ええと、先日「仕事人2013」を見てから、「2012」の感想まとめ記事を書いてなかったことに、ようやく気付く。
いや、ツイッターでつぶやいて、そのツイッター分の再録記事にコメントもらって、それにレス返ししただけで、何だか記事を書いた気になってました。
ただ、後から当時の感想をチェックする際に、「時代劇」「必殺」のカテゴリーで拾えないのは不便なので、改めて記事化しようと思った次第。
まあ、「2012」の放送日は2月19日なので、ちょうど1周年でタイムリーか、と。
なお、この2月19日は、海賊戦隊の最終回でもありました。
いろいろ自分の中で盛り上がっていた日だったのですが、「2012」の放送で少ししぼんじゃった感。少し期待外れな話だったので、そういう気分で記事書きしてしまえば、折角の新生・仕事人の再開にも水を差すような気がして、自分の中の想いを持て余した記憶も。
素直に面白ければ「その気持ちを残したい」とも思えるのですが、そうでない場合、感情的に叩くよりは、少し距離を置いてから再考察した方がいいな、と。
でも、当時の生の気持ちも大事にはしたいので、ツイッター&コメントレスの再録と、それに対する追記でまとめたいと思います。
オープニングと、アバンタイトルの殺しが最高
オープニングナレーションとか、新しくなっていい感じ
うらごろしのおばさんこと、市原悦子さんのOPナレーション。
藤田まことさん亡き後の小五郎チームの再出発を飾ってくれました。「2013」にも引き続き採用されて、シリーズの継続感をかもし出してくれたり。
なお、ここに挙げておくと、
あの世の地獄とこの世の地獄
どちらも地獄にかわりなし
おやおやぁ、どっかで誰かが泣いてるかい
そうかい そうかい
そういう あんたにゃ他人事か言わぬが花とは申されど
ひとこと言わせていただきますあんたが見るか、おいらが見るか
誰かが地獄を見なけりゃ終われねえ善男善女にゃ無縁の話でございます
「2010」が藤田さんの追悼作であり、その後、1年半のブランクを経て、ついに復活した新生・仕事人。
ここで欲しいのは、今までのマンネリ的な継続ではなく、生まれ変わった感じ。それに市原さんのOPが大きく寄与したな、とリアルタイムで感じました。
殺しのテーマも、旧作流用だけど、使用テーマが変わった。
涼次は、仕事人5の出陣テーマ。まっしぐらの殺しのテーマとも言う。
匳は、仕置人のテーマ。
小五郎は、仕業人のバラード曲。橋掛人・柳次の使ったものとは、バージョン違い。
アバンの殺し以外の本編でもおなじくみあわせかな
クライマックスでも、同じ組み合わせかな。
クライマックスの殺しのシーンだけでなく、スペシャルらしく最初に殺しのシーンを見せて、気を惹き付けてくれます。
で、このシーンが、これまでと違うBGMを使ってくれて、いかにも生まれ変わったって感じでした。
涼次の定番の曲は、「想い出の糸車アレンジ」ですが、これは歌い手の「飾り職の秀」を象徴する曲。
そして、ここで使われたのは、秀主演の「まっしぐら使用のアクション曲」なんで、秀つながりと言えなくもないのですが、実際には秀のシーンはアクション曲ではなく「新・仕置人の哀しみのテーマ」だったので、微妙に噛み合ってない?
