White NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガールというオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

商売人22話「殺した奴をまた殺す」

 必殺シリーズ悪人史上に残る名悪役・京極センセの登場する回でございます。
 でも、タイトルには微妙に偽りありですね。


 京極センセの特技の鍼で生き返った悪人。
 「確かに殺したはずなのに」と新さんが、狙うわけですが、結局、その人はセンセの手の者に始末されるわけで。
 厳密には、「殺した奴がまた殺される」とか、「行き返した奴がまた殺す」と言ったところでしょうか。
 しかし、本編はそんな些細な粗探し(本当に些細^^;)が、尻尾を巻いて逃げ出すほどの珠玉の出来。一体、こんな凄い話を書いた人は誰なんだ? と思いきや、「辻良」って、この世界ではあまり聞かない名。
 ええと、24話の「罠にはまって泣く主水」も、この人の話みたいなので、本当に凄い人なのか、それとも単なるまぐれ当たりなのかは、その回で判断するといたしましょう。
 他のシリーズではざっと見、書いてなさそうな、レアな脚本家であることは間違いありません。
 
 さて、京極センセ*1がどれくらい凄いかと言えば、裏の世界では一般的に、「これまで同業者の間でも秘密だった中村主水の素性」を熟知している闇世界の大物という評価ですね。
 そして、作品中では、新任の町奉行を陥れて、手を組んだ筆頭与力を奉行の座に就けるため、いろいろと策謀を企てる人物として描かれています。
 ただし、その実力は、縄張りの中ではナンバー2。ナンバー1の頭領が、まあ昔気質の善人で、京極センセの悪どいやり方に文句を付けたので抹殺し、やりたい放題をもくろんだ……ところで、中村主水の的にされた、と。


 まあ、主水さんは元々、京極センセに手を出すような危ない橋は避けようと思っていましたが、
 向こうの方から接触してきて、「配下になって、奉行の始末をつけろ」と半ば脅迫気味に言ってきたものだから、裏社会の抗争に発展したわけですね。裏の抗争話は、それだけで緊迫感が増しますが、京極センセは「鍼による仕置技」という一点で、並みの悪党以上の存在感を発揮したのです。


 必殺シリーズで鍼といえば、もちろん元祖・仕掛人藤枝梅安センセ。
 そして、やいとや又右衛門のだんな(こちらはセンセって感じが、いまいち薄め)。
 まあ、鍼使いというだけで、一定の存在感が得られると。
 さらに、「心臓に鍼を打ち込んで、損傷の少ない遺体なら再生可能」というインパクト。劇中描写は、レントゲンとは違って、人体を模したイラスト(体側面からの透視図画)によるものでしたが、その技によって、2人を蘇生させています。
 ただし、中村主水の刀傷や、おせいの首切りに対しては復活不可みたいで、「首吊り死体」や「新次の首突き刺し」が復活の対象。で、新次も今回の殺しでは、筆頭与力の首を突き刺す際、力を余分に加えて、喉笛貫通という念の入り様を示した次第。


 おせいは京極の部下2人を同時に始末。いつもより、アクティブですな。


 そして、メインの主水さん。と言っても、殺しの順番としては前座なんですけどね。今回ばかりは、ラストが「主水さんVS京極」でも良かったのでは? とも思うのですが、「京極を先に殺さないと、仲間を生き返らせるかも」という新次の危惧で、こうなったわけで。少し、京極センセの能力を過大評価していたな、と思います。
 もっとも、京極センセもさるもの。主水に対して、手向かいします。鍼を得物に、主水の刀をうまく挟み込んで、壁に突き刺して無効化。その後、引き抜かれる脇差に対しても、うまく間合いを詰めて、互いの腕をとってのギリギリ勝負。京極の鍼も、主水の脇差も封じ込まれ、じりじりと力比べの状況。
 そのとき、主水がすかさず力の方向をそらして、京極の体を、壁に突き刺さった大刀に向かわせます。京極の首筋を、大刀の刃にうまく触れさせて、ズバッと。緊迫感のある戦いも、一瞬の差で主水が制した、と。これが前座だなんて、あまりにも勿体ない、という名勝負でした。

*1:念のため、作家の京極夏彦さんのことではないです。必殺ファンで有名な作家氏のペンネームに、このキャラが関係があるのかどうかは寡聞にして知らず。