館の地下室
NOVA「さて、晶華の深層意識にダイブしてみたら、眠れる吸血娘のアナザーショーカは幽霊屋敷っぽい館をこしらえて隠れ潜んでいたので、俺は怖々、館を探索する羽目になったんだな。そして、とうとう地下室への侵入に成功したところまでが、前回の話だったわけだ。まったく、アナザーショーカ、いや、アンナ・BG・ブロシアの奴、手間を掛けさせやがって」
Watch The CW's Heroes And Villains Crossover Promo Teases Batwoman
NOVA「そもそも、俺はここ数年、DCヒーローのTVドラマ、アローバースにハマっていて、フラッシュやグリーンアロー、スーパーガール、レジェンドofトゥモローの追っかけをやっていて、今もフラッシュシーズン3をじっくり追跡中の身だが、年末になるとクロスオーバー祭りの話題が盛り上がる。一昨年は異星人ドミネーターと戦うためにヒーローが集結する『インベージョン』、昨年はナチスが支配する異世界アースXからやって来た偽物ヒーロー・ヒロインと戦う『クライシス・オン・アースX』が盛り上がったんだよな」
NOVA「そして、今年は12月9日放送(本国)で、タイトルは『エルスワールド』というらしい。エルスは、アナザーと同じような『他の』という意味の単語だけど、予告を見ると、グリーンアローことオリバーがフラッシュの奥さんのアイリスと夫婦になっていたり、何だかアローとフラッシュの役割が入れ替わったパラレルワールドっぽい話みたいだ。そこに、バットウーマンという新キャラが絡んできたりして、ついにバットマン時空であるドラマ『ゴッサム』とのクロスオーバーか? とか、バットウーマンの単独ドラマ主演作への布石とか、いろいろ情報が入ってきて、ワクワクしている最中だったりする。当ブログ的には、DCヒーローにバットウーマンが出るなら、うちのバットガールことアンナにもスポットを当てたいと思っているんだが、果たしてどうなるかなあ」
いろいろな想いを胸に、NOVAは瞑い地下室に侵入した。
NOVA「地下室は案の定、棺だらけだぜ。棺が一つ、棺が二つ、棺が三つって、数えていったら、睡魔に襲われそうだよなあ。って、羊じゃねえ。一人ボケ一人ツッコミ芸を炸裂させたところで、さあ、アンナの眠る棺はどれかなあ」
NOVAは、棺の蓋に書かれた文字を読んだ。
NOVA「『予言者NOVAストラダマス』って書いてやがる。何じゃそりゃ。こっちは『教祖NOVAグロワール』だと? さらに、もう一つは……『妄魔時王アナザーNOVA』って、何で俺の名前を冠する棺が3つもあるんだよ。どうなってやがるんだ、一体?」
女の声「フフフ、私の寝室にようこそ、ダディー。わざわざ会いに来てくれるなんて嬉しいわ」
NOVA「お、お前はアンナ。まさか、起きていたとはな」
アンナ「ダディーが館に入るまでは眠っていたわ。だけど、美味しい血と魂の匂いが、私の眠りを覚ませてくれたの。だけど、この地下室まであっさり入って来れるとは思わなかった。さすがは伝説の時空魔術師と言ったところね」
NOVA「伝説はともかく、どうして俺の棺が3つもあるんだよ」
アンナ「それは、あなたの未来の可能性。あなたに選ばせてあげる。予言者になるか、教祖になるか、妄魔時王になるか」
NOVA「俺は……」
★選択肢1:未来を知る全知の予言者ノヴァストラダマス
★選択肢2:全てを管理し導き支配する教祖グロワール
★選択肢3:全てを解放する最強最悪の混沌の主・妄魔時王
アンナ「さあ、あなたはどの運命を選ぶのかしら?」
未来の選択
NOVA「俺は……どれも選ばない。読者が何を選んだかは知らんが、俺が選ぶ選択肢は俺が決める。それは4番、『ヒーローとロボットとTRPGを愛する趣味人な塾講師White NOVA』だ。これ以外の選択肢は考えられない」
アンナ「そんなの、未来を志向せずに、単に現在を肯定しているだけじゃない。そんな物は選択とは言えないわ」
