結果的に、このゲーム。「曽我町子さん」の最後の演技を見たい人や、宇宙刑事が出ていればなんでもいい人を除けば、あまりお勧め、とは言えません。
コアな宇宙刑事ファンにとっては、「あれもできない」「これもできない」という足りない部分だけが目につき、決して満足できる代物じゃありません。
アラン登場とか、アニー登場とか、についても、「とりあえず出ているだけ」以上ではないし。
それでも、まあ、いろいろ楽しくツッコミながら、紹介してみます。
ギャバンモード1(VSシャコモンスター)
まずは、「宇宙刑事ギャバン」の物語をなぞるわけですが、量が少なすぎ(わずか7シナリオ)。
順に見ていくと、先ずは順当に第1話「東京地底の怪要塞」。写真とナレーションで物語が語られるのはキャラゲーとして悪くはないのですが、PS2なのに「SFCのウルトラマン」程度にしか感じられないのが悲しい。
マクー戦闘員クラッシャーに襲われている陽一少年を守るために戦う、我らが一条寺烈。戦闘員と戦いながらゲージを溜めて行き「蒸着」するのが基本的な流れですが、NOVAは「蒸着」なしでどこまで戦えるか試してみたくなったわけで……*1、シャコモンスターが出現しても、そのまま優勢に戦いを進めていたわけですな、これが。
すると……
「マクー空間に引きずり込め!」
おおい。コンバットスーツを着ずに、マクー空間に引きずり込まれた一条寺烈。てっきりゲームオーバーかと思っちゃいましたよ、NOVAは。何せ、マクー空間は一種のブラックホールですから。
それでも、ピンピンしている一条寺烈。さすがは、バトルケニア、いや、デンジブルー。アンパン好きは伊達じゃない……と思いつつ、さすがにこれじゃ絵にならないので、遅まきながら「蒸着!」。
はい、ここで画面の指示通りにボタンを打ち込むわけですが……NOVAの場合は、「FFX」でアーロンの剣技のためにボタン配置をマスターしていましたから容易にこなしたものの、やはり不評ですな、これは。
ともあれ、後の戦いは基本的にワンパターンです。
不利になると逃げ出すモンスター。
戦場が異空間から採石場に移り、姿を消して奇襲を続けるモンスター。
レーザースコープで敵を発見し、いろいろな技を駆使して攻撃。*2
そして、相手のHPを削り取ると、必殺技の「ギャバンダイナミック」が勝手に発動。NOVAとしては、これが納得できないんですよ。やはり、必殺技を自分の意志で発動できてこそのヒーロー物ゲームだと思うわけで。ギャバンファンとしては、「ギャバンダイナミック」を自分の操作で行いたいんですよ。その希望を満たさない時点で、欠点1と。
ギャバンモード2(VSサイダブラー)
原作第14話どおり、コム長官とのトレーニング。しかし、コム長官を剣で切り刻むのは、ゲーム内描写としていかがなものか?
その後は、大山小次郎さんを操作。烈が駆けつける前にサイダブラーから逃げるのが目的。これが楽しいかどうかは、微妙なところ。こんなマニアックな遊びを入れるぐらいなら、もっと宇宙刑事の戦闘ゲームとして充実させて欲しかった、というのがNOVAの思い。
今度は、マクー空間に引きずりこまれる前に、きちんと蒸着。すると、原作どおりにサイバリアンを呼んで、きちんと異空間に突入してくれます。これは満足。
ダブラーとの戦闘中に飛来するマクー戦闘機。ここで「電子星獣ドル!」とか「ギャビオン!」が呼べて、シューティングゲームモードに切り替わるなどしたら、原作ゲーとしてNOVAは納得です。それができず、マクー戦闘機の攻撃をかわすしかないギャバンというのが悲しい。
やはりギャバンファンとしては、自分の手で「ドル」や「ギャビオン」を操作したいんですよ。その希望を満たさない時点で、欠点2と。
ドル好きとしては、DVDでの画像だけでも挙げておきます。
ギャバンモード3(VSサーベルダブラー)
原作24話より。
このシナリオでは、もう一度、小次郎さんを操作します。今度は、陽一少年と、姉のわかばちゃんを庇いながらの逃避行ですから、難易度は上がっています。陽一少年を捕まえたクラッシャーに、石をぶつけて、陽一少年を助ける小次郎さん。で、自らうまく囮になりつつ逃げるわけで……うう、フラストレーションがたまる……。
何とか逃げ延びたところで、烈ちゃん登場。
今度の問題点は、マクー空間で巨大化したサーベルダブラーに対し、お待たせの「電子星獣ドル」を召喚するわけですが、その際、巨大ダブラーの攻撃(岩落とし)を避けながら崖上に登るというアクションゲームを要求されます。光球になって自在に空中を飛行できる宇宙刑事が何の因果で、崖の段差を一つずつ登っていかねばならんのだ?
崖上に着いたら、勝手に「電子星獣ドルー!」と呼んで、勝手に「ドル、奴に近づくんだ」と命じて、勝手に「ギャバンダイナミック!」
……だから、そういう美味しい部分をプレイヤーに操作させて欲しいっての。崖登りなんてつまらない部分をアクションゲームにするんじゃない!
おまけに、ドルの出番って、これだけだし(;;)。
ギャバンモード5(ノットリダブラー)
元ネタは原作39話。本作最大の問題シナリオ。
ノットリダブラーとして、「寿司の早食い競争」を行います。
で、それで終わり(笑)。
ギャバンがダブラーを倒したエピソードが、ナレーションで語られるだけ。このときの脱力感ははなはだしかったです。
ギャバンモード6&7(バッファローダブラー〜最終決戦)
原作の最終3部作を2シナリオで展開。
まず、烈が、森林パトロールの伊賀電と戦うわけですが、電を殴り倒してしまって、いきなりゲームオーバーしてしまいました(苦笑)。電を倒すのではなく、攻撃を一定時間避けるのが目的。
その後は、電を倒したバッファローダブラーをやっつけるアクション部分を経て、ボイサー救出エピソードがナレーションで語られます。ここで挿入歌の「父よ」でも流れてくれれば、演出面は最高なんですが。
そして、最終のシナリオ7。
サンドルバ&キバとの戦いでは、シャリバンが駆けつけてくれ、共に戦ってくれます。これは正直、燃えました。
そして、ドン・ホラーとの決戦。ドン・ホラーの首を退治して、ギャバンモード終了。続けて、「宇宙刑事魂モード」に進みます(つづく)。