ようやく再開
晶華「NOVAちゃんが花粉症で頭フワフワであまり使いものにならないので、回復を願って、ゲームブックの続きをします」
翔花「大丈夫かな、NOVAちゃん」
晶華「美と医療の国イシャバーナに連れて行けば大丈夫だと思うけど」
NOVA@花粉症「だびじょぶじゃねぇ。(鼻水ズルズル)あげに花だらげで花粉さいっぺぇ飛んでる国にいっだら、おら死んじまうだ」
晶華「どうして、変な方言になっちゃってるのよ」
009『花粉症で上手く喋れないのを、何とか文章で表現しようとしているみたいだな』
翔花「方言だったら、普通に関西弁で言ったらどう?」
NOVA@関西弁「大丈夫ちゃうわ、ボケ。あないに花だらけで、花粉がめちゃ飛んでる国に行ってみぃ。お前、死んでしまうやないけ。殺すつもりか、ああ? このスカポンタヌキがよ〜」
晶華「関西弁に、何だかンコソパっぽい言葉が混ざってるような気がするけど」
翔花「スカポンタヌキって何?」
晶華「タコメンチと並んで、ヤンマ総長の口癖よ。詳しくは、こちらを参照」
翔花「キングオージャーの話はパス。大体、何よ? あのOPは? まともにクレジットが読めないじゃない?」
晶華「これをすらすら読めるようになったら、視聴者の動体視力が虫の複眼並みに鍛えられるのよ、きっと」
翔花「虫の複眼並みに鍛えてどうするの?」
晶華「そりゃあ、仮面ライダーさんに進化するんじゃない?」
翔花「進化するんだったら、仮面ライダーじゃなくて、ヒーローガールなプリキュアがいいし」
翔花「嘘がつけないソラちゃんは、キツネと違って桃井タロウさまの後継者に認定するし、次回はムラサメが登場するしね」
翔花「ムラサメ演じるキュアウイングは、『ツバサ』って名前のオレンジの鳥という噂が飛んでるんだけど、これって本当?」
晶華「来週には確定するでしょうけど、今、大切なのは鳥がプリキュアになることじゃない」
翔花「だったら何よ?」
晶華「今回の記事は、『モンスターの逆襲』の続きよ。タヌキから人間→狼人間になって、とうとう巨人に進化したイースタの物語を話さなくてどうするの?」
翔花「あっ、うっかり忘れてた」
改めてゲームブックの話
晶華「とりあえず、作者のNOVAちゃんの頭がふわふわ脳で、どこに流されるか分からないので、ここは退場して休んでもらって、私たちだけでゲームブックを進めます」
翔花「前の話は、巨人になった月光の魔女イースタが『やめなさい』と叫んで、ミオリネさんを襲うテロリストを手のひらでパシッと血まみれにしたところで終わっていたのよね」
晶華「違う物語が混ざってるし。前の話が気になる読者さんは、ゲームブック・カテゴリーで『モンスターの逆襲』って記事タイトルをチェックすればOKね。2022年12月6日〜12日の記事を見てもいいけど」
翔花「邪悪な人間の冒険者に家族を殺されたゴブリン改め、タヌキ少女のイースタが、魔法の黒いヒスイで次々とフォームチェンジして、仇討ちを目指す物語ね」
晶華「盗賊ランブルや僧侶グレンを倒し、次の標的の戦士ブリンケンの後を追って、港湾都市ドレッドノック近くのデルガド男爵領に向かう途中。人に化ける殺人鬼モンスターの情報を聞いた騎士団の襲撃を逃れて、ドライアドのいる森に入ったんだけど、そこで怪しい魔法使い風の老人から思いがけず黒いヒスイを提供され、ポンポコポンの呪文で巨人に進化したところで続いていた、と」
●ジャイアント:殺傷力8、防御力9、耐久力40
翔花→イースタ「強くなったので、これでどんな敵でも手のひらで叩きつぶすことができるわ。テロリストよ、来るなら来い」
晶華「どちらかと言うと、モンスターガールのイースタの方がテロリストって感じなんだけど?」
イースタ「とにかく、エアリアル改修型のような気分で、わたしは空を飛んで、ブリンケンのいるデルガド男爵領に向かいます」
晶華「巨人は空が飛べません」
イースタ「だったら、飛行用パーツを探さないと。どこにあるの?」
晶華「飛行用パーツはないけど、空飛ぶモンスターに進化するためには、黒いヒスイがさらに必要です。謎の老人は森の奥にある廃墟の神殿に向かうよう助言して、姿を消しました」
