ええと、前に書いたのは1月26日で、番組終了したのが3月末(1週遅れの関西では4月頭)なので、今さらながらの記事ですが、
スパロボにかまけて総括していなかったので、若干スパロボプレイと記事書きに飽きたり、疲れたりしたタイミングで、気分転換代わりの記事書きです。
まあ、牙狼プロジェクト自体は、また新作製作中とのことなので、完全に回顧記事というわけでもないかな、と。
前回は、第15話まで書いたので、今回は16話以降を、思い出しながら書く、と。
第16話「仮面」
今シリーズの縦糸を担う「赤い仮面の男」。
彼との全面的な戦いが始まる回ですね。
彼の正体は、魔戒騎士の修業をしながらも、騎士の道を否定し、魔戒法師の時代に回帰しようと目論むシグマ。
その顔は、鋼牙の相方を務める魔戒法師のレオとうり二つだったわけで。
なお、この回でレオが、「自分にはすることがあるから、みんなとしばらく会えなくなる」とカオルに別れを告げて行方をくらませる流れがあり、赤仮面の正体がレオであるというミスリードが明確に為されます。
もっとも、実際は、シグマはレオの双子のお兄さんだったわけですが。
シグマの強さは本物で、鋼牙と零の金銀騎士コンビと対等に渡り合うほど。もう、この回のアクションは非常に高レベル。
終盤になると、CGが現在、日本で描写できる最高レベルに達していると見なせるわけですが、逆に言えば、CGが前面に出すぎているため、生身のアクションの凄さでは、この回が白眉かな、と自分には思えました。
ストーリー的にも、ここから毎回がクライマックスとも言える段階に。
第17話「赤筆」
この回は、カオルにスポットが。
そして、彼女と絡むキャラとして、魔戒法師の烈花が登場。
烈花の初出は、劇場版の「RED REQIUEM」ですが、ここから騎士と法師の因縁がスタートしていたわけですね。
当初の烈花も、何かとスポットの当たる騎士に対してコンプレックスを持っていた法師だったのですが、鋼牙との出会いを通じて、騎士の良さ、騎士と法師の良き関係を考えるまでに至っている、と。
そんな烈花が、鋼牙の周りにいる弱い民間人のカオルを「鋼牙の足を引っ張る弱い女」と見下すわけですが、鋼牙を想うカオルの心の強さを知ることで、彼女がいるからこそ、鋼牙がより強くなったことを認めるに至る流れ。
なお、この回で、カオルが鋼牙の受けた死の呪いを知ることになります。
前のテレビシリーズでは、ホラーの呪いを受けたカオルの命を救うために鋼牙が戦うのが縦糸なんですが、今作ではその構図が逆になり、呪いを受けた鋼牙を助けるためにカオルに何ができるか、という話になります。
カオルは一般人の絵描きなので、できることは絵を描くことだけ。ただ、そのための道具である筆が、実は魔戒法師が呪印を施すための道具でもあるため、筆を通じた法師との絡みが、映像的に描写されたりもする、と。
第18話「群獣」
行方不明のレオ。
そして、魔戒騎士たちが破滅の刻印を押され、壊滅しようとする状況で、魔戒法師が騎士にとって代わろうとする動きが表面化。
それに対して、納得できない気持ちの烈花。
緊迫した情勢で、鋼牙は裏切りの法師の追跡から、ホラーの大群を切り抜け、赤仮面シグマの居場所に至る。鋼牙VSシグマの戦いの最中、窮地に陥った鋼牙を救うべく、レオが出現する。
そして、レオは同じ顔のシグマの前で、閃光騎士ロード(狼怒)の鎧を召喚。裏切ってはいなかったことを証明。
この回を見て、自分的には以前の書き込み予想(13話段階)が的中したことを、拍手したりも。
鋼牙の協力者のレオが何だか怪しい、ということが明示されたのですが、肝心の鋼牙はレオを疑っていない現状。
視聴者としては、「レオが法師であるのに、剣術にも長けている」「赤仮面がレオの製作した機械・号竜を複数、召喚した」「カオルによく絡む*1」の3点で、レオをラスボス、あるいはラスボスに近い立ち位置と考えられるんですけど、
もう一つ、どんでん返しがあるのでは? という気もしています。
でも、まさかレオが騎士になるとまでは思っていなかったので、結構、衝撃を受けました。
第19話「楽園」
レオと、双子の兄シグマの過去話が語られる回。
兄の恋人ミオに対するレオの仄かな想いとか、シグマの暴走を止めようとして、裏切り者扱いされて殺されてしまうミオとか、これまで伏線とされたレオ関係の謎やドラマがここできちんと回収されます。
あと、ゲスト的にシグマとレオの父が、キカイダーの伴大介さんだったことも大きなトピック。
それと、シグマ本人の大きな謎が、最終回に描かれたものの、セリフとして明示されず、番組終了後の特撮雑誌情報から知った話。
15話で、鋼牙の少年時代の修業話が描かれたわけですが、鋼牙(シロ)のチームメイトであるムラサキが、実はシグマの幼少時代だったんですね。
で、この回でもシグマの幼少時代が登場するわけですが、15話のチームメイトと同じ子だとは気付きませんでした。ええと、あの回では、「魔戒騎士候補同士のチーム競技が行なわれ、健闘むなしく鋼牙たちのチームは負けてしまい、涙を流しながら、教官の激励を受ける感動スポーツ物の展開を見せるわけですが、その直後に、出現したホラーのために、鋼牙のチームメイトが貪る喰われる悲劇」が描かれます。そして、鋼牙は成長した姿で、かつての友人の仇を討ったわけですが、
