Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

PS時代のドラクエ・FF話(FF7への道)

前回の話し残し

 

NOVA「前回は、ドラクエ6と夢の世界に絡めた創作手法について話したんだが」

晶華「プロ作家は、初稿を完成させた後、推敲時に伏線を後から差し込むこともあるって話ね」

NOVA「もちろん、あらかじめプロットをガチガチに組んで、伏線も最初から仕込む計画的な作家もいるだろうがな。原稿用紙50枚〜100枚ほどの短編(2万〜4万字程度)だと、起承転結の筋書きは最初から作るだろうし、単行本1冊(原稿用紙300枚前後、10万字辺りが目安)だったら、3章から4章ぐらいの大筋とタイトル、そして各章の概要ぐらいは最初に挙げる。それでないと、編集さんへの企画書を使った打ち合わせがしにくい」

翔花「え? 執筆前に企画書なんて作るの?」

NOVA「まあ、アマチュアだと、作品を完成させてから編集さんに見せるって手順だと思い込んでいる者も多いだろうけど(こんなの書いてみましたけど、雑誌に載せてくれませんかね?)、プロだと先に編集さんから『こんな感じのストーリーで70枚ほどのをお願いします』ってことも多い。

「もちろん、すでに連載が決まっている場合は、双方の意見調整を(今だとメールで、それ以前は電話やFAX、東京在住だと喫茶店などで対面したり、出版社に作家が出向いたり、作家の自宅に編集さんが出向いたり、まあ、打ち合わせにも手間取ったり)密にしながら、ストーリーを固めていく。とにかく、執筆作業と同じくらい、編集さんとのコミュニケーションがプロ作家の仕事の骨格だと言えるな」

晶華「ああ。だから、コミュニケーション能力に支障があると、プロ作家になれないってNOVAちゃんは再三言うのね」

NOVA「まあ、創作サークルで仲間たちと作品語りをする程度のコミュニケーション能力でも十分だし、編集さんも金の卵になるかもしれない作家相手だと、新人でも営業的に気を使ってくれる。しかし、作家よりも編集さんの方が忙しいことも多いし、新人でも最初から横柄で自己中な態度をとっていると、よほど作品が面白いものでない限り、仕事を干される。作家予備軍なんて、いっぱいいるんだからな」

翔花「見てきたようなことを言ってからに」

NOVA「見てきたんだよ。90年代に3年ほどな。それ以外は、作家の創作手法の解説本などをいろいろ読んで知った話だから、諸々の受け売り伝聞のまとめに過ぎんが。もちろん、自己流の創作技術もあれこれ持ってるけれど、仕事上の人付き合いの作法などは、独り善がりってわけに行かないだろう? 多くの作家の公開している情報とかから学んで、あとは個々の人付き合い実地体験を交えて、経験を積むしかない。その辺は、同人作家の方が全部、自分で、あるいは創作仲間との分担でやることでより詳しいケースもある。やってる作業としては、プロ作家よりも同人作家の方がハードワークなケースも多い」

晶華「何にせよ、創作って人間相手の仕事だから(文章で読者を感じ入らせるのが仕事)、人が何に喜怒哀楽の感情を掻き立てられるか、という一般的な感性を持っていないと、良い作品に反映できないわね」

NOVA「まあ、『こういうのが面白い』という一家言で、人を納得させられないと無理だな。最初から人の話を聞こうともしない相手に語るのならともかく、聞く態度を示している人間にまともなことを言えないようでは終わってる。もちろん、極端にコミュ障でも付きっきりで面倒見てくれるマネージャーがいてくれると別だけど、誰かのマネージャーになってあげたい人間なんて本当に奇特だぜ。その人間の人柄と可能性に惚れたか、あるいは利益(給料とか)でつなげるか、その両方だろうな」

翔花「友だちを作って、マネージャーになってくれ、と頼むのは?」

NOVA「友だちにだって、やりたいことがあるからな。よほど馬があって、友だちの夢が自分の夢を応援してくれることであれば可能性があるかもしれない(いわゆる女房役)し、そういうパートナーシップに憧れる気持ちもよく分かるが、だったら友だち(になりたい相手)がイヤだと断っていることを、何度もしつこく訴えて来るのは、ただの自己中わがままだし、友だち関係を維持するには、自分の方も代償が必要になるんだよ」

