前回、何の役にも立たない略式フォーマットと思ってみたが、単に、そのフォーマットを使いこなしていなかっただけ、と判断します。
一気に4話ではなく、1話ずつじっくり試してみれば、それなりに役立つのでは? と考え直したってことで。
さて、その効果やいかに?
第6話「史上最強のレイオニクス」
登場怪獣:ゴモラ、リトラ、エレキング、タイラント
登場宇宙人:ペダン星人(ダイル)、キール星人(グランデ)
この回のポイントは、サブタイトルどおり、グランデの登場と、レイの敗北。
「真のレイオニクスバトル」では、怪獣のダメージがレイオニクス本人にも加えられ、敗者は死ぬという過酷なデスマッチ。エレキングを倒されたレイの運命は?(つづく)という前半のクライマックスが、今話と次回になるわけで。
ストーリー構成は、大きく、前半(ダイルとの戦い)、後半(グランデとの戦い)。新キャラの登場と、バトルに次ぐバトルは、まさに風雲急を告げる展開だったと言えますな。
等身大バトル
前回のラストで、仲間達との絆を再確認したレイ。
そんなペンドラゴンを、ペダン星人の円盤が急襲する。防戦態勢が整わないペンドラゴンを守るため、レイは単身、リトラに乗って、敵の目を引き付ける。
そんなわけで、前半バトルは、レイVSダイル率いるペダン星のレイオニクスハンターとの等身大アクション。
敵の持つビーム剣に対して、レイの武器はアイスラッガー。
この時のレイのバトルが発展して、後のウルトラマンゼロの設定が誕生した、と言われても、ぼくは信じてしまうぞ。まあ、そういうスタッフ裏話は聞いていないんだけどさ。
大体、レイとゼロの名前の類似は一体何? とさえ思った。
ともあれ、これまでありそうであまりなかった等身大ガチンコバトル。
レイがアイスラッガーを投げて、それをダイルがかわして、でもブーメランのように反転しての奇襲効果で、レイの勝ち……というバトルはありがちだけど、王道をバカにしちゃいけない。まずは、ありがちなものをしっかり描けてこそ、その後の発展がある。あくまで前座試合なんだから、ありがちで結構。
その後は、ちょっとしたドラマ。
「レイオニクスは全てが好戦的で、倒すべき悪」と考えていたダイルだけど、前回までの暴走が解除されて、理性的かつ「仲間と一緒に地球へ行く」という夢を語るレイに、フッと何かを感じかけて……でも、そこで「甘いな」と非情な顔を取り戻し、油断したレイを殺そうとしたところ、第三者出現になる、と。
グランデ
ダイルとのドラマは、妨害が入ったので10話まで持ち越し。
新たな挑戦者は、キール星人。ええと、ボスタングはどこ? と思いきや、ああ、宇宙船がそういうデザインだったのね、と後から納得。設定を読まないと気付かないとは、目が多少節穴状態。
で、グランデ演じる役者は、唐橋充氏。最近では、当然、「シンケンジャーの腑破十臓」の最強ライバルっぷりが印象深かったので、そういう王道ライバルを想像していたんだけど、ありゃ? 実に飄々としたバトルマニアって感じで、あまり思いつめる節がなさそうな人。どちらかと言うと、「仮面ライダー555の海堂直也(スネークオルフェノク)」に近いキャラ立てかな。
海堂は、昔、ギタリストの夢を求めていたんだけど、夢破れて、その後、死んでオルフェノクになっちゃったりして、それなりに悲壮感を漂わせる設定なんですがね。ただ、あまりに哀しいことがあったりすると、それを克服するために、わざとお茶らけたり、明るく振る舞うことで、自分を保つというか、そういう人。
役者が演じた流れとしては、「海堂→グランデ→十臓」と、どんどん格が上がっているような感じがしますが、NOVAの視聴順番としては、「海堂」と「十臓」の順番で見て、その後で「グランデ」だから、まあ両極端なキャラ性をつなぐミッシングリンクが見えたような感慨を抱いております。
とにかく、このグランデ。
真面目路線のダイルとはまた違ったライバルで、「お前、強そうだな。相手してくれよ」「(レイの進化前のバトルナイザーを見て)何だ、まだそんなにレベル低いのか? せっかく、骨がありそうだと思ったのによ」「まあ、いいや。せいぜい楽しませてくれよ」 とにかく、そんな感じですね。
でも、相手が弱いからって、見逃したりはしない。とことん痛めつけて、力を引き出そうとします。で、見込み違いと分かったら、サクッと殺すことも辞さない。
これが十臓だったら、弱い相手は見逃してやり、「つまらん。今のお前を倒しても、心が満たされない」とでも言いそう。同じバトルマニアでも、十臓が剣の道に生きており、義理を貫く面があるのに比べ、グランデはまともにゲーム感覚なキャラですね。
結局は、海堂と十臓を足して2で割った演技あるいは設定と考えるなら、しっくり来ます。逆に十臓だけから判断すると、その一見、不真面目っぽい言動に面食らっていたろうなあ、と。
そのグランデが呼び出す怪獣は、タイラント。
ええと、この怪獣、合体怪獣でして、整理しますと、「シーゴラスの顔」「イカルス星人の耳」「ベムスターの胴体」「ハンザギランの背中」「バラバの両腕」「レッドキングの足」「キングクラブの尻尾」から構成されています。でも、まあ、何となく「レッドキングの足」ってのはデザイン違わなくね? と昔から思っていたのですが。
本来は蛇腹状のレッドキング足が、タイラント足になると「お城の石垣っぽい」というか、まあ比べてみると、はっきり違うのがよく分かると思います。
じゃあ、この足は一体、何の足? となったときに、デザイン的には「レッドジャック」または、その改造型の「ドリームギラス」が該当すると思うんですけどね。
ただ、この2体は、最近のソフビが出ていないので、検証しにくい。まあ、検証は、各自の手元の怪獣図鑑か、インターネットの画像検索でお願いします、とお茶を濁しておきましょう。
で、タイラントは強く、ゴモラの超振動波もベムスターの腹口で吸収され、無効化されます。
イカルスの耳からアロー光線を出すなどの新技も披露するタイラント。で、ゴモラは撤退。
代わって、エレキングが登場し、尻尾巻きつき電流バリバリで、一瞬優勢に立ったと思えるも、実は戦いを盛り上げるための唐橋さん、いや、グランデの名演技。結局、効いておらず、エレキングをブッとばすタイラント。
もう、ぼろぼろのレイは、バトルナイザーを落とすという致命的なミスを冒してしまいます。これで弱った怪獣を回収するという逃げ道も封じられ、絶体絶命状態。
そこに修理を終えたペンドラゴンが遅まきながらも飛来し、援護攻撃を仕掛けるのですが、グランデは何の迷いもなく、うるさい飛行物体を撃墜しようと、光線を放つ。それから仲間を守るために、自らの体を楯にしたレイ、いやエレキング。
致命傷を受けて倒れ伏すエレキング。そして、レイの体が光の粒子と化して消失したところで、つづく、と。
次回は、大ピンチの後の復活→パワーアップ→逆転勝利の回。でも、エレキングは帰ってこないんだ。