Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

仕事人2009・第4話感想

 1週休みをとって、待望の第4話です。
 今回のNOVA的トピックは、2月らしく、「如月たん」の復活ですね。
 第1話以降、彼女の登場はしばらくなくて、多少やきもきしていたのですが、今回の再登場は、まあまあの扱いでした。
 以前の記事を確認すると、

 今回は如月、美形庵に誘い込まれ、キャーキャー騒ぐだけで終わってしまいましたが、それでも「スリ」の技能は持っているし、今後、裏稼業に入るなら、「下調べキャラ」の素質は十分ありそうですな。
 逆に、裏稼業を知らないままでいるなら、事件に巻き込まれて、何だかんだと文句を言いつつ、涼次が動くきっかけになるのでしょうが、

 この予想は当たり。
 たまたまスリ取った財布の中に、事件の鍵となるもの(阿片と、裏取引の割符)が入っており、降りかかる火の粉を避けるために、涼次が動くきっかけになったわけで。
 ただ、ここで涼次と同心・小五郎の連携がうまく行って情報がうまく流れていれば、事件も違った形の解決を見られたかもしれませんが、この辺がスムーズに運ばずに、もたついている間に犠牲者が出て……というのが恒例のパターンになりつつあります。イヤですけど。
 必殺のドラマとして見ごたえあるのは、登場人物ができるだけ最良の行動をしたんだけど、犠牲者を出してしまい、仕方ないから裏稼業でせめてもの解決を果たす展開。
 まあ、小五郎については、後で書くとして、如月の扱いはあれくらいでちょうどいいなあ、と思っています。
 「世間知らずで危なっかしい、でも憎めない」性格を描きつつ、1話みたいにただ騒ぐだけでなく、きちんとドラマを動かすきっかけを作る。しばらく、こういう流れなら、悪くないでしょう。


 彼女の姉の玉櫛については残念なんですが、作劇で改めて考えてみるなら、「涼次の仕事人の顔を知っているけど、独立した仕事人を目指し、他のメンツとは仲間ではない」という刺激的な設定は、スペシャル版では活かせそうでしたが、レギュラーとしては扱いにくいなあ、と思います*1
 一方、如月の場合は、「抜け忍としての涼次は知っているけど、仕事人としての涼次は知らない」という付かず離れずの設定。玉櫛ほどの戦闘力も持たない半人前だけど、身も軽く、情報収集能力は高そう。
 今後、彼女のスリを小五郎、あるいは小五郎の知人の同心が捕まえて、涼次と一悶着……って話も作れそうですね。とにかく、如月は使い勝手の良さそうなキャラと思っているので、今後の扱いにも期待したい、と思っています。

渡辺小五郎の憤慨

 今回の小五郎は、人間味を見せましたね。まあ、「涼次への八つ当たり」と批判されても仕方ない描かれようでしたが。少なくとも、あまり感情を動かされない諦淡ぶり、よりは評価できます。
 犠牲者は、「真面目で活動的な若手同心・安川」。同じような性格のレギュラー同心・大河原が最初に動きすぎてミスって、行動を抑えられているため、代わりに動き始めて……悲劇に見舞われた、と。
 それに対して、小五郎は適度に距離を置きつつも、好意的に接している。この距離のとり方が微妙で、「事件の調査にはタッチしていないので、安川の身に危険が迫っていることを知悉できない」「ただ、一生懸命、でも空回りしがちで一途な後輩を、ちょっと気遣う程度」。あまり深入りはしていないんですね。


 それなのに、なぜ、あそこまで憤ったのか? 
 安川への共感もあるのでしょうが、それ以上に、「実は暗闇奉行と呼ばれ悪事を行っていた同心・杉内の裏切り」に対する怒りの方が大きかったのでしょう。
 この場合、「裏で何をしているか分からない杉内」について、小五郎と主水が話している場面で、2人の同心仕事人がお互いに「あなたみたいな人」と評価しています。
 つまりは、主水も、小五郎も、暗闇奉行の杉内も、法と正義を守るべき同心でありながら、裏で人殺しを行う悪人(クソ役人)であることには変わりない。そのことは分かっているけれど、涼次に指摘されると憤慨してしまうわけで。
 それでも、「真面目で一途な安川」だけはクソ役人ではなかった、と主張するのが、小五郎にできる唯一の弁護。これはある意味、「自分はクソ役人の一人かも知れないが、少なくともクソ役人でない真面目な男を殺害できるほど、性根は腐っていない」という、少々歪んだ自己弁護なのかもしれません。


 ただ、残念なのは、そうして見せた怒りを、クライマックスの活劇で示せなかったこと。
 最後のVS杉内戦で、小五郎が正面から、相手の投げる小刀を刀で弾き返したりして、怒りと強さを証明していれば、NOVAは小五郎を見直していたことでしょう。
 でも、「相手の小刀を奉行所ですり替えていた」という姑息な手腕をもってして、結局、無抵抗なまま、杉内を斬ってしまった点で、物足りなさを感じた次第。
 ここは、やはり、一撃必殺ではなく、「一太刀浴びせて一供養、二太刀浴びせて二供養」ぐらいに、いつもと違う小五郎の怒りを示して欲しかったな、と*2

同心のさぼりっぷり

 さて、この怒りを示した小五郎でしたが、別の意味の情熱も、今回は示しました。
 「同僚のミスをかばって、書庫番での謹慎を名乗り出る小五郎」。何で、そこまで積極的にさぼろうとする? 


