お待たせしました。
月刊「大怪獣バトル」の時間です……って、月刊かよ。それじゃ、いかんだろう? って、いつもの自己ツッコミ。
まあ、最近は前置きが長い気もしますので、今回は、さくっと本編に行きましょう。略式フォーマットで。
第2話「レイオニクスバトル」
登場怪獣:ゴモラ、リトラ、エレキング、ゴメス、ドラコ、ベムスター
登場宇宙人:ペダン星人(ダイル)、フック星人、ガッツ星人
この回は、新たな舞台・惑星ハマーでの、怪獣総進撃。そこに怪獣を操る宇宙人(レイオニクス・バトラー)がいろいろ絡んできます。
怪獣もいっぱい盛りだくさん。宇宙人も出てきて、本作の方向性を提示すると共に、ドラマ面では、レイオニクスハンターのダイルの正体が明かされることで深みが加わります。
これだけの内容を1話に詰め込むため、という作劇の都合で、ペンドラゴンのクルーは2つに分けられました。レイ&ボスチーム(ゴースタードラゴン=GD組)と、他の3人&捕虜のダイルのスペースペンドラゴンチーム(SP組)。視点が2つに分かれるので、シーンをいちいち分けると、まとめるのがキツい。よって、各チームの概要にしぼって、2つに分けた感想をば。
未来からの暗殺者
本作のメインは、タイトル通り怪獣バトルですので、そうではないSP組の方から。
前回、捕虜にしたダイルの正体が語られる重要部分。
ええと、「未来世界(50年後)に、レイオニクスバトルによって故郷のペダン星が滅びたため、歴史を変える目的で、レイオニクス抹殺を図る」と、それ、どこのターミネーター? と言いたくなる設定。
実は体を機械化したサイボーグという設定でもないかなあ? と思っていたのですが、「レイオニクスを抹殺するためのロボット、キングジョーブラック」という話で拍手。
ええと、この外装がはがれると、こんな正体を明かすのです、きっと。
もちろん、冗談に決まっていますが、うっかり信じてしまわないように。*1
ともかく、破滅した未来世界の出身者は大抵、好戦的という傾向があって、ダイル君も、「ペンドラゴンの武器じゃ弱すぎる。オレに任せろ」とは言いませんが、おそらく、そんな気持ちで、勝手にペダン星人の無人宇宙ドックに引き込んで、機体に強化改造を施したりします。
一時解体されているペンドラゴンを見て、メカニックのクマさんが「オレのペンドラゴンが!」と嘆きの声を上げた(事実)のは、メカファンならニヤリとするところでしょう。ただのプラモでも、自分が作って、大事に飾ってあるものを、「何だ、この作り方は。オレがもっと上手く仕上げてやる!」と勝手に塗装を施されて、おかしなギミックを仕込まれたりした暁には、やめてくれ〜と言いたくなるもの。たとえ、相手の方が技術が上でも、自分で作ることに意義を感じるんですよ、作り手ってのは。もちろん、「こうしたら?」とアドバイスをくれるのは、ありがたいんですけどね。まあ、あまりしつこくなければ、ですが。
……と、そんなクマさんの想い(勝手に推測)を踏みにじって、勝手に取り付けられたのはペダニウムランチャー。
その破壊力は、宇宙でペンドラゴンに襲い掛かってきたベムスターを撃退するほど。ええと、おそらく、その威力は改造ベムスターを撃退したZATのエネルギー爆弾に匹敵しますな……って、ZATを基準にすると、強いか弱いかよく分からないのですが(苦笑)。
素直に、「ウルトラブレスレット」に匹敵すると言うべきですか。
でも、戦意を喪失したベムスターを勝手に砲撃して殺害したため、基本は「戦闘チームではないペンドラゴンのクルー」からは、警戒されるダイル君でした。これが小さい子なら、「ぼく、悪い怪獣をやっつけて、いいことしたのに、どうして怒られるの?」なんて反応を示すシーンなんでしょうけど。
ちょっと、ボケたツッコミ。気にしないように。
ゴメスを倒せ
当然の小見出しでしょうな。
前回出てきたゴメスに対して、リトラで対抗、とオールドウルトラファンを喜ばせるバトル演出。
でも、その前に。
前哨戦は、フック星人の操るドラコ戦。
ドラコに対するは、エレキング。
ドラコと言えば、昔、「赤王」さんがアドバイスしていた記事があったなあ。
赤「羽を持った奴は、羽が弱点だ。引きちぎってやれば、何もできなくなる」
N「チャンドラーのパターンですな」
赤「そうだ。ドラコにもそれで勝った。だから、ゴモラにも言いたいんだ。どうして、ベムスターの羽を引きちぎらなかったんだってな」
ええと、赤王さんのアドバイスに従ったかどうかは分かりませんが、エレキングはドラコの羽をきちんと引きちぎっておりました。まあ、さすがに、ベムスターの羽までは、バトルの舞台が違うので、引きちぎることはかないませんでしたが。
ちなみに、ドラコ戦では、ボスがゴースタードラゴンのミサイル攻撃で支援したりも。前作で培った連携が、まだ見事に生きている様子を描くのも、抜かりがない。
そして、敗れたフック星人から情報(この惑星ハマーがレイオニクスバトルの舞台であること)を聞いたレイと、ぼくたち視聴者。うん、主人公と情報を共有できるような物語は、分かりやすい。視聴者の知らない情報を主人公がいっぱい持っている物語は、リアルだけど、その分、感情移入がしにくいわけで。物語内で最低必要な情報を、主人公視点で視聴者(読者)に伝えることを意識している作品は、脚本家(作者)の配慮を感じられる。
まあ、視聴対象の考察力とか、作風とかにもよるのだけどね。ネタバレしては意味がないミステリーに比べて、単純なバトル作品の場合、引っ張る謎は縦糸として紡ぎつつも、基本設定は簡潔明瞭に示すべきだ。
この回は、30分番組という枠内で、伝えるべき情報をいっぱい伝えたうえ、バトルもいっぱいと充実しすぎ。駄文をいっぱいつらねて、どうしても長文になりがちな自分とは大違いだ(苦笑)。
さあ、ともあれ、クライマックスの戦い。
対するは、実はガッツ星人が操っていたと判明したゴメス。ウルトラQ時代(身長10メートル、体重3万トン)より巨大化しております(身長40メートル、体重4万トン)。身長の増え方(4倍)に比べ、体重があまり変わっていない(1.3倍)のは、まあ、Q時代の体重が重すぎたから。その背丈で、初代ゴジラ(50メートル、2万5千トン)より重いのは異常だな。
それに、ゴモラとリトラで立ち向かいます。これがスポーツなら、2対1とは卑怯なり、と言うところですが、レイオニクスバトルはサバイバルバトルであって、ルール無用のデスマッチである以上、的外れなツッコミと自粛します。
で、レイたちを見守るように彼方で光る謎のモニュメント。
ファンには、アイスラッガーと分かるわけですが、これが、「主人公は知らないけど、多くの視聴者には分かる謎の縦糸」。何でここにあるかは分からないけど、それが何かは知っている。ファンの興味を喚起する伏線というわけですな。
怪獣を操る宇宙人バトルである本作にもふさわしい象徴なわけで。
*1:「冗談なら、そうと分かるように書け」と最近、別のブログ主さんに説教したりもしたので、いつもの気持ち倍くらい、気を使っています。