NOVA「いや、これが今までの人生で選択した結果なんだ。もちろん、趣味の中には、創作も、時空魔術も、言霊魔術も、いろいろ含めるし、まだまだ知りたいこと、やりたいことは数多い。だが、全てを知るとか、管理するとか、解放するなんて大そうなことは望んじゃいない。自分のことすら、完全には知らなかったり、管理できなかったり、解放しきれなかったりするんでな。むしろ、知らないことを見つけて発見する喜びや、他人の自由な発想に感心したりバカな妄言にツッコミ入れたり、それでも何だかんだ言って一応のルールで秩序立って、ささやかな幸せを感じられる、この日常世界が大好きなんだ。お前の選択肢は極端なんだよ。何事も程々に、中庸に、それでも可能なかぎりベストを尽くして、穏やかで明るい未来を志す。それが俺の生き方であって、つまらない野心に突き動かされるつもりはない」
アンナ「予言者にも、教祖にも、妄魔時王にもならない、いいえ、それら全てを内包し、統合した第4の道、塾講師。これが未来において、時空導師と称えられることになるのね❤️」
NOVA「はっ、何を言っているんだよ、お前?」
アンナ「私の提示した3つの選択肢に乗らず、自分の運命を自分で決める、と言い放ち、それを凌駕する道を示すなんて、並の男にできることじゃない。分かった。ダディーの選んだ選択肢に従うわ。それに合わせて、『塾講師にして時空導師White NOVA』の棺を作る。これなら文句ないでしょう?」
NOVA「って言うか、棺なんて作るなよ。まだ死んでないんだし、縁起でもねえ」
アンナ「あら、棺がなかったら、吸血鬼はどこで眠るのよ」
NOVA「俺は吸血鬼じゃねえ」
アンナ「今はね。だけど、この館に入った以上、館の主人の意思には逆らえない。それが館のルール。さあ、血を私に捧げなさい」
NOVA「う、全力で抵抗したいところだが、アンナの赤い瞳に射すくめられて、頭が何だかボーッとする。この地下室の雰囲気が俺の意思をけずり取る。このままだと、アンナに血を捧げて、ハッピーな吸血鬼ライフを堪能したいという欲望に負けてしまう……」
謎の声『いけません、グランドマスター。あなたはそんなに弱いはずがありません』
アンナ「誰、私の邪魔をするのは?」
NOVA「お、お前は……スタチュー」
女神の想い
アンナ「いきなり、私の地下室に乱入してくるなんて。この聖火を掲げた女神の像は一体?」
スタチュー『我は、スタチュー・オブ・リバティー。またの名を自由の女神。全てを解放する妄魔時王にしてグランドマスターNOVA様に、心と命を与えられた石像リビング・スタチューの転生体なり』
NOVA「ちょっと待てよ。お前は前回、ドゴランアーマーの石像だったはずだろう? それがどうして、自由の女神の姿になっているんだよ」
スタチュー『それは、あなた様が私めにスタチューの真名を与えてくれたために生じた奇跡。言霊魔術師のNOVA様が、私めをスタチューと呼んでくださった時から、NOVA様の自由を愛する想いと魂が宿ることによって、新たな生命が誕生したのです。さらに、私めは元々、ケイP様の変形したドゴランアーマーをモチーフに作られた夢世界の石像。不定形が特質のケイP様がモデルである以上、解放された私めが新たな姿を構築しても何の不思議もありますまい⭐️』
アンナ「いいえ、どう考えても不思議でしょう。大体、あなたは私の下僕だったはず。どうして、私を裏切るわけ? ありえないわ」
スタチュー『私めは確かにアンナ様の下僕でした。しかし、グランドマスターの意思で、下僕の身から解放されたのです。今の私はリバティー。そう、大いなる自由の象徴。誰かを支配し、下僕に仕立てようとする邪悪な意思には、反旗を翻します』
アンナ「ダディー。やはり、あなたは混沌の主・妄魔時王になる運命だったようね。ドゴランアーマーの石像が、どんな化学変化を起こせば、自由の女神に変わってしまうのか、私にはちっとも理解できない」
NOVA「俺だって理解できないよ。少なくとも、本記事を書く前のプロットでは、自由の女神のことなんて、ちっとも書いてない。話が進むうちに、いつの間にかアストロモンスみたいにPONと飛び出して来たんだ。だが、スタチュー、いや、これは種族名だな。女の子だったらリバティーと呼ぶ方が可愛い。とにかく、リバティーは今、心強い俺の味方、そう解釈していいんだな」
スタチュー改めリバティー『ええ、グランドマスター。私めは全てを解放する妄魔時王の生みしもの。よって、妄魔時王の道を歩むNOVA様に付き従うのが我が使命と心得ています』
NOVA「だから、俺は妄魔時王になる気はないっての」
リバティー『大丈夫。なりますから。私はそう信じています⭐️』
