Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

子供にまつわるライダー論・昭和編2

 昨日のつづき。
 今回は、スカイライダーからZXまでを振り返ります。

仮面ライダー(スカイライダー)

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 DVDのパッケージを貼り付けてみて、思ったこと。
 何だかスカイライダーのパッケージって、地味ですね(苦笑)。「空」をメインモチーフにしているのは分かりますが、肝心のライダーが小さく、しかも唯一人。敵キャラやら、いろいろにぎやかにパッケージを飾っているこれまでのライダーと比べてみるとねえ。


 念のため、フライング気味に後番組のスーパー1を貼ってみる。
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 構図的に、拳法ポーズをとったライダーのアップに加えて、下段のバイクがワンポイントを飾っている分、こちらの方がインパクト強いような気が。
 ……って、DVDパッケージを批評するのが、本稿の目的ではない。目的は、ライダーと子供の関わり論です。


 ええと、スカイライダーでは、当初、原点回帰のアダルトムードを軸とした話(悪の組織に改造された者の悲しみとか)がメインでしたが、少しずつ路線変更していきますね。
 子役としては、初期のヒロイン叶みどりの弟・茂くんが6話から何度かゲスト出演した後、14話からレギュラー化。この14話で、主人公・筑波洋の恩師である志度博士が降板し、谷源次郎が登場。日常の舞台も、志度ハングライダークラブから、喫茶店ブランカ」に変わります。
 ただ、この茂くん、歴代ライダーの子役の中では地味な存在ですね。ライダー隊に所属するわけでもなく、マサヒコ君みたいにライダーと特別な絆を持つわけでもない。おまけに、お姉さんのみどりさんは17話で降板。ちょっと不遇な扱いだな、と思います。


 で、今、振り返るスカイライダーの印象なんですが、どうしても地味さが払拭できません。
 あ、自分、別にスカイが嫌いなわけじゃないですよ。むしろ、自分にとって初めて本放送できちんと見たのが、スカイライダーなんです。初体験はストロンガーですが、当時は物心がついて間もなく、テレビ放送よりもむしろ、書籍情報で興味を培っていきました。
 71年生まれの自分が小学生になった頃(76年〜)は、ライダーもウルトラも休息期に入っており、ストロンガーやレオまでの書籍情報や、再放送が特撮ファンとしての楽しみでした。どちらかと言うと、ゴレンジャー世代になりますね。で、70年代末のSFブームの洗礼をもろに受けて、ウルトラの復活や、ライダーの復活などを、テレビマガジン誌を読みながら、待ち望んでいた記憶があります。
 スカイライダーは、「番組タイトル」も、「敵組織名(ネオショッカー)」も、「初期怪人のモチーフ」も(第1話のカメレオン以降は、クモ、コウモリ、サソリ……と続く)、いろいろ原点回帰です。でも、原点回帰ってのは、製作側のシリーズアイデンティティー模索と、旧来のファンを喜ばせるだけのもので、子供たちにとっては、あまり意味のないことですね。むしろ、原点回帰した作品は地味な作風で(植物で言えば根や茎に相当)、そこから派生した後番組の方が派手に花開く感じ。子供心にも、後番組のスーパー1の方が設定的に楽しかったなあ、と。
 スカイの特徴といえば、セイリングジャンプによる飛行能力と、バイクによる激突技ライダーブレイク。飛行能力は、スーパーマンの影響が大ですね。ただ、映像的には「ただ飛んでいるだけ」で、飛行能力を駆使して怪人との派手な空中戦を行ったりはしなかった(映像技術的にできなかった)ので、飛行のバンク映像が地味に見えます。今だったら、CGを生かした「派手な空中戦」もできるだろうし、BLACKの時代でもワイヤーアクション技術が発達していて、見ごたえのある空中戦が披露できたことでしょう。スカイの飛行能力は、やはり早すぎたのかな、と思います。
 ライダーブレイクの方は、初見のインパクトはありますが、あれも結局、破壊の対象物が「ただの壁」に過ぎなかったので、必殺技とは呼べず仕舞い。まあ、ライダーブレイクで怪人をひき倒すのもちょっとえげつないので、ここはライダーブレイクで倒すべき「戦車」とか「敵巨大兵器」が設定されていれば、と思います。
 まあ、スカイのセイリングジャンプや、ライダーブレイクの物足りなさは、後に宇宙刑事で昇華されるのですがね。映像的には、やはり「宇宙刑事シリーズ」が時代の変革者であり、ライダーは復活しても古臭い映像を脱却できなかったのだなあ、と今にしたら思います。