まあ、秀の軽快なアクションには、バラードは似合わない、と、まっしぐら当時から思ってたんですけどね。むしろ、彼の歌う主題歌「ゆれる……瞳」をアレンジするなり、インストゥルメンタルにして盛り上げる演出の方が良かったな、と思ってたのですが、当時は「主役はバラードで湿っぽく締める」って演出が定着していたので、それが似合わない秀にまで押し付けられた感が。
……って、「2012」の懐古のはずなのに、「1986年のまっしぐら」まで頭の中が戻ってしまったぞ。
元に戻して、
匳の定番は「新・仕置人の出陣テーマ」ですが(イントロだけ微妙に追加してるけど)、ここで「仕置人の殺しのテーマ」を持ってくる辺り、匳というキャラには、坊主頭の仕置人・念仏の鉄のイメージがあるな、と。
そして、小五郎の定番テーマは「仕掛人の主題歌」……のイントロ。
ええと、彼は基本的におなじみのトランペット、パラパーのBGMが掛かった瞬間、あっさり相手を斬り殺しがちなので、イントロだけしか使われなく、しかも殺した後、余韻もなく主題歌の「鏡花水月」が流れるので、アクションのイメージが極端に少なかったなあ、と。
おかげで、2009放送の時はしばらく、「小五郎はどれぐらい強いのか」がはっきりしなかった。
まあ、回が進むにつれて、刀を抜く前の凄みを演出されるようになり、ラストでは大立ち回りを見せて、「実は無茶苦茶強かった」ということが明確化されたのですけど。
で、「2010」では、「中村主水の殺しのバラード」を受け継いだはいいものの、自分的には小五郎の個性は中村さんの代役ではないと考えていたので、彼独自のバラードが欲しいと思ってました。
だから、アバンで「橋掛人・柳次の使った、仕業人バラードのバージョン違い」を聞いた瞬間、「うん、これだこれ、素晴らしい演出だ」と内心、拍手喝采していたわけですな。
だけど、クライマックスでは、結局、定番曲に戻ってしまい、アバンで盛り上がった気分がしおしおと(;;)。
その時の感想がコメントレスにあって、
今回のSPは「新生」を期待して、序盤の変化におおっとなったのですが、クライマックスが「今までと同じ」にちょっとがっかり。
一応、小五郎が完全に中村さんを受け継いではいたのですけど、かえって違和感が。
せっかくの新生のチャンスだったのに、最初だけ、ちょっと変わったと見せて、結局元に戻したのを自分は評価しなかったわけですな。
何を受け継ぎ、何を変えるか、という点で、自分は「2012」という作品に満足できなかった。
でも、変わらないなら変わらないで、じっくり腰を据えて続けてくれるなら、とも思ってはおります。
それなりに楽しみつつ
黒船テーマだけで緊迫感を感じる
「暗闇仕留人」のオープニングBGMにして出陣曲。
このテーマが流れるだけで、必殺シリーズでは歴史的大事件が起こるような雰囲気を感じます。もう、「黒船このかた泣きの涙に捨てどころなく 江戸はひとしく針地獄のさま呈しおり候」ですよ。
だけど、本編のストーリーは、このBGMを使うほどの大事件とか、巨悪とかは出て来なかったな、と。
拾った娘でいい思いをしたことが一度もない涼次さん。
玉櫛と、如月と、歴史を感じる。
剛力彩芽演じるゲストヒロインのお春を見ながら、涼次のこれまでの女性キャラとの関わりを思い出します。
まあ、涼次はお春を助けながらも、こういう世間知らずなじゃじゃ馬娘と関わると、ろくな事がないという経験から、匳に押し付けます。
この辺は、2007〜2010に至る流れを見ていると、大いに納得ですな。
ついでに言えば、「2013」では珍しくゲストヒロインに肩入れする涼次ですが理由は明白で、「世間知らずなじゃじゃ馬娘」ではなく、「適度に世間知を備えながらも素朴で、料理ができ、兄を心配するけなげな娘」で、玉櫛や如月とは異なるから。
で、この後は、世間を知らないお春に匳が針仕事を教えながら、情が移る流れ。まあ、お春には好きな相手がいて、恋というよりも同情なんですが、こういう展開は、小五郎シリーズよりも、むしろ「人情ドラマとその後の悲劇→仇討ち」という展開の80年代必殺の流れ、ですな。
これはこれで悪くないのですが、問題はこの「人情ほろり」なキャラが匳だけで、彼の感情を仕事仲間が共有していないこと。つまり、匳だけが物語世界で違う立ち位置になってしまい、このギャップが最後まで埋まらないことですね。
