Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

「モンスターの逆襲」攻略10(完結編)

ついに最終回だ

 

晶華「長かった『モンスターの逆襲』も、今回で終了です」

NOVA「たった一冊の文庫ゲームブックで、9ヶ月もかかるとは思わなかったな」

翔花「記事数にすると10回だから、別ブログの『サイボーグを倒せ』ほどじゃないわよ」

NOVA「あれは、4周して21記事か。しかし、攻略期間は去年の11月から今年の3月までだから、5ヶ月ほどだ。まあ、実際のプレイ時間はそれほどではないんだが、解析と記事書きで無駄に時間をかけているような気がする。ソロプレイのゲームブックのはずなのに、TRPGのリプレイみたいに会話で掛け合いしていたら、そりゃあ時間も掛かるだろう」

晶華「だったら、もっとテンポよく進めない?」

NOVA「それだと、記事ネタとして味気ない気がしてな。とにかく、泣いても笑っても、『モンスターの逆襲』は今回で終わりだ。最初はタヌキ少女イースタのソロプレイだったが、最後は黄金竜イースタと、守護霊キャリバーン(元竜王クリガー)の最強コンビで、邪悪な魔術師ストームシャドウ……の体を乗っ取った弟子のザルタンをやっつけて、ハッピーで締めくくるぞ」

翔花「主役は、わたしのイースタよ。NOVAちゃんが仕切らないで」

NOVA「いやあ、TRPGでも守護霊の役をするのは初めてだからな。ある意味、JOJOで言うところのスター・プラチナ役みたいなものだし、ちょっと新鮮な気分なんだよ」

晶華「確かに、精霊少女がプレイヤーで、生身の人間が霊魂の役をするリプレイなんて他に類を見ないわね」

NOVA「TRPGマンガだとあるんだがな。幽霊少女のプレイヤーとか」

晶華「でも、雑誌掲載だけで、単行本にはなってないのよね。『進めTRPG生徒会』って」

NOVA「『Quick Start』みたいに単行本になってるかと思ったんだが」

QuickStart!! くいっくすたーと 4

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NOVA「まあ、アナログゲーム系雑誌の連載マンガが単行本になる可能性は低いので、そういうコミックは貴重ってことだな」

翔花「って、NOVAちゃんも、アキちゃんも寄り道脱線しないで。月光の魔女イースタ最後の冒険譚を始めるわよ」

 

ストームシャドウ(偽)との決戦

 

イースタ(翔花)「敵はパラグラフ357番にあり」

晶華「はい。そこに行くと、競技場ほどの広さがある大空洞になっていますね。天井には人工太陽とも言うべき魔法の照明が輝いていて、地底だというのに屋外のような明るさです。床の中央には、青く透き通った大きな泉が湧き立っていて、その向こうに魔法使いが立っていました」

 

魔法使い『よくぞ、ここまで来た、モンスターよ。だが、ここがお前の墓場になるのだ! この天才魔法使いに逆らったものの末路を思い知れ!』

 

イースタ「月並みなセリフね。いかにも昭和風って感じ。だけど、墓場に行くのはあなたの方。月光の魔女にして華麗なる黄金竜イースタが、偉大なるストームシャドウの名を騙る小物の魔法使いザルタンさんを成敗してあげる。そう言って、+50したパラグラフ407番にジャンプします」

 

魔法使いザルタン『クッ、ザルタンだと? 何の話だ?』

イースタ「しらばっくれてもムダよ。あなたの正体は、シルバーミラージュさんと、当のストームシャドウさんから聞いたんだから。師匠を裏切ったバカ弟子だって」

ザルタン『バカ弟子だと!? バカなのは師匠の方だ。せっかくの魔法を有効に使おうとせず、モンスターと人間の平和共存などと愚かな夢に熱中しておった。そればかりか、いつも偉そうにして、弟子であるわしの才能を認めようともせず、こき使うばかり。

『だが、今は違う! わしはあいつに魔法で打ち勝ち、この肉体を奪い取った。今やわしこそが大魔法使いストームシャドウなのだ! わしの才能をもってすれば、あらゆる怪物や人間を支配下に置き、全世界を征服するのも夢ではない。わしに逆らう者はすべて死ぬのだ。覚悟するがいい!』

