言わないが、その実績や想いは尊敬しているぜ。樋口さんとのコンビで作る作品は、特撮映画界でトップレベルだと考える。でも、俺に世代や感性の意味で、一番フィットしているのは坂本監督だけどな。あとは牙狼の雨宮監督。大体、庵野監督と雨宮監督が同世代で、坂本監督は10年下ということになるか。

庵野さんはアニメ畑の特撮マニア、雨宮さんは特撮畑が中心のゲームオタク(というか異世界ヴァーチャル世界好きの絵描きで、アニメにも関与はしてる)で、坂本さんは何よりもアクションコーディネーターで実写アクションの絵を撮らせれば海外仕込みのワイヤーワークなどで日本の特撮技術をハリウッド並みに高めてくれた。いずれも、先人をリスペクトしつつ、新しい感覚の追求に余念がない『良い意味の発展途上の精神を見せて、非常に貪欲かつ前向きな姿勢を維持している』んだな。マニアとして、実に真摯な姿勢で作品作りに臨んでいるんだ。そこに痺れる憧れるわけで」

晶華「リップサービスかもよ」

NOVA「そういうマニア向きのリップサービスができるのが、マニア魂の発露なんだよ。マニア心を理解しないマスコミ向きのリップサービスではなくてな。『プロフェッショナルとは何か?』という質問に対して、『考えたことがない。そういう番組タイトルが嫌いだ』と言っちゃうのは凄いな」

晶華「NOVAちゃんは割と『プロとは何か?』って考えがちだもんね」

NOVA「それを目指して、成りきれなかったコンプレックスがあったりするからな。アマチュア愛好家とプロの差とか、自分に何が足りないのかをいろいろ考えた時期もあって、でも実際に仕事してるプロはそういう悩みとは無縁なんだと思う。アマとプロの差ではなく、普通のプロと一流のプロの差を考えることはあっても。

「プロの人に『プロとは何か?』と聞くのは、プロという定型句でその人の個性を一括りにしてしまう気持ちの表れだけど、トップレベルの人は、そういう一括りにできないところを作品や業績で示しているわけだから、それは切り取って考えることが難しい。簡単な答えで分かったような気にならないで欲しいってことじゃないかな。

「しかし、まあ、NHKのプロの映像スタッフに対して、ダメ出しをして、『ここでこういう絵を撮らないでどうするの?』と説教指導してしまうシーンは笑った。質問内容が『プロとは何か?』じゃなくて、『プロとして、より高みを目指すにはどうすれば?』だったら、良かったのかも」

晶華「ああ、プロとアマチュアの違いなんて初歩的な質問は、プロとしてトップレベルの人に尋ねるレベルの質問じゃなかったってことね。庵野さんのレベルになると、NHKの映像スタッフがアマチュアに見えてしまうぐらいの分かってなさになるのかしら」

NOVA「分かってない人間が、『プロとは何か?』と上から目線で分かったようなことを言うのが、本当の高みに立っている人間からはおかしいってことかな。あるいは、実演で『プロとは、自分の仕事に対して貪欲で、少しでも良いものを目指す姿勢を崩さない。精進の道に終わりはない』ってことを示したのかもしれない」

 

晶華「……って、こんな話がしたかったの?」

NOVA「ああ。まだ前置きだけどな」

晶華「前置きで4000字を費やしているんですけど?」

NOVA「俺がプロになれない一番の理由だな。ストレートに目的地にたどり着けず、寄り道迂回が多いから。無駄をカットして、上手くまとめるのも作品を完成させるプロの仕事なんだろうけど、ブログを書く際に、そういう意識がないからなあ」

 

プロのTRPGデザイナーの話

 

NOVA「で、昨日の日曜に神戸に行って、いろいろ本を買ったんだ。そのうちの一冊がこれだ」

コボルドのRPGデザイン

コボルドのRPGデザイン

 

晶華「ええと、これは?」

NOVA「前から欲しかった本なんだけど、これと同時に購入した」

GMウォーロック VOL.1

GMウォーロック VOL.1

 

晶華「へえ。これでNOVAちゃんのTRPG熱がまた加速しそうね」

NOVA「まあ、買っただけでまだ読み始めたところだけどな。だから、話のネタにするには、まだ時期尚早なんだが、その前にこいつの感想を書かねばなるまい」

トロール牙峠戦争 (FIGHTING FANTASY)

トロール牙峠戦争 (FIGHTING FANTASY)

 

