時空を越えた戦隊の話
NOVA「さて、前回のドンブラに引き続き、2本立て映画の感想その2だ」
翔花「ソノイがドンブラで、ソノニがキョウリュウジャー。だったら、ソノザもあるのかしら?」
NOVA「あるぞ。ソノザに相当するのはコングだ」
晶華「あれ? ハシゴはしないんじゃなかった?」
NOVA「俺個人はしたぞ。お前たちと戦隊VS映画を見た後で、ここに送り戻してから、リア友のエヌ氏とコング映画を見て、それから夕食で感想談義とか昔話をいろいろしていたんだ」
翔花「どうして、わたしも連れて行ってくれなかったのよ?」
NOVA「お前、ドンブラの映画を見た後、用は済んだとばかりに、キョウリュウ映画はちゃんと見ずに寝ていたじゃないか」
翔花「そうだっけ?」
晶華「確かに寝てたわ。せっかく、弥生ちゃんが久しぶりにキョウリュウに帰って来たのに」
翔花「弥生ちゃんって誰だっけ?」
晶華「忘れたの? 2代めキョウリュウバイオレットにして、我らが明鏡戦隊メガネンジャーのメガネピンクでしょう」
翔花「メガネンジャー……名前は聞いたことがある気もするけど、よく覚えていない。何年の戦隊?」
NOVA「2018年に6話だけ、当ブログで発表された幻の戦隊だ。俺が一応、司令という肩書きを持っているんだし、当ブログ時空の要設定なんだから覚えておけ」
翔花「ええと、この記事に登場している翔花は、わたしじゃないよね」
晶華「改名前の私、知力の翔花2号よ。九州のコンパーニュの塔に修行の旅に出たお姉ちゃんに代わって、NOVAちゃんのアシスタントガールとして登場した私が、ヒーローになりたいって言ったら、NOVAちゃんが企画してくれて、このブログ時空のいろいろな設定の柱になって行ったの」
翔花「その割には、たったの17回しか、記事書きしていないのね。第1部完と書いているけど、第2部はいつ始まるの?」
NOVA「いや、個人的には20周年祭りの大イベント(2020年の秋)が第2部みたいなものだと思っているけど、とりあえず、メガネンジャーはドクター・ウルシェード絡みで、キョウリュウジャーとは大変縁のあるオリジナル戦隊なんだ。ウルトラマンのゼロさんが稀にだが、当ブログ時空に出現したりするのもメガネンジャーの縁だし、仮面ライダーブレンもメガネンジャーで先に登場させたら、公式にも採用された。メガネンジャーで描いたことがまるで予言書のように公式でも実現したということが何度かあってだなあ。今回のキョウリュウジャー映画でも、メガネンジャー設定を踏まえると納得できる情報がいくつもあったんだよ」
翔花「え、そうなの? そんな大事なことは早く教えてくれないと。わたし、ドンブラが終わったら、後は野となれ花となれで自分には関係ないってぼうっと見ていたよ。どんなストーリーかもよく覚えていないし」
NOVA「お前、キョウリュウ映画の方にも桃井タロウが出て来たら、どうするんだよ?」
翔花「え、出たの?」
NOVA「出てねえよ。もしもの話だ」
翔花「桃井タロウさまが出ていたら、必ず高笑いをするはず。ドンモモの笑い声が聞こえて来たら、お供のわたしはすぐに目覚めるわ」
NOVA「いつから、お前はドンモモのお供になったんだよ!? 初耳だぞ」
翔花「ついでに、NOVAちゃんもお供になりましょうよ」
NOVA「縁は結んだが、お供になる気はねえ。それと、何度かメガネンジャーの司令権限を使って、ドンモモタロウに召喚呪文をかけているんだが、ちっとも召喚に応じる気配がない。まあ、必要以上にあの世界に召喚力を強めたら、間違ってヒトツ鬼エネルギーとか変なものを呼び込む危険があるからな。もしかすると、ブンブンジャーに声をかけて、ドンモモを届けてもらうといいかもしれない、と今、ISAの細武調さんとコンタクトをとれないか試している最中だ」
晶華「あ、あの人も眼鏡をかけているから、召喚要件を満たしているわね」
NOVA「それを言ったら、ドンモモもメガネ(状のパーツの付いた銃)で変身するから、きっと召喚要件を満たしているはずなんだが、さっきも言ったように、召喚要件を満たしているだけじゃ来てくれるとは限らないんだ」
翔花「何で?」
NOVA「はっきりしないが、召喚を邪魔するエネルギーでも働いているんじゃないかと推察する。どこかの悪縁ネガティブパワーとかが干渉している可能性もあるし」
