前置き買い物タイムと一人余談
NOVA「よっしゃー、ラッキー。ロードス新刊ゲットだぜ」
NOVA「早速、読みたいのはやまやまだが、娘想いの父親としては、娘に先に読んでもらおうと思うので、コンパーニュの塔に送っておいた。なあに、ロードスがなくても、俺にはまだ読むべき本がある」

ゴブリンスレイヤー外伝2 鍔鳴の太刀≪ダイ・カタナ≫上 (GAノベル)
- 作者: 蝸牛くも
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2019/08/09
- メディア: Kindle版
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NOVA「いやあ、買った本を読む時間というのは何よりも至福だなあ。更級日記を書いた菅原孝標女(たかすえのむすめ)の源氏物語オタクな気持ちが、よく分かるってもんだぜ。まあ、彼女はハードモードな現実の中で、幸せだった幼少期を懐古しながら書いたわけだが、高校時代に序盤の話だけを読んだときに、物語の世界に耽溺している姿に、実に共感できたわけだ。源氏物語が書かれたのが1008年ごろと言われ、更級日記の始まりが1020年らしいから、彼女にとって、紫式部ってのは憧れの作家になるんだよな。年齢的には、1008年に紫式部30歳説というのがあって、1020年に孝標女は13歳だから、大体、30年の差がある。
「俺にとって30歳上の作家だと誰がいるかなあ、と考えながら、1941年生まれで検索すると、宮崎駿、富野由悠季って出てきて、なるほどと納得。映像と文学の差はあれ、13歳ごろだと、そりゃ割と感化されるよなあ。他に1941年生まれで、俺が特に印象的に思う有名人を挙げると、大出俊、高橋元太郎、植村直己、石丸博也、リチャード・ドーキンス、ザ・ピーナッツの伊藤エミ&ユミ、市川森一、萩本欽一、大野雄二、石坂浩二、倍賞千恵子、横内正、仲本工事、川谷拓三、石橋蓮司、井上大輔、橋爪功、アン・ライス、浜田晃、坂本九、渡哲也などなど、まあ錚々たるメンバーだよなあ。故人だったり、引退されていたり、大御所クラスな人ばかりだけど、自分の青春時代に第一線で活躍されていた人ばかりだから、敬意を感じずにはいられないわけで。
「これが、50年代生まれ、60年代生まれになると、もう少し距離の近い先輩って感じになるのかな。1953年生まれの古谷徹さんとか、同じく53年生まれの松平健さんとか、同じく53年生まれの車田正美さんとか、この辺の人たちはまだまだ現役でバリバリ頑張っている印象。
「12年単位で見ると、次は65年生まれになるんだけど、小林靖子さん、沢口靖子さん、J・K・ローリングさん、白倉伸一郎さんなど、この辺の世代の人たちが21世紀を牽引し続けているって印象だな。ミスター平成ライダーこと高岩成二さんは1968年生まれで、自分の少し先輩世代だけど、この度、主役ライダーから引退して、脇役サポートに転じることが発表されて、ひとまずお疲れさま、と。
「新しい主役の中の人である縄田雄哉氏は一気に若返って82年生まれ。ええと、自分から見ると、まだ若い新人って感じだけど、それでも36歳なんだよね。高岩さんの主役デビューは、カクレンジャーのニンジャレッドで1994年だから、26歳の時。そして、2001年のアギトで平成ライダー主役を始めたわけだから33歳。それを考えると、決して若くはない。まあ、ゲンム→ゲイツと実績は積んできたわけだし、ゲンムからの社長つながりでゼロワンってネタにもなる。リフレッシュされた令和ライダーのアクションにも期待しています」
影なる男
スピードA「……って、やっと話を止めたか。さっきから黙って聞いていれば、何を一人で延々と語り続けているんだ、てめえは。今日は、タイムジャッカー電撃隊の記事じゃないのかよ」