 同じクソ役人でも、主水のさぼり方は違っていました。事務仕事に手を抜きつつ、積極的に外で歩き回って、「袖の下」(わいろ)を受け取ることを楽しんでいた節がある。どちらかと言うと、アウトドア派のさぼり(笑)。今でいうなら、「営業と称して、外で時間をつぶす」タイプですな。
 小五郎の場合は、外回りそのものをいやがり、ともすれば芝居見物に入ろうとする。同僚からは仕方ない奴と思われがちですが、意外と上司から怒られている場面は、主水ほどじゃない。もしかすると、事務仕事はそれほどできない人ではないのかな? 
 本作では、書庫番という閑職が、サボリたがりの同心には理想として描かれています。でも、そんな「自分のペースでひたすら事務仕事を行う」という刺激のない仕事は、NOVAのようなインドア派には結構嬉しいと思いますが、小五郎もそのタイプ?*3


 さて、エンディング後の、渡辺家コント。
 初期設定では、「渡辺家は、中村家と違って、婿殿に対して過保護に振る舞っており、そのため小五郎は食傷している」というはずでした。これは、あくまで中村家との対比で出された設定です。
 しかし、現在、中村家はレギュラーとして描かれることはなく、対比の必要がなくなってきています。そこで、「過保護」設定がだんだん変わってきつつあるなあ、と。
 前回の「男色騒動」に続いて、今回は「安川さんみたいに動き回って死んでも、まだまだ代わりがいる」と姑さんに言われて、渋い顔をする小五郎で終わり。このまま、回が進むにつれて、どんどん扱いが悪くなりそうな婿殿2世の顛末を楽しみにしたい、と思います。

昔の主水さん

 精力的に動く安川さんを評して曰く、

主水「まるで昔の私みたいだ」
小五郎「うそだ〜(笑)」
主水「はい」
小五郎「……」


 この問答に大爆笑。
 主水は「昔の私みたい」と言っていましたが、確かに、NOVAも前回、

 若き日の主水が持っていて、くすぶり続けた理想主義な情熱家の面は大河原に受け継がれ

 と書いております。ある意味、安川や大河原は主水の「くすぶらなかった若き日の理想像」と言えるかもしれません。つまり「年寄りが美化した若き日の自分」。
 それを聞いて、「うそだ〜(笑)」と返す小五郎も、世間知のない子供みたいな反応ですが、そういう失礼に対しても、あっさり「はい」の一言で切り返す主水が、いかにも達観した好々爺という感じで見事。こういうトボケた、でも食えないところのある応対は、他の人にはなかなか出せない味わいやな、と。

他の面々

 お菊は、相変わらず問題ありませんね。
 今回は、直接の仕事の頼み人となる「入船屋の嘉助」とのやり取りで、裏世界に顔が広い様子が描かれていました。
 仕事料が十両という大金なのも、旗本を含む今回の仕事では、比較的相場が分かっていると言えましょう*4


 源太は相変わらず、主役回以外では出番が少なめでしたが、一応、犠牲者の知り合いという点は描かれ、脚本上ではフォローされていたみたいですね。
 仕事料の受け渡しの場面で、一言ぐらいセリフが欲しかったですが、小五郎と涼次のやりとりを際立たせるために割愛されるのは、演出意図として納得です。


 そして涼次。
 一番動き回って、情報を集めてくるキャラと言えますね。屋根裏に忍び込む諜報技能を持つわけですから、非常に便利に使えます。しかも遊び人なわけですから、かつての「秀と勇次の情報収集力を兼ね備えたキャラ」として無敵です。その分、源太の役割がかすむわけですが。
 暗闇奉行の正体を見定め、安川の最期を見届けるという殊勲の活躍を示しますが、小五郎から「どうして助けなかったんだ!」と心ない八つ当たりを受けてしまいます。
 う〜ん、これが源太のような「裏稼業初心者」なら感情任せの暴言を吐いても許される、と思うのですが、小五郎の場合、「裏稼業のキャリア」がまだよく分かりません。この話を見るまでは、年相応に「源太<涼次<小五郎<主水」と思っていたのですが、もしかすると「小五郎<涼次」なのかもしれません。
 少なくとも、裏稼業のキャリアを積んでいる人間なら、「善意で人を助けて、自分の身を危険にさらす」=「仲間にも迷惑をかける」ので禁じ手、と判断することでしょう。主水が他の仲間に「どうして助けなかったんだ!」という場面は想像できません。若き日の秀や、順之助が主水に言う場面はあったとしても*5