翔花「悪縁ネガティブパワー! それが、わたしとタロウ様の出会いを妨げる諸悪の根源ね。絶対に許しておかない。人の恋路を邪魔する輩はトラックに轢かれてハーカバーカ送りの刑よ」
NOVA「あくまで可能性の話だから、何の関係もない人間をトラックで跳ね飛ばすんじゃないぞ」
翔花「わたし、免許なんて持ってないし。そんなことをしそうなのは、鬼頭はるかさんでしょ?」
NOVA「まあ、ムラサメを車で跳ねたら、プリキュア世界の鳥少年に異世界転生したからなあ」
時空を超える宇宙船プレズオン
NOVA「今回の映画で戦隊ロボの活躍はなかったんだが、キョウリュウジャー側の移動手段として宇宙船のプレズオンが大活躍だったんだな」
晶華「何だかタイムマシンというか、いろいろな時間軸の世界に駆け回っていたよね。弥生ちゃんが座標設定していたら、空蝉丸さんが何度か邪魔をして予定と違う世界に寄り道脱線してしまうって感じ」
NOVA「あの寄り道脱線ぶりは他人事には思えない。たぶん、俺のせいだ」
翔花「そうなの?」
NOVA「可能性の一つだけどな。プレズオンに時間を越える機能は俺が知る限り付いていなかったはずなんだ。ただ、メガネンジャーの縁で、ドクター・ウルシェードが俺の時空魔術のデータを取ろうとしていた実験に協力したことはある。果たして俺の魔術を科学的に再現できるのか疑問だったが、きっとドクターは成功したのだろう。今回の映画がその証拠だ」
翔花「すごい。公式がNOVAちゃんの時空魔術を採用したのね」
NOVA「いや、俺の魔術だけを採用したとは限らないけどな。戦隊にはタイムレンジャーという時間移動ものが既にあるし、デンライナーやジオウの技術を参考にした可能性もある。技術の採用というものは、たった一つの物だけがアイデア源になるわけではなくて、類似の技術をいくつか照らし合わせて、自分の研究に相性がいいものを上手く組み合わせて、実用化に近づける流れがある。多くの科学者は、自分で理論や発明品を生み出したいと考えるものであって、他人の研究を参考にすることはあっても、そのまま盗むことはプライドが許さないんで、何か自分らしいアレンジが加えられないか、といろいろ試すものだ。俗にいうアイデアを盗むという行為は、アイデアが枯渇した人間にありがちで、アイデアの枯渇=科学者としての未来のなさに通じる」
晶華「自分のアイデアが枯渇したから、他人のそれを盗みたがるんじゃないの?」
NOVA「盗むというのは、自分では思いつかないからだろうが、もっと大切なのは思いついたことを形にする技術や根気があるかどうかだ。それらの技術や根気を武器にできるなら、アイデアなんかは外注のブレインに委ねるという手もある。物語のアイデアは同じでも、どのように表現するかで創作や発明品はオリジナリティが付加されるからな。
「アイデアだけを後生大事に抱えていても、技術が伴わなければ絵に描いた餅以下だ。アイデアだけで飯を食うことはできないが、技術があればそれを評価してくれるスポンサーを見つけることで仕事になる。まあ、創作や発明品そのものを盗んでしまうと盗作だが、アイデアの流用は盗みとは言わないのは現実の創作者や発明家なら誰でも知っている。自分のアイデアを盗まれたと言うのは、素人の浅はかさってことだな」
晶華「よく分からないんだけど?」
NOVA「タイムマシンというアイデアは、H・G・ウェルズが1895年に小説で登場させて以来、いろいろなフィクションで用いられているが、そのアイデアを使ってもパクリと言われないのは、当然だろう」
翔花「世間にありふれているから?」
NOVA「それもあるが、要はそのアイデアを使って、どんな作品に完成させたかが世間の評価基準だからだ。考えた人が偉いのではなく、作った人が偉い。そして多くの創作家や発明家はすでに世の中にある多くの作品や発明品に刺激されて、それを分析した上で自分の作品にエッセンスを投入しようとする。アイデアだけを盗んでも仕方ないんだ」
晶華「じゃあ、プレズオンに時空移動の技術が付与されても、それはドクターさんがいろいろな研究の末に到達した結晶であって、NOVAちゃんが時空魔術の技を盗まれたと言い張るのはおかしいってことでしょ?」