晶華「ああ。それはゲームブックのFFシリーズの主舞台アランシアの物語ね。30年前に出そうと思って出せなかった作品を、安田社長が頑張ってようやく出せた作品」

NOVA「俺からすれば、ダイ大のバラン編以降の話がアニメ化するのと同じくらい、期待度の大きい作品だったんだな。そのための努力は何もしていないので、悲願とは到底言えないんだが。悲願達成とは、実際にこれを翻訳して出版に漕ぎつけた安田社長の努力に対して向けることだろう。どうも『言葉は知っているけど、正しい使い方を知らない人物に対しては、教育的指導をしてやりたい悪癖』が込み上げてきて仕方ない」

晶華「つまり、ファンが読みたい、見たい作品がようやく出た、あるいは出そうになった時に悲願とは言わないと?」

NOVA「だって、何も悲しくはないからな。そういう時は普通に、やったーと嬉しさを表現すればいいだけのことを、何で『悲願』なんて言葉で表す? 文章を武器にする小説家としては、恥を知れ、と罵りたいぐらいだ」

晶華「喜びの涙が出るくらい嬉しいという意味では?」

NOVA「だから悲願ってのは、『頑張って努力して、それでもなかなか成果が出せずに、くすぶっていた想いが、ようやくにして自らの手で実現を果たしたときに使う言葉』だろう? そのために『成功できずに悲しい想いもいっぱいして、その末にやっとの思いで成功できた、涙なくして語れない痛切な願い』、それこそが悲願という言葉の意味なのだと解釈するよ。格好良さそうな言葉だけ、ファッション感覚で使って、中身の意味を考えたこともないような浅薄な人間が自分の願いに対して安易に使うべき言葉じゃないんだよ」

晶華「要するに、言葉の意味を吟味することなく、やたらと大袈裟な言い回しを好んでするだけだから、過剰にセンセーショナルな表現で内実を伴わないデマってことね」

NOVA「ただの誇張好きなんだよ。上っ面だけのな。それで中身が面白いなら、勢いのある文章の書き手として評価できるかもしれない。『バカな物言いだけど面白い』ってな。でも、面白くはなくて、つまらないから捨て置くとして。本当の悲願である『トロール牙峠戦争』を俺は読んだという話だ」

晶華「うん、どうだった?」

NOVA「こいつを30年前に読んでいたら、俺は傑作と評しただろう。最後の『神さまがサイコロを振って、劇中の登場人物の物語をゲームとして楽しんでいるオチ』は意外なドンデン返しとして笑ったろうな」

晶華「ああ。そのネタは『ゴブリンスレイヤー』で知っているもんね」

NOVA「こういうメタ構造なゲームファンタジーは、今の時代にありふれてしまったので、驚きにも何にもならないんだよな。むしろ、最後にこれかよって夢オチ的に白ける部類だ。これが30年前に初読みだったら、『なるほど、そう来たか。さすがはスティーブ・ジャクソン。才気煥発と評されただけのことはある』と素直に評価できたんだろうけど、そこは残念に思える」

晶華「でも、それ以外は?」

NOVA「まず、主人公格の冒険者ダークメインだが、大胆不敵の野心家で機転の利く戦士タイプのFFよくある『きみ』タイプの主人公。そして、これもFFたまによくある『主人公以外の旅の同行者が不幸な目にあって脱落する』という展開で、非常にデッドリーな世界観だな。

「何というか、ドラゴンランス以降のファンタジー小説だと『パーティー仲間との絆とか関わり合いが濃く描かれて、仮に死んでしまう時でも劇的に』という演出が見られるんだが、本作はもっと前の時代のヒロイックファンタジー風味で、キャラの命が非常に安い。え? こんな死に方でいいの? マジで? というサプライズ。それまで積み重ねた関係性が一瞬で無になる昔のゲーム的あっさりさ」

晶華「死ぬときはあっさり死ぬ。80年代のゲームって感覚?」

NOVA「主人公が死ななければ物語は進むんだけど、『恋人の命を救うために、俺はお前を裏切らないといけなかったんだ』とか言う仲間がいれば、『だったら、その恋人を一緒に助けに行こう』という展開になるかと思って読んだんだが、ひょんな事故みたいな形で、そのキャラが死んじゃったもんで、『恋人はどうなるんだよ?』とツッコミ入れたくなる。いや、まあ、その恋人云々が主人公の同情を惹くための嘘の可能性だってあるんだが、今どきのラノベではあり得ないくらい、キャラの命が安く、へっ? となる。でも、FFのゲームブックって、こんな感じの命の安さだったよなあ、と懐かしんだ。

