Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

大魔神カノン7話「歌隠」感想

 カノンの悩み云々が話のメインじゃなくなったので、ようやく少しはテンポが良くなったかな。
 やっと、カノンと、オンバケ、それからイパダダの3者に接点がつながりそう。


 今までは、カノンは日常生活の中でイジイジし、イパダダは時おり地味に出てきて暴れては逃げ、オンバケが対症療法的に追跡していただけですから。
 この構図、カノンとイパダダをまとめたら、話は通りやすくなるのにねえ。カノンもイパダダも、追いかけてくるオンバケから逃げていたという点では、ストーリー上、同じ役割なんだから(笑)。
 まあ、さすがにイパダダがカノンに取りついて夜な夜な犯罪を起こすって話だと、本当に『ヤヌスの鏡』なんだけど、よく考えたら、大映ドラマは、『大魔神』と無関係ではないなあ。それと、カノンの飼っている亀も、『ガメラ』のオマージュ? ええと、いっそのこと、この亀がオンバケになって、ご主人さまを守ってドタバタコメディーって展開の方が、ウケたのでは? 
 話を戻して、カノンがイパダダに取り付かれる話じゃなくても、イパダダに取り付かれた幸太郎(元カレ)が、まだ、しつこくカノンに付きまとう設定にした方が、そこにタイヘイが絡んできて、どこか三角関係めいた現代風ドタバタになって、うまく流れたはず。
 ……って、いろいろ「ああしたらいいのに、こうしたらいいのに」って言えるのだから、素材そのものへの興味はあるんだよね。ただ、素材の料理の仕方に不満があるだけで(苦笑)。


 今回、カノンにスポットが当たらないおかげで、まともに話が進んだ感じ。
 主人公がうじうじしていると、いかに話のテンポが悪いか実感しました。この場合、ガンダムエヴァを例に挙げるまでもなく、主人公を否応なく事件に巻き込んで……というのがストーリーテリングの作法なんですが*1、主人公が日常的な「ちょっとしたイヤなこと」にしか遭遇しないところが厳しい。
 よって、これ以上、カノンにスポットを当てず、周囲の人間を描いて、事件をどんどん進めるのが、作劇上は正解だと思います。
 それでも、今だしつこく、「コンタクトを落とした人に、親切心で声を掛けて拒絶されて落ち込むカノン」を描くのは、どうよ、と。『都会のギクシャクした人間』をこれでもかと描くのがテーマで、単純に『田舎の素朴さがいいなあ』って話? ここまで露骨だと、かえって共感ができません。


 で、タイヘイの目的が、「カノンと話して、彼女の悩みを聞く」から、「カノンの悩みを解決するため、歌を盗んだバンドの面々と話をつける」に切り替わりました。1ミッションをクリアするまで長いよね。
 タイヘイが、バンドのボーカルの娘(カノンの後釜)に出会ってなじるのですが、彼女も「カノンの歌が盗作された」事情は知らずに、自分の歌う歌に愛情を持っていることが描写されます。まあ、タイヘイが相手の事情なんて気遣いせずに言いたいことをぶつけるだけのキャラだってのは分かってるのですが、見ていて、ちょっと痛い*2
 そして、派手な外見に似ずに、実はいい娘のボーカル(サキ)は、幸太郎に事実関係を確かめようとしますが、連絡がとれません。代わりに、カノンに直接会って話を聞くことに。この辺、キャラが積極的に動くタイプだと、話の流れがテンポいいです。やはり、内気なヒロインを設定するなら、周囲にこういうアクティブな娘を引っ付けてあげないとね。バイト先の先輩もそうですが、カノンの周りの女性は決して悪い人じゃありません。単に、カノンがそれを受け止めないだけで。


