10月27日深夜
晶華「ところで、NOVAちゃん、何があったの?」
NOVA「ああ、お前がアナザーショーカに乗っ取られていて、俺に襲い掛かろうとしたんだけど、〈白き栄光の杖〉を見せたら、それが教祖の杖と似ているからって、俺に従うようになったんだな。それから、とりあえず、用意したブラッドポーションの一つを飲んだら、気に入ったらしい。その後、一緒にグリッドマンを見たりしながら、俺の好きなヒロインのことを勝手に勘違いした考察を並べたりしたから、いい加減ツッコミ入れるのも疲れてきたんで、強引に眠らせた。そうしたら、お前が目覚めたわけだ」
晶華「う〜ん、何だか分かったような、分からないような。とにかく、アナちゃんが私の誕生日プレゼントに用意されたポーションを一つ飲んじゃったってことね。許せない」
NOVA「まだ、3本あるぞ。Bはなくなったけど、あとAとCとDがある」
晶華「また、美味しくない人工血液が混ざっているんじゃないでしょうね」
NOVA「ああ、混ざってあるよ。ブラッドオレンジと混ぜて、前回よりは美味しくしたつもりだけどな。人工血液が2本と、俺の血液が1本。さあ、どれを選ぶ?」
晶華「今は別にいい。それより、KPちゃんはどこ? 何だかイヤな予感がするのよ」
NOVA「そう言えば、ケイPの奴が出て来ないな。どうしたんだ?」
晶華「あ、NOVAちゃん。あれ見て」
NOVA「おや、見事なドゴランアーマーの石像だ。誰が作ったんだろうなあ……って、こいつはもしかして、もしかすると……」
晶華「もしかするわ。この石像こそがKPちゃんなのよ。アナちゃん、いいえ、邪悪なバットクイーンに逆らって、弱点のハチ毒を受けて、石にされちゃった(涙目)。あの女、絶対に許せない。私のKPちゃんをよくもよくも。NOVAちゃん、お願いだから、あの女を徹底的に痛めつけてやって」
NOVA「痛めつけるって、お前の中にいるんだぞ」
晶華「だったら、すぐに私の中から追い出して。KPちゃんの仇が、自分の中にいるなんて、私、耐えられない。私のことはどうなってもいいから、私の中の悪魔を追い出して。NOVAちゃんはエクソシストの技も使えるんでしょう?」
NOVA「使えねえよ。俺を買いかぶるな」
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晶華「だったら、私ごと邪悪を消し去って。私のことはどうなってもいいから」
NOVA「バカなことを言うな。憎しみで自分を滅ぼして、どうするんだよ」
晶華「だって、私がKPちゃんをこんな目に合わせたんだよ。アナザーショーカの仕出かしたことは、私の罪になる。何となく覚えているの。KPちゃんにハチ毒バスターを打ち込んだ記憶が(涙目)」
NOVA「だったら、石化を解除すればいい。それぐらいなら簡単だ。MADI*1」
ケイP『プルプルプハー。あの邪悪な吸血蝙蝠女め、よくも……ってマスターNOVAか? 石になったおらを元に戻してくれたのは?』
NOVA「ああ、石像をバラバラに粉砕されなかったことが不幸中の幸いだったな。原型を留めていなければ、治癒呪文も効かなかった」
晶華「え? NOVAちゃんって治癒呪文が使えたの?」
NOVA「ああ、一応、低レベルだけどブッディズム・プリーストの端くれだからな。一応の素養と知識はあるが、高位の呪文は素では使えない。だけど、〈光の杖〉がその辺の能力をブーストしてくれたからな。今だと、僧侶呪文も両方使えるビショップみたいなものと考えてくれていい」
晶華「つまり、ドラクエ流に言うなら賢者?」
NOVA「よしてくれ。賢者なんて俺の柄じゃねえ。俺を呼ぶなら、大魔道士とでも呼んでくれ……じゃあ、ただの真似事だな。時空魔術師、改め時空導師とでも名乗っておくか。導師は元々、白魔道士の上位ジョブで、ネコ耳が可愛いキャラだし」
NOVA「さて、今夜はもう遅いし、明日に備えて寝るとするか。誕生日パーティーは明日にするぞ」
晶華「ちょっと待って。まだ、イヤな予感がするの。ええと、アナザーがまだ何か仕出かしたんじゃないかなって。KPちゃんを石に変えるだけじゃなくて」
NOVA「いや、俺は無事だし、ケイPも元に戻った。他に何か問題でもあるのか?」
晶華「思い出して。あの女が言ったことを」
NOVA「そんなことを言ってもな。お前が思い出したりはできないのか? 一応、お前の裏人格みたいなものだろう、アナザー、いや、アンナ・BG・ブロシアは」
晶華「その名前にこだわるのね」
NOVA「ああ、言霊魔術的に、いつまでもアナザーショーカなんて言っていたら、お前と一体化したまま、魂を切り離すことができん。俺は以降、彼女のことを赤毛のアンナと呼ぶことにする」
晶華「だったら、私はBG、ブタクサガールって呼ぶわ。とにかく、ブタクサ女の言ったことを私は思い出せない。いや、思い出したくもないから、NOVAちゃんだけが頼りなの。これは大切なことなのよ」
NOVA「そうは言ってもな。女王がどうこうとか、未来の俺が教祖になるか、妄魔時王になるか、預言者になるか、よく分からんことを言っていたし、他には快盗団マーキュリー・バットがどうこう言って、俺の宝をいただくみたいなことを言っていた気もするなあ」
晶華「NOVAちゃんの宝って?」
NOVA「そりゃ、いっぱいあるが、まずは〈白き栄光の杖〉だろ? それにTRPGのルールブックなどの書籍に、特撮ヒーローなんかのDVDとか、スパロボなんかのゲーム類、他にも奪われたら悲しくなるものはいっぱいあるけど」
晶華「私やKPちゃんは大切な宝じゃないの?」
NOVA「おお、そう言われてみれば、確かにお前たちも宝だよ。ただ、物とは言えないだろうからな。そんなことを言い出したら、自分の周りの人間関係とか、自分の得てきた知識とか、いっぱい考えないといけない。アイテムとコネ、スキルはそれぞれ大切なものだけど、そこまで考えるとキリがない」
晶華「だけど、あのブタクサ女は、NOVAちゃんから私とKPちゃんを奪おうとした。そう考えると、他にもまだ誰か奪われようとしているんじゃないかしら」
NOVA「他にもって、もしかして、もしかすると……」
晶華「もしかするわ」
ケイP『翔花1号ママのことだな』
NOVA「まさか、コンパーニュの面々がタイムジャッカーの襲撃にあっているとでも? 何てこった、こいつは伝説のクロスオーバーイベントになるぜ。作者としては忙しいこと、この上ないが、そっちに出張しないといけないような気がする。畜生、タイムジャッカーの連中め。俺の日常タイムを奪うなよな」
(短いけれど、今回はとりあえず完)