まだ、「人情ほろり」な匳に対して、他のクールな大人連中が「あまり入れ込み過ぎるな」と釘を刺すなら、ドラマ的接点もあったのでしょうが、他の連中は他の連中で忙しく、
結局、匳は敵に捕まって、一人で窮地を切り抜ける羽目に。
チームがチームとして機能しない、このチグハグ感は、小五郎シリーズの特徴なんですが、「2013」でも匳の出番の少なさを見るにつけ、役者のスケジュールの噛み合わなさ、も原因にあるのかな。
この役者のスケジュールの都合でメンバーが揃わない作品の例として、『必殺からくり人』があったわけですが、そちらは擬似家族なチームで、顔をそろえなくても連絡がとれる(それだからこそ、急に連絡がとれなくなった時次郎の最期の話が盛り上がるんですけど)。
一方、小五郎チームは、匳の孤立っぷりが最近、目立ってきたなあ、と。
めざし好きな小五郎さん。相変わらず
小五郎の個性として、家では割と贅沢な料理を振る舞ってもらえるので(その点が中村家とは違う)、「安物のめざし」といった素朴な味を好む、というのがあります。
で、主水さんの焼いているめざしを、こっそりせしめて渋い顔をされる、という定番ギャグシーンがあったのですが、
こういう食べ物ネタ設定は多いにも関わらず、メンバーの付き合いがバラバラなので、ストーリー上の話題にしにくいという弊害はありました。
まあ、この「2012」では、涼次の作った「激辛ポテトチップス」がギャグネタとして、他のメンツを巻き込んで楽しめたわけですが。
食道楽の涼次だけど、その前衛的創作趣味は他のメンバーには理解されない、という設定が今後、定着かな。
この部分の感想コメントとしては、
まあ、2時間にした分、キャラの個性はきちんと描いてましたね。
前回の2010では、途中、江戸から出奔して出番が少なかった仕立て屋が、今回はメイン。この部分は悪くなかったと思いますが、ドラマのスケールは通常の1時間枠と大差なし。
経師屋は、初めて渡辺家に表から入ったり。こっそり入って、小五郎ににらまれたことはありましたが。次に登場するときは転職して、料理屋になってるかなあ。料理屋と言えば、からくり屋が店持っていましたけど、いまいち物語に活かせなかったですしね。
経師屋の涼次の仕事は、ふすまや障子に絵を描くこと。
で、2007での最初の殺し技は「毒を染み込ませた絵筆」で、「画竜点睛」が決めゼリフだったんだけど、彼の使う特殊な毒の入手ができなくなったために、2009時点でからくり屋・源太に、錐を仕込んだ長筆を作ってもらい、心臓突き刺しレントゲン殺しを行なうようになった。
つまり、涼次の殺し道具は源太の形見なわけですな。
ついでだから、源太の後を継いで小料理屋……という方向も期待はしてみたのですが、まだ実現せず。もっとも、料理ネタは2013でも健在で、ヒロインとの親睦を深めるきっかけにもなったり。
サスペンスフルな展開
バラバラの情報がつながる流れが面白い。
でも、今回、お菊が情報収集で活躍しない。いつもは、裏の世界に詳しいキャラなのに。
人脈から、ドラマに関わるうちに、自然と情報が入ってくるパターンですか。お菊さん
まあ、リアルタイムで見ていると、「バラバラな情報がつながる」ことを楽しんでおりますが、
「チームとしての事件解決ドラマ」を期待してみると、この2012では、それが上手く機能していないこと、この上ない、と。
理由は、メンバーの中にまとめ役がいないから。
一応、賭場が怪しい、ということで、小五郎が博徒に変装し、涼次と行動を共にするわけですが、
その際、顔見知りの高橋英樹(弥勒坊 燕斎)と会って誰何され、「奉行所同心の渡辺小五郎ではなく、双子の弟」としらばっくれます。これは、その後の伏線だったりもするのですが、この捜査活動のシーンは実質役に立っておらず、事件の顛末は緻密な捜査よりも、「偶然の人間関係」から発覚。
まあ、こういう流れは、小五郎シリーズよりも、むしろ80年代風味ですな。
なお、これが70年代だと、最初から悪党の正体が分かっていて、それをどうやって倒すか、とか、事件が大きくなって知人に犠牲者が出て初めて、裏稼業として動き出すパターン。つまり、70年代の敵は堂々と悪事を行なう権力者とか、ヤクザ者で、お上にも手を出せないパターン。元締めありきのチーム捜査型か、事件と怒りのエスカレーション爆発型に分類できるかな。