NOVA「あ、いたんだ」
エース「いたんだ、じゃねえよ。てめえがこの塔の談話室に、いつまでもオレたちを隔離して逃がさねえから、仕方なく話し合いとやらに付き合ってるんじゃねえか。オレとしては、すぐに翔花ちゃんに会いに行きたいのに、我慢しててめえのお喋りに付き合ってやっている。それなのに、てめえはオレたちを無視して、自分勝手な話に興じるとは一体どういう了見なんだ?」
NOVA「ああ、これはちょっとした面接なんだ」
エース「面接だと?」
NOVA「そう。このブログの常連の地位を得るためのな。敵として登場したタイムジャッカー電撃隊だが、このままだとジオウの番組終了とともに賞味期限切れになって、フェードアウトしてしまう。だから、お前たちのキャラ性が、単なる敵役を越えて、当ブログのレギュラー、あるいはセミレギュラーたり得るかどうか確認してみようと思ってな」
エース「……どうすれば、レギュラーになれるんだ?」
NOVA「一番簡単なのは、NOVAの際限ないお喋りに対して、上手く相槌を打つか、適切なツッコミを入れるか、脱線した話を軌道修正できるアシスタント役を務めることだな。つまり、晶華やケイPのような立ち位置だ」
エース「翔花ちゃんの代わりだと? それは是非やらせてくれ」
NOVA「お前は、俺のことを敵視しているんだろう? そんな奴に、俺のアシスタント役が務まるのか?」
エース「何を言ってるんだ、NOVAさん。こう見えても、オレは元・読者A。あんたのブログと、翔花ちゃんの大ファンなんだ。しかし、翔花ちゃんの熱烈なファンとしてキャラ立てしようとしたオレを、あんたは未来送りにして切り捨てた。だからなんだ、オレがあんたを憎んだのは。つまり、尊敬していた作家から切り捨てられたファンが、可愛さ余って憎さ百倍になって帰ってきたのが今のオレ。その気持ち、あんたなら分かってくれるだろう?」
NOVA「分からねえよ。切り捨てられたなら、割り切って、別れの辞でも述べて美しく消えろよ。そして、自分の建設的な人生を歩めばいい。嫌われているのに、いつまでもしがみついて、未練たらしく恨み言を続けて、相手してもらおうと思うなよ。お前の人生はお前のものであり、誰かに過剰に依存するようなマネは格好悪いとは思わないのか? 人に頼らず、自立しろよ」
エース「フッ、人は一人では生きていられないのさ。何かに憧れ、もしくは誰かに憧れ、それを追っかけながら、自らの価値を確かめるための承認欲求に突き動かされる。それが叶わぬとなれば、多くの者は素直に諦めるが、中には悪堕ちしてでも己の執念を貫き通すことで自我の拠り所にする者もいる。人、それを妄執という」
NOVA「妄執って自覚はあるんだ。そこまで、分かっていながら、どうしてお前は割り切れずに、俺に付きまとおうとするんだよ。ひたすら気持ち悪いだけだ」
エース「それは……オレがNOVAさん、あんたの影だからだ」
NOVA「影だと!?」
エース「そう。時空監視員Wー405A。これこそが、読者Aこと明日斗の正体だと、あんたのブログネタ帳には書かれてある。405Aという数字をローマ数字風に置き換えると、IVOVA、すなわちNOVA。このオレこそが、未来NOVAの影であることは、あんたが考えた設定じゃないか」
NOVA「ああ。それも、ありえたかも知れない可能性、すなわちボツネタだ」
エース「ボツネタだと?」
NOVA「言い換えれば、設定原案、何となく思いつきで書いた叩き台であって、決定案ではない。未来の俺というネタは、その後、妄魔時王や教祖グロワールや予言者ノヴァストラダマスという設定に分化し、アストからは切り離された。今のお前は、単なる賞味期限切れ目前のタイムジャッカー・パロディーでしかない」
エース「何!? だったら、このオレが未来NOVAの影だという記憶は?」