 しかし、スカイライダーの番組としての魅力は、やはり多数の客演ライダー登場回。
 順に列挙すると、

  • 20話と21話でストロンガー
  • 23話でV3
  • 24話と25話の間に公開された劇場版で7人ライダー登場
  • 26話でライダーマンとX
  • 27話と28話でテレビでも7人ライダーが登場してスカイライダーもパワーアップ
  • 31話と32話で再びXが登場して、しかも素顔の神敬介も出演
  • 33話でライダーマン、結城丈二
  • 34話と35話でV3、風見史郎
  • 36話と37話で2号、一文字隼人
  • 38話でストロンガー、城茂
  • 39話と40話で再び2号、一文字隼人

 もう、これだけ先輩ライダーに何度も助けられたライダーは、他にありませんよ。
 で、スカイライダーは体色が変わって、セイリングジャンプやライダーブレイクのバンクフィルムが使えなくなり、初期のアイデンティティーを喪失したのですが、新たに「99の技」を活用します。ただ、まあ技の総数が多い分、個々の技のインパクトが減るのはやむを得ないですね。もっと「大回転スカイキック」を決め技として多用すれば良かったのに。
 自分にとっては、スカイライダー自体よりも、客演の先輩ライダーたち目当てで番組を楽しんでいました。とりわけ、ストロンガー回。スカイは地味なホスト役で、ゲストを盛りたてる役どころに徹したのだなあ、と。これが後年のRXやディケイドとの違い。よって、スカイを「先輩ライダーをないがしろにした」と悪口言う人はいません。というか、過激なライダーファンの中でも、アンチスカイライダーの人は寡聞にして聞いたことがありません。出る杭は打たれるんだけど、スカイは出る杭にはならなかった。まあ、それがかえって地味という評価につながるんでしょうけどね。
 昭和ライダーの印象といえば、ZXでも描かれた「先輩による特訓シゴキ」「恐ろしい体育会系縦社会」ですが、実のところ、ストロンガーまでは、それに該当する場面はありません。そういうイメージを焼き付けたのも、やはりスカイ28話の印象が強かったからなんでしょうなあ。


 さて、強化特訓後に体色が明るくなったスカイライダーですが、それでも地味な印象は否めません。
 旧1号や2号はともかく、歴代ライダーを並べて思ったのは、「緑と赤茶」の配色の他に、「グローブの色」が黒だからかな、と。目立つ色は何色かと考えてみると、「赤青黄」のトリコロールの他に、「銀とか白のライン」だと考えます。新1号は銀の手袋で、新2号は赤の手袋、そして体側のラインが自己主張していると思います。V3の赤い仮面は言うまでもなく、ライダーマンの青仮面、Xの銀仮面、ストロンガーの赤い角とプロテクター、そしてカラーリングは地味なアマゾンも、独特のデザインそのものが自己主張の塊か、と。
 さらに、戦闘スタイル。Xはライドルを振り回し、アマゾンは噛みついたり引っかいたり、ライダーマンはカセットアームで、ストロンガーは電気技で、後にゲスト出演した際に、そうした演出を見せてくれるだけで個性を発揮できます。1号や2号、V3は元々、目立つように演出されているので、地味とは見なされるはずもない。で、スカイはゲスト出演しても、セイリングジャンプやライダーブレイクを見せてくれるわけでもなく、どうにも扱いが地味なんですね。
 もう、本稿は、スカイを散々「地味だ地味だ」と評しているわけですが、再度、繰り返します。そんなスカイライダーがNOVAは大好きです。って言うか、好きでなければ、こんなに長文記事は書けませんよ。


 でも、スカイ放送中に、少し閉口したことがありました。
 当時、NOVAは好きなテレビ番組の主題歌やエンディング、それにBGMなんかをカセットテープに録音することにハマッていたのですが、スカイは前期のオープニング「燃えろ! 仮面ライダー」が良かったです。ナレーションの「仮面ライダー筑波洋は改造人間である」も含めて。ただ、後期のオープニング「男の名は仮面ライダー」が辛かった。いや、歌はいいのですが、最後で子供たちが「仮面ライダー仮面ライダー仮面ライダー」と3度唱えるのが聞いていて、恥ずかしくて恥ずかしくて。ええと、当時、小学校高学年にもなると、何だか、いかにも子供向きって作り方をされると、イヤだったんですね。
 むしろ、前期エンディングの「はるかなる愛にかけて」の大人チックなムードや、後期エンディングの「輝け!8人ライダー」の方が好みでした。