「まあ、エルリックとかも、短編内で関係性を結んだ友人やヒロインがあっさり死んじゃうこともあって、主人公の悲哀を強調する作風なんだが、ダークメインはその辺、淡々としている。『あっ、死んだ。可哀想なことをしたな。まあ、いいか。今は嘆き悲しんでいる場合じゃない。使命の旅を続けないと』とゲーム的にあっさり割り切ってしまう。驚くぐらい、切り替えの早い主人公だ。まあ、結局はゲームのコマなんだがな。分かってしまうと、いろいろ納得する仕掛け。今どきのゲームはもっとドラマチックに演出されるものだが、80年代のゲームだから、キャラの心情はこちらの想像力で補ってやらないと」

晶華「他には?」

NOVA「ラブロマンスに発展するヒロインがいないよなあ。いや、まあ、一応、サポートしてくれる女魔術師がいて、主人公も彼女の美しさに惚れるんだが、彼女は旅に同行しないで、主人公に遠くから夢でメッセージを送ったり、主人公の冒険の支援を影でしてくれるだけで、主人公との関わりは薄い。だからメロドラマを期待してもダメで、その辺も80年代のゲームブックの世界観。そして、実は女神さまの主人公支援NPCというオチで、主人公はラブリーな女神に愛されていたというのが最後に分かる。よって、人間関係はあくまで冒険のフレーバー程度でしかない時代の産物だなあ、と」

晶華「今の時代にはそぐわないと?」

NOVA「ダークメイン関連の物語は、今のラノベしか読まない読者向きじゃないな。いろいろと淡白に過ぎる。最近の若者が、初期のドラクエにはドラマがないから、こんなのは傑作と呼べないと言っちゃうレベルで。まあ、初期のドラクエのドラマは、ゲームから想像力を触発されて、後から肉付けされた要素が大きいから、『その時代に生きた人間の想像力を触発された部分を、後の時代の触発された想像力から発展した作品で育った若者が物足りないと感じる』のは当たり前なんだな。『足りないところは想像力で補う作品』と『それを土台に発展して、演出過多になった作品』は時系列順に進化の歴史として語ることはできても、同列に比較することは困難だ。ともあれ、時代性を配慮して読むことのできる、作品批評できる人間をマニアというなら、マニアに至っていないファンが昔の作品の意義を読み解けないのも納得だ。前提とする知識や感性が不足しているわけだから」

晶華「つまり、『トロール牙峠戦争』は時代遅れな代物と?」

NOVA「いや、この作品の面白さは、実は敵役サイドの描写の濃厚さにある。魔道士バルサス・ダイアの闇の軍勢と、生物改造を旨とする死人使いザラダン・マーの混沌の軍勢の一進一退の戦争が物語背景どころか、物語の半分がそういう描写に満ちあふれ、悪役同士の大戦争で混迷かつ乱戦で、どちらが勝つのか先の見えない荒れ模様の情勢が、今も古びない本作の魅力だ。戦隊もので言うところの敵組織の内紛劇とか、敵組織と第三勢力の争いとか、話がどう転ぶか分からない展開がずっと続く感じ。まあ、勝った方が、平和な国の最大の敵になるので、いかに戦いを長引かせて、両軍が損耗したところを、こっそり暗殺するかが主人公の目的になるんだが」

晶華「何だか姑息ね」

NOVA「いやあ、このこっそり暗殺ってフレーズが、他の多くのファンタジー戦記ものと比べて面白いんだな。いかにもゲームブックって感じだし、90年代当時のファンタジーゲームではなかなかプレイできなかった部分。でも、大規模戦闘の影で、こっそり暗殺って芸当ができるのが、TRPG冒険者の仕事みたいなものだからなあ。まあ、最近のゲームではできることが多くなったおかげで、こっそり暗殺めいた匂いのシチュエーションを自分で設定する機会も増えたわけだが」

晶華「そういうのが好きみたいね、NOVAちゃん」

NOVA「いや、正々堂々も大好きだが、そういうのは結構、見慣れている王道だからな。それしかできないのでは面白くない。表がダメなら裏からというのが、必殺精神ってものだろう?」


www.youtube.com

晶華「何で、この話の流れで、必殺に話がつながるのか不思議なんだけど?」

NOVA「これも80年代から90年代の醍醐味だな」

 

80年代から90年代の再生ブーム

 

NOVA「俺にとっては、70年代が幼年期から少年期で、80年代が思春期、90年代が青年期という世代なんだが、その中でも80年代から90年代の作品が、自分の趣味の幹になってるな。根っこの部分は70年代で、21世紀は枝葉とか花実に相当するのかな」