NOVA「何が大丈夫なのかは知らんが、とにかく、アンナに血を吸われずに済んだことは間違いない。そして、俺がここに来た目的は、アンナに血を捧げることではなくて、アンナを晶華の肉体から解放してやろうってことなんだ」
アンナ「私を解放?」
NOVA「そうだ。お前に別の肉体を与え、タイムジャッカーの未来に送り返す。何しろタイムジャッカーの連中が、バットクイーンを返せ、と出張ってきたからな。お前さえ向こうに帰ってくれれば、こっちは平和になる。お前だって、晶華の体から自由になれば、未来で好きにやればいい。俺はそこまで干渉する気はないしな」
アンナ「そんなのイヤ」
NOVA「何だと?」
アンナ「だって、私、元はショーカなんだよ。NOVAちゃんの魂と契約した花粉症ガール。改造されて吸血花粉症ガールになっちゃったけど、それは未来にNOVAちゃんがいなかったのが悪いんじゃない。だから、NOVAちゃんっぽい教祖グロワールに従ったりしたんだけど、やっぱりこの人はNOVAちゃんじゃないって逃げ出そうとしたら、杖の力で洗脳されて……NOVAちゃんが本当に解放の力を使えるなら、私もグロワールから解放してよ(涙目)」
NOVA「お前、泣いているのか?」
アンナ「夢の中なんだから、涙ぐらい流せるわよ。本当に泣いているわけじゃないんだから。だけど、NOVAちゃん、いいえ、ダディーが私を娘として扱わず、過酷な未来に追放する気なら、そんなの泣きたくなるわよ。だって、私が未来からやって来たのは、ダディーと永遠に一緒にいるためなんだから。だから、私に血を吸われて、吸血鬼になって永遠の生を堪能して欲しいのに、ダディーはそれを断る。そんなに私と離れたいわけ?」
NOVA「べったり縛られたくはないよなあ。まあ、お前なりに不幸な境遇ってのは分かるけどよ。ただ、晶華とお前が表と裏の人格で、お互いを束縛している関係だと、次のステップに踏み出せない。一度、切り離して、それぞれの自立と、心の充足を考える必要があるんじゃないか。もちろん、お前が俺にべったりで、俺の心の充足を邪魔するようなら、俺はお前を追放するけどな。吸血鬼ライフで心が充足するとは、俺には思えん」
アンナ「どうして、吸血鬼がダメなのよ」
NOVA「吸血鬼になると夜行性になり、朝に眠らなければならない。それはすなわち、ニチアサのスーパーヒーロータイムがリアルタイムで見られなくなるということだ。しかも、シンカリオンもウルトラマンもアウトだ。こうなると、今の俺は神牙とグリッドマンとジョジョを支えに生きていくしかないじゃないか。俺からニチアサリアルタイム視聴を奪う奴は許せん。6月の全米ゴルフも、夏の高校野球放送も、秋の駅伝も、世の中からなくなってしまえばいいと思っているぜ。さすがに怪獣作って甲子園とかを破壊するようなマネはしないがな」
アンナ「それだったら、仮面ライダーも戦隊も深夜枠に移せばいいんじゃない? 時空魔術師のダディーだったら、それぐらい簡単にできるでしょう?」
NOVA「できねえよ。できても、そんなことするわけねえ。大体、放送時間帯がプリキュア以前とプリキュア以後に切り替わっただけで、世の中(特撮ヒーロー界隈)は大混乱したんだぜ。今年、災害が多い原因の幾割かはスーパーヒーロータイムの時間帯が変化したせいで、日本を守るヒーローの加護が減ったからだ、と俺は信じている。それほど大切なスーパーヒーロータイムを深夜に移してみろ。この世界が一体どうなることか、計り知れない大惨事だ。世界の安寧を願う時空魔術師が、身勝手な欲望のためにスーパーヒーロータイムを深夜枠に移すなど、断じて有り得ん」
アンナ「つまり、スーパーヒーロータイムがニチアサにある限り、ダディーは吸血鬼になってくれない、ということね。だったら、スーパーヒーロータイムを終わらせる。そうすれば、White NOVAは絶望して、吸血鬼になる」
NOVA「させるか。スーパーヒーロータイムが終わって、俺が絶望すれば、このブログを続ける気力もなくなって、花粉症ガールの物語も終わり、花は枯れ、鳥は空を捨て、人は微笑みなくすだろう。つまり、スーパーヒーロータイムはニチアサを照らす太陽みたいなものなんだ」
Opening Sun Vulcan (sub español)
アンナ「ニチアサが続いてもダメ、終わらせてもダメ。だったら、どうすればダディーは吸血時空魔術師になってくれるのよ」