80年代になると、悪党がこっそり悪事を働いており、それを偶然知った一般人が仕事人の顔見知りで、死の間際に「晴らせぬ恨みを」と言って息を引き取るパターンが定着。まあ、主水さんが奉行所同心ということから、とりあえず表の仕事で解決しようとしながら、秀や加代に探らせるチーム捜査型の流れもあるのですが、大抵捜査が実らずに犠牲者が出てから悪党が判明するわけですが。
一方、小五郎シリーズは、倒される悪役の内面にスポットを当てた作風が増え、いい人だったのがいかに悪事を為すか、という逆転劇が多い印象。これは、調べて判明する形ではなく、次第に悪行が見えてくる、という形。すでに悪事が起こっている謎解き型ではなくて、悪党が誕生することで被害が取り返しの付かないレベルにエスカレートする流れで、70年代の元締め不在型の物語に近い。
でも2012は、小五郎シリーズの方向性ではなくて、80年代型のストーリー。その点で、自分が馴染んだストーリーの流れではあるのですが、キャラの言動が80年代の仲良しチームでなく、もっとドライな関係なので、メンバー間でも情報を共有する機会に乏しく、本来、それをすべき元締め役のお菊さんまでもが、弥勒坊関係の情報をメンバーに公開しないまま話が進む。
高橋さん、兄弟キャラで一人二役っぽいなあ。
これが本作最大の謎だった、と。
お菊さんの立場から見れば、「高橋英樹の演じる安倍川の新吉は悪い奴じゃない」はずで、おそらく改名したであろうと思しき「弥勒坊燕斎」も表面上は善人を装っていて、裏の仕事にするには事態がはっきりしない。
まあ、視聴者視点では、高橋英樹が悪役だという情報は明示されていますので、気持ちとしては、「いかに高橋との決着を盛り上げるか」に期待するわけですが。
その点では、悪役相手に心揺れるお菊姉さんが、元締め役としてはあまりに頼りなく映り、下手するとチーム崩壊劇になりそうな緊張感が演出されているわけで。こういう緊張感は、2013でも見られたわけですが、
結局のところ、お菊さんが心を揺らした高橋英樹は悪人ではなく、善悪双子の兄弟というオチで、話をまとめる。
この展開は、確かにサスペンスフルで面白かったけど、肝心のメインイベントである高橋英樹と小五郎の対決に期待する向きには、少々肩すかしにも感じたり。
単純に巨悪との対決ドラマとせず、変化球を仕掛けてみたものの、ストライクゾーンには入らない形だったな、と。
結論するに、「匳とゲストヒロインの人情劇」は80年代必殺の、「悪党の顔が見えないサスペンスフルな展開」は必殺というよりも2時間ものサスペンスドラマの感覚で、どちらも「捜査チームが気心の知れた仲間である」という前提があればこそ生きてくるストーリーだと考えます。
ただ、人情劇には小五郎と涼次が絡まず、サスペンスドラマとしては、その謎を追求する捜査のモチベーションがいまいち定まらず。
仮に、小五郎にとって、お菊が大事な女であり、それが昔の男である弥勒坊燕斎絡みで揺れている、という設定なら、小五郎のモチベーションも上がるんだろうけど(笑)。
小五郎「お菊、奴は危険だ。関わらない方がいい」
お菊「あら、妬いてるの?」
小五郎「ば、ばかを言うな。俺はただ、お前が裏稼業の本分を忘れて、奴に肩入れし過ぎやしないかと心配してだな」
お菊「お生憎さま。あの人が何を考えているか調べるのも、稼業のうち。今さら、昔のよしみに振り回されるほど初心じゃありませんよ」
小五郎「……だといいがな」
こういうハードボイルドタッチな男女のやりとりが展開できれば、とも思うんですけど、小五郎がそういう他人の感情に気を回すキャラじゃないですからね。
さらに言うなら、小五郎には妻がいて、お菊を含む他の女には淡白なのにも関わらず、燕斎にしても、2013の坐坊にしても、小五郎を恋敵と勘違いしているのか、やたらと「お菊に対する恋慕の情」を公言して、挑発してくるような描写なんですけどね。
これがまた、小五郎がルパン3世みたいな女好きで、お菊が峰不二子みたいな役どころなら、感情的に盛り上がるんだろうけど。
この辺は、お菊という大人の女絡みでサスペンスな展開をしようと試行錯誤している感じが否めません。
淡白な小五郎ではなく、涼次がライバル視されるなら、また話の盛り上がりようが違うのでしょうがね。
最後に
高橋英樹さんが、結局、巨敵って感じに見えなかったのも残念なところ。役柄としての存在感はもちろん高いんだけど、仕事人の前に立ちはだかる巨悪ではなかったな、と。