NOVA「ただの一時的な気の迷い、妄想にすら至らなかった無意識な想いの欠片に過ぎん。お前の名前アストは、アシスタントの略か、ア・ストーカーの略でもあり、そこから改めて再構築しないといけないと考えている。ともあれ、タイムジャッカー電撃隊とは何らかの形で決着をつけたいんだが、とりあえず、ボツプロットに則るなら、こんな感じかな」
クラブキングVSケイP
人質にされた読者Aを救出に出向いたNOVAと晶華、ケイPは、タイムジャッカーの仕掛けにはまって分断されてしまう。それぞれの戦いが今始まった。
キング「グハハ、ケイP。お前と1対1で戦える日を待ち望んでいたぞ。大人しく吾が軍門に下り、吾のためのドゴランアーマーと化すのだ」
ケイP『やれやれ。このような愚か者の相手をしなければならないとは』
キング「何? その話し口調。吾の知ってるケイPではないというのか?」
ケイP『ケイPですよ。ただしケイPは元々、不定形で人格も定まっていないうえ、量産も可能。この私のボディはケイPの最新型マーク3で、優秀で、誠実で、仲間想いなロイミュード、ブレンが宿っています』
キング「ロイミュードだと? 確か全滅したと聞いたが……」
ブレン『確かに一度は全滅しました。しかし、多元世界の危機に際して、ロイミュードも復活するのです。敵としても、味方としても。そして、この私、ブレンはこの度ファンの熱い応援の声に支えられて、復活しました。仮面ライダーとしてね。変身!』
キング「まさか、貴様が仮面ライダーだと?」
ブレン『そう。メガネンジャーの一員メガネグリーンにして、仮面ライダーブレン。タイムジャッカーのクラブキング、お前はこの私が相手して差し上げましょう』
キング「過去の亡霊ごときが小賢しいわ。くらえ、重力波ッ!」
ブレン『ならば、こちらは重加速で対応するまで!』
キング「うおっ、どんよりして、スムーズに動けん」
ブレン『これで条件は対等。しかし、私には共に戦うハートとメディックが付いている。あなたに勝ち目はありません』
NOVA「……というようなストーリーを、去年の年末ごろには考えていた」
キング「ケイPマーク3に、仮面ライダーブレン。そのような切り札が隠されていたとは」
NOVA「別に隠していたわけじゃないんだが、俺のブログに普通に書いていた話をチェックしなかったのは、お前の勝手。まあ、お前たちがケイPを連れて来い、と言った話の流れがあるから、最新型のマーク3を連れて行ったわけで」
ダイアナ「だけど、その後、仮面ライダーブレンが公式で制作されるとは、想定外だったわけね」
NOVA「ああ。公式が4月1日に仮面ライダーブレンを公表した時は、驚いたよ。俺がブログのネタ帳に書いたことが実現したわけで、白ウォズになった気分だ。さらに、重加速VSタイムジャッカーの時止めもジオウのTV放映で実現したわけだし。映画にも仮面ライダーブレンが出演した段階で、このプロットアイデアは賞味期限切れということだ」
エース「公式が自分の考えたネタをパクったとか思い込んで、逆恨みしたりは?」
NOVA「するかよ。逆に、俺の考えたネタのレベルが、公式にも通用することを確認できて、大いに喜んだものだ。何しろ自分が面白いと考えたことを、公式が実現してくれたんだからな。そもそも創作アイデアなんてのは、一つ考えて終わりってものじゃなくて、常日頃からどんどん違うネタを考えて行くもんなんだよ。たった一つのアイデアに固執して、それを取られたとか言って恨み言を述べているようじゃ、そのジャンルじゃコンスタントに仕事していけないと思うぜ。まあ、ボツネタでも公開していれば、誰かがそれを拾ってくれて、より面白い作品に結実してくれる可能性もあるしな」
キング「とにかく、このプロット通りに進めば、吾は仮面ライダーブレンに倒されてしまう予定だったのだな」