NOVA「俺はアイデアを盗まれたと言った覚えはないんだが? 時空魔術についてドクターとよもやま話をしていたら、ドクターがそれに触発されたのか、他にもアイデア源はいろいろあったのか詳細はともかく、プレズオンにそんな機能が付いたのは関係者みたいな気持ちになれて面白いなあと思った次第だ」
翔花「あくまでお気持ちってこと?」
NOVA「そう、お気持ちが次のアイデアを刺激するような感じで、俺としては嬉しい次第。アイデア盗まれて悔しいなんて気持ちじゃなく、自分の発想が公式も認める面白さとして結実したのを見て、嬉しいし鼻が高いってことだ」
晶華「でも、ネタとしてメガネンジャー設定に組み込めるよね」
NOVA「このプレズオンの時空移動能力がドクターの発明か、弥生ちゃんの発明かは語られていないが、今回の映画はタイミングよく俺たちがマルチバースの話を展開していたときにドンピシャな内容だったんだよ。時流に上手く乗れていると感じるのはいいものだ」
翔花「ハーカバーカはファンタジーだけど、プレズオンの時空移動冒険譚はSF的ってこと?」
NOVA「そうだな。キングオージャーはファンタジーだが、プレズオンを母艦とするダイゴ(キング)、弥生、空蝉丸の3人を中心とした今回の映画は、時空改編テーマのSFに分類される。題材はキングオージャー32話、33話、40話のキョウリュウジャー・ゲスト出演回の背景ストーリーで、TVで登場しなかった(宇蟲王ダグデドを追って宇宙に飛び立った)ダイゴたち3人の視点での出来事を種明かし的に描いた傑作と言える」
翔花「時空改編SFかあ。ぼんやり見ていたから、ちっとも分からなかったよ。キョウリュウジャーの話もよく知らないし」
翔花「キョウリュウジャーもいろいろな作品があるのね」
NOVA「今回は、TVのキングオージャーのキョウリュウ共演回の背景で弥生ちゃんと空蝉丸がいろいろと時空を駆け回って、トラブルをどんどん広げる中盤展開がマルチバースって感じで楽しかった。弥生ちゃんは真面目に状況を解決しようとするんだけど、空蝉丸のドジでどんどん事態が悪化する流れで、寄り道脱線時空コメディーに展開する」
翔花「ええと、キングことダイゴさんはどうなったの?」
NOVA「お前、本当に寝てたんだな。晶華、説明してやれ」
晶華「仕方ないわね。キングことダイゴさんは宇蟲王ダグデドと戦ったんだけど、力及ばずに封印されてしまって、残った弥生ちゃんと空蝉丸さんの2人で状況解決しようと頑張るのよ」
翔花「すると、もしかして主役が弥生ちゃん?」
NOVA「実はドラマ面の前半ではほとんど彼女と空蝉丸が主役だったんだ。てっきり、ダイゴが主役の物語にサポート役として弥生ちゃんがちょっと手助けする話かと思いきや、実は弥生とウッチーの物語だったという点でサプライズだった」
晶華「つまり、メガネンジャーの経験を積んだ弥生ちゃんが古巣に戻って、時空を越えた大冒険をする映画だったわけね」
NOVA「チョイ役だけでも嬉しかったんだが、ほぼ主役的な扱い。まあ、プレズオンの船長代理にしてオペレーター役なので、ほとんどが船内のシーンだったんだが、ダグデドに封印されたキングを助け出すための方策をあれこれ考えながら、結構、裏目に出てしまう中で、キングオージャーの歴史の裏であれこれドタバタ騒ぎを繰り広げる流れだった」
晶華「メインはあくまでキングオージャーの歴史の補完ね」
NOVA「まず、プリンス(ダイゴの息子のダイゴロウ)がどうして未来からダグデドの部下のデーボス軍に支配された地球にやって来れたのかという謎が解ける。プレズオンに乗った弥生ちゃんたちが時空を超えて連れて来たということだ。最初はキングとアミィさんの子どもと知って複雑な気持ちだった弥生ちゃんが、そうしないとキングを助けられないという計算から嫉妬心よりも任務を優先する形」
翔花「プリンス君の登場はそういうことだったのね。じゃあ、次の質問。映画の予告編では、ギラさんが宇蟲王になって敵になっていたけど、どうして?」
NOVA「過去のシュゴッダムに間違って到着したプレズオンで、空蝉丸が親切心から、幼い日のギラにレインボージュルリラを大量に食べさせてしまうんだな。それで力を付けたギラがダグデドを倒して、自らその力の後継者になってしまうわけだ。過去を操作して、違う時間軸が誕生してしまうんだよ」