晶華「友だち作りの代償?」

NOVA「友だち付き合いに要する時間と金銭的な消費は言うまでもないとして。創作家同士だと、相手の作品を褒めるか、批評にしても建設的な提案をして、互いの創作観を披露する。プロだろうと、アマチュアだろうと、創作関連の話がまともにできないと会話が弾まないだろう? 共通話題でろくに会話が弾まないのに、気心の知れた友だちとは言えまい」

翔花「話し下手な人はどうなるの?」

NOVA「創作者って口下手でも、好きなものの話なら饒舌になる人間が多いし、特定ジャンルの話をさせると、ここまで語れるのか、面白いと感じ入らせてこそ仕事にもなるってものだろう。もしも美少女キャラとのラブコメが書きたいなら、『自分の推しタイプへの愛情』だけでなく、最低でも『5人からそれ以上のタイプ分類や、萌えポイントの類型パターンとかをいっぱい分析して、自分の中のキャラクター造形設定語り』ぐらいできないと、キャラが作れない」

晶華「どうして5人?」

NOVA「よくある美少女ゲームの最低限の攻略キャラ数だな。あるいは、ラノベとか。主人公の幼なじみ、妹か姉(またはその両方)、スポーツ好きの女の子、内気な文化系の女の子、情報通のギャル系女の子(今風ならYouTuber志望とか、インスタ映えとかを狙ってるインフルエンサーに憧れる)とかで、最低5人のキャラ枠が埋まる。まあ、プリキュアなどのチームヒロインから類型分析することも可能だな」

翔花「ああ、美少女攻略が目的でないゲームでも、最低3人は仲間のヒロインがいるわね」

NOVA「もちろん、艦これやウマ娘怪獣娘みたいな美少女コレクション系の作品は、もっともっと多くの元ネタと絡めた無数のヴァリエーションを用意しているが、その辺は絵師の人の功績を称えたい。もちろん、キャラ属性はかぶっていても、個々のエピソードや他キャラとの関係性を紡ぎあげることで、個性化を深めるわけだが、そういう美少女作品を個人で作るなら、まずは10人を設定して、そのうち半分ぐらいをピックアップして、メインキャラに認定。

「残り5人は寝かせておいて(ベッドにではない)、メインキャラの友人枠とか、憧れのアイドル枠とか、後から詳細設定と役割を組んでもいい。目立たないけど、メインキャラの横に金魚のフンのように付いているモブキャラにも、注目するマニア層がいたりすると、公式が推していないキャラに何故か人気が集まることもあるのがファンの多様性ってものだ。他人が推さないキャラに、自分だけが注目してるってステータスを誇るマニアもいるからな」

晶華「確かに、プリキュアに変身しない女の子に、変身させて欲しい願望を示すファンだっているもんね」

NOVA「後から一回だけでも、あるいは夢の中や、妄想ワンシーンでも変身したら、Xポストなんかで話題沸騰になったりもする。まあ、公式が見せなくても、ファンが勝手にpixivなんかでオリジナル・プリキュア絵を挙げたりするケースもあるからな」

 

晶華「で、こんな話が、前回、語りたかったこと?」

NOVA「いや違う(汗)。前回、語り残したのは、ドラクエ6には、上の世界と下の世界の他に、『あわあわ船で潜る海底世界』とか、『敵ボスの本拠地に通じるはざまの世界』があって、全部で4つの探索フィールドが用意されているってことを書き損じたなあ、と」

翔花「そこから話を膨らませることも可能ね」

NOVA「ああ。あと、現実世界で死んでしまった子どもの夢が具現化した『魔法のベッド』が、他にない空飛ぶ乗り物だって話とか、ドラクエ5に続く魔族に絡む『新興宗教』のネタで、当時のニュースの話題をゲームに取り込んでいる時代性を感じたなあ、とか、いろいろ語れる切り口はあるんだが、キリがないので、もういいや。今回の本題のPS時代の4作品(FF7〜9、ドラクエ7)に移るとしよう」

 

続・ドラクエとFFのヒロイン観

 