 ……際限なく、スカイライダーについて語っていますが、まあ、「子供にまつわる」ってことで、「子供時代のNOVAの思い出話にまつわる」形になっても、問題あるまい(苦笑)。
 あと、何か、語ることあったかな? 
 (資料をチェック)
 あ、「がんがんじい」(笑)。34話から登場したコミカルヒーローなんですが、こいつ、一体、何なんでしょうねえ? SPIRITSに登場するまで、存在そのものが記憶の中に封印されていましたよ。いや、何かで思い出したこともあったな。ええと、「人間が鎧を着けてライダーを助けようとするんだけど、どうにもこうにも足手まといで、でも中の人は前向きな熱血漢で、ギャグも披露」……って、そうそう、アギトのG3の原型? ネーミングも、Gが3つだし。
 えと、子供受けを狙って生まれたキャラなんでしょうけど、当時、小学校高学年の子供には「こんな奴、登場させないでくれ」と思われていましたよ。せっかく客演ライダーが出て、格好良く盛り上がっているところを、世界観を根底からくつがえしそうなオッサンキャラ。
 それでも、まあ、シリアスすぎるZXに登場すると、うまくバランスが取れる感じで、再評価の機会にめぐまれてはいるのですが。ええと、ディケイドで、スカイライダーの世界があったりすると、士や、あるいは光の爺ちゃんが「がんがんじい」の格好をしたりしたのでしょうか? そういうIFは見たいかも。


 その後、「怪談シリーズ」とか「子供をいじめる偽スカイライダーの話」とか「アリコマンド少年隊」とか、どこか原点回帰を思わせながら、微妙に空気の違う話(誉め言葉にするなら、「ヴァリエーション豊かな話」)を連発した後で、52話〜54話の最終3部作に突入します。
 ストロンガーや、2号と、先輩ライダーも駆けつけてくれ、「洋の父が魔神提督?」みたいなスターウォーズ的ミスディレクションも交えながら、ついに登場する怪獣型の大首領。こいつを倒すために、8人ライダーが空に散る話で終結*1
 そして、9人目のライダー「仮面ライダーV9」改め、新たな1人にして究極のライダー「スーパー1」が登場するわけですな。

仮面ライダースーパー1

RAH リアルアクションヒーローズ DX 仮面ライダースーパー1 1/6スケール ABS&ATBC-PVC製 塗装済み可動フィギュアRMW 仮面ライダースーパー1 1/2スケールマスク
 ……長かった。スカイライダーについて、こんなに長く語れるとは、自分でも思わなかったです。というか、今まで、ここまで語ったことなかったのですな。
 で、スーパー1です。
 最初にデザインを見たとき、釣り目のマスクが、ちょっと怖かったり。デザインモチーフのスズメバチってのも、自分にとってはマイナス印象。子供の時に刺されて以来、ハチは、自分の嫌いな虫の筆頭ですから。


 でも、主題歌を聞いて、その映像を見て、苦手なイメージが払拭。まず、変形するバイク・Vジェットが格好いいじゃないですか。こういうメカニックギミックが大好きな少年でした。
 次に、主題歌に歌われるカラーリング。「青い空」「緑の地球」「赤い正義の血」「銀の機械の腕」「金の心」、ファイブハンドのギミックが歌の中に盛り込まれて、子供心に上手いと思いました。
 そう、スーパー1と言えば、赤心少林拳と、メカニックギミックが特徴。ある意味、拳法とSFをモチーフにしたドラゴンボールに通じるヒーローなんですな。変身ポーズも、そのまま「かめはめ波」ですし、子供達の興味を引き付けないはずがない、とベタボメ。
 なお、このファイブハンドや各種の設定は、歴代ライダーの能力をも体現しています。列挙すると、

  • 銀(スーパーハンド):通常の腕。拳法を駆使する技の腕。「技の1号」に通じる。
  • 赤(パワーハンド):怪力の腕。「力の2号」に通じる。
  • 金(レーダーハンド):ミサイル上のレーダーアイを射出。「V3ホッパー」に通じる。
  • 青(エレキハンド):電撃光線を放つ。「ストロンガーの電気技」に通じる。
  • 緑(冷熱ハンド):右腕から超高温火炎、左腕から冷凍ガスを放つ。前例はない。


 後は、銀の仮面とメカニック属性がXライダー譲りで、腕の変形がライダーマン譲り。さすがにアマゾンの属性は受け継いでいませんが、歴代ライダーの能力を一人で体現するというのは、何となくディケイドに通じるような。
 なお、敵組織ドグマの怪人モチーフは、前作のネオショッカー(動植物モチーフ)から発展し、V3のデストロン風の「メカニック+動物モチーフ」。ファイヤーコングとか、エレキバスとか、いかにもスーパー1の能力に対応した感じで、さらにドグマ拳法を使います。


