今回で、OODは終了。
29話の総集編の際に、秘宝の冠「the Corona Aurora」を飾る5つの宝石のうち、4つまでを入手した経緯が語られました。原作ボウケンジャーでは「危険なお宝(プレシャス)の回収」が目的で、特定の宝を求めていたわけではないのですが、パワレンでは、あくまで目的は「宝石探し」に終始していたんですね。
そして、最後の宝石を求めて、最終決戦が展開されたわけです。
原作で、6話にまたがった話を、3話でまとめています。
その分、ドラマ面は薄味ですが、アクション要素が凝縮されているってことで。
30話「Two Fallen Foes」
原作44話「仙人の温泉」と46話「目覚めた闇」を再構成させた話。
ダークシャドウの壊滅編に当たります。
原作版では、ブラックの心の中の闇(優秀な冒険家であるレッドに勝てないことで、生まれた嫉妬心)にスポットが当たるわけですが、
パワレン版では、そういう要素は全くありません。
この話のサブタイトルは、「敵二人の最期」を意味しており、その二人とは、Miratrix(風のシズカに該当)と、Kamdor(闇のヤイバ)。
原作では、ヤイバが首領の「幻のゲッコウ」を裏切る展開が、44話で描かれるわけですが、
パワレンでは、Miratrixの無力さを、Kamdorが見限る形になります。
見限られたMiratrixは力を求めて、「月食の儀式で発動するアイテム」を使用。
「原作ではゲッコウが変身した魔鳥」の姿になってしまいます。
それでもレンジャーとの戦いで敗れて、Kamdorに助けを求めるものの、見捨てられて水晶の中に封印されることに。
風のシズカは最終回でも生き残りましたが、Miratrixはここで出番終了。
その後、Kamdorはブラックレンジャーとの戦いで倒されますが、彼の手に入れた宝石は、Flurious(ガジャ様に該当)の手下に奪われてしまいました。
31話「Nothing To Lose」
原作45話「最凶の邪悪竜」と47話「絶望の函」を再構成させた話。
映像流用はもっぱら前者で、後者の要素は、Moltor(リュウオーン)とレッドの対決という部分のみ。ただし、そちらの映像は新作で、原作にあった「元人間のリュウオーンとレッドの因縁」といったドラマ部分はありません。
原作同様、「闇の三つ首」を用いたMoltorの最終作戦といったお膳立てで物語は進行。冒険の舞台が「日本」ということが、ちょっとしたトピックかもしれません*1。
原作では、最凶の邪悪竜を相手に、ブラックがレッドと張り合ったりするんですが、
パワレンでは、協力して倒します。ブラックが先制攻撃して、見出した敵の弱点をレッドに伝えて、とどめを刺させるという点で、原作とは全く異なりますね。OODでは、熟練の冒険者であるブラックと、未熟だが可能性を秘めた若者レッドというコンビですので、必然的な展開といえます。
そして、パワレンならではの展開としては、シルバーのフィアンセ、VellaがCrazarの手から解放された後、Moltorに捕らえられ、さらにラスボスのFluriousに引き渡される、という「囚われのお姫さま救出」要素が加味されます。
最終的には、Fluriousの手下モンスターの雪男Norgが、以前にシルバーと友情を育んだ、というエピソードがあって、Vellaの解放に協力してくれ、ハッピーエンドになるわけですが。
32話「Crown and Punishment」
最終エピソードです。
原作48話「恐怖なる大神官」と最終49話「果て無き冒険魂」のストーリーとは、ほぼ全く関係ありません。
何しろ、原作でボウケンジャーを苦しめたデスペラートがOODには登場しません。
Fluriousがパワーアップしてガジャドムになっただけです。
さて、物語を初めから語るなら、Fluriousが突然、レンジャーの基地であるハートフォード邸を襲撃してきます。
そして、レッドレンジャー・マックを人質にとって、レンジャーの手に入れた「宝石」をよこせ、と要求してくるのですね。
仕方なく、レンジャーの司令官であり、マックの父親だったミスター・ハートフォードは、息子の命を優先して、「宝石」を全て敵に渡すという決断をするのです。
アンドロイドの自分のために、「実の息子」と変わりない愛情を示してくれた父親に対し、マックはそれまで抱いていたわだかまりを全て捨て、本当の親子としての絆を取り戻すわけですな。
そして、「宝石」を収めた冠「the Corona Aurora」の力でパワーアップしたFluriousとの最終決戦。その戦いで、レッドレンジャーはバトライズ化し、自分の命を賭けて、Fluriousを撃退します。そして、機能停止……。
アンドロイドだから何とか修復できないのか? と問う仲間のレンジャーに対し、ミスター・ハートフォードは「新しく作り直すことはできる。しかし、それは同じマックではない」という答え。すなわち、ボディーの修理はできても、心を司る回路が完全に破壊されてしまった、ということでしょう。
哀しむ仲間たち。
そこにSentinel Knightが奇跡を起こします。「the Corona Aurora」の守護者である彼が、その力を用いて、マックを人間として復活させたのです。
使命を終えたレンジャーたちは別れて、それぞれの生活を行なうことに。
ピンクは以前のように、教師生活に戻り、
イエローはレーサーとしての仕事に戻り、
ブラックは自分の仕事を手伝う宝探しのプロを養成することに力を注ぎ、
ブルーはアクション俳優から、監督への道を志すことを決意。
シルバーの前には、解放されたVellaが現われて、再会を喜び合います。
そして、人間となったレッドは……父親といっしょに楽しい冒険生活を満喫するのでした。(ハッピーエンド)