晶華「ねえねえ、NOVAちゃん」

NOVA「……ツッコまなくても分かってる。PS時代の作品語りをしようと思ってたのに、何故か違う章題を無意識に、勝手にタイプしている俺がいた」

翔花「つまり、無意識にヒロイン話がしたいってこと?」

NOVA「まあ、前回のネタがあるからな。『どうしてNOVAは、FFではパーティー内キャラに惚れるのに、ドラクエではNPCにばかり惚れているのか? そして、ドラクエ11だけはどうしてパーティー内のキャラに萌えを感じたのか?』の疑問に答えが出た。答えが出れば、簡単なことだったんだ」

翔花「そんなことをずっと考えていたんだ」

NOVA「その場で答えが出なくても、寝て起きたりしていると、無意識で情報が整理されて、答えがチーンと出て来ることだってあるんだよ。例えば、RPGをプレイしていて、一番よく見るのは戦闘シーンだ。FFでの戦闘シーンは、昔からプレイヤーキャラが画面表示される。つまり、我々はリディアやレナ、ティナ、ティファなどの戦っている姿をビジュアルで見て、感じ入るんだ。そりゃあ、萌えるさ」

晶華「ドラクエは8になるまでは、モンスター絵しか画面に出ないわね」

NOVA「そう。ドラクエPS2になってから初めて、プレイヤーキャラを戦闘画面で映すFFに準じた絵面を見せた。だから、理論上は8のヒロイン、ゼシカにもNOVAは惚れないといけないという話になる」

翔花「だけど、NOVAちゃんが惚れたのは馬だっけ?」

NOVA「馬じゃなくて、人間が馬に変身させられた馬姫ミーティアだ。彼女がウマ娘のルーツである、と主張してもいいかもしれない。まあ、ウマ娘の企画を立てた人間がドラクエ8ミーティアを見て思いつきましたと言ってるソースはないので、思いつきの妄想段階だが、時系列的に可能性はあり得る」

晶華「ゼシカじゃなく、ミーティア姫に惚れたのはどうして?」

NOVA「ゼシカにも萌え要素は感じていたが、主人公に感情移入するなら、やはりミーティアに忠義を尽くすのが本筋だろう? リメイク版でゼシカとの結婚ルートが後付けで加わったが、本来はミーティアとの結婚が公式エンディングで、ゼシカエンドは第3のヒロイン・ゲルダ同様の後付けである以上、ピサロ加入やデボラ追加と同じで、そっちが主流とは言えまい。後付けで加わったものを、ビアンカ・フローラ論争と同列に語ることは、リアルタイムのプレイヤーには難しい。もちろん、リメイク版から入った新規のファンが、『ピサロいてもいいやん』とか『デボラさまに仕えたい』とか『結婚はゼシカ一択』とか『俺はヤンガスゲルダの関係性が最高だと思う』と語るのは自由だが」

翔花「ふ〜ん、よく分からないけど、ファンの嗜好はいろいろよね」

NOVA「そう。そういう嗜好を否定せず、なるべくなら受け入れて、生理的に受け付けないのは敬して遠ざけるか、ネタにして明るく話題にしてあげるのが多様性ってものだ。自分が受け付けられないからって、世の中から抹消しようとするのは狭量な排他主義者ということだな。まあ、さすがに『主人公とヤンガスカップリングBL』というのは、俺の嗜好外にあるわけだが、いちいちそういうのに目くじらは立てたりしない」

晶華「普通は、『ククールマルチェロ兄さんのカップリング』でしょう」

NOVA「その普通の基準が俺には分からんが、まあ美形兄弟が敵対した後に、和解して、それでも一人去る兄貴というシチュエーションに萌える女史がいるのは知ってる。俺がメーテルとエメラルダスの関係性に感じるのと似たようなものだな」

晶華「マーズとマーグ以来の伝統様式なのよ、きっと」

NOVA「美形兄弟の因縁の対決から得られる栄養分があるのは察した。もちろん、『兄さん、やめてくれ』『我が覇道に立ちはだかるようなら弟とて容赦はせん』ってセリフが付きものだな」