イースタ「やれやれ。どうしようもないコンプレックスの塊のようね。師匠より上だって言うなら、どうして大魔法使いザルタンって自分の名前を宣揚しないのかしら。師匠のネームバリューに頼らないと、自分が認めてもらえないって思ってるのかしら? それに、モンスターと人間の共存がバカげた夢だなんて、時流を見通す見識を持たないようね。未来は人とモンスターが仲良く暮らす世界だってあるんだから」

 

イースタ「あなたの知らない未来では、勇者とモンスターが協力して、世界の平和を守るために戦うことだって当たり前。むしろ、あなたのように世界征服なんて夢みたいなことを言っている方が、古臭いってバカにされるんだから」

ザルタン『ええい、知ったような口を聞きおって。要は、人がモンスターを支配すればいいのだろう。それならば、出でよ、ウォーター・エレメンタル!』

 

★ウォーター・エレメンタル(殺傷力10、防御力12、耐久力72)

 

イースタ「まともに戦うのは危険な相手みたいね」

キャリバーン(NOVA)「まともに相手しなければいい」

イースタ「分かってるわ。空を飛んで、魔法使いを直接狙います」

晶華「すると、ザルタンは呪文を唱えて、透明になりました」

イースタ「また、その手? ならば逃げられないように部屋の入り口に陣取って、耳を澄ませます」

晶華「水の精霊は、魔法使いの精神集中が乱れたので、呪文のコントロール下から外れました。制御を失った精霊は、術者に襲いかかるようになっています」

イースタ「戦士ブリンケンの時と同じね」

晶華「水の精霊は魔法の知覚で、ザルタンの位置を見極め、そちらに襲いかかろうとしました。しかし、いち早く姿を現した魔法使いは、送還の呪文を唱えて、精霊をもとの次元に送り返します。戦士と違って、きちんと対処の術は心得ていたようですね」

イースタ「さすがに自滅はしないか」

 

ザルタン『おのれ、たかが頭の悪いモンスターと思っていたら、なかなかどうして、ずいぶんと戦い慣れているようだな。しかし、お前など、ネズミに変えてしまえば問題ない』

 

晶華「魔法使いは、イースタに向かって変身の呪文を仕掛けました。1Dで1〜4を出したら、呪文が発動してネズミに変えられてしまいます」

イースタ「呪文の失敗率は3分の1か。厳しくない? (コロコロ)4。ダメだった」

キャリバーン「いいや、そういう時のために我がいる。守護霊パワーで、呪文を弾き返す。具体的には、パラグラフ395から30を引いて、365へ向かう」

イースタ「ああ、そう言えば、そういう効果があったわね。危うく忘れるところだった」

キャリバーン「我が憑いていなければ、ネズミに変えられてゲームオーバーだったな」

晶華「しかし、守護霊のオーラバリアのおかげで、ザルタンの呪文は効果を発揮しませんでした。ザルタンは一瞬、首をかしげますが、すぐに気を取り直します。『しくじったか。まあ、天才のわしでも、たまには失敗もするわい。運が良かったな。だが、次はこうはいかんぞ』 今度は金縛りの術です。僧侶のグレイが使う対人金縛り(ホールド・パーソン)よりも強力なホールド・モンスターの術です」

イースタ「一応、抵抗してみるわ。(コロコロ)出目6。よし、自分の強い意志で術を打ち払った。キャリバーン頼りだけじゃないんだから」

晶華「『2度も術が失敗するとは! 悪運が強いことよ。だが、3度めの正直。塵と化すがいい!』そう言うや、原子分解の呪文が飛んできます」

イースタ「キャーッ。(コロコロ)5で抵抗成功」

キャリバーン「どうやら、最初の変身術以外は自力で凌げたようだな」

 

ザルタン『バカな。このわしの魔法が立て続けに3度も失敗するとは……』

 

イースタ「2回はわたしの実力よ」

キャリバーン「守護霊パワーがある以上は、抵抗ダイスを振る必要はないんだけどな(パラグラフ・ジャンプだけで呪文は凌げる)。何にせよ、オーラバリアがなければ、ここの呪文3連発を切り抜けられる確率は3分の1の3乗で27分の1。よほどの幸運がなければ、素での突破は難しいだろう」

イースタ「それでも、ピンゾロでのファンブル(36分の1)よりは上なので、不可能とは思わないけど」

キャリバーン「俺だったら、27分の26でゲームオーバーになるような賭けには乗りたいとは思わないがな。というか、3分の2でゲームオーバーってだけで、やる気をなくす」