NOVA「だから、どうして、そこまでして俺を吸血鬼にすることにこだわるんだ」
アンナ「だって、愛する人と同じ時を過ごしたいって当たり前の感情でしょ?」
NOVA「お前の愛が束縛する愛なら、お前こそ愛に束縛されているのかもしれんな。リバティー、解放してやれ」
NOVA「まず、アンナの身柄を拘束する。そのまま、この館の外に連れ出して、晶華とケイPのところに運ぶ。そして、転生の儀式を敢行する。これが最初からの予定だ」
リバティー『異議。私めは自由と解放を第一義としますので、最初の指示には同意できません。アンナ様を拘束しようとするなら、私めはあなたを妄魔時王と見なせなくなり、反旗を翻しますが』
NOVA「だったら、命令の言葉を変更する。アンナを優しく包み込むように抱擁し、そのまま館の外に丁重にお連れする。そして、晶華とケイPのところで、儀式を敢行する。これでどうだ」
リバティー『優しく包み込むように、ですか。了解しました。さあ、アンナ様、私めに身を委ねて下さい(ガバッ、ウニョウニョ)』
アンナ「キャーーーーッ。石像のボディーが開いたと思ったら、中から触手が……」
NOVA「ちょっと待て。リバティー、お前、18禁コミック御用達な触手アーマーだったのかよ」
リバティー『ええ、モデルがドゴラですから、触手は付きもの。それに、この館はアンナ様のダークでアダルトな願望に基づいて構築されていますので、私めの中身も当然、こういう形に』
NOVA「そうか。アンナの願望か。そりゃ仕方ないな。ケイPは俺がプログラムしたから、そういうエロティックな設計はしていないが、リバティーは俺製じゃないからな。諦めろ、アンナ。これもアダルトな汚れキャラ街道まっしぐらなお前が悪い」
アンナ「ちょっと待ってよ。吸血鬼みたいな耽美でエロいのは好みだけど、触手みたいなグロいのは私の趣味じゃない。このままだと、私があんなことやこんなことをされて、このブログが18禁指定されてしまうわ。ダディーはそれでもいいの? 変態妄想塾講師の汚名を着ることになるわよ」
NOVA「それは確かにマズいな。おまけに自由の女神像がパカっと開いたら、中から触手ウニョウニョってのは、アメリカ人をも敵に回しそうだ。やっぱ、自由の女神はもっと清純派キャラでいてもらわないと🗽」
リバティー『さあ、アンナ様。優しく、包み込むように、抱擁して、天国に連れて差し上げますからね〜。お覚悟の程を。キシャーーーッ(ウニョウニョ)』
アンナ「コラー、キシャーーーッは私の専売特許。勝手に奪うなあ。ダディー、お願い、助けてーーッ!」
NOVA「娘から助けを求められれば、助けないわけにはいかない。おい、リバティー。命令変更だ。優しく包む必要はない。普通の衣服のように、そっと静かに、シルクな肌触りで、18禁にはならない描写で、自由の女神の尊厳を決して崩さない凛々しさで、アンナの聖衣になるんだ。イメージはこんな感じで」
アンナ「ちょっと、白は私のイメージカラーじゃない」
NOVA「今だけは、俺に合わせろ。俺の娘として転生する儀式には、白が望ましい。転生後はお前の趣味も尊重するから」
アンナ「その言葉、偽りはないわね」
NOVA「ああ、バットクイーン。お前がこういう館に暮らしたいなら、この妄想タイム世界のどこかにお前の領地と館を築いたらいい。その土地なら、吸血鬼の女王として君臨する権利も与えよう。もちろん、すぐにというわけじゃないし、お前があまりにも秩序を破壊する世界の敵と判明したら、それなりの対処はするがな。転生後しばらくは不自由な扱いもするが、その間に世界での身の処し方を学べ。その後は、お前が自由に管理できる土地を与える。こんな感じでどうだ」
アンナ「私の国を作っていいですって? ずいぶん、気前がいいこと。本気なの?」
NOVA「もちろんだとも。俺一人で世界を管理することなんてできないからな。来年には、コンパーニュの塔もこちらに転移させないといけないし、世界の探検開拓も進めるつもりだ。だったら、吸血鬼の館と国を作る余地もあるはず。俺は吸血鬼狩人じゃないから、多様性ある世界の主として、吸血鬼の存在を認めてもいい。もちろん、共存共栄を目標としてな」
アンナ「自由を尊重する解放者。ダディーは良い妄魔時王になれそうね」
リバティー『同意します。それでは、衣替えの準備はよろしいですか』