晶華「マーズとマーグはそんなんじゃないし。『兄さん、やめてくれ』『貴様など知らん。皇帝に刃向かう裏切り者マーズよ、死ねい』『うわ〜(悲痛な叫び)』。こんな感じよ」

NOVA「近いのは、ボルテスの健一とハイネルの関係かな」

翔花「わたしにはちっとも付いて行けない世界ですので、ヒロイン話に戻します」

 

NOVA「ええと、とにかく、ゼシカも決して悪くないが、結婚するならミーティア一択だった俺が、ドラクエ11でマルティナ姉さんに転んだ理由はいろいろ語れるものの、とりあえず戦闘時のグラフィックの完成度の高さだな。つまり、ドラクエが見せ方の面でFF化したために、FFと同じような感覚でキャラに接したからだ。現に俺はドラクエ11の主人公には、ちっとも感情移入しなかったし、FF同様に映画を見るような感覚で、物語を追ってた」

翔花「誰に感情移入してたの?」

NOVA「11だと武人グレイグだな。今にして思うと、彼にはビルドのげんとくんと同種の匂いを感じる。敵の王に忠義を尽くして、裏切られて、慟哭の後で改心して、それまで敵対していた主人公と共闘することを決断し、頼れる味方になるおっさんキャラは昔から好きだ。ボルテスのジャンギャルの系譜」

翔花「敵に感情移入しちゃえるんだ」

NOVA「敵というか、陣営移動するドラマに燃えるし、善→悪にも、敵→味方にも、キャラ心情を想像すると、いろいろツボに刺さる。忠義のキャラが見せる心情の変化って、作者が力を入れるドラマ部分だしさ。まあ、つまらない理由で陣営移動する演出不足のパターン展開はがっかりなんだけどな」

晶華「ってか、ドラクエ8とか11とか、今回の話題じゃないよね」

NOVA「いつもの脱線だが、たぶんPS2以降の作品は今回、記事書きしないと思う。一応、90年代のマルチバースを語りたくて、今の流れだし、21世紀の作品は俺もゲームばかりを追ってたわけじゃないから、解像度やこだわりが決して高くないんだ」

翔花「じゃあ、ドラクエは7、FFは9がゴールってことね。そこまでなら、話に付き合ってあげる。よく知らないことが多いけど」

 

NOVA「で、ドラクエ11はFFの見せ方を踏襲したということで、ヒロインもFFの系譜の流れで語れるんだな」

晶華「ええと、幼馴染のエマさんを除けば、マルティナ、ベロニカ、セーニャの3人よね」

NOVA「順に、年上姉さん枠、幼女枠、メインヒロイン枠とでも分類できるかな。FFでは5以降、そういう分類で3人ヒロインを語ることができる。リスト化すると、こんな感じだ(12まで。13以降は未プレイ)」

 

  • 年上姉さん系:ファリス、セリス、エアリス、キスティス、フライヤ、ルールー、パイン、フラン
  • メインヒロイン系:レナ、ティナ、ティファ、リノア、ガーネット、ユウナ、アーシェ
  • 幼女・年下妹系:クルル、リルム、ユフィ、セルフィ、エーコ、リュック、パンネロ

 

NOVA「メインヒロイン系については、ティナ→セリスとか、エアリス→ティファという物語途中での逆転現象が生じるのがFFの面白いところだけど、概ね異論はないだろう。幼女・年下妹系は明らかに頭身が低い幼女枠の他に、天真爛漫で無邪気な賑やかし枠を年下妹系として扱った。幼女枠はクルル、リルム、エーコの3人だけで、それ以外はムードメーカー的なキャラだな。メインヒロインが恋愛脳だったり、思い悩みがちな性格だったりして、ドラマが内にこもりそうになるところを、コミカルに立ち回って陽性の冒険に引き戻してくれる役割」

晶華「スーファミからPS時代は、名前の末尾が韻を踏んでいるのも面白いわね。ファリス→セリス→エアリス→キスティスの-is系とか、メインヒロインは-a系とかの流れがあって。妹系は-u系から-fi系に変わったりして、安定しないけど」