晶華「意外にも、ギャンブラー志向じゃないのよね、NOVAちゃんって」

キャリバーン「勝負をかけるなら、少しでも勝つ確率を上げて、リスクを減らす方法を考慮に入れるからな。サイコロ遊びは好きだが、さすがに生きるか死ぬか五分五分の賭けを楽しむほど酔狂ではない。キョウスケ・ナンブみたいな主人公にはなれない男なのさ」

 

晶華「とにかく、ザルタンは『ええい、これならどうだ!?』と電撃呪文を放ちます」

キャリバーン「ソード・ワールドで言うところの、抵抗:消失ではなく、抵抗:半減の呪文だな。しかし、パラグラフ−30を宣言するぞ」

晶華「パラグラフ339から309に進みました。イースタに向かって飛んできた電光は、体の表面でスパークし、何事もなく弾け飛びました」

イースタ「ビームなんて効かない。目がチカチカする程度よ」

晶華「『こんなことが!?』目を丸くしたザルタンは、次に氷の嵐を放ちますが、やはり、冷気はキャリバーン・バリアを貫けません。ようやく、異常に気付いたザルタンは魔力感知の呪文を唱えて、赤く輝く赤竜オーラに気づきます。『おのれ、何者かに守られていたとは!?』」

イースタ「ようやく、気が付いたのね。実はザルタンって、物凄く鈍感とか?」

キャリバーン「いろいろと策は練って、それなりに用意周到なんだが、想定外の突発事には対応が遅れてパニクるタイプっぽいな。アドリブが苦手なゲームマスターというか、練習はいっぱいしているんだけど、実戦不足という……。それにしても、こいつズルいよな。さっきから何発、呪文を撃ってるんだよ? 1ターンのうちに、ここまで呪文を連発するなんて、あり得んだろう。こっちにも反撃させろ、と言いたい。ずっと、魔法使いのターンで進めるなよな、と今さらながらツッコミを入れておく」

イースタ「本当だ。どうして、わたしはここまで一方的にやられ放しになってるのよ。まあ、ちっとも効いてないから、実害がないんだけどね」

晶華「その辺は、演出ということで勘弁してください。しかし、ザルタンは自分の呪文がイースタに効果を及ぼさないことを知ると、最後の手段に出ます」

 

ザルタン変身

 

ザルタン『呪文が通用しないとは不覚であった。しかし、まだ手はある。とっておきのがな。これを見よ!』

 

晶華「そう言って、ザルタンが取り出したのは、4つの黒いヒスイでした」

 

ザルタン『知っているぞ。たかが1匹のタヌキに過ぎなかったお前が、この魔石の力でかくも強大な力を手に入れるようになったことはな。調べたところ、タヌキから人間、そして狼人間となって、盗賊ランブル、僧侶グレイを殺害したと聞く。あの夜の森の出来事を覚えているか?』

イースタ「黒いヒスイをくれた宵闇の魔法使い!? あの時は親切にありがとう。おかげで、ジャイアントに進化できたわ」

 

ザルタン『その後の顛末は知らん。お前からヒスイの使い方と、ポンポコポンの秘術を見知ったわしは、研究に忙しかったからな』

 

イースタ「ええと、女巨人の後は、ニャンティコア→ドラゴニー→ゴールド・ドラゴンよ」

 

ザルタン『なるほど。ニャンティコアは知っていたが、ドラゴニーとはな。だが、そんなことはどうでもいい。お前は段階を踏んで、少しずつしか進化できぬようだが、この天才のわしはヒスイの力をさらに解析し、新たに発明した新呪文と、4つのヒスイを組み合わせることで、いかなる強大な力を持つモンスターにも自由に変身できるようになったのだ!