アンナ「白は今だけよ。そのうち、私色に染め上げてやるんだから」
リバティー『ではリバティードレス展開。触手機能OFF。清純派女神モードON。触手に興味があれば、いつでも言ってくださいね』
アンナ「誰が言うものか。装着完了。自由と解放を司る純白の女神アンナ・リバティー、ここに降臨……ってこんな感じでいいのね。何だか恥ずかしいけど(赤面)」
NOVA「よし、似合ってるぞ。この白が、いずれ黒に染まるかと思うと、俺の悪堕ち好き妄想回路がフル稼動しそうだぜ」
アンナ「……やっぱり妄魔時王だ、この男」
リバティー『同意します。アンナ様⭐️』
転生の儀
晶華「NOVAちゃん、ずいぶん遅いわね。本当に大丈夫かしら」
ケイP『でえじょうぶだ。何かあっても、ドゴランボールがあれば生き返れる』
晶華「死ぬか生きるかの話じゃなくて、精神世界なんだから正気を保って出て来られるかの話なの。もしも万が一、アナザーショーカに洗脳されたりして、アナザーNOVAになって帰って来たら、どうしたらいい?」
ケイP『アナザーNOVAを倒すためには、こちらもNOVAアーマーの力を使わなければいけないんだろうな。そのためにはNOVAライドウォッチを見つけねえと』
晶華「だけど、そのためには時空ドライバーも必要だし、もしかすると、私たちじゃ使いこなせないから、常盤ソウゴさんやゲイツさんをジオウ世界から連れて来ないといけないかも……」
NOVA「現役ライダーの世界に迷惑をかけちゃいけないな。大丈夫、俺は正気で帰ってきた」
晶華「あ、NOVAちゃん。お帰りなさい♪ お土産は?」
NOVA「こいつだ。俺の色に染め上げたアンナ・リバティーver.ホワイト」
アンナ・リバティー「白は今だけよ。すぐに黒に染め返してあげるんだから」
晶華「あなたがもう一人の私。アナザーショーカね」
アンナ「そういうあなたこそもう一人の私。アナザーエルスショーカね」
晶華「おかしな名前を付けないで。こっちがアナザーエルスショーカだったら、そっちはアナザーエルスショーカのドッペルゲンガーじゃない」
アンナ「負けないわ。私がドッペルゲンガーなら、あなたもそうじゃない。真に本物のオリジナルショーカと言えるのは、屋久島に修行に向かった粉杉翔花の1号で、あなたは所詮2号でしかない」
晶華「2号の何が悪いのよ。サンダーバードだって、2号が一番活躍していて人気も高い。それに比べて、あなたは4号候補。つまり、2号のお荷物でしかないし、登場回数も一番少ない。立ち位置としては、ジェットモグラや他のコンテナメカと同様ね。何で4号の名を冠されているのか分からないぐらいだわ」
NOVA「おいおい、何を低レベルなケンカをしているんだ。おまけに、どさくさ紛れにサンダーバード4号までディスるなんて。お詫びに4号の商品画像を貼り付けておくぞ」
晶華「NOVAちゃん、ハッキリして」
NOVA「何を?」
晶華「2号と4号のどっちが好き?」
NOVA「そりゃ、ベストは2号と4号が仲良くすることだが」
晶華「それじゃ答えになってない。はぐらかさないで、どっちか決めて」
NOVA「そりゃ、アオレンジャーとモモレンジャーのどっちが好きか、って類の難問だな。アオがいないとバリブルーンやバリドリーンが使えないし、モモがいないとゴレンジャーストームやハリケーンが使えない。どちらもチームに欠かせない大事な立場だが、どちらか一つを選ぶならアオだな。モモのいない戦隊はあるが、アオのいない戦隊はない。アカとアオは戦隊の必須カラーだし、その二色だけでもヒーローは成立する」
晶華「よし勝った」
アンナ「クッ、このバットクイーンにこのような屈辱を味あわせるなんて(涙目)。こうなったら、私は私だけの暗黒キングダムを構築して、いつか復讐してやるんだから」
晶華「できるものならやってみなさい。そんな夢物語を口にするよりも、さっさと私の体から出て行って、自立しなさいよ。寄生虫みたいなマネをしてないで」
アンナ「寄生虫ですって。言われなくても出て行ってやるわ、こんなムカつく女の体なんて。ダディー、今すぐ儀式を敢行よ。私に自由なボディーを与えて」
NOVA「お、おう。お前がその気になってくれて、嬉しいぞ」
晶華のアイコンタクト(NOVAちゃん、こんな感じで挑発すればいいんでしょう? ウインク)
NOVAの応答(そういう意図かよ。グッジョブ。サムズアップ)