NOVA「9からはネーミングパターンを変えてきたようだな。なお、4もヒロインはローザ、リディア、そして離脱するポロムの3人だけど、メインヒロインがローザで年上姉さん枠、ポロムは幼女枠で、リディアが幼女→年下妹枠に成長して、リディアとポロムの接点がほぼないので、3人ヒロインとは言い難い面があるな」

晶華「5は、最初がレナの単独ヒロインと思われていたのが、ファリスが男装の麗人姉さんだと途中で判明し、おじさん枠のガラフさんが途中で討ち死にして後継を孫娘のクルルに託すのがエモいわね」

翔花「死んじゃうおじさん枠で、リスト化するってのもありね」

NOVA「それは……2が宝庫だな。4も結構、死に様を見せるおっさん枠とかマッチョ兄貴が出てて感じ入るんだけど、ほとんどが『実は生きていた』になって、本当に死んだのは老賢者のテラだけという死ぬ死ぬ詐欺FFだったな」

晶華「爆死したと思われたら、重傷を負ったけど生きてましたってキャラが2人もいて、涙を返せ枠に分類するといいと思うの」

翔花「FF3のデッシュさんの後継者ね」

NOVA「で、生還フラグとかいろいろ流行った頃に、どうしても生き返らせることができない『メインヒロインと思われたエアリス』が話題になって、エアリス生存ルート詐欺が飛び交ったのが世紀末なんだが、それからとうとう公式にエアリス生存ストーリーが発表されたのが今なんだな」

晶華「NOVAちゃんがエアリス派なら、絶対にFF7のリメイク版は捨て置かないんでしょうけどね」

NOVA「俺はティファ派だから、エアリスにはこだわらないんだが、それで物語がどう展開するのかは、エヴァが旧劇場版と序破Qシンで途中から大きく改変したのと同様に、遠目ながら見届けたいところだ」

 

プレステ初のFF7

 

NOVA「さて、FF7について語るためには、まず『世紀末次世代ゲーム機戦争』について話さねばなるまい」

翔花「面白そうな映画のタイトルね」

NOVA「映画じゃねえ。現実なんだが、そういうタイトルで映画化しても面白いかもしれないな、と今、思った。ええと、お姉さんのファミ子が卒業した後、新入生になった妹のスーファがライバルのPCエンジン先輩と、セガ中学出身のメガドラさんと覇権ハードの座をかけて争ったのが80年代末から90年代前半の話。しかし、それから年月を経て、新たな新入生の時代がやって来る。

メガドラさんの後輩でセガ中から来た新人は、セガサターン。何と、あの仮面ライダー1号さんがCMで応援してくれるという破格の待遇に業界が震撼した。

PCエンジン先輩の後を継いだのは、『未来から来た未知の使者』と名乗った高級機PCーFX(フューチャーX)。

「一方、スーファさんの妹の64ちゃんは、他の生徒よりも入学が2年遅れて、競争の波には乗り切れなかったわけで。その人懐っこい笑顔は、年下の中等部の子には大人気だったんだけどね。なお、小学生に大人気だったのはボーイッシュでフットワークの軽いGBちゃんで、ポケモンゲットだぜ、と言いながら、児童層の圧倒的な人気を得たのも懐かしい話」

翔花「ええと、プレステさんは?」

NOVA「94年のセガサターン、PCーFXと同期の94年末期に入学した初代プレステさんは、当時まったく無名のソニー中の出身だった。ソニー中は、オーディオ機器や映像関係の家電業界では老舗だったんだけど、ゲーム業界に参入したのはプレステが初という設定だ」

晶華「いや、設定じゃなくて事実だし」

NOVA「とにかく、他業種からの全くの新人プレステちゃんが、任天堂中のスーファちゃんの覇権を奪うことになろうとは、94年の時点では誰も予想していなかったんじゃないかなあ。たぶん、本命はセガサターンだと思われていたと思う。他にはアメリカから来た3DOさんと、SNKネオジオCDと、バンダイの年少向きハードのプレイディアと、専門用語的には第5世代と分類されるこの時期が最もゲーム機戦争が激化したと歴史書には書かれているな」

翔花「本当に?」

NOVA「ああ。この戦争を英語ではconsole warとも称されて、『FF7を擁したプレイステーションが覇権を制した』という記述が、英文wikipediaでも読み取れた。つまり、日本国内だけでなく、国際社会の文化史の常識なんだよ。将来、テストに出るかもしれん」