NOVA「ついでに言っておくと、お前がドゴランアーマーを装着すれば、死ぬぞ」
キング「何と。それは、どういうことだ?」
NOVA「ケイPの好物は、かっぱえびせんという設定なんだが、エビとカニは同じ甲殻類の近縁種なんだ。翔花がドゴランアーマーを装着して平気なのは、俺と翔花とケイPの間に魂の契約関係があるからであって、そういう儀式を抜きにして力ずくでケイPを装着しても、カニ属性のお前は食材として食われてしまう」
キング「ならば、どうすればケイPの力を吾がものにできるというのか?」
NOVA「さあな。ケイPの生態については、ドクター・ウルシェードが今も精力的に研究中だが、お前もドクターの実験体に志願すれば、強化改造してもらえるんじゃないか。海産物だったら、海好きなドクターも歓迎してくれるだろうし」
キング「吾に貴様たちの軍門に下れと言うのか?」
NOVA「強制はしない。ただ、そういう道もあるということだ。少なくとも、ドゴランアーマーを力ずくで物にしても、それを装着することは、お前にとって自殺行為にしかならないってことだ」
キング「むむっ。吾はどうすれば?」
NOVA「そのまま、しばらく悩んでいるといい」
ダイアナVS花粉症ガール
NOVA「さて、ダイアナよ。お前はうちの娘を殺したがっているんだよな」
ダイアナ「ええ、その通りよ」
NOVA「つまり、お前とは根本的に和解する道が見出だせないわけだ」
ダイアナ「あえて言うなら、エースちゃんの愛が翔花ちゃんではなく、あたしに向けられれば別だけど」
NOVA「ならば話は簡単だ。おい、エース。ダイアナのことを好きになれ」
エース「何でだよ? ジャックのことは頼り甲斐のある仲間として友情は感じているが、オレの愛は翔花ちゃん一筋だ」
NOVA「ところで、エースは1号と2号、どっちの翔花が好きなんだ?」
エース「どっちもだ」
NOVA「……翔花だったら誰でもいいのか?」
エース「言っておくが、オレが愛しているのは花粉症ガールの粉杉翔花ちゃんだぜ。あるいは、タイムジャッカー電撃隊のバットクイーンだ」
NOVA「バットクイーンだったら、2号の晶華の方だな。お前はずっと翔花と言い続けているが、バットクイーン目当てなら、改名後の晶華と呼ぶべきだ」
エース「そんなの、どっちも同じショーカちゃんだろうがよ」
NOVA「違うぞ。翔花と晶華は元々は同じだが、今では明確に違う個性の持ち主だ。どっちでもいいなんて言っている奴に、キャラ愛を語る資格はない。『五等分の花嫁』に登場する中野家五姉妹をどれでもいい、などと言っている奴に、ファンたる資格はないのと同じことだ」
エース「ファンじゃなければ、どうでもいい情報だろうがよ」
NOVA「いや、俺も作品ファンではないが、語る以上は調べるぞ。 花澤香菜声で喋る長女が一花(いちか、上中)で、竹達彩奈声で喋る次女が二乃(にの、上右)で、伊藤美来声で喋る三女が三玖(みく、上左)で、佐倉綾音声で喋る四女が四葉(よつば、右下)で、水瀬いのり声で喋る五女が五月(いつき、左下)で、そんなことは熱心なファンの間では常識だ。俺はファンじゃないから、とりあえず今、慌てて調べているだけだが」
ダイアナ「それで一体、何の話をしたいわけ? あたしの話から、どんどんズレて行っているような気がするんだけど……」
NOVA「そう。そのツッコミを待っていた。今の状況だと、俺はダイアナこそがアシスタントに最もふさわしいと考えるぞ」
ダイアナ「え? あたしがアシスタント?」
NOVA「実は、ダイアナって晶華と性格がかぶっているんだよな。ただ、その好意の向かう先が俺じゃなくて、エースに向かっているだけで。つまり、エースが人の外見や性別でなく、内面を見るような洞察力を持ち合わせていれば、ダイアナの魅力にも気付くはずなんだ」
エース「何だと? このジャックの中身が晶華ちゃんだと言うつもりか?」