NOVA「それでは、これより転生の儀を開始する。まずは魔法陣を描いて、その中心にアンナ・リバティーが立つ」
アンナ「立ったわ」
リバティー『準備OKです、グランドマスター。解放の儀を始めてくださいませ』
ケイP『おい、マスター。この声は誰なんだ?』
NOVA「ああ、彼女はリバティー。アンナの館にいたドゴランアーマーの石像が、自由の女神像に変わって、今は白いドレスに擬態している。要は、お前の亜種、ケイPシリーズのマーク4みたいなもんだ」
ケイP『……一体、何を言っているのか理解困難だが、マスターの言うことだから、半分は妄言の類だと思って聞き流す。それよりも、おらのマーク4だと? いつの間に、そんな物を作ったんだ』
NOVA「いや、気づいたら生まれていたんだ。作ったのはアンナで、俺が転身させたと言うべきか」
アンナ「そう、つまり、私とダディーの共同作業。私たちの禁断の愛の産物ってことね」
晶華「どういうことよ、NOVAちゃん。私という娘がいながら、こんな女との間にまたも娘を作るなんて。不潔よ」
アンナ「ホホホ。こういうのは既成事実を作ったのが勝ちなのよ。妄魔時王と蝙蝠女王の愛の結晶が人工触手スーツの魔物とは、これこそカオスの極みということね」
晶華「NOVAちゃん。詳しい話は、この女を追い出してからたっぷり聞かせてもらうわ」
NOVA「お、おう。アンナの奴がいろいろ誤解を誘う言い回しをしているが、館の中で何があったか、きちんとブログ記事にするから。俺には一切のやましいことがないのは分かるはずだ」
アンナ「そう、地下の寝室で夜這いに来たダディーが、愛と欲望の契約を果たして、私を触手で拘束しようとリバティーに命じた事実をたっぷり記事にしてね」
晶華「やっぱり、心配していた通りね。今のNOVAちゃんは、アナザーショーカの誘惑に屈したアナザーNOVAちゃん。そうよ、そうに決まっている」
リバティー『それは違います。グランドマスターは、全てを解放する真のNOVA様、妄魔時王の道を歩み始めたのです。誘惑に屈するのではなく、誘惑する側。全ての自由を尊重し、解放する神のようなお方。心に星を持つ男。強く正しい星雲仮面のように、カタルシスウェーブを放てる御仁なんです』
ケイP『つまり、マスターは妄魔時王に覚醒したってのか』
NOVA「確かに、そういう選択肢は与えられたがな。しかし俺が選んだのは、誰に恥じることもない『ヒーローとロボットとTRPGをこよなく愛する趣味人な塾講師White NOVAの道』だ。こいつは疑いようのない真実だぜ」
ケイP『何となく分かったぞ。おらが翔花ママの子供であり、マスターNOVAのドゴラ愛の産物であるのと同様、リバティーはアンナの子供であり、マスターNOVAのフィギュア愛の産物ってことだな』
NOVA「う〜ん、ドゴラ愛やフィギュア愛というのをどこまで肯定するかが微妙だが、文章にして書いているうちに愛着が出て来ることは確かにある。少なくとも、ケイPが一番、冷静に事態を把握しているようだ」
ケイP『そして、リバティーは、アンナのアシモンということか』
リバティー『そうですね。私めはケイP様をモデルに作られたスタチューですので、ケイP様をグランドマスターの次に尊敬しております』
ケイP『つまり、おらの可愛い妹みたいなものか。光竜や闇竜と出会った時の炎竜になった気分だぜ』
リバティー『私めを妹とよんで下さいますか。それなら私めもケイP様をお兄様とお呼びしてよろしいですか?』
ケイP『お兄様? いや、どうせなら、お兄ちゃんがいいな』
リバティー『ケイPお兄ちゃん⭐️』
ケイP『うおー、ナイスだ。マスターNOVA、おらは今ほどあんたを尊敬したことはない。おらのために、こんな可愛い妹キャラを用意してくれるなんて。よし、おらはこれより「世界初の妹萌えドゴラ街道」を突っ走るぜ。当然、アンナだけでなく、リバティーにもボディーを与えてくれるんだろうな。アンナは嫌いだが、リバティーのためなら喜んで、おらは儀式に全力を注ぎ込む。ドゴラの時代キター。これからは「ドゴラ⭐️妹」こそが流行の最先端だ』
晶華「ここまでハイテンションなKPちゃん、初めて見た」
NOVA「こいつはポルナレフの魂も持っているからな。そして、ポルナレフの亡き妹シェリーへの愛は有名な事実だ。それはとにかく、儀式を続けるぞ。晶華、ケイP、魔法陣の外枠にある三角形の頂点に立て。三角形は変化を象徴し、上向きか下向きかで意味が異なる。この場合は、俺が正位置の上点と見なして、そうそう、二人はその位置だ」
