「謎の生徒消失事件」がなおも進行中。
今回の犠牲者は、甲賀忍者の長瀬楓。「駆け抜ける疾風の青」のバカブルーでもあります。これで、バカレンジャーのメンツは、イエローの古菲と、ピンクのまき絵も消えていますから、残りはレッドの明日菜と、ブラックの夕映だけですな。
ひそかに、大ピンチのバカレンジャーだったりします。
また、チーム5人が集結した勇姿が見られるのでしょうか?
って、別にこの回はバカレンジャー話だったわけではありませんし。
まじめにストーリーを解析してみましょう。
生徒消失事件の新事実
少しずつ新しい状況を示すことで、ジワジワと異変が忍び寄っている不安感を募らせてきた、これまでの演出なんですが、
今回の物語で、「生徒の消失は、残された者の記憶や、記録にも及ぶ」ことが判明しました。「消失に気付かない」のではなく、「最初から存在しない」ことにされてしまうのです。すなわち、「ドラえもんの独裁スイッチ」状態に近いわけですな。
散歩部所属の鳴滝風香&史香姉妹が、仲良しだった長瀬楓のことを忘れてしまい、「自分たちが何で哀しんでいるのか分からない」姿は、かなり怖くて悲しいものがあります。
「記憶」については、とりわけ最近、「電王」という作品で描かれていただけに、「忘れてしまうことの悲しさ」はダイレクトに伝わってきます。
また、生徒を守ることに使命と責任を感じているネギ先生ですら、その守るべき生徒の存在すら忘れてしまうのでは……物語を外から見ている視聴者としては、この後の展開が非常に気になるところです。
さらに、「生徒の消失」については、二重構造になっていることが今回、判明しました。
ネギ先生のクラスにとっては、自分たちだけが学園に閉じ込められ、他のクラスや学園関係者の姿が見えない状況なんですが、
校長先生その他の先生にとっては、ネギ先生のクラスだけが行方不明になってしまったという状況が提示されたわけです。
すなわち、(おそらく)通常世界にいる校長先生たちからは、「ネギ先生クラス全体」が行方不明になり、さらに、そのネギ先生クラスの中で、記憶や記録からも抹消されてしまう生徒が続出している。
今回の放送で、それが学園にある世界樹に関係していることが分かりましたが、果たして*1。
サン・ポ・テクテク
さて、今回の物語は、メインキャラクター的に第7話の続編と考えると、より深く味わえそうです。
その7話の感想はこちらなんですが、放送直後は
- 「何だか幻想的でノスタルジックな雰囲気」
- 「正直、盛り上がりに欠ける、訳の分からない内容」
- 「静かで叙情的な雰囲気を味わう話」
などと、分かったような、分からないような感想を書いております。いや、正直、分かっていなかったんですけどね(苦笑)。
ただ、今回の話と照らし合わせると、いろいろ見えてくる話だったわけで。
7話は、散歩部の仲良し3人組が「捨てられたり忘れ去られた品物の声(ものごころ)を感じ取って、拾い集めていく話」です。
そして、最後に、「いつまでも3人で仲良く楽しめればいいのに、いつか別れの時は来るもの」という寂しさで幕を閉じます。
この「忘れ去られたものごころ」と「別れ」という2つのキーワードは、7話を見た時点ではノスタルジーという雰囲気以外、うまくつながってこなかったのですが、19話において「別れて哀しむべき相手の存在さえ忘れてしまう」という悲劇でつながったわけですね。
ただ、まだ終わったような気はしません。
7話で仕込まれた伏線が、19話できちんと明示されたその後、最終的に「昇華する」段階にはまだ至っていません。
こういう流れだと、鳴滝姉妹が、「忘れられた生徒たちの声を、ものごころとして感じ取り、事件解決のための一助とする」ところまでつなげてくれれば、物語的に美しくまとめることができる、と思うんですけどね。
果てさて。