翔花「つまり、その時空改変現象を何とか解決しないといけないわけね」
NOVA「キングが封印された以上、キングの息子のプリンスが頼りなんだ。キングオージャーの正史でギラたちと共闘して成長したプリンスを弥生ちゃんたちが迎えに行って、プレズオンに同乗させるんだが、改変された時間軸で宇蟲王ギラ誕生によるチキュウの変化を目撃することに」
・ヤンマ:IT事業に失敗して、気弱な技術者に零落。
・ヒメノ:わがまま放題がすぎて、国に革命が起きて、貧しい花売りの少女に零落。
・リタ:裁判長のストレスに耐えられずに心が壊れて引退。その後、リハビリ的に歌を歌ったらヒットしてアイドルになって、新たな人生を満喫。
・カグラギ:国民を欺いたということから離反され、王座から追放。スズメが主催する八百長相撲でみみっちく稼ぐように。
・ジェラミー:宇蟲王に媚びる観光ガイドに。
NOVA「時空改変劇の面白さは、改変前の世界やキャラと、改変後の違いを知ってるキャラの視点が劇中にないと成立しないんだが、ここで主役が弥生&ウッチーからプリンスに交代することでキングオージャーと共闘したことのある彼の役割が生きてくる。宇蟲王と化したギラを目撃したプリンスはショックを感じた後で、ガブティラを回収するためにキングオージャー正史40話に再びゲスト出演する。その別れ際に思わせぶりなこと(ギラさん、あなたはずっと優しい邪悪の王でいて下さい)を言ったのは、改変世界の宇蟲王ギラの恐ろしさを見ているからだったんだな」
晶華「TVの謎解き補完をしながら、次々と時代を飛び回って行ったわけね」
翔花「TVのキングオージャーの物語をしっかり追っていた人じゃないと、面白さが伝わらないストーリーっぽいわね。緻密すぎて」
NOVA「キングオージャー初見だと本当に意味不明だろうな。ドンブラは初見だろうと違っていようと訳の分からないノリ重視の作風だったが、キョウリュウジャーはTV本編とのリンクが強すぎて(その内容は一応、ダイジェスト的にさっと語られるんだが)、この作品単独だと、いろいろな情報エピソードがブツ切り的に展開されて、感情移入するのに大量の情報補完が必要な作品。確実に見る人を選ぶ映画だ」
晶華「キングオージャーをきちんと追っていたファンには大当たりね」
NOVA「もちろん、キョウリュウジャーファンにも当たりなんだが、キングオージャーでキングの息子のプリンスを知っていないと、感情移入が難しいかも。あと、時空移動の際の寄り道でうっかり100年後の世界を目撃したシーンもあって、いろいろ知ってるマニアは喜んだ」
翔花「子ども向きやファミリー向きではなくて、考察好きのマニア向きの映画だった、と」
キング復活からの決着
NOVA「で、弥生たちの目的は、宇蟲王からキング(ダイゴ)を救出することと、時空改変で生じた歪みを元に戻すことなんだけど、宇蟲王ギラの力は強大でプリンスの力でも勝てない。そこに突然、ギラ配下となっていたミノンガンの体の中からダイゴが飛び出してきて、プリンスのピンチを救ったあと、一時撤退するんだ」
翔花「突然、復活するキングさんってどうして?」
NOVA「正史の時間軸でダグデドが倒されたことで、ダイゴが解放されたんだ。その後、正史のギラたちと対面したダイゴは、ご都合主義的な洞察力の良さで別の時間軸の出来事を感じとる。そして宇宙のどこかで戦っている息子のピンチをどうにか助けたいんだが……と言うと、リタの王の力で凍らせたミノンガンの体が別の宇宙に通じているという情報を聞いて、危険を承知でそこに飛び込むわけだな」
晶華「確かに、プレズオンが別の時間軸に行っている以上、普通の方法ではそこに行けないわね」
NOVA「もう、その説明は非常に緻密なパズルのピースをハメて行ってるようなストーリー展開なんだが、誰かが解説しないと難解だろうな」
翔花「ありがとう、NOVAちゃん。このわたしのドンブラ脳じゃ、ちゃんと起きていても理解不能だったよ」
NOVA「俺の時空魔術の知識があればこそ、理解し得たのかもしれないな。少なくとも、パズルのピースを当てはめるのが好きな人間でないと、この面白さは伝わらないんじゃないか、と思う」