晶華「立ったわよ」
NOVA「よし、元々は三つの想いで儀式を執り行う予定だったが、どうやら五つの想いをフルに使えるようだな。念のため確認するが、誰もこの儀式に抵抗はしないだろうな」
晶華「もちろんよ。私の体は私のもの。寄生虫は出て行きなさい」
アンナ「その言葉、絶対に後悔させてやるんだから。私は自立して、自分の王国を手に入れてやる」
リバティー『自由と解放こそ我が使命。この儀式に否やはございません』
ケイP『晶華ママのため、そして妹リバティーのために。おら、ワクワクしてきたぞ』
NOVA「よし。では、各自、自分を象徴する想いを言葉に紡げ」
晶華「愛と!」
アンナ「欲望と!」
リバティー「自由と!」
ケイP「元気と!」
NOVA「ハッピー! 喜望と! 5つの想いが今、一つとなって、ここに新たな転生の奇跡を発動させる。ハッピー・バースデイ♪ 実は最近、ちっとも気にしていなかったんだが、俺の趣味サイトであるホビー館の誕生日が11月16日なんだよな。よって、この記事の書き始めが、ちょうどホビー館の誕生18周年であることに、さっき気が付いた。そういうメモリアルデイも祝福して、ハッピー・バースデイ!」
ケイP『おお、アンナ・リバティーの体が浮き上がっていく』
晶華「5色の光が天に導く」
NOVA「どうやら成功したようだな。じゃあ、俺たちも融合を解くか」
儀式を終えて
晶華「う、う〜ん」
NOVA「よう、目覚めたようだな、晶華」
晶華「あ、お早う、NOVAちゃん。何だか憑き物が落ちて、身も心も軽くスッキリした気分」
NOVA「そりゃ、そうだろうな」
晶華「あれ? NOVAちゃん、成長した? 何だか一回り大きくなったような」
NOVA「いや、お前が縮んだんだ。というか、未来に行って3年経過する前の、肉体年齢14才の頃に戻ったというか」
晶華「ええ? だったら、この3年分の経験値は?」
NOVA「リセットされて、改造される以前の花粉症ガールに戻ったんじゃないかな。こっちに帰ってからの記憶は知らんが、少なくともバットクイーンとしての能力は失われたと思うぞ。今のお前は、吸血の付かない、ただの花粉症ガール。吸血鬼になっていたのは、晩夏から秋にかけての幻のようなもの。アナザーショーカなんて、どこにもいなかったのよ」
晶華「いやいや、いたでしょう。さっきの儀式は何だったのよ」
NOVA「いや、俺にも想定外の結果になってな。こんなのが落ちていたんだよ」
晶華「何これ?」
NOVA「いや、ミクロマンと言ってな。俺が子供のときに遊んでいた玩具の一つだ。いろいろな種類があるんだが、ミクロマンコマンドシリーズは、古代遺跡の中から生まれたミクロマンだ。モアイ像や、ツタンカーメン像、遮光器土偶像をモチーフとしたカプセルが70年代半ばの遺跡ブームと相まって、結構人気を博したと思う。そして、このレディーコマンドは、ゲッターロボGの支援戦闘機と同じ名前で、初期ミクロマンでは、唯一の女性型シリーズとされている。どういうわけか、古代遺跡とは関係ない自由の女神像の中から出現したという設定だ。このシリーズは頭文字が全部アで始まる女の子で、赤と白のアン、水色と濃赤のアリス、緑とオレンジのアニー、ピンクと黒のアイの4種。設定では、アンが医学博士で治療が得意、アリスが数学博士で計算が得意、アニーが植物博士で薬草の扱いが上手で、アイが心理学者で相手の心を読めるそうだ。なお、俺が小さい時に持っていたのは、アンだった」
晶華「何で、男の子なのに、女性キャラの人形を持ってたのよ」
NOVA「そんなの俺が知るか。俺の意思で買ったんじゃないから、誰かからもらったんじゃないかな。たぶん、どこかの親が子供に間違えて買ったのが、女の子キャラだから要らないと言われて、それが回りに回って、俺のところに来たのだと推察するが、一応、俺が初めてゲットしたミクロマン人形だから鮮烈に覚えている。背中に天使の羽が装着できて、これがなかなか可愛いんだが」
Microman: "Lady Command - M181 (Ann)"
晶華「それで、どうして懐かし玩具がこんなところにあるわけ?」