晶華「平成時代の大衆文化史の1ページを華々しく飾っているわけね。ファイナルファンタジーは」

NOVA「なお、ファイナルファンタジーシリーズは、RPGシリーズとして派生作も含めると最多作品数を誇るとギネス認定されているという話だ。まあ、さすがに7年前の話なので、今もそうなのかは分からんが」

翔花「もしかすると、この素材はアメリカのハリウッドで、最初に映画化されるかもしれないわね。『世紀末コンソール・ウォー』ってタイトルで」

NOVA「リアルにやると、関係業界人の名誉とかいろいろな問題があるかもしれないので、生々しくならないよう、ゲーム機を擬人化した萌えアニメウマ娘みたいに競争形式でコミカルに描くとウケるかもしれない」

晶華「『スーファ先輩、いつまでもROMカセットに頼っているあなたは時代遅れなのよ。新たな技CD-ROMを習得した私には勝てないことを見せてあげるわ。それに、あなたの長年のパートナー、ファイファン王子も今は私の味方って約束してくれたわ』」

NOVA「『ファイファン様が寝取られた!? そんな〜。でも、わたしにはマリオ君がいる。彼は絶対にわたしを裏切らない』……とどこかでブレーキをかけないと、ずっと続けられそうだな、このネタ。擬人化すれば、意外とイケるかもしれねえ」

晶華「商業ネタにするには、関係業界への根回しがいろいろ必要になりそうだけどね。生々し過ぎて」

NOVA「せいぜいが同人ネタだろうな。すでに誰かがやってるかもしれんが、『マンガで分かる世紀末次世代ゲーム機戦争』っていい素材かも」

晶華「FF7のリメイクが続いている今が旬かもね」

 

NOVA「ともあれ、FF6が出たのは94年だが、次のFF7が出るのは97年で、少し間を置いたのは次世代機に移る交渉などで遅れたからだろうな」

翔花「3年で新作だと早い方よ」

NOVA「今の基準だとな。当時は1〜2年で新作が出る時代だったんだよ。ゲーム機の進化とともに扱うデータ容量も膨大になって、開発に時間が掛かるようになり、その間の企業収益はオンラインゲームやアプリゲーの課金収益や、小品の派生作、またコラボ企画での版権使用料などでまかなっているみたいだが、30年前とゲーム業界の体制が大きく変わっているのが事実だ。なお、俺はFFが来る前から先にプレステを買っていた」

翔花「プレステが勝つって予想していたの?」

NOVA「いや、単純にスパロボがプレステに来たから。『第4次スパロボ』が95年にスーファミで出た後、翌年の『魔装機神』を経て、96年末に『新スパロボ』が出たのでプレステを買い、97年に『スパロボF』が出たので中古のサターンを買い、99年に『COMPACT』が出るので携帯機のワンダースワンを買い、同年に『スパロボ64』が出るので64を買うというスパロボのおかげで様々なハードを買う時期を過ごしたわけだ」

晶華「なるほど。スパロボファンの鑑みたいな世紀末ライフだったのね」

翔花「すると、ファイファン王子のためにプレステを買ったのではなくて……」

NOVA「スパロボ神の信者としてプレステにお布施をしたら、おまけにファイファン王子も付いて来て、よっしゃラッキーって感覚だな」

晶華「で、後からドラクエ姫も遅れて付いて来て……」

NOVA「世界はプレステ帝国に支配されました……ってのが世紀末からゼロ年代の歴史だな。未来の教科書に載るかもしれん」

晶華「『デジタルゲーム文化史』という教科があれば、確実でしょうね。義務教育の範囲じゃないと思うけど」

NOVA「ファミコンは果たして、何世代のゲーム機でしょう? って数字を答える問題はあるかもな」

翔花「プレステが第5世代なら、その前のスーファちゃんが第4世代で、始祖のファミ子ちゃんは第3世代かしら」

NOVA「正解。第2世代は70年代後半に出たAtariアメリカでは悪名とともに有名で、日本ではエポック社カセットビジョン(81年)が俺の知ってるハードだ。第1世代は72年にアメリカで出た『オデッセイ』というのが家庭用TVゲームの始祖らしいが、その世代はハードとソフトに分けられていなくて、ゲーム機の中に収録されたプログラムのゲームだけを遊べる仕様になっていたそうだ」

