エレキング捕獲作戦、とでも名付けたくなる今回。
勢いづいたまま、第1部のクライマックス編に突入していく流れです。
第8話「水中の王者」
もう、今回は、ドラマ性はほぼなし。
全編に渡って、怪獣対決と、ペンドラゴン・クルーの作戦連携が描かれています。
一応、ラストで、クライマックスの舞台「ヴィンセント島」からのSOS信号、および石の巨人(ウルトラマン)の謎を追うドラマに突入、ということで。
RPG的に言うなら、ストーリーを進めるのを止めて、「仲間モンスターゲット」に寄り道する展開ですな。
アーストロンVSケルビム
ということで、今回はバトルに次ぐバトルが目玉なので、赤王さんにたっぷり解説してもらうとしましょう。
「燃える炎のバーニング解説ぶり」に期待するとして。
赤王「最初に言っておく。オレサマは、アーストロンがか〜な〜り嫌いだ」
NOVA「って、いきなり、何言うてますのん?」
赤「オレサマが、かの怪獣王を尊敬していることは知っているな?」
N「ああ、そんなことを言うてたような……」
赤「だから、ああいうパチモンは許せんのだ」
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N「パチモン……って、こんな感じでっか?」
赤「何だ、そのカラーリングは?」
N「いや、ブルマァクの復刻版らしくて」
赤「実写映像とはイメージが全然、違うだろうが!」
N「だったら、こんな感じ?」
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赤「そういうパッケージじゃ、よく分からん」
N「うるさい人(怪獣)やなあ。だったら手当たり次第に貼り付けてやります」
赤「ええい。パチモンは嫌いと言っただろうが!」
N「そんなん言うても、意外とアーストロンのソフビって見つからんさかい、着ぐるみ改造つながりってことで」
赤「無理に探さんでいい。あんな奴……」
N「何か恨みでもあるんかいな」
赤「詳細は11話を待て」
N「で、あんさんのアーストロン嫌いはひとまず置いておいて、対戦相手のケルビムはどうなん?」
赤「何だ、そりゃ?」
N「ケルビム、知らんのん? メビウスで有名な怪獣やで」
赤「そんな新顔は知らん」
N「また、頭の固いおっさんみたいなことを。ちゃんと、ソフビにもなってるさかい、記憶に留めておいて〜な」
赤「で、そのケルビムがどうかしたのか?」
N「こいつのデザインをしたのが、あの板野一郎*1で、デザインモチーフがバラゴンやと知って、へ〜って感心してるんや」
赤「これのどこがバラゴンなんだ?」
N「ああ、ソフビじゃ分かりにくいけど、耳がパカッて開くところがそうらしい」
赤「なるほどな。だが、バラゴンが元ネタじゃ、怪獣王もどきのアーストロンには勝てないのも道理だ」
N「いや、あんさん、メビウスのストーリーを知らんから、そう言うんや。メビウスでは、それなりに強い怪獣で、しかも地球人の開発した誘導電波を逆用して、アーストロンを操ったりした前歴があったりして」
赤「で、今回、アーストロンに復讐されたわけだな」
N「まあ、そうなるかな。でも、あのアーストロンの死んだふり戦術って、あんさんの目から見てどうなん? 卑怯とちゃいまっか?」
赤「いや、前も言ったろう。勝つために利用できる物は何でも利用する。それが戦いの真理だって」
N「卑怯でも何でもいいってことなんか?」
赤「タイマンだったらな。大体、アーストロンの目はしっかり開いていたろう? それなのに、油断したのは、ケルビムが悪い。しょせん、戦いの年季の足りない新顔だな」
N「まあ、この作品、初代マン怪獣が優遇されていて、その次に新マン怪獣。平成怪獣は格下扱いって不文律がありますからな」
赤「先達に敬意を表するのは、シリーズファンを遠ざけないための基本だからな」
N「で、今回、初のセブン怪獣ってことやけど」
エレキングVSアーストロン
赤「大地のゴモラ、空のリトラ、そして水のエレキングと、これで3体の主役怪獣がそろい踏みになるわけだ」
N「初代マン、Q、セブンと、第1世代ウルトラファンのツボを突いた選択やしな。個人的には、Qからはペギラを出してきた方が、戦力的にも強かったと思うけど」
赤「強ければいいってものじゃない」
N「おや? あんさんらしくないセリフやな」
赤「個人戦とチーム戦じゃ考え方が違うからな。個人は強くあるのが望ましいが、チームだと役割分担が物を言う」