イースタ「だったら神殿へ向かえばいいのね」
晶華「そこまでが前回の話だったの」
イースタ「うん、分かった。その間に時代は、ひろがるスカイに移って、ドンブラが仮初の最終回を迎え、虫キングな話になっている。ええと、今のタイミングで神殿ということは、ゴッドクワガタとか隠されていたりしない? オミコシフェニックスでもいいけど、とにかく飛べる何かがあるといい」
晶華「巨人がのっしのっしと森の木々をかき分け、神殿跡に向かうと、3体の樹人ツリーマンが神殿の護衛役として出現します。あなたがガーゴイル、メデューサ、ヘルハウンド、サラマンダー、ハーピィ、ミノタウロスのどれかなら、邪悪なモンスターと見なして攻撃して来るけど、ジャイアントは邪悪扱いされていないから、そのまま通してくれる」
イースタ「当然よ。わたしは別に邪悪の王を目指しているわけじゃないし。むしろ家族想いの良いモンスターなんだから」
晶華「そちらが敵意を見せないなら、ツリーマンも攻撃して来ません。そして神殿の遺跡に来た……のはいいものの、巨人のサイズだと中に入ることはできません」
イースタ「あっ。ええと、お腹のコクピットがパカっと開いて、中からパイロットが出て来て、神殿に入るってのは?」
晶華「イースタは別に巨大ロボじゃないので、そんな器用なマネはできません。まあ、どっちにしても、この神殿に黒いヒスイがないことは本能で分かります」
イースタ「すると、謎の老人は嘘をついたのね。ところで、彼が最後の標的の魔法使いってことはないかしら?」
晶華「あなたの仇の魔法使いの名はストームシャドウ。謎の老人の正体がストームシャドウかどうかは、今は語るべき時ではありませんのでネタバレは避けておきます」
イースタ「敵か味方か、謎の魔法使いってことね。だけど、神殿に黒いヒスイがないのなら、こんなところに長居は無用。このまま堂々とデルガド男爵領に向かうことにするわ」
姫騎士シェイナ
晶華「夜が明けました。のっしのっしと城の周囲に広がる広大な農地を横切ってゆくと、畑仕事をしていた早起きの農夫たちが、うわ〜と逃げまどいます」
イースタ「ワッハッハ、我こそは邪悪の王……じゃなくて、祭りだ祭りだ〜。袖振り合うも他生の縁。共に踊れば繋がる縁。これでお前たちとも縁ができたな。楽しもうぜ〜と友好度をアピールします」
晶華「すると、馬がいななき、犬が吠え、鶏たちが狂ったように騒ぎ始めます」
イースタ「よし、動物たちも歓迎してくれているみたいね。ウマブラザーに、イヌブラザーに、トリブラザーってところかしら」
晶華「そして、あなたがコカトリスかバジリスクなら、コケコッコーの声に気分が悪くなって死にます」
イースタ「どうしてよ?」
晶華「中世からの伝承由来なんだけど、その2種類のモンスターは雄鶏の卵から生まれた出自をひどく恥じているので、雄鶏の声を聞くと気分が悪くなってしまうのね。桃井タロウさんが嘘をつくと死んでしまうのと、似たような習性があるってことで」
イースタ「習性なら仕方ないわね。桃井タロウさまを例に挙げられたら、納得するしかない。だけど、わたしはコカトリスでもバジリスクでもないから、雄鶏の声なんかで死にはしない。いっしょにコケコッコーと歌いながら、天女のように舞い踊る」
晶華「踊る女巨人の伝承は、この地域でしばらく語り伝えられることになりそうね。そうやって縁を紡ぎながら進撃していくと、やがて白い城壁と深い堀に囲まれた優雅な建造物が見えてきます。正面の大きな門の横には、石でできた戦士の像が衛兵のように立っているのが目立ちますね」
イースタ「敵地に来たのだから、慎重にならないとね。城の兵士たちの動きはどうかしら?」
晶華「巨人の接近に臨戦態勢を整えています。城門が開き、兵士たちがばらばらと出てくる一方で、城壁の上には弓矢を構えた兵が並んでいたりします」
イースタ「飛び道具は厄介ね。射程ギリギリで踏み込まないよう用心しながら、投げられる岩か何かが近くにないかキョロキョロ探します」