 で、スーパー1のイメージとしては、前半の「比較的シリアスなドグマ編」と、後半の「コミカルなジンドグマ編」の2つがあります。後者では、少年仮面ライダー隊の後継となるジュニアライダー隊が登場し、いかにも子供向けって感じですね。本放送時は、後半になって放送時間が変わったこともあり、自分はドグマ編と、最終話しか見ていませんでしたが、後にケーブルテレビで補完。やっぱ、前半の方がいいなあ、という印象は変わらず、ですね。
 それでも、まあ、本論の趣旨に則して、ジュニアライダー隊について語りましょう。中心メンバーは、ヒロイン・草波ハルミの弟・良くん。ええと、10号ライダーと同じ名前なのは偶然です。それを言うなら、前作の茂くんもストロンガーと同じ。あと、ヒロインと弟の取り合わせというのは、ライダーでは割と多いですな。
 全国に支部のある大規模組織の少年ライダー隊と違って、ジュニアライダー隊の規模は小さく、良くんの友達6人と、お姉さん2人(ハルミと友人の水沼マサコ)で構成されています。メンバーは、大助、シゲル、マモル、タケシ、ミチル、弟のマサル。一部、歴代ライダーと同じ名前が見られるのは偶然です。どうせなら、全部同じ名前だったら、覚えやすいのになあ*2


 さて、ついでに、せっかくの機会なので、あまり語る機会の少ないジンドグマについて語っておこうかな。
 ドグマの方は、割と独特な組織で、拳法使いの老首領テラー・マクロとメガール将軍が中心メンバー。小規模ながら国家という意味では、ガランダー帝国に近い感じですが、悪の系譜を考える上では、関連性を辿るのが難しいな、と。
 一方のジンドグマですが、最大の特徴は、同時期複数幹部制をとっていること。基本的にライダーシリーズでは、前の幹部が倒されたら、次の幹部が登場するパターンが多いので、複数幹部の同時登場は珍しいです。まあ、これが発展継承されて、RXのクライシス帝国に流れるのでしょうが、まだ、この時期は過渡期らしく、魔女参謀、幽霊博士、鬼火司令、妖怪王女のそれぞれが率いる怪人に個々の属性は見られず、共通の器物モチーフ怪人を使用*3
 まあ、自分がスーパー1について語るのは、これくらいですか。どうも、途中で見るのを断念した記憶ばかりが強くて、スカイほどの愛情はないのかもしれません。設定的には、好みだったんですけどね。

仮面ライダーZX

仮面ライダースペシャル [DVD]仮面ライダーZX(ゼクロス)仮面ライダーSPIRITS(4) (マガジンZKC)
 いろいろな意味で、ディケイドと対比される10号ライダーのZXです*4
 で、ドラマ的には、あまり子供の介入する余地のないハードな話ですな。全身の99パーセントを改造された「パーフェクトサイボーグ」設定とか、敵組織バダンに姉を殺されて復讐者として戦うストーリーとか。
 それでも、本作では、同じくバダンに父親を殺された少女・一条ルミとの関わりが特筆すべきことでしょう。ライダーと少年という接点は多かったですが、ライダーと少女にスポットが当たるのは(ゲストを除けば)、本作が最初だと考えられます(少女より年上の女性なら、いろいろ例はありますが)。
 ある意味、「男の子を守るライダー」から「女の子を守るライダー」へのイメージの変化が、この作品から始まった、とは言えないでしょうか? (次回BLACKにつづく)

*1:まあ、スーパー1の劇場版で帰ってくるわけですが。

*2:タケシ、ハヤト、シロウ、ジョウジ、ケイスケ、ダイスケ、シゲル、ユリコ、ヒロシ、カズヤ、リョウ……まさにジュニアライダー隊だったり。

*3:クライシスは、妖族、獣人、ロボット、異星獣などの属性があり、怪人にもヴァリエーションがあったのですが、そこに至るにはメタルヒーロースピルバンや、メタルダーを経なければならないのでしょう。ライダーとしては、V3のキバ、ツバサ、ヨロイの各部族怪人が同時期に競合していれば面白くなっていたのに、という意見もあり。

*4:SPIRITS版の設定に準じるなら、主人公が「悪の組織の首領と密接に関わっており、記憶喪失という設定」とか、「歴代の各ライダーの戦いに介入するストーリー展開」とか