Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

MM9・1話感想

MM9MM9 (創元SF文庫 )
 さて、NOVAが昔、少々お世話になった作家、山本弘氏が原作の深夜特撮である。まあ、ネットの掲示板絡みでトラブった過去もあるので、一部に「White NOVAは山本氏に悪感情を持っている」と誤解している人もいたらしいけど、この機会に、そんなことはない、と表明しておきます。
 まあ、いちいち昔のことをほじくり返すのも面倒なので、距離は置いていたけど、作家としての氏のファンであることは間違いないので、最近も、
アイの物語 (角川文庫) とか、
去年はいい年になるだろう とか、
 読んだりしながら、SF的好奇心とか、なつかしい気持ちにひたらせてもらったりもしているわけで。


 でも、後者の本の中で、「掲示板管理でトラブルが発生して、後悔している」と語る山本氏が出てきたりしたのは、それに関わった一人として、少々、身にもつまされたりして。
 自分自身は、悪意で接したつもりはなくても、愚かな対応もあったりして、トラブルの一つになったことは自覚しているし、まあ、「善意でした行動が全て良い結果を生むとは限らない」と、氏の小説の中で語られると、「そうですね、すみません」と頭を下げたくもなる。
 ただ、まあ、自分にとっての救いは、「掲示板での体験がなければ、『アイの物語』がまったく別の形になっていたと思う」という記述。自分は、『アイの物語』を面白いと思ったし、悪い思い出もきちんと昇華して、いい作品になったのなら、ファンとしては喜ぶべきことなのかな、とも。


 ともあれ、当時、「柳田氏批判にはまりこみすぎて、作家としての本分を忘れてしまったかのようにも見えた山本氏」に、生意気にも「作家としてステップアップすることを期待しています」という一種の絶縁状みたいなものを突きつけた自分としては、
 その後、『サーラの冒険』を完結させ、今回、特撮番組の原作者にクレジットされた現状を見て、ああ、影ながら応援してきた甲斐はあったなあ、と感慨にふけりながら、この番組の追跡を始めた次第。


 以上、原作者絡みの自分なりの総括を終えて、番組感想に切り替わります。

実は、平成ガメラの系譜?

 この作品、総監督「樋口真嗣」、脚本「伊藤和典」ということもあって、平成ガメラ的な「リアルな怪獣物」の匂いを期待していたんだけど、第1話を見て、当たりかな、と思います。
 怪獣物って、お化けと同じで怪獣が出てくる前に、どれだけ雰囲気を盛り上げるかが勝負だと思うのですが、30分の「ヒーローによる怪獣退治物語」だと、それがなかなかできません。
 で、本作の怪獣は、「Mと呼ばれる特異生物」という設定で、劇中、怪獣とは呼ばないことを前提にしています。これは、平成ガメラ第1作で、TVのアナウンサーが「すごく戸惑った口調で、『……怪獣が出現しました』というシーン」が、怪獣がいない世界に突然、怪獣が現われたリアリティーをうまく描写していると特撮マニア的に好評だったわけですが、もしかすると、現実に巨大生物が出現しても、「怪獣と呼んでいいのかどうか」戸惑いはあるのかもしれません。
 で、Mと呼ばれる怪獣ですが、第1話では登場しません(笑)。ええと、海岸で散乱した痕跡と、その卵らしき怪物体だけが劇中、登場して、これからの研究待ちという段階で、つづいた、と。


 ここだけ見ると、『大魔神』の名を冠しているのに、なかなか大魔神が出てこない『カノン』と通じるものがあるかもしれません(笑)。
 しかも、主人公の女の人はカメ飼ってるし。でも、カノンちゃんの飼っている小さいのじゃなくて、甲羅の上に子供が乗れそうなサイズの大きい奴。
 本ブログ記事だと、そういう比較ネタも面白いかな、と思ったりしつつ、まあ、劇中で、どんなMが見られるかなあ、と期待しながら待ちたいと。

気象庁・特異生物部・対策課

 省略して「気特対」。まあ、「科学特捜隊を縮めて科特隊」のパロディが入っているのですが、自衛隊とかの防衛チームではなくて、あくまで「災害予報の気象庁」に所属しているというのが、山本さん的リアリティーかな、と。
 で、劇中、「気象庁・特異生物部・対策課の者です」と言っても、「関係者以外は危険ですから立ち入らないで下さい」と制止されるのに対し、「気特対の者です」と縮めて言うと、理解してもらえるのも納得。「キトクタイって語呂だと、いかにも防衛チームっぽい」ですからね(笑)。


 でも、この気特対。
 円谷的な防衛チームと違って、スーパーメカニックと十分な予算を与えられた組織じゃありません。メンバーのやる気もあまりなくて、いかにもだらけた公務員って感じ。
 そんな中で、やる気を見せているのが、ヒロインの1人、朏万里……って、苗字読めませんよ(苦笑)。ええと「みかづき・まり」と読みます。ここでは、「ミカヅキさん」と言うか、「ミカちゃん」と言うか、「マリさん」と言うか、模索中ですが。ちなみに、彼女のネーミングについては、山本さん的センスじゃないみたい。原作には登場しない「もう一人のヒロインの教育係的なポジションのお姉さん」ですから。
 第1話は、主に彼女のキャラクターを紹介する話ですね。


 で、このミカヅキさん。てきぱきとした行動で、頼れるお姉さんチックなキャラです。平成ガメラで言うところの鳥類学者の長峰さんとか、北海道の科学館学芸員の穂波さん相当。
 ただ、調査のためなら、単独行動や暴走も辞さなかったりします。世界観はリアルでも、キャラクターはリアルじゃなく、ちょっと破天荒なところがある。ただし、周りにツッコミ入れるキャラがいるので、安心して見ていられる感じかな。ここ、ポイント。
 メインキャラが暴走したときに、周囲がそれを煽るのではなく、抑えに回る大人キャラ(あるいは苦労人キャラ)がいることがドラマ的リアリティーかな、と。気特対にも、ふだんはやる気がなさそうだけど、世渡りのコツとか、肩の力の抜き方とか示してくれる上司キャラはいますし、そういうキャラがいざ事が起きたときに、頼れるキャラに変化したりすると燃えますね。
 まあ、こういう人間ドラマが本作のメインっぽいので、期待したいな、と。