晶華「そんなに都合よく岩は転がっていませんが、あなたの目に一人の印象的な戦士の姿が見えました。ドライアドに続く本作2人めの萌え美少女キャラですね。イラストもしっかり付いています」
イースタ「戦士ブリンケンが女だったとは思いもしなかったわ」
晶華「そんなわけがないでしょ。彼女の名はシェイナ。このデルガド男爵領の男爵令嬢で、男爵が東方へ遠征に出ている間の城代として、領地を守る役目を帯びています。美しい銀の鎧に身をまとい、兜の下から流れ落ちる長い赤毛が印象的な姫騎士ですね。彼女はよく響く澄んだ声で名乗りを上げるとともに、あなたに交渉を持ちかけます」
シェイナ『女巨人に化けた怪物よ、お前の噂は聞いています。剣士ブリンケンを仇としてつけ狙っているとか。しかし、ブリンケンはもうこの城にはおりません。昨夜遅く、城をこっそり逃げ出したのです』
イースタ「何ですって? 一体なぜ?」
晶華「シェイナの話によると、ブリンケンは昨日、彼女の部屋に忍び込んで、けしからない行為に及ぼうとしたそうです。しかし、シェイナの怒りを買って、地下牢に放り込まれそうになったのを逃げ出したそうですね。シェイナはブリンケンの素行の悪さを吐き捨てるように訴えます。そして、怪物がブリンケンに天罰を与えてくれるなら、自分は止めないから早く用事を済ませてくれ。無用に領地を荒らすようなマネをしないと約束するなら、お互いに傷つけ合うこともないだろう、と話し合いで解決しようとします」
イースタ「ブリンケンのことについて、もう少し詳しい情報をくれないかしら?」
晶華「あなたが冷静に話し合いに応じようとしているのを受けて、シェイナも快く質問に答えてくれます。ブリンケンの力量は戦士として優秀だけど、それより厄介なのは、城の宝物庫から《精霊の香炉》という魔法の物品を盗み出して、風の精霊エアー・エレメンタルを召喚できるようになったこと。おそらく、精霊と戦えば、いかに強力な女巨人であろうと勝てないだろう、とシェイナは推察します」
イースタ「え? 勝てないの?」
晶華「先に教えておくと、精霊の能力はこうなってます」
●エアー・エレメンタル:殺傷力8、防御力11、耐久力54
(特殊能力:実体がないので魔法の武器でないと傷つけられない)
イースタ「魔法の武器かあ。お城にない?」
晶華「巨人の使えるサイズの物はありませんね」
イースタ「だったら、黒いヒスイについては知らないかしら?」
シェイナ『黒いヒスイ? ああ、ブリンケンが私の気をひくためにくれた贈り物の中に、そんな石があったような気がするわね。どこかの地下迷宮でスカポンタヌキの寝ぐらから略奪してきたものだとか』
イースタ「スカポンタヌキって言うな!」
シェイナ『え? ブリンケンがそう言っていたんだけど』
イースタ「おのれ、ブリンケン。わたしの一族を虐殺したうえ、スカポンタヌキ呼ばわりするとは、絶対に許すまじ。とにかく、その黒いヒスイを返してちょうだい。元はわたしの一族のものよ」
シェイナ『そう……でも、力で略奪されたものは略奪した者の正統な報酬だわ。それこそが戦いの掟。私たち人間はずっと昔からそうやってきたわ。戦わなければ生き残れない。それは人間も怪物も同じ。だからこそ、騎士や戦士がいる。もしも怪物から奪った宝をすべて返さないといけないのなら、城の宝物庫も空っぽになってしまう。もしも、お前が宝の権利を主張したいなら、力で権利を勝ち取ることね』
イースタ「面白い。望むところよ。あなたを力で叩きつぶせばいいのかしら?」
晶華「ここであなたがユニコーンなら、乙女を傷つけることができずにシェイナのペットになり、ゲームオーバーです。ハーピィなら彼女を歌で魅了することが可能。ケンタウロス、ミノタウロス、ガーゴイル、ジャイアント、ヒポグリフのどれかなら、彼女と正々堂々と一騎討ちすることができます。それ以外なら、彼女を守るための守護像が動き出しますね」
イースタ「わたしはジャイアントだから、まずは一騎討ちになるのね」
●女戦士シェイナ:殺傷力4、防御力11、耐久力18
