Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

マックス・バルタン星人論3

 タイトルは、某ドイツ軍人のセリフから拝借しましたが。

 ……ということで、延々と過去にさかのぼった挙句、ようやく、本題のダークバルタンに移ります。
 で、このダークバルタン、これまでの宇宙忍者ではなく、「超科学星人」の異名を持ちます。これまでは、なんだかよく分からない特殊能力として、分身その他の術を使っていたのが、今回は「超科学」です。「スーパー・サイエンス」すなわちSSです。ナチス親衛隊ではないので、念のため(いや、最初にいきなりシュトロハイム少佐を出してしまうとねえ^^;)。
 スーパー・サイエンスと言えば、「ジャンパーソン」の敵組織の名も思い出すのですが、そうやって次々脱線していくと、一向に話が進まないので、これぐらいにして。

超科学星人の慢心と孤立

 ダークバルタンは、やたらと「自分の優れた科学力」を誇示します。
 また、人類の宇宙進出が宇宙の平和を乱す愚かな行為であることを警告し、自分は「愚かな行為を止めさせるために来た」のだと、自己正当化の弁をまくし立てます。
 ……でも、やっていることはただの破壊活動(苦笑)。
 彼の言明がただの欺瞞であり、その実体がただのエゴイズム丸出しの侵略者であることは、同じ星から来たタイニーが証言しています。

 異星人の中には、地球人にとって友好的な「善玉」と、侵略的な「悪玉」がいることは、SF界では周知の事実ですが、一つの種族の中で善悪に分かれることは割と珍しいです。ウルトラでは、セブンのキュラソ星人(地球に来たのは犯罪者の一人に過ぎない)や、新マンのミステラー星人(非好戦的な元戦闘エースの善玉が地球に亡命)などが、思いつくところ。この場合、種族全体の主流派は友好的(あるいは侵略的)だが、一部の少数派が逆の立場をとっている、と。
 しかし、今回のバルタンはどうなんでしょう? 主流派に属するのはダーク? それともタイニー? 
 最初は、タイニーが善良な少数派で、ダークが主流派と考えていたんですが、ラストでダテ博士(元イデ隊員)の発明で正体を明かされて見ると、何だかダークの方が「過激な少数派」に見えてきます。だって、侵略にやってきたのは、たった一人……。

一応強敵

 それでも、このダークバルタン、たった一人でも得意の超科学を活かして、防衛チームのDASHと、ウルトラマンマックスを翻弄します。
 DASHに対しては詭弁をまくし立てての弁舌で心理攻撃を行いつつ、基地内を無重力空間にすることで物理的にも抵抗不能に追いやります。
 ウルトラマンマックスに対しては、活動時間の短さを利用してエネルギーを浪費させ、変身を解除させた挙句、元に戻ったカイト隊員を瓦礫の下に埋めて抵抗不能状態にします。そして、次回に続くわけで……1話完結が基本のマックスで、ピンチのまま続くのは初期のレッドキング戦と、今回のバルタン、そして(おそらく)最終決戦の3回だけ。それだけ、ダークバルタンの強さが図れる、というものです(でも、マックス最強怪獣は「イフ」というのが通説ですが)。

そして逆転負け

 この後は、タイニーと子供たちによるマックス復活作戦と、
 「コバのグルーミングによるエリー正常化」→「エリーによる基地内重力異常の修復」と段取りを踏んだDASH復活作戦を経ての逆転劇。
 ダークバルタンは、マックスと人類の反撃に際して、なおも自分の科学力を誇示して、さらなる巨大化を示します。で、マックスも負けまいと超巨大化。
 それに対し、ダークバルタンは、バルタンらしく分身の術を見せます。で、マックスも「目には目を」とばかりに分身を披露。もう、画面中が大混乱状態(爆)。
 ただ、まあ、バルタンに張り合っているマックスも、時間制限のある分、不利な状態は変わらないわけで……その状況を変えたのが、タイニーの持ってきた魔法アイテム「平和の鐘」と、ダテ博士の発明した「汝の正体見たり! 外道照身霊波光線」モドキです。その相乗作用で、ダークバルタンは戦意喪失した挙句、「ばれたか〜」となぜか、地球人の姿に戻ってしまうわけです。そして事件解決、めでたしめでたし。

残された謎

 ここで問題。
 バルタンのあの「昆虫然とした異星人の姿」は実体ではなかったのでしょうか? ただのまやかしだったのでしょうか? それを考えると、バルタンの超科学って、もしかして集団幻覚作用を引き起こす物ではなかったのでしょうか?
 分からないことだらけで、ツッコミどころが多そうなストーリーですが、分かっていることはただ一つ。
 ダークバルタンも、タイニーバルタンも共に人騒がせな存在で、視聴者はそれを見ながら、あれこれ考えつつも楽しめたこと。
 ともあれ、バルタンの生みの親の飯島監督に感謝しつつ。


PS:全ては幻想とするなら、その影に「幻影宇宙人シャマー星人」の陰謀があったのでは? とも深読みしつつ。


PS2:バルタンらしい特殊能力。すなわち、「重力操作」「スペルゲン反射鏡」「分身」などをきちんと映像化してくれたのは、さすがと納得。
 バルタンの正体が、「ぼくらと変わらない人間である」という強烈なオチも……何となく納得。自分の侵略行為の是非を棚に上げて、「侵略される方にも問題がある」と都合の良い自己正当化の弁だけ延々とまくし立てる人は、時々、お見かけしますから。