NOVA「少なくとも、作者の意図としてはな。だから、晶華VSダイアナの戦いは、鏡合わせのような展開をイメージしていた」
エース「じゃあ、何でジャックは男なんだよ? せめて、女性キャラにしてくれれば、自分をフォローしてくれる女性にオレが惚れる可能性もあったろうに」
NOVA「その辺は、LGBTに対する配慮を模索しながら、なかなか表現が難しいよな、と思っている最中だ。最近、創作関連で、LGBT関連の登場人物を一般的に登場させないことが差別、という発言を時々ツイッターで聞いたりもするんだが、これって簡単なことじゃないんだよ。
「まず、作り手がそういう性的少数者のことを勉強し、理解する必要があるし、中途半端な理解とか興味本位なネタとして扱うと、かえって差別を助長する危険もある。いわゆるお姉キャラとか、百合志向のキャラって、それだけで個性的になりすぎて、作り手が扱いに迷ってしまいがちなんだ。物語テーマに関係なければ、キャラなんてステロタイプで描写する方が簡単だし、LGBTのステロタイプって言えば、宝塚的な男装系ハンサム美少女か、世話好きお姉さん風な厚化粧男性になるのかな。俺的には百合ジャンルはOKだが、ホモジャンルは好まないし、それでも試し書きぐらいはしたくもなるわけで」
ダイアナ「つまり、晶華ちゃんの合わせ鏡に、NOVAちゃんのLGBT問題意識が表面化して誕生したのが、あたしってわけ?」
NOVA「お前がNOVAちゃんって言うな。そう呼んでいいのは娘だけだ」
ダイアナ「だけど、あたしの内面は晶華ちゃんなのよね」
NOVA「少し違う。お前はダイアナ・ジャック。ダイヤは女性的な宝飾アイテムで赤色カラーにも関わらず、ジャッカーではブルーの男性キャラとして扱われていた。また、シャッフル同盟の中でも、ネオフランスのキザな貴族キャラとして、どこかデリケートな優雅さを備えたスート。さらに仮面ライダー剣では、ギャレンこと橘さんだったりする。そういう例を参考に、俺なりのダイヤキャラは、どういう属性で行こうかな、と考えてみたわけだが、パワータイプのキング、スピードタイプのエースが先に決定していて、それならクールな幻惑タイプがいいかと思い、そこに、月の女神ダイアナのイメージをかぶせてみた」
ダイアナ「ふんふん、そこまでは悪くないわね」
NOVA「そして、バットクイーンと並べてみた時に、思いきりキャラ被りしていることに気付いたわけだ」
エース「言われてみれば、そうか」
NOVA「そこで、ダイアナはクイーンになれずに嫉妬する女というキャラにしようと思いつつ、もう一段階、ネタを膨らませようとして、また気付いたんだ。ジャックって男性名じゃねえかって。だから、男装の麗人で行こうか、と思って、アニメ三銃士を思い出したりもした」
ダイアナ「三銃士と言えば、ダルタニアンと友情を交わしたアトス、ポルトス、アラミスのことね」
NOVA「ああ。NHK制作のアニメ版は原作小説を題材にしつつ、いろいろ改変されているんだが、アラミスが男性から男装の女性になったことも大きい。そして、アラミスの人気は放送当時、非常に高く、メインヒロインであるコンスタンスを凌駕する勢いで、映画版では彼女が主人公として扱われたりもするほどだった」
ダイアナ「そこまで男装の麗人キャラを意識していながら、どうして逆転しちゃったのよ。そのままで行けば、人気キャラになれたかもしれないのに」
NOVA「いや、うちの娘と対決する方向で考えた際に、娘よりも感情移入しちゃう可能性があってな。そいつはまずいと考えた。おまけに、クイーンになれなかった女が男装してるのもおかしいだろう。クイーンを目指すなら、男装やめろよってツッコまざるを得ない。だから、クイーンになれない理由を、男だから、と考えることで話がつながった」