イースタ「では、わたしから行きます。エアリアル血まみれ平手! (コロコロ)出目7で攻撃力15ね」
晶華「そんな恐ろしい技を出さないでよ。防御力11を引いて、4点くらいました。今度はこっちの反撃よ。ジャイアントクラッシュ! (コロコロ)7出て、攻撃力は11」
イースタ「2点くらって、耐久力は38点。では、反撃して攻撃力12」
晶華「1点くらって、残り耐久力13点。まだまだ。人間をナメるな! 攻撃力10」
イースタ「お互い手加減して様子見ってところかしら。1点くらって、残り耐久力は37点。これでとどめよ。(コロコロ)出目10で、攻撃力18点」
晶華「7点のダメージを受けて、シェイナの耐久力は残り6点です。巨人の一撃を受けて、彼女の体は弾き飛ばされ、銀の兜が落ちました。赤い長髪がバサっと広がり、気品ある顔に覚悟の表情が浮かび上がります。くっ殺せ、と言わんがばかり」
イースタ「少女をいたぶる趣味はないの。おとなしく黒いヒスイを渡せば、これ以上、手荒なマネはしないと約束するわ」
晶華「『いかん、シェイナ様が危ない!』と兵士の指揮官が、デルガド城の守護神の封印を解除します。城門の横に立っていた戦士像がストーンゴーレムの正体を表して動き出します。この巨体には並のモンスターじゃ歯が立ちませんが、それでも戦いを続けますか?」
イースタ「わたしだって並のモンスターじゃない。石巨人? 相手にとって不足はない。こいつに勝って力を証明してみせるわ」
晶華「はい。ゴーレムと戦うと、ほとんどのモンスターは太刀打ちできずに負けてしまいます。爪も牙も、岩のような体には通じませんし、石化攻撃も無効。炎も冷気も効かないので、純粋なパワーを除けば打つ手なし、になるのよね」
イースタ「だけど、ジャイアントのパワーだけがゴーレムに通用するのね」
晶華「そうね。力では互角。さらにジャイアントには、ゴーレムにはない生身ゆえのしなやかさ、器用さが備わっている。全身の力を込めてゴーレムを抱え上げると、頭から堀に投げ込むことに成功。ゴーレムは水底の泥にめり込み、脚だけを水面に出してジタバタしています。こうして無力化したゴーレムを足場にして、イースタは城壁に取りつき、うまく城内に侵入することに成功しました」
イースタ「目指すは宝物庫。黒いヒスイのみ」
晶華「阻止すべく弓矢が放たれ、殺傷力2の矢が6本飛んで来るのですが、(コロコロ×6)全部で7点くらって下さい」
イースタ「シェイナに受けた3点よりも、そっちの方が痛いわ。残り耐久力30点」
晶華「あなたは宝物庫を目指して、場内で暴れようとしていましたが、シェイナの声がそれを抑止します」
シェイナ『おやめなさい! 怪物よ! お前が強いのはよく分かった。私は負けを認めます』
晶華「そう言って、シェイナさんは剣と盾を投げ捨てて、無防備な姿であなたに歩み寄って来ます」
シェイナ『もう、これ以上、暴れるのはやめなさい。暴れないと約束してくれたら、城の宝物をどれでもあなたに差し上げるわ。これは私の命を賭けた約束です。もし信用できないと思うなら、今すぐ私を殺せばいいでしょう』
晶華「今なら一撃で彼女の命を奪うことができますが、どうしますか?」
イースタ「無用な殺生をするつもりはない。それから怪物怪物と呼ばれ続けるのは、見下されているようで虫が好かん。我が名はイースタ、月光の魔女と呼ぶがいい」
晶華「『月光の魔女イースタ』 その名をシェイナはつぶやき、『誇り高きその御名、確かに承りました』と騎士の礼を示します。そして改めてあなたに向き直ると、急にしおらしくなり、親しげに微笑みかけて来ます」
シェイナ『私はあなたのことが気に入りました。拳と剣を交えて、伝わって来たの。理想の騎士にも匹敵するあなたの誇りと優しさが。強くて優しく、そして気高い姿は、人と怪物の枠を越えて、友誼を交わすのに相応しいとも。今後、私はあなたの御名と、我が国の守護神像を打ち破った勲しを語り伝えたいと思います』
晶華「そう言って、微かに表情を赤らめます」
イースタ「デレたんですね」