『見ておれ! 世界を支配する天才、いや、創世の神とも呼べるこの最強ぶりに膝まづくがいい。世界の主人公は、このわしなのだ!』

 

晶華「そう言って、ザルタンは『コンコンココン!』の呪文を唱えます」

イースタ「風邪でもひいたの?」

晶華「違う! タヌキに対抗して、キツネよ。仮面ライダーギーツが最終回を迎えるに際して、私たちのモン逆も最終回って流れなんだから」

イースタ「なるほど。じゃあ、その最強の神たるモンスターとやらを拝見するわ」

晶華「変身先は1D振って、ランダムに決まるのよね。用意されているのは以下のとおり」

 

★1:サイクロプス(殺傷力10、防御力9、耐久力59)

★2:アイアンゴーレム(殺傷力11、防御力11、耐久力90)

★3:イービル・アイ(殺傷力8、防御力11、耐久力50)

★4:ファイヤー・ジャイアント(殺傷力10、防御力9、耐久力52)

★5:ティラノサウルス・レックス(殺傷力12、防御力9、耐久力90)

★6:キラー・ブロッブ(殺傷力8、防御力8、耐久力64)

 

晶華「特殊能力や耐性なんかは面倒なので省略ね」

イースタ「自由に変身と言っても、ランダムなんだ」

晶華「ザルタンさんは完全に解析したと思い込んでいるけど、実際は呪文が不完全で、詰めが甘いのよ。それでも、脅威なのは間違いないけどね。出目によっては、そちらが手詰まりになることだって有り得るし」

キャリバーン「耐性(電撃無効)とか、耐久力の数値的に最も手強いのは、2のアイアンゴーレムだな」

イースタ「お願い、アキちゃん。2だけは出さないで」

晶華「さあ、どうなるかしら? (コロコロ)……」

 

 コンコンココン!

 魔法使いの体が膨張し始めた。衣服が裂け、皮膚はざらざらとして日焼けしたような色になる。二つの目がくっついて一つになり、頭からは太い角が生えてきた。魔法使いは乱暴で愚かな単眼の巨人ーーサイクロプスになったのだ!

 

イースタ「良かった。これなら電撃が通用するわ。早速、電撃で攻撃します」

 

 1ラウンドめ。

 イースタの放った電撃は、半減の25点ダメージを与える。残り耐久力は34点。

 サイクロプスの反撃。ピンゾロでイースタに1点のダメージを与えたのみ。

 

 2ラウンドめ。

 イースタが再度放った電撃は、耐久力分の49点ダメージをサイクロプスに与えた。こうして、ラスボス戦はあっさりと終わったのである。

 

晶華「黄金竜の強力な電撃をまともに浴びた巨人は、苦しみ始めました。筋肉がぶるぶると震え出したかと思うと、手足が細くなり、身長が急速に縮んでいきます。まるで風船から空気が抜けていくように」

 

ザルタン『ううっ……バカな。我が変身術は完璧なはず』

イースタ「いいえ。付け焼き刃の術では、変身を維持できなかったみたいね。創世の神の力を得るには、2000年以上に渡る輪廻転生の過酷な運命と、ゲームに勝ち続ける強い意志と、そして応援してくれる多くのサポーターや仲間の友情や信頼、絆が必要なの。他人を騙し、利用して自分のことだけを考えるあなたに、創世進化の力は宿らない。このわたしの体を通して出る魂の力を受けてみなさい!」

キャリバーン「くらえ、キャリバーン・クラッシュ!」

ザルタン『バ、バカな! グギャーーーッ!』

 

晶華「こうして、師匠を裏切り、多くの犠牲を出した悪の魔術師ザルタンは、善なる心、人とモンスターの調和の理想に目覚めた元タヌキ少女、今や輝く『黄金の月光竜イースタ』とも称されることになるドラゴンロードの力に滅ぼされたのでした」

イースタ「これで全部が終わったのね」

晶華「いいえ。ドラゴンとなったイースタの前に、最後のイベントが待っているのです」

 

人と竜との交錯

 

晶華「サティンを迎えに行くために洞窟の外に出たイースタ。しかし、その前に1人の若者が立ちはだかります」

 

フリント『待て、そこのドラゴン! やっと見つけたぞ! 正々堂々と俺と勝負しろ!』

 

イースタ「あちゃあ、こいつ、まだいたの!? この執念、まるで刹那のエクシアに襲いかかるグラハム・エーカーの如しね。わたしが月光の魔女イースタだったことを明かして、説得できないかしら」

 

フリント『何だと? あんたがイースタだって? ……だが、しかし! 俺の決意は変わらないぜ。このまま帰るわけにはいかないんだ。ドラゴンの首を持って帰らなきゃ、シェイナ様と結婚できない。それどころか臆病者とののしられ、国から追放されてしまう。あんたと戦うのは気が進まないが、こうするしかないんだ!』