 ともあれ、「涼次VS小五郎」のギスギスした関係が、しばらく続くと、ドラマとしては面白くなりそうですが、理想は「性格は気に入らねえが、腕前は信頼でき、殺しの場面では見事な連携を示す」ことですね。
 どうも、現状では、小五郎の腕前が「姑息な演出」に頼りすぎて、見えてこないので、どうしても涼次に及ばない、と思ってしまうのですが。

想い出の糸車……は延期

 ええと、涼次主役回で書こうと思っていたBGMですが……自分、今まで表記を間違えていましたね。ええと、25年以上、「思い出の糸車」と思い込んでいましたが、今回、資料を読んでいる途中に長年の間違いに気付き、赤面した次第。
 まあ、そんな勘違いで動揺もしているので、この記事は当面延期です。代わって……。

必殺シリーズ・侍キャラの系譜1

 ええと、小五郎の姑息っぷりにプチ憤慨しているNOVAとしては、ここで「歴代の侍キャラ」について振り返りたくなったわけで。
 まあ、侍を中心に「刀で戦うキャラ」ってことですな。

西村左内

 元祖・仕掛人です。
 暗殺術の達人・藤枝梅安をサポートする、チャンバラ戦闘役の浪人です。もう、典型的な侍キャラですが、「辻斬りが趣味」という、それまでの時代劇の主人公には成り得なかった病的な内面も持ち合わせています。仕掛人として悪人退治にスカウトされることで初めて、「世のため人のため」という恥じない生き方を送れるようになった人物。
 この人の最大の特徴は、「仕掛人・西村左内」と名乗ること。侍の流儀をきちんと守っていますな。


 ん? (ちょっと何かを思い出した。過去記事確認)

 ラストで「名乗りを上げてのチャンバラ」になるのは、かつての西村左内を思い出させました。ちょっと、仕事人では違和感を覚えたりも。
 同心だったら、「その立場を活かしてのだまし討ち」ってのを期待するのは、やはり主水のイメージが残っていますからねえ。
 主水との違いを演出したいのか、それとも嫁姑などの共通部分を演出したいのか、方向性がまだ完全に定まっていないキャラと思えたり。

 ええと、これ、仕事人2007のときに書いた「渡辺小五郎」の感想です。
 うわ、ちゃんと「名乗りを上げてのチャンバラ」やってましたよ。いや、厳密には「名乗りを上げた後、相手が抜いた刀を利用しながらの腹突き刺し、次いで切腹に偽装」ですが*6
 その時は、きちんと「仕事人・渡辺小五郎」と名乗っていたんですね。


 で、それを「違和感を覚える」と言っているNOVAがいるよ(爆)。
 2年でずいぶん、考えが変わったなあ。
 ……ええと、今の小五郎さんは、2年前にNOVAが期待した「同心の立場を活かしてのだまし討ち」を実践しているのに、どうして、ここで姑息と批判されているんでしょうねえ(^^;)。


 ちょっと、自分が批評する上でのアイデンティティーを見失ってしまった気分なので、この話はここまでにしておきます。
 気持ちの整理ができたら、続きを書いてみるってことで。

*1:いや、それを上手く扱えれば、「絶えず緊張感の抜けない刺激的なシリーズ」として傑作になる可能性もあったけれど。レギュラー放送では、そうした刺激よりも、日常的安定感の方が求められるのかもしれない。まあ、それって、前期必殺の緊張感と、後期必殺の安定感の差ですが。

*2:まあ、ドラマ的な怒りを殺陣で描ききれずに不満があったのは、後期の主水にも見られたけど。「あの野郎、叩き斬ってやる!」と発言した回の殺しで、主水がいつもの不意討ち突き殺ししか見せなかったのは、少し興醒めだったり。

*3:まあ、主水さんの場合は、年をとって歩くのが億劫になったから、と言えるのですが、小五郎の場合は……若年寄りなのか、この人は。

*4:厳密にはそれでも少ないと言えますが、今までが一両にも満たないデフレっぷりでしたから、まだ、まともな額になったかな、と。

*5:そして、「この稼業で、そんなことを言っていたら、命がいくつあっても足りねえんだ」と、殴られたり、諌められたりする。

*6:チャンバラではないけど、2007を見た際は「名乗り」の印象が強くて、小五郎を正統派剣士と誤解して、そういう記述になった。また、最近の小五郎は「不意討ちでの斬劇一閃」スタイルが多く、当記事でも最初、そう書いたけど、よくよく記憶をたどってみて再訂正。「2007では名乗り→相手の武器で突き」「2009スペシャルでは、だまし斬り」「1話は町人を正面から斬り捨て」「2話は、刀の検分に見せかけて、だまし斬り」「3話も背後から不意打ち斬り」「4話も、相手の得意武器を封じての奇襲斬り」……う〜ん、相手とまともに剣を交えたことがないんだなあ、この人。