この連載を始めてからか、どうなのか、ますます出番の増える一平さんの活躍を喜びつつ、次が最後なので一抹の不安を覚えるNOVAです。
でも、今回語る「必殺仕事人V」は特撮ファンにとっては、黄金作品と言えるでしょう。何せ、新キャラの政と竜が、どちらも特撮ゆかりの方ですから*1。
恨みの夜の稲妻に、姿が浮かぶ仕事人(必殺仕事人V)
幼な娘に殺しの現場を見られた秀が、夕日の海に消えてから3ヶ月。
中村主水は時空を越えて、西郷輝彦演じる次郎衛門*2と共に、ネイティブアメリカンの恨みを晴らすため、第七騎兵隊のカスター将軍と戦います*3。
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その際に初めて、一緒に仕事をした仲間の一人が、花屋の政(村上弘明)。
かつては、空を飛ぶ改造人間として、ネオショッカーと戦った男です。
その飛行能力は、同時期に作られた劇場版「必殺! ブラウン館の怪物たち」でもハンググライダーに乗って披露、敵のアジトに格好良く潜入します。
今はもう、時代劇役者として、大物になっていますなあ。
政の悪癖は、殺しに赴くたびに走りながら、道に生えている花の木枝をバキッと折っていくこと。当時は、「花屋のくせに自然破壊かよ」と変なツッコミを入れていましたが、考えてみれば、時代劇で自然破壊って概念を持ち出すあたり、NOVAも物事の道理と、ツッコミ方の分かっていない若僧でした(爆)。
ともあれ、枝の尖った切っ先で、相手の首を突き刺します。秀の亜流なんですが、よく比べてみると、秀ほどの身軽さ、ジャンプ力はなさそうで、あまり屋根の上を渡り歩いたりはしないようです。
哀しみ色の…
「心に傷を、隠し持ってる、あなたに足りないものは、愛ね♪」
ということで、もう一人の新たな仲間が、挿入歌も歌っている京本政樹演じる組紐屋の竜。
実はヒーローオタクで、その後、仮面ライダーシリーズにも、ウルトラマンシリーズにも出しゃばって応援に現われるとは、この当時は思いもしませんでした。でも、戦隊には出ていないようですね。
主演作はこちら(でも画像がない)。
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仕切人になった勇次の代わりに、組紐を使った絞殺を担当します。組紐の先には鈴が付いていて、首を絞めながらチリンチリン鳴るのが、おしゃれ。いや、おしゃれという言葉で表すなら、やはり彼の派手派手しい仕事装束。前任者の勇次も派手でしたが、竜の場合、衣装が光を反射して光ります。光と音を隠そうともしない暗殺者が、まかり通っていた時代だったんですなあ。
さらに、竜の凄いのは、これだけ派手なのに、仕事人になる前は「忍者」だったという設定。全然、忍んでいないのに忍者とは。しかも、組紐で吊り下げた相手をブンと振り回して壁面に叩き付けたり、屋根の上からグイっと引っ張って瓦ごと突き破らせたり、実は怪力キャラ。まあ、前任者の勇次も、片手で人を吊り下げるくらい怪力だったわけですから、人は見かけに寄らないってことで。
そして順之助
ひかる一平スペシャルと言いながら、話がなかなか本題に入らずに来たわけですが、
昔からの主水の仲間で唯一残った男。それが、今回の順之助です。
相変わらず、オカマの玉助に狙われていますが、今回は心強い味方もいます。それは、彼の許婚のお新。玉助が順之助に迫ると、対抗意識を燃やして、玉助を追い払い、自らも甘い声を出して迫り、奥手の順之助は慌てて逃げ出す、というルーチンギャグが毎回、行われます。
この「お新」を演じる灘陽子、今、何をしているのかな? と思って、調べてみたら、実は森口瑤子の旧名だと、今初めて知りました。今でも、いろんなドラマに助演女優として出演しています。
で、コメディシーンは置いておき、殺しの場面ですが、
相変わらず、投石器を使っての補佐役です。
ただし、今回はオプション装備として、IIIで使ったエレキテルを応用し、電磁石を自ら製作。これによって、相手の刀を奪い取ったり、金属の小物を引き寄せたり、芸域が広がったわけで。
しかし、NOVAにとって、電磁石……と言えば、思い出すのは、やはり「電気マグネット」という技を持つ仮面ライダーストロンガー。この機会に、まとめてアップしておきます。
ラスボス・ジュニア様
必殺仕事人Vの最後の敵といえば、実は遠藤憲一、すなわちジュニア様。将軍家お世継ぎ・徳川宗孝という役名で、やはり「権力者の息子の悪党」ということで、ジュニア様に通じるものがあるわけですね。
なお、同時期放送されていた「影の軍団IV」の第1話にも、遠藤さんは出ていたらしく、なかなか侮れないなあ、と。
特撮ファンにとっては、とりあえずレギュラー悪役を演じたカクレンジャーが最初に出てきて、その前に「エクシードラフト」や「ジャンパーソン」でのゲスト出演が挙げられるのですが、実は俳優養成所時代に「バトルフィーバーJ」の32話に出演したのがTVの初仕事になるそうだ。
思っていたよりも、特撮に縁深い人だったんですねえ。
劇場版での活躍
さて、劇場版第1作では仕事から外された順之助ですが、第2作の「必殺! ブラウン館の怪物たち」では、最高の活躍をします。
倒すべき敵ブラウンの館は、周囲を電流の流れる鉄条網で囲まれ、容易に侵入できません。そこで、エンジニア役の順之助が飛行アイテムを製作。
一つは、政さん用のハンググライダー。もう、これを見た瞬間、「飛べ飛べ、高く、空を行け♪ セーリング・ジャンプ(オ、オー)!」と歌いたくなったぐらいです。
もう一つは、自分の背中に装着したロケットブースター! こちらは「胸躍るロケット変身♪」と、今、歌いたくなりました(笑)。
そんなわけで、本来、ライオン丸のおまけだった、この記事としてのオチもついたところで、今宵はこれまでにしとうございます*4。