晶華「その行き着く先に、花粉症ガールがいるわけね」

NOVA「そう言いきってしまっていいものかは分からんが、令和3年の今年は平成3年のブームと言ってもいいのかな」

晶華「平成3年、1991年はいろいろな作品が生まれたのよね」

NOVA「91年と言えば、映画ではまず『ターミネーター2』が凄くて、ソビエト連邦の崩壊が歴史的事件としてもトップに挙がるんじゃないかなあ。必殺仕事人は『激突!』で一時的にTVシリーズが復活。戦隊では『ジェットマン』、仮面ライダーは20周年記念の『真』が翌年2月に向けて準備中、メタルヒーローは『ソルブレイン』、ウルトラマンは『グレート』が旬、ゴジラは『VSキングギドラ』だったな」

晶華「他には、スパロボ第1作がこの年ね」

NOVA「明日の20日がちょうど30周年なのに、ちっとも話題が盛り上がらんなあ。一応、23日に何か発表があるのかもしれんが、まあ期待せず待っていよう」

晶華「期待しないんだ」

NOVA「期待して、がっかりするのに慣れたからな。勝手に期待して、がっかりして文句を言うのも格好悪いので、期待はしない。それでも情報はチェックする。その上で、嬉しい情報が来たら、よっしゃラッキー、ハッピーと幸せに盛り上がる。とち狂って悲願などとは口にしない」

晶華「NOVAちゃん、しつこいわね」

NOVA「暑さ寒さも彼岸までって言うだろう?」

晶華「彼岸は3月23日前後であって、4月23日じゃないんだから」

NOVA「それでも、まだまだ妙に冷える日とかあるよなあ。昼間はマシなんだが」

晶華「悲願とか彼岸とかどうでもよくて、他に91年ネタはないの?」

NOVA「今がリメイクで旬真っ盛りのダイ大の他に、ファイナルファンタジー4と、ファイバードと、ライジンオーと、ゲッターロボ號ってところか。あとはF91と0083」

晶華「ゲッターロボと言えば、アークってのが話題に挙がっているけど?」


www.youtube.com

NOVA「7月にTV放送なんだな。あと、閃光のハサウェイもそろそろか」


www.youtube.com

晶華「ゲッターさんの新作と、ガンダムさんの新作。そう来ると、マジンガーさんの新作を願うのが、スパロボマニアの心意気ってものじゃない?」

NOVA「どうだろうな。その三作が御三家と言われる時代はもう終わったと思うが。とにかく、新作アニメがいっぱい来るのは嬉しいが、全部を追いかける余裕はないからな。ゲッターと、ガンダムと、ゴジラの3つのGの中なら、俺はゴジラを選ぶ」


www.youtube.com

晶華「結局、NOVAちゃんはアニメと特撮のどちらを選ぶかとなれば、特撮を選ぶのね」

NOVA「まあ、その両方が戦争をすることになれば、悲しみながらも、俺は特撮派に立つぞ。もちろん、アニメ派を敵視するつもりはないが、特撮を軽視するような発言をするような輩とは友だちになれないのは確定事項だ。そして、特撮と言えば、ウルトラマンの新作も話題に上げないわけにはいかない」


www.youtube.com

晶華「91年じゃないけど、ティガさんも90年代のウルトラマンさんだもんね」

NOVA「ティガは96年だから、今年が25周年なんだな。ティガの映画で古代からの因縁を見せた後、トリガーにつながる流れだと美しく新番組紹介に結びつきそうだな」


www.youtube.com


www.youtube.com


www.youtube.com

晶華「TDG3部作の光がただのノスタルジーじゃなくて、今の令和の光に継承される歴史を、私も堪能できるって、いい時代よね」

NOVA「そうだな。病禍という厳しい時代に、希望の光となる作品を頑張って制作してくれる人々がいるだけでも、勇気づけられるし、そういう作品の想いをしっかり汲みとっていきたいなあ」

晶華「この世界は終わらないと信じて、走り続けることが世紀末から受け継いだ想いだものね」

NOVA「作品の中に秘められた作り手のメッセージや想いを、自分の糧にして、いろいろと積み上げていきたいわけだし、そういう想いを共有できる相手となら、充実した会話もできると思う次第だ。夢とか愛とか希望って言葉を、ただの絵空事じゃなくて、作品の中のドラマとして結実させてくれる映像美、想像と創造力の結晶を受け手の自分も伝えたい。そのためのブログであれたらいいな、と主張してみたり」

晶華「自分の感じたピュアな感動を共感してくれたり、受け止めてくれるような人に向けた言葉を送りたいってことね」

 

NOVA「でも、そんなことを言っている人間が、ゲームの中で『こっそり暗殺』を楽しんでいるんだから、人の心の光と闇は業が深いよな」

晶華「……最後に、そういうことを言っちゃ、オチが台無しよ」

(当記事 完)