 

イースタ「やれやれだわ。それを聞いたからと言って、はい、そうですか、とおとなしく首を差し上げる慈悲はこっちにだってない。ならば……わたしの幸せのために、あなたには死んでもらうしかなさそうね。幸せの総量は決まっているって未来人だって言っている」

キャリバーン「おいおい。それじゃあ、ビターエンドだろう。ドラゴンの首を差し出して、解決するんだったら、手頃なドラゴンの首が一本、あるじゃないか?」

イースタ「それって、サティンのお母さんのシルミラさん?」

キャリバーン「いや、それはやめてくれ。我が言っているのは、パラグラフ448番。真のストームシャドウの器だ。あれを持ってけ」

イースタ「ああ、その手があったのか。あの首って伏線だったのね。よし、クローン培養室に行って、首を持って来る」

晶華「はい、448番から100を引いたパラグラフ348に行くと、フリントは喜んで、ドラゴンの首をゲットしました」

 

フリント『こいつはいい! 本物のドラゴンと見分けがつかない……ってか、まるっきり本物だよ! これを持って行けばシェイナ様も納得してくださるだろう。

『え? こいつが量産できるかもって? それならいい考えがある。どんどん作って、人間の商人に安く売ればいいのさ。ドラゴンの首が貴重なのは、めったに手に入らないからだ。安く手に入るなら、誰もわざわざ危険を冒してドラゴン退治なんてしなくなるさ!』

 

イースタ「確かに興味深いアイデアだけど、ドラゴンの首の相場ってどれぐらいかしら」

キャリバーン「さあな。こういうのは資本主義の論理に則って、神の見えざる手に任せるしかない。ドラゴンの首がただの飾り物か、それとも何らかの特殊効果を持つマジックアイテムに加工できるのかでも価値が変わるが、そもそもドラゴンの首を狩る野蛮な風習自体を改めて欲しいものよ」

イースタ「そうね。鎌倉武士の時代じゃないんだから。怪物の首を光のギロチンで切断するのも、昭和の風習だし、令和の時代じゃ放送禁止ものよ」

 

フリント『と、とにかく、人間とモンスターがいがみあい、殺しあうような時代は終わらせないとな! 憎しみや偏見を捨て去るのは大変だが、まずは交流を深めて、お互いの社会のあり方を少しずつ変えていく必要がある。俺がシェイナと結婚したら、人とモンスターの理想の共存関係を目指してみるつもりだ。イースタ様みたいな、女神とも称すべき良いモンスターだっているって話をみんなに伝えてな』

 

イースタ「分かった。シェイナにもよろしく言っておいて。こっちの後片付けが済んで、竜の王国が再建できたら、同盟関係を締結しましょう」

 

ドラゴンロード

 

晶華「こうして、イースタの復讐の旅は終わり、幸せのドラゴン王国を築く流れになるのです。サティンに掛けられた人化の呪いも、黄金竜の口付けで解除され、美しいピンクの雌竜の正体が判明しました」

イースタ「ピンクの竜なんているの?」

キャリバーン「D&D公式にはいない。だけど、レッドドラゴンの父と、ホワイトドラゴンの母の間に生まれたからピンクの姫君というのは、感情的に納得できる話だ。とにかく、最後はイースタとサティンが夫婦として結ばれる関係も、昭和ではなく、令和ならOKと見なされてもいいだろう。竜の王国は再建され、イースタは竜王(ドラゴンロード)として、人の国からモンスターの頂点に君臨する存在と畏れ敬われることとなる。そして、イースタと、フリント・シェイナ夫妻が治めるデルガド男爵領の同盟が健在なうちは、平和な時代が続くこととなる。ハッピーエンドだ」

晶華「また、人の世で世界征服をもくろむ邪悪な連中がはびこったり、モンスターの中から魔王と呼ばれる存在が出現したりはしない限りね」

イースタ「そんな奴が現れた場合に備えて、ドラゴンの神は伝説の勇者を育成することにします。そして、デス・アイランドは改名して、モンスターの楽園デルムリン島と称するの。物語は新たな勇者と魔王の物語につづく、とさ」

(当記事 およびゲームブック『モンスターの逆襲』完。『ダイの大冒険』に続……かない。あくまで精霊娘の無邪気な妄想ってことで)