この点は、2013の里見さんで改善されたか、と。
下手に謎を含めてややこしくせず、悪役の堕ちる内面と、その強敵ぶりをしっかり描くことで、巨悪としての存在感を高めた、と。
まあ、普通に必殺だったけど、2時間ものにしては、ネタが薄い。
この場合の「普通に必殺」は、自分が馴染みある80年代風味ということ。
知人が殺され、その仇討ちに燃える展開は、普通に必殺。
でも、ネタが薄いと書いた理由は、弥勒坊燕斎の謎に尺を費やしすぎて、その割に大して効果を挙げていなかったこと。
「悪党の正体が双子で、一方は善人」と分かったからと言って、だから何? と。そのことで小五郎が相手との戦いを躊躇するようなキャラならいざ知らず。
おまけに、「善悪に分かれた双子の兄弟」という設定は、少年誌では御馴染みのもので、だったら、その双子の相克とか対立を明示しないといけないだろうに、ドラマ的に双子設定がうまく生かせなかったというか、空回りして、その部分がスカスカだったという印象ですな。
まあ、高橋英樹のネームバリュー以上のネタがなかったかと。
それでも、続編への布石となれば、意味はあったと。
次が半年後だったら、いいかな。
続編への布石とはなりましたが、次は1年後となりましたね。
ともあれ、「2013」を見たことで、改めて「2012」と対比でき、現在のキャラ設定とか、描きたい物語の傾向とかを分析・考察するための材料がそろったかな。
何せ、「2012」を見た段階では、その後の目指す方向性がよく分からなかったですから。
おまけ
ギャグパートはもっぱら涼次の料理ネタに費やされたのが今回。
殺しのシーンまで、涼次はギャグ担当。ついでに、あのシーン、足フェチ的には映像美として楽しめました(笑)。眼福眼福。
もう、殺しのシーンといい、日常ギャグといい、涼次絡みが自分のツボにハマッてますな。
小五郎が中村主水後継者から、その後、大物時代劇役者との対決まで含めて、どこか「必殺シリーズの大看板をしょって立つキャラ」として、試行錯誤を試みつつも、型にはめられて飛躍しきれない感じなのに対して、
涼次は順調にキャラとして育っていると思います。クールだけど、クールに徹しきれない2枚目半な兄貴分キャラとして、いろいろと遊ばれやすい。
2時間ものですと、どうしても劇場版的な「仕事人大暴れ」的な大活劇クライマックスを期待したくなるんですね。
「20△△シリーズ」(勝手に命名)の過去作をちょっと総括してみますと、・2007:からくり屋参入が目玉。涼次は、玉櫛とのドラマが気になり、続きが楽しみでした。新生必殺という意味でも、大期待。
・2009:こちらはテレビシリーズにつながるという意味で、期待大でしたが、残念なのは「玉櫛の死」ですね。2007で「流しの仕事人を目指す抜け忍女性キャラ」という美味しい要素を提示したのに、あっさり殺すなよ、と。
その分、彼女の妹の「如月」にも期待したんですが、最終話を除けば、いまいち有効に使えなかった感。・2010:もう、これは「故・中村主水に捧ぐ」というトピックだけで、大きいですね。助っ人仕事人「カルタの力」も、何だかスペシャルっぽくていい感じでしたし。
惜しいのは、「如月」退場になってしまったこと。涼次の正体を知って、さあ、これからどう関係が発展する? と思いきや、終わってしまったのがいろいろ残念。・2012:で、今作ですが、「如月」は涼次よりも、仕立て屋とのコンビの方がドラマ的に上手く使えるのでは? と、2009放送当時、思っておりました。
で、今回のゲストヒロインのキャラ性が、如月を彷彿とさせるものだったんですが、あえなく死亡。どうも寺田脚本は、女性キャラに冷たいというか、使い捨て傾向が強くて残念です。個人的には、そろそろ「殺しを担当する萌える女仕事人」が欲しいなあ、と思いつつ。
ええと、過去作品の一押しは、新からくり人の小駒さんになりますか。劇場版4の相楽ハル子も、独楽使いとして好みだけど。
次の作品では、「流しの仕事人」は女性キャラ希望。
いや、男女のペアでもいいですけどね。
で、女の方が殺されて、男が復讐のために小五郎たちと手を組む展開なら、寺田脚本にも向いているかも。
まあ、男だと思いきや女だったとか、でもいいですけどね。
とにかく、単に殺されるゲストヒロインでなく、お菊姉さんとは異なる立ち位置の女仕事人が欲しいです。