実は、チームメイトの一人、ムラサキは生き延びていた、と。その理由は、彼が法師の術を使うこともでき、窮地に際して瞬間移動を行なっていたのですな。
まあ、あの回では、「騎士に憧れる法師」とか、「弱者に対する騎士候補の陰湿なイジメ」とか、そういうのも描かれており、頑張ったのに負けてしまい、しかも仲間たちの破滅を目撃したムラサキことシグマの性格が歪んでしまったことも、納得できる伏線が。
さらには、尊敬する父親の後を継いで牙狼の称号を得て、騎士の代表とまでなった鋼牙に対して、同じチームメイトとして同じ経験をしながら、父親から騎士として認められず挫折したシグマが対比を為すわけで、
後から、情報を知った後で、この辺の話を振り返ると、うわ〜、上手くストーリーが練られているわ、と感じた次第。
番組終了後に、もう一度、牙狼のエピソードをじっくり振り返りたくなったわけで、今、そうしているわけですけどね。
もう、この辺の練られた構成には、大いに拍手したい、と。
第20話「列車」
魔戒騎士に仕掛けた破滅の刻印を発動させ、自身は魔道列車で真魔界へ向かうシグマ。
ええと、この回に登場した魔道列車を見て、ファイナルファンタジー6を思い出したり、銀河鉄道を思い出したり。
異界とか、星の海とか、別の世界に向かう電車って、本当に幻想的だなあ、と感じ入った話。
もっとも、物語的には幻想を味わうよりも、魔戒騎士全滅という切羽詰まった状況で、鋼牙がみんなの命を救うために、シグマの後を追跡する(そのための代償を大魔道輪のガジャリに捧げることで、次なる物語への契機となる)ことで、非常な緊迫感と熱さに浸れる話。
結果的に、魔道列車は墜落し、破滅の刻印の呪いは破られたものの……。
第21話「牙城」
鋼牙はシグマを打ち破りはしたけれど、魔号竜イデアの力でシグマは復活。力を使い果たした鋼牙をイデアの生贄に捧げる。
鋼牙を救うべく、零、レオ、そしてワタルの魔戒騎士3人が駆けつけ、さらに魔戒法師の烈花、カオルとゴンザ、そして魔戒法師の邪美までもが集結する。
覚醒するイデアを止めるべく、鋼牙の仲間たちの戦いが始まる。
前の回は、鋼牙の大活躍でしたが、この回は戦闘不能となった鋼牙に代わって、仲間たちの戦いが繰り広げられて、集団対集団の派手な展開が勃発。
基本的に、牙狼は戦隊と違い、タッグの連携はあっても、3人以上の集団戦闘はあまり見られません。
あと、ホラーは基本的に1体なので、いわゆる戦闘員的なやられ役集団も登場しない。まあ、本作では号竜という量産機械が登場して、バッタバッタと切り捨てられる回もあったのですが、ここに至って、「ホラーの生息地である真魔界」
を舞台に、魔戒騎士&魔戒法師VSホラーの大群という大乱戦が勃発。
劇場版レベルの集団バトルを、毎週深夜テレビ放送で見られる、という至福の状態になってました。
第22話「盟友」
イデアに囚われた鋼牙を救うべく、戦いを繰り広げる仲間たち。
もう、アクションに次ぐアクションで、16話はアクションをじっくり見る回でしたが、この22話は、じっくり見ていたら、目が追いつかないというか、もう怒涛のような連続活劇に、魅了されて、あっという間の30分だった回。
基本的に男臭い牙狼の物語ですが、邪美&烈花の魔戒法師タッグの華麗な舞いがたっぷり拝めた回ということで、脚好きなNOVAとしては、彼女たちの脚線美にも魅了された回だったりします。
最終的には、カオルの心が鋼牙を復活させることに。
第23話「金色」
復活した鋼牙は、カオルを女性法師2人に任せて外へと脱出させ、
自分は他の騎士と共に、シグマとの決着を付けるべく、改めてイデアの内部に突入。
しかし、イデア内部では、コアにされていたホラー、ギャノンの骸が復活して、シグマをも取り込んで強大な力を発動。
ホラーを倒すべく建造されたイデアが、ホラーを率いて世界を脅かす存在と化してしまった局面に対し、
負傷療養していたダンを始め、全ての魔戒騎士と魔戒法師が駆けつけて決戦の火蓋が切って落とされる。
ホラーの大群を迎え撃つ魔戒騎士と法師の軍勢。
彼らの支援を受けて、「守りし者」牙狼はギャノンを滅ぼす一撃を放つ。
第24話「時代」
ギャノンを撃退した鋼牙。
しかし、ギャノンから解放されたシグマが、怨念に突き動かされるままに、最後の戦いを挑みかかる。
兄の妄執を止めようとするレオだったけど、鋼牙はレオの介入を受け入れようとしない。それは、シグマとの因縁を持つのは、レオだけでなく、鋼牙自身、少年時代の絆があったからだ。
命尽きようとするシグマの最期の戦いに、騎士として応じた鋼牙。散り際に、少年時代の記憶を呼び起こしたシグマは、邪心を浄化されたかのように穏やかな顔で息を引き取る。
新たな時代は、法師が騎士にとって代わるのではなく、騎士と法師が互いを尊重し、共に「守りし者」としての誇りを抱き合って共闘していく時代なのだろう。