Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

ターミネーター

 今月劇場公開予定の『ターミネーター4』。
 NOVAとしては、今夜の第1作のTV放映を(仕事の都合で途中からですが)見たり、ノベライズ本を購入したりして、楽しみにしております。
ターミネーター4 (角川文庫)ターミネーター4 廃墟から (角川文庫)
 ええと、左が劇場版のストーリーで、右の『廃墟から』は、その前日譚。
 NOVAは右の方を読み始めて、登場キャラをつかむ前に途中で停滞。今、左の方を読み始めた段階。つまり、買うだけ買って、未読了状態ですね。ちょっと最近、そういう本が増えてきている……*1


 そんなわけで、NOVAの「ターミネーター愛」は、いまいち中途半端気味な状態ですが、それでも、旧作について触れながら、この機に、かつての熱い想いを語ってみたいと思います。

第1作

ターミネーター [DVD]
 1984年、伝説の幕開けとなる作品です。
 現カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーを一躍スターダムに押し上げたとか、同じくジェームズ・キャメロン監督の名を世に知らしめたとか、SFアクション映画好きとしていろいろ語るネタはあるのですが、そういう話は自分で書かなくても、いろいろなところで読めるので、割愛。


 やはり、ぼくのブログ記事なら、「個人的主観の強い記事」が望まれるだろうと、勝手に思い込んでみます。
 自分とターミネーターのなれそめは、実は劇場ではなく、TV放送のとき。1987年の「テレ朝・日曜洋画劇場」が初鑑賞。
 その時の感想は、「不死身の殺人サイボーグの脅威」とか、「サラとカイルの一夜限りの愛情」とか、もうバイオレンス部分とドラマ部分に感じ入ったということもあるのですが、一番印象的だったのは、「ラストのサラの写真」。物語途中に挿入される「カイルの未来社会の悪夢の中で燃えるサラの写真」の起源がラストで判明される、そこに時間遡行のSFっぽさを強く実感したわけです。
 この「劇中で描かれた伏線」なんかがラストにしっかりつながる印象的な作劇手法は、自分の趣味の創作なんかでもいろいろ参考になり、また目標ともなりました*2
 「エピローグを読んだ読者が、『なるほど。そういうことだったのか』と大いに納得し、その伏線部分を含めてもう一度、読み返したくなる作品」 そういうのが理想です*3


 最初に見たときも、ヒロインのリンダ・ハミルトンは、とりたてて美人だとは思わなかったのですが、あの「どこか哀しそうなサラの写真」にはハートを持っていかれましたね。
 その写真に妄想を掻き立てられ、時空を越えた死出の旅を決行したカイル・リースの気持ちはよく分かります*4

ターミネーター

ターミネーター2 ダブル・エディション [DVD]ターミネーター2 特別編 [DVD]ターミネーター2 [DVD]
 ええと、いろいろ並べておりますが、一番左が最新作のDVDになりますね。
 真ん中が、一番手頃な廉価版。
 右は、最初に発売されたビデオ版と同じパッケージ。
 とにかく、T2はいろいろ貼り付けたくなるぐらい好きです。ただ、「特別編」に追加された映像とか、それらが近年のTV放映ではカットされがちとか、そういった内容を事細かに論じられるほどには、マニアックではないので、そういう情報に興味がある人は、Wikiなどで調べてちょ。