晶華「とにかく、ダイゴさんの復活が中盤すぎなのは、やはり役者さんのスケジュールの都合かもしれないわね」
NOVA「こう言っては何だが、ダイゴとアミィの2人の顔合わせが最終決戦時の変身シーン以外、ほぼなさそうなんだよな。TV組と劇場出演組のキョウリュウジャーの役者共演シーンが本当に少ない。両方合わせて、やっと表と裏のキョウリュウジャー10周年記念作が完結と言ったところだ。もしかすると、後でディレクターズカットで両方のストーリーを再編集したバージョンが出るかもしれない。『キングオージャーVSキョウリュウジャー完全版』といった感じで」
翔花「とにかく、ダイゴさんが復活してプレズオン組に合流したら、一気に事態が解決するわけね」
NOVA「さすが、キングという感じに鮮やかに状況打開策を立案し、真打ちの主役ならではの逆転劇を見せてくれる。まず、ジェラミーの残した物語の記憶を時空改変した王様たちに投射し、王様戦隊として復活させる。次に宇蟲王と化したギラに対しては、過去に戻った空蝉丸がギラにレインボージュルリラを与えようとする自分を気絶させることで事なきを得る」
晶華「同一時間、同一場所に同じ自分がいるという禁忌を犯しているわね」
NOVA「そのことが最後のオチにつながっているのかもしれないな。ともあれ、王様戦隊の記憶は戻り、宇蟲王と化していたギラも、邪悪なエッセンスが抜けて正気に戻った。そして宇蟲王の邪悪なエッセンスがラスボスとして実体化して、配下の五道化などを召喚し、立ち向かう王様戦隊&獣電戦隊の大立ち回りで王道クライマックス大決戦だ。あと、こちらの作品ではキングオージャー組の方も邪魔されずにしっかり名乗らせてもらえたし、地球にいたキョウリュウジャーの仲間も応援に駆けつけてくれて両チーム勢揃いといった燃える布陣だ」
晶華「キョウリュウジャーって確か、全部で10人いたよね」
NOVA「レギュラー5人とプリンス、空蝉丸、弥生の8人に加え、スピリットレンジャー(死んで霊体となった過去のキョウリュウジャー)のトリン(シルバー)、グレイ、シアンの3人も遅れて助っ人参入する。彼らはグローディが相変わらず不死身で倒せないのを、死者の霊としてハーカバーカに引きずり込む的な役どころだ」
翔花「ああ、グローディさんの弱点は幽霊なのか」
NOVA「将来、また復活して来ても、仮面ライダーゴーストとかがいれば対処しやすいかもな」
晶華「あと、戦隊だったら幽霊っていっぱいいるんじゃない? 仲代先生とか、ドラゴンレンジャーのブライ兄さんとか、タイムファイヤーさんとか」
NOVA「ブラックコンドルも忘れるな。2代めキレンジャーとか、初代バトルコサックとか、初代イエローフォーとか、劇中で散った戦士はいろいろ挙げられる」
翔花「とにかく、悪いのを全部やっつけて、物語はハッピーエンドってことね」
NOVA「時空改変の影響もきれいに修復されて、めでたしめでたし。未来から連れて来たプリンスも元の時代に返して、全てが元通りに……と思いきや、プリンスの父親にして、アミィの夫となっていたキングが、ダイゴではなくて、ダイゴの父親の先代キング、桐生ダンテツに改変されてしまったという強烈なオチ」
晶華「キングはキングでも、そっちですか……とキョウリュウジャーファンは顔見せ特別出演俳優の登場に拍手ってことね」
NOVA「もう、キョウリュウジャーファンにとっては、スピリットレンジャーとダンテツ父さんの登場で、ほぼお腹いっぱいとなると思う。惜しむらくは、ダイゴとダンテツの顔合わせがなかったり、ダイゴは本当に美味しいところを持って行くんだけど、ドラマ面では空蝉丸が最後まで情けない方で大活躍だったな、と。ボケ役ウッチーで、ツッコミ担当の弥生ちゃんという脱線転覆コント劇と、キングオージャー裏歴史補完と、プレズオンのマルチバース展開の可能性で、俺的には大当たりな映画だった」
晶華「弥生ちゃんの健在ぶりも堪能できて、メガネンジャーとしても上手くつながった感があって、面白かったです」
翔花「わたしもちゃんと見ていたら良かったなあ。まあ、その前に面白さを堪能するために、キョウリュウジャーの復習をしないと」
(当記事 完)