 あ、カノンの周りの女性といえば、5話で彼女に代返させた「かなめ」。実は、クウガの夏目実加ちゃんだったんですね。
 カノン視点だと、カノンをだまして利用した自分勝手な娘という描写ですが、カノン視点は目下、人間に対してネガティブ視点ですので、後の話で、実は「そんなに悪い娘じゃなかった」という側面が描かれるのを期待してみたくなり。基本的に、高寺Pって、性善説志向というか、巡り合わせの悪いキャラは描いても、「どうしようもないカリカチュアされた悪人」は描かない人だと考えますので、その辺はフォローされるはず。
 いや、まあ、「自分勝手さが災いして、イパダダに取り付かれて……」って話でも、自分の好み的にはいいんですけどね。


 さて、イパダダ。
 今回の話で、取り付かれた幸太郎の夢で、思わせぶりな「歪んだスパルタ教育を受けている少年」が描かれたりしています。本人とは違うキャラみたいですが、誰だろう?
 オンバケ会議で、イパダダの性質が語られたのも興味ありますね。今のイパダダは、まだ幼少期で、特定の人物に身を潜めながら、成長中と。これがもう少し成長した後では、「宿主を次々と乗り換え」という段階になるみたいですが、そういうのは期待したいところ。やっぱ、こういう妖怪退治の話では、「特定の人物の悩みをじっくり描く」よりも、「いろいろな人物の悩みをさらっと描いて、そこに妖怪が取りついたのを、妖怪退治という手段で悩み解決の代償にする」って話を期待します。
 具体的には、
地獄先生ぬ~べ~ (01) (集英社文庫―コミック版 (お60-1))霊媒師いずな 1 (ジャンプコミックスデラックス)
 ↓あと、これも、一部そういう系統の話だね。
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 別に、悩み解決の物語を延々と時間を掛けてじっくり鑑賞したいわけじゃなく、
 「即席的な悩み退治のヒーローの活躍」と、それに刺激されて勇気づけられ、「後の悩みは自分で解決しないとね」と成長する(あるいは浄化される、癒される)一般人の物語が見たいわけ。
 もちろん、ヒーローにも解決できない人間関係の悩みはあるわけで、そこまでオンバケが過保護にしゃしゃり出て、助けの手を差し伸べるのはどうかな。そういうのは、「ドラえもん」とか「カーンデジファー様」のお仕事?  まあ、他人の悩み解決に勝手にしゃしゃり出て、かえって事態を混乱させるドタバタコメディー調の話もあるけれど、現状はそういう方向性にも踏み切ってないし。


 ともあれ、イパダダの正体にタイヘイが近づいたところで、アクションシーンのまま、つづく、と。
 幸太郎絡みのドラマは、そろそろ決着がついて、イパダダが別キャラに取り付いたり、増殖したりで、被害を拡散してくれることに期待しつつ。
 このままじゃダメだ〜、ブジンサマ、何とかしてくんろ〜にならないとね。


PS:ちなみに、こういう実験的な試みは、自分は嫌いじゃありません。自分の価値観的に受け入れるられるかどうかの是非はあるとしても、こちらとしては、「ああでもない」「こうでもない」と批評混じりに考察するのが好きなので。ただ、単にネガティブ一辺倒に「キャラや製作者に対する暴言」で、毒をまくだけのコメントは遠慮してもらいたいです。自分は建設的批判を旨にしていますので。
 まあ、物語のテンポが上がってくれれば、自分としてはOK。


PS2:次回の放送は、遅くなります。ゲッ、「ドラゴンナイト」とかぶっちゃうじゃないですか。ええと、リアルタイム視聴は「ドラゴンナイト」優先して、「カノン」はやむなく録画しますか。

*1:何で自分がこんな目に? と思いながら、それでも必死に生き延びるために悩みつつ戦う主人公には共感が。『逃げちゃダメだ』は名セリフですな。でも、カノンもイパダダも逃げてばかり。

*2:その意味では、タイヘイも表面上、田舎者のようでいて、実は悪い意味で都会的なセンスを持ったキャラ。これが本当に田舎の人だと、人間関係も構築せずに、ずかずか思い込みだけで言いたいことを言うのではなく、もっと遠慮しがちでしょ、と。もっとも、妖怪に人間社会の定義を当てはめても仕方ないのですし、話を進める上ではズバズバ言ってくれる方がありがたいのですが。