晶華「ええと、どんなゲームができるの?」

NOVA「ポン(テニス)とかブロック崩しブレイクアウト)が有名だな。77年に任天堂が家庭用ゲームに初参入したカラーテレビゲーム15というのが有名だそうだが、俺は現物を見たことがあるのに、その商品名を知っていなかった。それよりも重要なのは、80年に出たゲームウォッチのシリーズだろう。一応、第2世代に分類されるらしい」

翔花「今のゲームは何世代?」

NOVA「プレステ2が6世代(90年代末〜ゼロ年代初め)。プレステ3が7世代(ゼロ年代半ば〜末)。プレステ4が8世代(10年代前半)。プレステ5とSwitchが9世代(10年代後半〜現在)といったところだな。それと据え置きゲームと携帯機は世代の考えが少しズレているようだ。ゲームウォッチは携帯機の2世代で、3世代からゲームボーイになる」

晶華「テストに出そうね。『次のゲーム機を世代順に並べよ』とか」

NOVA「プレステだけなら番号が付いているから分かりやすいが、セガサターンメガドライブドリームキャストの順番なんて、同世代人じゃなければ難問だな。メガサタンドリの順で覚えろ、と未来の教師が言ってそうだ」

翔花「メガサタン鳥って、いかにも恐ろしそうな怪物ね」

NOVA「恐ろしい鳥と言えば、こんなゲームもあったな」

NOVA「ビルを登っている最中に、シラケ鳥(これも世代人しか分からん死語だな)が飛んできて糞(フン)を落として来るんだ。その糞に当たって手を滑らせると落下死する」

翔花「ふ〜ん、イヤな死に方ね」

NOVA「或人じゃないと級のギャグだな」

翔花「そんなことはどうでもいいんだけど、どうしてビルの壁を登ってるの? スパイダーマンさんか何か?」

NOVA「そういうゲームなんだよ。昔のゲームに理性を求めるな。クレイジーな(イカれてる)んだから」

晶華「そこにビルがあるから登る。登山家(クライマー)にとっては、それで十分なのよ」

翔花「分かった。じゃあ、どうしてFF7の話なのに、もっと前のレトロな時代に遡ってるの?」

NOVA「そこに寄り道があるからだよ。ええと、FF7と言えばあれだ。あのすごいオープニングを流す」

翔花「どこが凄いのかよく分からないんですけど? FF3の方がすごいし」

NOVA「くっ、そりゃあ、90年代の据え置きゲームと、ゼロ年代の携帯ゲームのオープニングを比べたら、後の時代の方が凄いわけか。俺たちのFF7への感動は何だったんだ!?」

晶華「同じPSでも、こっちを出すべきだったわね」

NOVA「たった2年差でも、7と8の差は格段に違うということか。まあ、今の7のOPはこれだし」

翔花「ふわ〜、確かに今のFF7はすごいね〜」

NOVA「ああ、俺も驚いてる。REMAKEのオープニングは、昔の映像をブラッシュアップしただけで、ふ〜んって感じだが、REBIRTHのオープニングを見て思ったのは、『昔のFF7と、この段階でストーリーがずいぶん変わってるじゃん』ってこと。単に絵がきれいになっただけで、昔のストーリーを大筋で踏襲するものだと思っていたんだが、そんなことはなかったぜ。7では故人だったザックスが回想シーンではなく、何だか普通に生きているみたいだし、主人公クラウドたちのパーティーがミッドガルの街を脱出してフィールドに出てからの旅だと思っていたら、REMAKEの終わりから脱出できなかった状態から始まるのか?」

晶華「知らなかったの?」

NOVA「恥ずかしながら。こいつは思いがけないセレンディピティだぜ。あまりの驚きのために、これ以上、7の話の続きはできそうにない。まずは、いろいろ調べて状況を確かめてから、改めて7の思い出語りをする」

翔花「つまり……」

(当記事 完)