晶華「デレデレです。これが美少女ゲームなら、攻略完了というぐらい目にハートマークが浮かび上がっています」
イースタ「とにかく、黒いヒスイをちょうだい。今はブリンケンを倒すことだけが、我が望み。そのための力をわたしは求むるのみ。それ以外の友誼や風説など、人の世界で勝手にするがいい。人の世の名誉など、わたしには関わりなきこと」
晶華「と申しており。とにかく、シェイナは『憎きブリンケンを倒す役に立てるなら喜んで』と、あなたを宝物庫に案内します。金銀や宝石、魔法の剣などよりどりみどりですが、あなたはそれらに目もくれず、黒いヒスイを見出して、手にとります」
イースタ「ついに空が飛べる日が来たのね」
宝物庫での変身
晶華「ゴーレムを突破して、この宝物庫で変身できるモンスターは、ジャイアントの他に、ハーピィ、ガーゴイル、ヒポグリフがあります。ゴーレムとの直接戦闘を避けて、飛行能力を駆使して場内に侵入することができるんですね」
イースタ「他のモンスターは変身の機会が得られずに、ブリンケンを追うしかない、と」
晶華「それで問題なく攻略できそうなのは、ヒドラとフロスト・サラマンダーだけなんだけどね」
イースタ「どちらも、ドラゴンに直結できそうな爬虫類種族ね」
晶華「本作で、完全にハッピーなエンディング(450番)を迎えるのは、ドラゴン種だけなので、他は仇討ちの本懐を遂げても、その種のモンスターの故郷の異世界へ帰還したり、同族モンスターの仲間を探して一人旅を続けるロンリーエンディングばかり。やっぱり、モンスターの王道はドラゴンでしょうってこと」
イースタ「他のモンスターに変身したい気持ちもあるけど、ハッピーエンディングのためには道が限られているのね」
晶華「とにかく、ここでの変身先モンスターは以下のとおりよ」
★ジャイアントからの進化→トロール、マンティコア、ジン、トリトン
★ガーゴイルからの進化→ハーピィ、ヘルハウンド
★ヒポグリフからの進化→グリフォン、ペガサス
イースタ「ジャイアントだけは4つもあるのね。結構、悩むところよ」
晶華「他を先に見てみますか」
●グリフォン:殺傷力7、防御力9、耐久力32
晶華「ワシの上半身とライオンの下半身を持つ、美しい空の勇者と呼称される幻獣ね。これに変身すると、シェイナさんが感嘆の声を上げてくれます」
●スフィンクス:殺傷力6、防御力11、耐久力36
(特殊能力:吠える。戦闘前に恐ろしい声で威嚇できる。1Dで3〜6を出せば、相手は恐怖のために3ラウンド攻撃できない。1と2なら通常どおりの戦闘)
晶華「女性の頭部とライオンのような体、そして翼を持った砂漠の守り神です」
イースタ「攻撃重視ならグリフォン、防御重視ならスフィンクスといったところかしら」
●ペガサス:殺傷力5、防御力8、耐久力30
晶華「翼を持った白馬で、翼持ち系では最も弱いんだけど、その美しさにシェイナさんも心を奪われ、感嘆のため息をついてくれます」
イースタ「いちいちシェイナさんの反応をうかがう必要があるの?」
晶華「姫騎士さまの好感度を上げると、ボーナスがつく……ゲームじゃないのよね。まあ、強さよりも美しさを重視するプレイスタイルもありってことで」
イースタ「流星拳が打てないペガサスなんて、ただの羽の付いた馬じゃない。ウマ娘はわたしの道じゃない」
晶華「ガーゴイルから進化するハーピィとヘルハウンドは前回、紹介したからパスね。ただし、地獄の番犬ヘルハウンドに変身すると、さすがのシェイナさんも恐ろしい姿に震え上がってしまうんだけど」
イースタ「でも、能力は大したことないのよね。空が飛べずに、海で溺れ死んでしまうみたいだし」
晶華「では、本命のジャイアントルートです。まず、大外れなのがトロールね」
●トロール:殺傷力6、防御力9、耐久力30
(特殊能力:再生。耐久力0で死なないかぎり、1ラウンドに3点ずつ耐久力を回復できる)
イースタ「ジャイアントに比べて、能力が下がるうえに、結局、海で溺れてしまうので、活躍しどころがない、と」