ダイアナ「それで性別は男で、だけど中身は女で、クイーンに憧れて、エースちゃんを好きな今のあたしになってしまったのね」
NOVA「さらに、それを考えた時の頭で、翔花1号のパートナーのシロちゃんの話も考えてみたんだが。彼女はキングを目指していたんだけど、女の子じゃキングにはなれないので、成長時にプリンスになってしまった。まあ、元々、性別不詳のボクっ娘なので、そこからギャップ萌えを狙ってオレサマ口調のワイルドキャラに変わってしまったんだが、どうも萌えとは別方向に変わってしまってな。ぶっちゃけ、今も悩んでいるところだ。どうしよう?」
ダイアナ「そんなの、あたしが知るか! 大体、そのシロって娘と、あたしは会ったこともないのよ」
NOVA「とまあ、そんなわけで、瞬間瞬間を必死に考えながら、書いているわけだな、これが」
ダイアナ「プロット通りに書いているんじゃなかったの?」
NOVA「いや、プロット通りに書いてみたら、こうなってしまったんだよ。プロット時点では面白いアイデアだと思ったんだが、いざ形にしてみると、何か書きたいものと違う、というか、イメージと違うキャラになってしまって、修正しないと、と思っている段階」
ダイアナ「何だかシロちゃんがお気の毒だけど、あたしも他人事じゃない。とにかく、行き当たりばったりの暴走が過ぎないこと?」
NOVA「う〜ん、適度にブレーキをかけてくれる編集さんがいてくれたらな、と考えたりもする。ともあれ、ダイアナもクールで知的キャラだと思っていたんだけど、実際に会話してみると、意外とヒステリックだったことに今、気が付いた。晶華はここまでツッコミが激しくなかったけどな」
ダイアナ「あんたの創作裏話が酷すぎて、ツッコまざるを得ないのよ」
NOVA「こんなダイアナの激しい攻撃を受けて、俺……じゃなくて、晶華は窮地に立たされる予定だったんだな」
エース「うわ、話を巧みにすり替えやがったぞ、こいつ」
NOVA「晶華ピンチ。そのとき、娘に語りかける闇の声。力が欲しいか? 誘いに乗って、再び暴走闇堕ちした娘は、一度は分離したアナザーショーカを受け入れてしまうんだ。融合合体したバットクイーンの圧倒的な力の前に、ダイアナは打ちのめされ、土下座して命乞いするまでになる。そしてバットクイーンは、ダイアナの血を吸い、永遠の下僕の身に叩き落とす」
ダイアナ「って、それがプロットなの? ありえたかもしれない可能性ってこと?」
NOVA「まあな。元々は、ダイアナももっと狡猾で同情の余地もない冷酷なキャラとして描くつもりだったし、晶華をボロボロに追いつめ、そこからのバットクイーン再覚醒、ダークな決着ってものを想定していたんだ。だけど、そういう重い話が書きたいわけじゃないので、やめにした」
ダイアナ「やめて正解よ。永遠の下僕って何よそれ。冗談じゃないわ」
NOVA「若い時の俺は、そういう方向のダークファンタジーを書こうとしていた時期があったんだ。って言うか、実際に書いたりもしていたし。ただ、それにハマりすぎると鬱になるんで、今は書けない。せいぜい、頭の中で妄想する程度」
ダイアナ「……恐ろしい。正に聞きしに勝る妄魔時王ってことね。こういう作者を敵に回すと、どれだけ酷い結末を迎えるか、知れたことじゃない。生き残るためには、媚びを売るのが正解ね」
エース「何だと? ジャックまで籠絡されただと?」
NOVA「後は、お前だけだな、読者A。いや、タイムジャッカー最後の一人、スピードA(にっこり)」
スピードエースVS言霊魔術師
エース「キングも、ジャックも、奴のとりとめもない話に翻弄され、戦意喪失してしまった。 何て奴だ、White NOVA」
NOVA「俺は時空魔術師であると共に、言霊魔術師だからな。言葉の通じる相手なら、WinWinで話をまとめ上げて、無駄な戦いを避けたいと思っている」