 ともあれ、NOVAが本シリーズで初めて劇場で見たのが、この作品。1991年のことですね(物語内設定は1994年)。
 もう、この時期は国際情勢も大きな変動期でして、「ベルリンの壁崩壊と、その後の東西ドイツの合併」「ゴルバチョフ大統領によるペレストロイカと、その後のソ連邦解体」など、NOVAの生きてきた年月で最もリアルタイムに世界史の変動を感じた時期でありました*5
 そんな時代の空気も、この作品には濃厚に反映されております。冷戦真っ只中で製作されたT1*6と違い、T2は冷戦終結後に製作されたため、「その間に変化した世界情勢に合わせた設定変化」が劇中、きちんと語られます。
 正直、映画を見ながら、「現実の歴史のダイナミズムを実感した作品」も、これが初めてだった気がします。もちろん、その時期その時期の流行を取り入れている映画はたくさんありますが、あくまでその場限りの一過性の感覚で、「前はこういう話だったけど(フィクション)、その後、このように状況が変わったので(ノンフィクション)、今回の話は新たにこういう設定に更新された(再びフィクション)」という継続性がはっきり伝わる作品は、シリーズ作品だからでもあり、パラレルワールド肯定の時間遡行ものだからでもあり、また、国際情勢(戦争)というマクロ視点を背景にも持つ当作品シリーズゆえのものだと考えます*7
 つまり、フィクションの中に「リアルタイムに生きている同時代性」を初めて感じ、「個人の想いというミクロ視点」と「人類の未来というマクロ視点」のつながりをはっきり意識できた稀有な作品。こんなところでしょうか。  もっとも、はっきりこう言葉に定義してしまうと、前者の「同時代性」はインターネットと同様の感覚に、後者の「ミクロとマクロのつながり」はセカイ系という物語分野に、置き換えられるようにも思う。すると「T2は、インターネット感覚とセカイ系を先取りした?」と短絡的に見なすこともできるのだけど、これはただの思いつきなので今は保留しておきます。正直、「T2とインターネット」ならまだしも、「T2とセカイ系」というと理屈ではつながっても、何かピンと来ない感覚があるわけで……。


 思わぬ方向に話がそれました。
 まあ、分かりやすく言うなら、NOVAにとって『T2』とは、そこまで真面目に論じるに値する作品ということで。
 あと、コレクションアイテム的にも、NOVAが初めて購入した『SFXビデオソフト』だったりもします*8。当時のこの作品のビデオ発売価格は15000円と相当に高価でしたが、なけなしのバイト代を費やしてまで買う価値がある、と一念発起した頃がなつかしいです。*9


 最後に、作品内容ですが、前作の悪役からヒーローに転向したシュワちゃんが格好いいとか、当時は非常に斬新だったT1000の液体金属CG映像が凄いとか、いろいろ語るべきところはあるのですが、
 今夜、改めて実感したのは「T1のストーリーや映像演出へのオマージュというか、キャメロン監督の演出再現性が本当に見事」ということ。実は、何度も視聴したT2に比べて、これまでT1はそれほど繰り返して見て来なかったのですが、改めてT1を見ると、「ああ、T2のあの映像の元ネタは、T1のこのシーンね」と痛感した次第。
 つまり、これまでは「T1をグレードアップしたT2」という単純な第1印象だけでずっと考えていた部分が、「T1の諸要素を引用して、見事に自己オマージュとしてふくらませたT2」という認識に切り替わったと*10

ターミネーター3

ターミネーター3 スタンダード・エディション [DVD]
 さあ、問題はこの作品だ。
 2003年公開(物語内設定は2004年)のこの作品、自分も劇場で見ました。そして、「……自分の青春の1ページでもあったターミネーターが終わった」と(涙)。
 もうね、「未来に希望はある」という形で、美しく大団円を迎えたT2を、打ち壊してしまうような結末もそうなんですが*11、やはり、監督も、シュワちゃん以外のほとんどの役者も、音楽も異なる続編を続編と見なせるのか、と頑なに考えたりもした次第。
 まあ、キャメロン監督と違ってしまった時点で、T1やT2の映像演出に対するオマージュ表現が、あまり期待できないわけですし。


 「敵が女ターミネーター」という一つの売りも、当時は自分、年甲斐もなく「硬派」を気取っていたりもしたわけで、何だかなあ、と。
 そもそも、「軟派」路線も恥ずかしげなく受け入れるようになった今でさえ、「女ターミネーターVSシュワちゃん」という構図に燃えられるか、あるいは萌えられるか、となると全く無理。「シュワちゃんが女性型の敵を倒す」というのも、逆に「シュワちゃんが女性型の敵によってピンチに陥る」というのも、絵面的にアクションヒーローっぽさとは異なる方向性で。
 これが、たとえば、「女ターミネーターVSリンダ・ハミルトン」という路線に、「アシスト役のシュワちゃん加勢」ということなら、まだ納得はできるわけですが。


