遅ればせながら、期待していた時代劇の感想をば。
仕事人2007
視聴前は、かつての「必殺スペシャル」のような「派手なお祭り劇」になるかと思っていたんですが、意外と地味な仕上がりだった、と思います。
全体としては、新たな仕事人の紹介編になっていて、このまま「第1話」にしてもいい*1。
ただ、単に紹介編にしては、2時間は長すぎかなあ、とも。悪人の描き方もステロタイプ的で、凄みを感じられなかったし。
あと、キャラクター一人一人のドラマに終始しすぎて、「新チーム結成の絡み」の部分が薄味だった気もします。絡みが少ない=出演者のスケジュール調整が上手く行っていない? なんて勘繰りもしちゃいますので。
音楽は、旧作からの使い回しがほとんどで*2、新曲はごく一部だけ。
殺しの場面で、「新・仕事人の『思い出の糸車』」や、「激闘編製作時に作られたけれども、使用回数の限られていた『旅愁アクションバージョン』」が選曲されていたのは、なかなかマニアックやのう、と思いました。さすがに、いつもの『荒野の果てに』だけじゃマンネリ感がつきまとうので。
渡辺小五郎
中村主水の後継者を期待される同心キャラ。
ただ、ラストで「名乗りを上げてのチャンバラ」になるのは、かつての西村左内を思い出させました。ちょっと、仕事人では違和感を覚えたりも。
同心だったら、「その立場を活かしてのだまし討ち」ってのを期待するのは、やはり主水のイメージが残っていますからねえ。
主水との違いを演出したいのか、それとも嫁姑などの共通部分を演出したいのか、方向性がまだ完全に定まっていないキャラと思えたり。
経師屋の涼次
表の職業は絵師。
元は伊賀の忍で、針の先から劇薬を垂らしたり、突き刺したりして殺します。劇薬の描写がどうなるか、と思っていたのですが、「紙で覆って、描かれた絵の一点が赤く染まる」という演出は悪くない*3。
まあ、最初に見たときは、「劇薬とか毒関係はどうもなあ」とか「針を使うなら、普通に突き刺すだけでいいのでは?」とか思いましたが、まあ無駄に凝った演出は必殺風味ってことでOK。
グルメという設定は藤枝梅安ゆずりで、いろいろ過去の仕事師を組み合わせた設定は、いろいろキャラ立ちしているなあ、と。
同じ抜け忍である娘「玉櫛」との因縁とか、今後の展開も楽しみにしたいです。
からくり屋 源太
表の職業は、からくり職人。
今回の物語で、愛していた女性を悪人に殺され、仕事人の世界に足を踏み入れる。
ドラマの上では主役格なんだけど、他のキャラの描写に力が入りすぎたせいか、いまいち地味に思えました。
殺し技は、からくり人形で相手をおびき寄せて、懐に仕込んだヘビ人形を飛び出させて、相手の首をかみ切る。技としては、一回しか使わず、意外と地味に思えたりも。
まあ、こういう殺しの演出は、回を重ねることで洗練されていくものなので*4、続編があるなら期待できるかなあ、と。
ともあれ、スペシャル版らしく派手な物を期待していたら、思っていたよりも、地味で堅実すぎる仕上がり。
ただ、ドラマ的に続編を作ろうという意識には満ちているので、それには期待したいところ。
おまけ「風車の弥七」
ついでに、最近の水戸黄門感想も、この機会に。
期待していた新生「風車の弥七」ですが、鬼若の壮絶な最期(?)に比して、地味な見せ方に終始しています。
まあ、弥七のキャラは元々、派手に振る舞うキャラではないのですが、初登場話ぐらい、もっと盛り立ててもいいのでは、と思っておりました。
とはいえ、スタッフの製作意図が、「派手に登場する」のではなく、「地味に描いて違和感なく定着させる」ことを目指しているなら、それはそれで成功だと思います。
個人的には、鬼若がいなくなった後の、アキちゃんがどう描かれるかを気にしてましたが、くノ一の先輩のお娟姉さん(由美かおる)の助手として定着してますね。
時々見せるくノ一ルックと、紐を使った(サポート的)アクションに萌えつつ。毎回は見せてくれない分、レアさを感じますね。