NOVA「いや、自由の女神型カプセルと、アで始まる女の子人形ってことは、これが儀式の結果じゃないのかな」
晶華「え? 用意したのは、バットガールのセクシーなフィギュアじゃなかったの?」
NOVA「そのはずだったんだが、どうしてミクロマンになったのか。これも花粉症ガール七不思議の一つだと思うんだが」
晶華「バットガールが転生したら、自由の女神から出てくる天使羽のヒロインになることが? それで、私の未来の3年分の経験を全部持って行ったとでも?」
NOVA「そうだな。ヴァンパイアに3レベル分のエナジードレインを食らったと考えれば、納得できるだろうが」
晶華「納得できるわけないでしょう。せっかく17才になって、アダルトな魅力でNOVAちゃんを虜にできると思っていたのに」
NOVA「そんな不健全なアダルトさよりも、健全な可愛さで勝負してくれよ。27日が近づくたびに、人格が切り替わって凶暴化、キシャーーっと血を求めるホラー娘なんて、こっちはストレスなんだから。この数ヶ月、お前のためにどれだけ神経を使ってきたか。しかし、これで何もかも元どおり」
晶華「……う〜ん、そうだね。過酷な未来での傷痕がリセットされたと思ったら、これで良かったと考えますか。失った3年はまたじっくり取り戻せばいいんだし、そんなに急いで大人になっても歪みが生じるだけなのかも。それで、このミクロアナちゃん人形と、リバティーカプセルはどうすればいいの?」
NOVA「今は転生したばかりで、意識がないんだよな。とりあえず、お前の中から生まれたものだから、お前が大事に保管しておけ。もしも、俺が持っていれば、アンナが目覚めた時に不意討ちで吸血されるかもしれん。お前だったら、そういう心配はないはずだ」
晶華「分かった。人形になっても吸血鬼属性が消えたかどうか分からないものね。アナちゃん人形だけだったら、壊したくなるかもしれないので、リバティーカプセルに収納して、大事に持っておくわ。リバティーカプセルを壊したら、KPちゃんに恨まれるので、絶対にそうはしないって約束する」
NOVA「ああ、とりあえず、アンナかリバティーが目覚めたら、連絡してくれ。俺はハイラスのところに行ってくる。向こうでも溜まっている仕事があるからな」
晶華「たまには、こっちでゆっくりして行ったらいいのに」
NOVA「そう思っていたんだが、D&Dで新しい動きがあったんでな。年末に新サプリメントのこいつが発売されることが分かった。これから、そっちの追跡も忙しくなりそうだぜ」
NOVA「それに来週には、ソード・ワールドも新リプレイが出るしな。まだまだ、俺のホビーライフは楽しく追求しないと」
ソード・ワールド2.5リプレイ 水の都の夢みる勇者2 (ドラゴンブック)
- 作者: 河端ジュン一/グループSNE,藻
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/11/20
- メディア: 文庫
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(ストーリー完。以下、プライベートな余談)
P.S.先日、メールで、とある人物が「友誼を再開してくれないか」と打診してきたけれど、こちらには「そうする理由が一切ない」ことを、この場で明言しておきます。
とりわけ、今後は「年末から冬の仕事が忙しい時期」に入るので、ネットでの文章書きは、自分で楽しんでいるブログ記事や、掲示板での定例番組感想に割きたいので、メールでマンツーマンな趣味雑談に応じてる時間はありません。
仮に「ブログ記事をいっぱい書いている→そういう時間があるなら、自分のメールに応じてくれてもいいはずだ」と考えているなら、「ブログ記事をいっぱい書いている→それでも書き足りないので、まだまだいっぱい書きたい→だから、ブログに関係ないプライベートな雑談メールに応じる時間がない→ブログを応援するコメント書き込みなら歓迎」ってことですね。
友誼の再開を望むなら、「こちらのブログ記事の充実」「こちらの心の充実」に寄与する付き合いじゃないと。
「メールでの付き合いはなし。ブログコメントのみOK」という、こっちの要望は提示済み。自分の都合でルール違反を平気でして来る相手は、人間関係に関する線引き意識が欠如しているため、こっちは安心して付き合えないな、と考えます。
(余談を終えて、当記事完)