Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

大魔神カノン4話「過飲」感想

 バイト新人のカノンちゃんが、歓迎飲み会で酔っ払って、優しいフロアチーフ(女性)の部屋まで上がりこんで、そこで自分の気持ちを告白しちゃう回。
 ええと、男不信になった彼女がそっちの方向に走ったりしないか、とドキドキです。


 で、飲み会の帰りに、イパダダの使い魔をバイクで追い回すタイヘイ(変身態)の姿を目撃するのですが、まあ、飲み過ぎの幻覚? ということで処理されちゃって、ちっとも話がつながりません。
 展開おそいねえ。
 4話めでやっとカノンの鬱状態の理由が語られて、素朴な田舎娘が都会で人間不信に陥っている基本設定が示された形になります。まあ、特撮雑誌でそこまでの設定は知っている人間なので、自分的には新しい情報があまりなかったりします。おまけに、2時間かけて、ダラダラそういう話を見せるなんて、同じ「都会で苦労している田舎育ちの少女」って話なら、『魔女の宅急便』がよほどうまく展開してました。
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 「落ち込んだりもしたけど、私は元気です」
 ……って、カノンもそういう話になるのかな。というか、カノンの日常生活をダラダラ描くよりも、大きな事件に巻き込まれて、日常の小さな悩みなんかどうでもよくなる話になってほしい、と思いますぞ、自分としては。
 何だか今のままだと、「響鬼さんと明日夢くんがなかなか絡まずに、前者が戦っている話と、後者が日常生活を送っている話がバラバラだった」のと同じというか、それよりも遅いです。まだ、明日夢の心の中には「尊敬すべき大人としての響鬼さん」がいたけれど、今のカノンの心の中には、タイヘイその他のオンバケが全くつながってないので。


 バトルアクションはありました。
 それでも、イパダダは4話かけても倒されません。つまり、ウルトラマンネクサスよりも遅い、と。
 どうやら、イパダダは特撮ヒーロー物における怪人ポジションではなく、幹部ポジションと考えるべきですな。で、幹部の彼は、オンバケの対戦相手にCGで動く使い魔を召喚します。この使い魔との戦い、というか小競り合いが、本作のアクション部分。
 でも、これが盛り上がらないわけですわ。
 まず、使い魔のサイズが小さくて、50センチぐらい。ちょっと大きな野良猫って感じですな。動きが早くて鬱陶しいぐらいが特徴で、オンバケの蹴り一発で撃退されます。まあ、なかなか攻撃が当たらず、逃げ足が速いので、アクション時間がムダに費やされるのですが。


 アクション内容は、リアルと言えばリアルですが、どうも格好悪い。
 飛び蹴りしたはいいけど、着地に失敗してどぶ川の底に尻をぶつけて痛がるタイヘイとか、
 ライダーではありがちな川落ちも、場所がどぶ川だってんで、戦闘後に拠点に戻った際に仲間から「臭がられる」タイヘイとか、
 日頃から屁ばかりこいでいるタイヘイとか、コミカルを通り越してダサすぎます。
 ふだんは3枚目だけど、決めるところは決める格好良さが欲しいところ。


 カノンの心情描写についても、親切な先輩の心の声(モノローグ)で「こんなことを考えているんだろうな」とフォローが入るのですが、そういうのって言葉じゃなく、シチュエーションとかをうまく作って示すべきだと思いますね。
 下手な小説と同じで、「この子、いい奴じゃん」と誰かが言っても、実際の「いい奴ぶり」がちっとも示されていなかったら、全く感情移入できないわけで。今のままのカノンは、先輩が優しく目をかけてあげてるけど、本人は周りが見えていないというか、世間知らずで自分一人だけいい子の気持ちで、周りの自分勝手さを嘆いて勝手に落ち込んでいるというか、ちょっと幼さが目立つ。周りがフォローしようとしているのに、それには応じないで、人見知りぶりを示して勝手な行動で迷惑をかけてしまう娘。
 それこそ、心の闇をイパダダに取り付かれて、浄化される役どころの方が似合います。


 あ、それとも、親切だった先輩が、イパダダに取り付かれてカノンに襲い掛かるってのもありかな? 
 こういう流れだと、カノンが先輩を助けるためにアクティブにならざるを得ないわけで、物語が回りますよね*1


 とにかく、今のところ、カノンとイパダダの接点がないので、どうにもこうにも物語が展開しないのが、一番の問題。カタルシスもないし、ね。
 それと、カノンの性格が暗く、自分のことを語ることもしないので、視聴者にカノンの置かれた状況や心情がなかなか伝わらず、話数がムダに流れてしまうのが、二番めの問題点。これがアニメだと、人間相手にはしゃべらないけども、ペットに自分の気持ちを語るシーンが挿入されたりして、「暗くて物静かな性格」を描きつつ、視聴者にはきちんと情報を伝える演出がありますね。
 ともあれ、暗くて、あまり積極的でない主人公だと、事件に巻き込まれるか、どんどん引っ張ってくれる友人や先輩がいないと物語がうまく回って行かない、という典型を見させてもらいました。
 今後は、先輩がカノンをうまく引っ張ってくれるのだろうか?
 それとも、カノンが先輩に「もう、この娘あかん」と見捨てられたりしないだろうか? 
 何だか、先輩の方に感情移入しながら、ドキドキ見守ることにします。

*1:実は『ハートキャッチ・プリキュア』が最初こういう話でした。これまでは割と積極的なヒロインが主人公で、抑えに回るパートナーがいたりしたのですが、今回は主人公が花好きだけど人見知りで大人しい、でも自分を変えたいと考えている女の子withメガネ。そして、相方の娘の方がアクティブという逆パターン。でも、一見明るい相方も、プリキュアになる前は心の闇を抱えていて、それを敵に利用されて怪物化。そういう人の心を弄ぶ敵に、優しい主人公が堪忍袋の緒が切れて、力を発揮して……という流れでした。カノンも、歌好きだけど人見知りで……などの共通点があるわけだから、演出など比較対象になるかも。