書くネタがある限り、続けてみるってことで。
第5話「空桶で歌う女の怨みうた」
初見だと、現代(78年当時)のカラオケブームをネタにしたお遊びが注目の小粋な一品、と評価するところですね。
正八の歌う「しらけ鳥音頭」が自分にはインパクトあり*1。
ただ、お遊びネタを省いてみると、割と普通の話*2……と思いきや、最後の殺しの場面が変わってた。
倒す相手が南町奉行ということで、あまり乗り気でなかった主水です。
曰く、「奉行が殺されたとなったら、奉行所の威信にかけて、犯人捜しに血眼になるぞ。火盗改めまで出てきてみろ、俺たち4人、獄門首だ」
これが後期だったら、何だかんだ言って殺してしまい、後から強引な理由で、事件が水に流れるところ。
でも、今回は……「宴会の席に紛れ込んで拉致、箱詰めにして、オランダ行きの密輸船に乗せて、行方不明にしてしまう」という、すごい解決の仕方。殺さず(主水の当て身で気絶させただけで刀による殺害描写はなし)、外国へ送り飛ばすのは、ややカタルシスには乏しいですが、初期の仕置人のように「殺害以外の仕置方法」をあれこれ工夫している挑戦心が、今の目には心地よく映ります。
次の話は、ゲスト「島田順二」ってことで、後の「はぐれ刑事」に通じるキャストが見どころかも。