エース「俺は、その手には乗らん。翔花ちゃんを手に入れる妨害となるなら、一人でも立ち向かってみせる」
NOVA「アナザーショーカなら差し出すが、それで手を打たないか?」
エース「アナザーショーカだと?」
NOVA「さっきから度々、話題に出しているのに、お前はそこにちっとも反応しないもんな。晶華から分離して封印したアナザーショーカ、別名アンナ・BG・ブロシア、花粉症ガール4号なら、お前たちタイムジャッカー電撃隊に返上してもいい。これが一番の落とし所だろう」
エース「そんな都合のいい存在がいるのか?」
NOVA「いるんだよ。詳細を知りたければ、この記事を読め。タイムジャッカー電撃隊の物語の決着は、俺がお前たちにアナザーショーカを返還して、万事解決の予定だったんだ。ここまで長引くことになるとは思わなかったぜ。リバTの中に封じているアンナの奴も、ちっとも目覚める様子がないし、もしかすると今年のハロウィンの時期になって、ようやく目覚めるのかもしれないな」
エース「バットクイーン、アナザーショーカちゃんが目覚めれば、本当に返してくれるんだろうな」
NOVA「彼女の意思次第だけどな。俺は昨年のハロウィンの時期に、この妄想タイム世界のどこかに彼女好みの領地と館を築いて、そこを領主として治めていいと約束した。もしも彼女がそうしたいなら、未来に帰らずにこの世界に残るという選択肢がある。その際、お前たちタイムジャッカー電撃隊には、バットクイーンの領地経営を手助けしてやって欲しい、と思っている。読者A、お前が未来世界で、うちの娘を献身的にサポートしてくれていたことは聞いている。翔花と晶華はやれんが、晶華から分離したアンナだったら、お前たちの女王として忠義の対象になるはずだ」
エース「だが、しかし、オレはあんたに拭い去りがたい恨みがあって……」
NOVA「ビルドの最終回をリアルタイムで見られなかったことだろう? 俺もジオウの最終回付近を甲子園のために見られないことを残念に思っている。だが、1年遅れになるが、今からビルドの最終決戦のDVDを一緒に見ないか? ついでに新世界のクローズのDVDも一緒に見て、そして秋のグリスDVDに期待を寄せる。こうして、共に失った時をしみじみ懐かしがるんだよ」
エース「NOVAさん、あんたって人は、そこまでの罪滅ぼしをしてくれるとは……(涙目)。そうとも、失った時間はこれから取り戻せばいいんだな。あんたは大切なことを、俺に思い出させてくれた。ありがとう」
そして……新時代からの侵略
NOVA「こうして、この俺、白NOVAと、未来からの侵略者タイムジャッカー電撃隊の戦いは、丸くハッピーに収まるのでした。めでたしめでたし……といったプロットが、この本には書かれているわけだ」
エース「何だ、その茶番は?」
NOVA「いや、だから俺の考えたプロットだって。途中はいろいろ衝突することもあったけれど、最後は誰も犠牲にならずにハッピーに収まる感動的な物語」
エース「全部、てめえの都合のいい夢物語じゃねえか。そんなので読者は納得しねえよ」
NOVA「いや、納得してくれるかもしれないじゃないか」
エース「百歩譲って、平成の旧時代の読者は納得してくれるかもしれねえ。だが、新時代の読者には通用しねえ」
NOVA「まあ、プロットを考えたのは平成だから、一部は令和の新時代に合わせて修正しないといけないだろうな」
エース「令和なんて関係ねえ」
NOVA「何だと?」
ダイアナ「あたしたちタイムジャッカー電撃隊は、残念ながら令和の存在じゃないの」
キング「この令和とは異なる時間軸からやって来たのだ。令和を破壊しにな」
NOVA「はっ? 令和を破壊するだと? 何を言っているんだよ、お前たち」
エース「オレたちの歴史では、平成の次は令和じゃない。よく聞け、平成の次は……
珠保(じゅほう)だッ!
(当記事 完。次回「令和VS珠保」につづく)