 ……と、ここまで悪評ばかりですが、シリーズを俯瞰して見るに当たって、「この作品的な意義もある」という視点を意識しないと、単なる好き嫌いでしかないと思うんですね。
 自分は、嫌いなものは見ない、という主義であると共に、じっくり見ていないものは軽々しく批評しない、という主義でもあります。すなわち、「嫌いだから、作品としてもダメ」という主観的批評は批評の名に値しないという立場からするなら、「T3に対しても、シリーズとしてしっかり考察するなら、好き嫌いとは別に、もう一度きちんと見て再評価しないとな」と考えている次第。
 もしかすると、今の視点から見ると、上映当時は見逃していた長所がいろいろ見つかるかもしれない、いや、見つかればいいなあ。


 間違いないのは、この作品のおかげで、女ターミネーター諸々の設定をより自分好みに昇華させた『サラ・コナー・クロニクルズ』と、また新シリーズの劇場版『4』が製作される運びになったこと。
 つまり、「シリーズ継続のための過渡期的作品」として、当面は評価しておこうかな、と。それ以上の再評価はまあ、気が向いて再視聴した折にでも。

サラ・コナー・クロニクルズ(SCC)

ターミネーター : サラ・コナー クロニクルズ 〈ファースト・シーズン〉 Vol.1 [DVD]ターミネーター : サラ・コナー クロニクルズ 〈ファースト・シーズン〉 コレクターズ・ボックス [DVD]
 さあ、NOVAに今年、ターミネーター熱を呼び覚ましてくれた作品だぞ、と。
 TVシリーズのこの作品は、「T3」とは違う未来、「T2」の遺伝子を多く受け継いだ物語です。もちろん、「T2」には別の未来なども特別映像や、小説版の続編(NOVAは未読)で描かれたりしているわけですが、今は、整理がややこしくなるので考えない。現状を考えると、小説版の方は黒歴史化しそうですが*12
 まあ、そんな小説シリーズに興味のある方のために、張っておくだけ。
新ターミネーター2―未来からの潜入者〈上巻〉 (竹書房文庫)新ターミネーター2―未来からの潜入者〈下巻〉 (竹書房文庫)新ターミネーター2―迫りくる嵐〈上巻〉 (竹書房文庫)新ターミネーター2―迫りくる嵐〈下巻〉 (竹書房文庫)新ターミネーター2―最終戦争〈上巻〉 (竹書房文庫)新ターミネーター2―最終戦争〈下巻〉 (竹書房文庫)


 改めて、SCC第1シーズンの展開を大まかにまとめると、
 「T2」の物語の後、サラ&ジョン・コナー母子はサイバーダイン社破壊および技師のダイソン殺害の容疑で、FBIの追跡を受けていた。偽名を使っての逃亡生活を経て、1999年、ジョンが高校生活を始めようとした年。ジョン抹殺と保護それぞれの目的のため、またも2体のターミネーターが出現する。
 1体は、シュワちゃんの型番違い(よってシュワちゃんと外見は異なる)の男性型(T888)。
 もう1体は、少女型のTOK715。潜入に際しての偽名はキャメロン・フィリップス。
 ハイスクールにおけるターミネーター襲撃からジョンを守ったキャメロンは、サラに警戒心を抱かれながらも、淡々とジョン護衛の任務を遂行する。その過程で、未来の工作員の設置したタイムスリップ装置を使い、8年後の2007年に時間移動したコナー母子とキャメロン。
 その未来では、「審判の日」が2011年に起こるとされている。この世界で製造予定のスカイネットを破壊するため、活動を開始するサラたちだが、スカイネットの刺客や、FBIの追っ手が彼女たちの妨害となっていく。
 また、サラ自身の肉体にも病魔が忍び寄っていた。本来、彼女は2005年にガンで命を落とすはずだったのが、未来に飛んだため、死の予定が延期されたことになる。しかし、それは延期であって、病魔の進行が止まったわけではない。ジョンや自分の死、そして今なお続く世界崩壊の悪夢と向き合いながら、サラたちは運命を切り開くための戦いを続けていく……。