晶華「T&Tさんには悪いけど、本作はトロールよりもドラゴン推しみたいね」
イースタ「ドラゴンになるには、何がお勧め?」
晶華「これよ」
●マンティコア:殺傷力6、防御力9、耐久力28
(特殊能力:トゲ発射。通常攻撃と同時に、殺傷力2のトゲを敵に向けて1ラウンドに6本発射できる。ただし、1日に発射できるトゲは24本まで)
晶華「マンティコアは、サソリの尾とライオンの胴体、コウモリの翼と老人のような顔を持つ砂漠の魔獣ね。世間一般には決してメジャーなモンスターではないのだけど、名作ゲームブック『ソーサリー』1巻のラスボスとして登場したおかげで、ゲームブックファンの間では伝説として語られる存在。具体的なビジュアルはこうよ」
イースタ「う〜ん、マンティコアさんって、あまり可愛くないんですけど」
晶華「そこは、顔を老人から美少女にして萌えアレンジすれば何とかなるわ。こんな感じにね」
イースタ「そうね。体をしなやかなネコ風味にして、コウモリ翼とサソリ尻尾を持つキャットウーマン……のイメージで考えればいいかも」
ポンポコポン。
イースタの下半身から、トゲの並んだ不気味なサソリの尾が生えてきた。両脚はネコ科の猛獣のようになり、顔も人間の美少女のような妖怪ネコ娘の容貌となった。背中からは黒く不吉なコウモリの翼が生えている。イースタは砂漠の魔獣、マンティコア娘となったのだ!
晶華「原文を少しアレンジしたわ。『ライオン→ネコ科の猛獣』『人間の老人のような奇怪な容貌→人間の美少女のような妖怪ネコ娘の容貌』と変えるだけで、恐ろしい怪物を萌えモンスターに変える言霊魔術……と言ったところね」
イースタ「うん、これで納得よ。月光の魔女の呼称も変えなくて良さそうね」
晶華「なお、他のモンスターは以下のとおり」
●ジン:殺傷力7、防御力9、耐久力33
(特殊能力:竜巻。通常の攻撃の代わりに竜巻を起こすことができる。敵1人ごとに2Dを振って、出目の数だけその敵の耐久力を減らす。同時に何体でも攻撃できるが、1日に3回しか使えない)
●トリトン:殺傷力6、防御力9、耐久力32
(特殊能力:歌声による魅了。戦闘前に1Dを振り、3〜6の目が出たら相手が味方になって、戦闘をやめてしまう。1と2なら影響なしで、通常どおりの戦闘を行う)
(特殊能力2:電撃。通常の攻撃の代わりに、指先から電撃を放つことができる。2D×2点のダメージを相手に与える。1日に2回までしか使えない)
晶華「ジンさんは妖精郷でもお馴染み、風の大精霊ね。能力的にはこれが最強だと思うけど、ここからの進化だと異世界の精霊とか魔神とかになってしまい、最後は自分の所属する世界に帰還して、物質世界に別れを告げないといけないの」
イースタ「それは……ちょっと悲しいわね。イースタとしては、この物質世界で家族を持って、ハッピーに暮らしたい」
晶華「うん、精霊少女としても、契約して肉体を得たからには、NOVAちゃんと別れて自分の世界に帰るなんて涙が出るもんね。そんな経験はゲームでも味わいたくないし」
イースタ「そうね。やっぱり家族は大切にしないとね」
晶華「トリトンは、海神ポセイドンの息子の人魚族よ」
イースタ「これじゃないのね」
晶華「どちらかと言えば、こっちだと思う」
晶華「映画『リトル・マーメイド』では、人魚姫アリエルの父親がトリトン王で、またトリトンを男人魚(マーマン)と同一視する伝承も知られている」
イースタ「だったら、女のトリトン族はマーメイドと解釈してもいいのよね」
イースタ「2年前なら、人魚が旬真っ盛りだったけど、今はひろがるスカイの時代だから、空が飛べない人魚は時流に外れてしまったの。だから、わたしはこっちを選ぶ」
晶華「別に、マンティコア娘はキュアコスモとは関係ないと思うけど?」
イースタ「イースタは歌って踊るエアリアル娘なんだから、歌って踊るキュアコスモであっても問題ない」
晶華「何だかよく分からないけど、ネコ萌え風味にアレンジしたマンティコア娘となったイースタは、仇のブリンケンを追って広い大海原に飛び立つってことで、次回につづく」
(当記事 完)