N「確かに、そうやけど。ところで、個人的には、新マン怪獣で、陸海空をそろえて欲しかったりするわけで」
赤「何を選ぶんだ?」
N「アーストロン、シーゴラス、テロチルスってところかな」
赤「却下だ、却下。アーストロンを選んだ時点でアウトだ」
N「うう、だったら、グドンやサドラは、やられ役の印象が付いてしまったし、ツインテールは海の怪獣って説もあるし、使える地底怪獣は……ゴーストロン?」
赤「地味だ、地味」
N「うう、だったら、ストロン三兄弟ってことで、キングストロン?」
赤「何が、ストロン三兄弟だ! 嘘をつくな、嘘を! それは地底怪獣でもない、マンション怪獣だろうが」
N「だって、クプクプ、可愛いですやん」
赤「そんなことは、どうでもいい。オレサマが選んでやる。マグネドン、タッコング、バリケーンで、どうだ?」
N「うわ、何てアクの強い取り合わせ。とても主人公が操るとは思えない」
赤「ところで、この項はエレキングの話じゃなかったか?」
N「あ、そうやった。新マン話になると、つい……」
赤「ま、エレキングの戦術は単純だな。尻尾を巻きつけて、相手を自分の得意な戦闘フィールドの水中に引きずり込んで、じっくり電撃浴びせて始末する。単純なだけに効果的だ。アーストロンごときじゃ、所詮、なす術もなく倒されるのがオチだな」
N「あんさん、ほんまにアーストロンが嫌いなんやな。これ以上、解説のしようもなさそうなんで、次に行きますか」
ゴモラVSエレキング
赤「第1ラウンドは、アーストロン戦と同じ展開だな。水中に引きずり込まれたゴモラが、倒されかけたところを、レイオニクスの干渉で無事帰還。負けそうになったときに、こういう戦線離脱ができるのは、やはりレイオニクスがいるのは有利だよな」
N「まあ、戦略的撤退は人間の概念やけど、テレスドンとかマグラーもよくやるような印象ありますやん」
赤「ありゃ、単純にビビッて逃げてるだけだ」
N「でも三十六計、逃げるに如かずって格言もありますし」
赤「オレサマは、恐れず、怯まず、退かず。勇気だ、闘志だ、友情だ……ってところだな」
N「あんさんが、友情というと違和感があるけど、ギブアップせい! ってフレーズは何とも似つかわしいでんな」
赤「それはともかく、その後は、ペンドラゴンのエレキング水上誘い出し作戦が、チームの絆を描写していて、いい感じだと思うぞ」
N「チームの絆ってのも、違和感があるけど」
赤「いちいちうるさいな。オレサマはこう見えても、愛とか友情とか仁義には厚い漢なのだ」
N「そんな漢が、小さいピグモンを殺しますかいな?」
赤「お前は、足元のアリとか、自分の周りをブンブン飛んでる蚊を殺したことはないのか?」
N「うっ、それは確かに」
赤「そう、愛や、友情や、仁義と、小動物をついつい手に掛けてしまったことには、つながりがないのだ。よく、レッドキングはピグモンを殺した残虐な怪獣と言われるが、本当は熱いハートを持った漢気のある怪獣だと声を大にして言っておく」
N「そんなことより、バトル解説を頼んます」
赤「スルーしやがって……まあ、いい。この戦い、ポイントは尻尾にあるな」
N「なるほど。ゴモラの強靭な太い尻尾と、エレキングの巻きつく長い尻尾。どっちも尻尾に特徴があって、対照的な描写でした。ストロングスタイルのゴモラと、ややトリッキーなエレキング。でも、結果はゴモラの勝ちですが、勝因はどこにあると思います? あ、レイオニクスという答えはなしでお願いします」
赤「そりゃ簡単だ。エレキングが無駄にスタミナを浪費しすぎたことだろう? 光線を撃っても当たらないし、ゴモラの機敏さは、少し異常すぎやしないか。攻撃と防御(回避)とタフネスのバランスが高いレベルで取れているゴモラに比べると、エレキングの方は攻撃とタフネスは秀でていても、防御面がおろそかになっている。おそらく、水中という得意フィールドでばかり戦っていたので、防御の必要性がそれほどなかったんだろう。命中と回避の効率をもう少し良くすることが、エレキングの今後の課題だな」
N「うわ、何だか、バーニング解説というよりも、実に論理的なクール解説に聞こえるんですけど」
赤「だったら、どう説明しろって言うんだよ?」
N「いや、『勝因はどこにあると思います?』と聞かれて、『気合だ!』とか『魂だ!』とか『ド根性だ!』とか、ワンフレーズで応えてもらえれば」
赤「ええい、そういうワンフレーズポリティクスは、ウルトラの国の最長老に任せた」
何だか、声優ネタで適当なオチがついたところで、今夜はここまで。