 以上の内容ですが、本作の見どころの一つは、T2キャラ(ダイソン夫人や、シルバーマン医師)のその後が描かれること。また、カイルの兄デレクが、コナー母子を守るために登場する(キャメロンに対しては不信の目を向ける)など、ターミネーター物語のツボを心得ています。
 それに、「1999→2007への時間移動」という大技で、「T3」の存在そのものは否定しておりません。1999年にターミネーターが現われず、時間移動しなければ「T3」の時代になるわけで。もちろん、自分としては、サラがまだ健在で戦っているこちらを支持するわけですが。
 「T3」に対する批判、「監督も、役者も、音楽も異なる続編」というのは、この作品にも、ひいては「T4」にも当てはまるのですが、この作品は本当のT2を大事にしていることが分かります。そもそも、少女ターミネーターの名前がキャメロンというだけで、原典の監督に対する敬意が明らか。
 あとは、同じ女ターミネーターでも、「シュワちゃんが女性型の敵と戦う」のではなく、「少女がシュワちゃんみたいな大男の敵と戦う」という、よほど萌える展開。本当に、「少年を守って戦う美少女ロボット」なんて、日本の萌えアニメでもそのまま通用する設定じゃないですか。


 で、NOVAが今月、楽しみにしているのは、劇場版の「4」だけでなく、SCCのセカンドシーズン。
ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ 〈セカンド・シーズン〉 Vol.1 [DVD]ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ 〈セカンド・シーズン〉 コレクターズ・ボックス1 [DVD]ターミネーター : サラ・コナー クロニクルズ 〈セカンド・シーズン〉 コレクターズ・ボックス2 [DVD]
 今度は、敵にもT1000改良型の女ターミネーターが出て来るそうで、サラも含めた女性の戦いが白熱しそう。どうも男臭い未来戦争の劇場版よりも、よっぽど期待していたりして(爆)。


 とりあえず、NOVAとしては、派手なSFアクションの劇場版と、ドラマチックなSCCに分けて考えることにします。

*1:スパロボを初めとするゲームの方は、未クリア状態が以前からですが^^;。

*2:ちょうど、その時期ぐらいに、TRPGなどとの絡みもあって、本格的に創作を志すようにもなったわけですし。

*3:よって、エピローグがきちんとイメージできて、初めて書き始めたりします。まあ、ゲームのリプレイ記事なんかだと、そこまで考えずに見切り発車なんですけどね。

*4:まあ、ぼくの場合は、「絵姿に惚れた」のではなく、「写真という小道具にまつわる作劇手法全般に惚れた」のですが。こういう想い、ここしばらく忘れていた気がする。

*5:ちょうど、この時期は、NOVAは歴史学専攻の学生だったわけで、日常的に歴史の変化に対する感受性が磨かれておりました。それに比べると、さすがに今は、その時期の感性が麻痺している気もします。まあ、もっとミクロな意味での人間関係とかを考えるようにはなりましたが。昔は、マクロに物を見すぎて、ミクロな人間視点に鈍感だったようにも思う。いわゆる、書物の知識だけで分かった気になる頭でっかちの学生だったのですな。

*6:そう言えば、T1が公開された1984年に、NOVAが一番印象的に思った映画が『ゴジラ(1984)』だった。あれも、冷戦の雰囲気が濃厚だったなあ。

*7:「シリーズ作品」かつ「時間遡行」というテーマでは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なんかもあるけど、あちらでは戦争が描かれているわけではないので、視点がミクロな個人規模のものになり、そのため国際情勢が変わったからどうこうという実感は皆無。

*8:OVAだと、その前に1990年からリリースされた『ロードス島戦記』シリーズ全13巻を順次購入中でしたが。

*9:今じゃ、さすがに1本の映画にそこまでの金を出す気にはなれませんな。まあ、スーパーファミコンのゲームソフトが1万円を越えるようになるなど、ソフト代がインフレ的に高騰していく時期でもありましたが。

*10:いや、まあ、解説文読んだりして、理屈としてはそういう知識も持っていたわけですが。でも、自分の実感として本当に分かったのは、今夜が初めて。いかにT1の映像をT2に劣るものと決めつけ、じっくり再鑑賞するのを怠ってきたか実感しました^^;

*11:これについては、「冷戦下という絶望のT1」→「冷戦終結期という希望のT2」→「2001年9月11日のテロ事件を経たT3」ということで、時代背景を如実に反映しているという考え方はあるわけですが。

*12:なお、一時期、「SCC」の未来が「T4」につながるという噂があったが、それは結局、否定されました。すると、今後、「T4」がオフィシャル化して定着した場合、「SCC」の方が黒歴史化しかねません。まあ、あまり細かいことを考えず、どっちもパラレルとして楽しむといいのかもしれませんが。