トリックORトリート
翔花「くらえ、花粉症バスター♪」
NOVA「ぶはっ、いきなり何をする!?(涙目)」
晶華「おお、不意打ち花粉症バスターが効果あったんだね。最近は、メガネとマスクでしっかりガードしてるから効かないと思ってた」
NOVA「しっかりガードしていても、そっちがクリティカルを振ったり、こっちがファンブルを出したりしたら、命中することだってあるんだ。攻撃側が6ゾロを出す確率は36分の1で約3%、防御側が1ゾロを出す確率も同じく約3%。97%の2乗は、(100ー3)の2乗を展開することで暗算で計算できるから、10000ー600+9で9409になるので約94%で外れるが、6%ほどは命中確率があるので、見切ったはずの花粉症バスターだって、うっかり当たってしまうことも稀だがなくもないんだ。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるとはこのことだな」
翔花「わたしにはNOVAちゃんが何を言っているのか分からないけど、ようやくNOVAちゃんがこっちを向いてくれたので嬉しいよ。ずっとコンパーニュの記事ばかり書いて、わたしたちのことを放ったらかしだったし」
NOVA「ああ、D&Dの盗賊話とゴブスレに夢中だったからな」
晶華「今はゲームブック脳じゃないの?」
NOVA「ゲームブックも大事だが、D&Dも大事だろう」
翔花「ソード・ワールドは?」
NOVA「とりあえず、このサプリを買った」
晶華「へえ、どんな内容?」
NOVA「目玉は、一般技能判定の詳細拡張ルールだな」
晶華「一般技能か。私のカシュミーラは、ノーブル3レベル、ウェザーマン1レベル、ハンター1レベル、ジュエラー1レベル、シンガー1レベルって設定だけど、何か面白いことができるようになったかしら?」
NOVA「ええと、メインは貴族で、天候予報士と狩人と宝飾師と歌手を齧っているのか」
晶華「多才でしょ?」
NOVA「どうだかな。3レベルは門前の小僧で、本業ではないけど1年ほどの経験。1レベルは齧ってみた程度で、せいぜい趣味として始めた程度だからなあ。プロとして生活できるには5レベルが必要で、4レベルだとセミプロというか、それで1年以上は本業としての経験がある程度だ」
翔花「プロとセミプロの違いは?」
NOVA「プロは完全にその道で独り立ちしていて、仕入れとか、仕事を維持するだけの社会的コネとか、製作したものの販売ルートの確保とか、世間的に職業として認められる程度の看板や実績を挙げていることだな」
晶華「NOVAちゃんにとっての教育業ね」
NOVA「学生時代のアルバイトから数えて、来年でこの道35周年を誇れるからな。まあ、雇われ塾講師から独り立ちしてからは15年で、飯の種としてはコツコツ続けて行けてるが、この先も大禍なく続けて行けたら、是幸いってところだ」
翔花「自称セミプロのゲームライター業もやっていたんだっけ?」
NOVA「90年代に3年ほどな。その後は、2000年代から趣味のホームページやブログで雑文を書いているだけなので、万年ライター4レベルってところか。『語れるレベル』だとは自認しているが、収入源にはなっていないし、俺の文章に金を出してくれる人間もいないだろうと思うし、金を取れるだけの責任を持って書いているわけでもないからな。
「プロとアマの差ってのは、技量もさることながら、自分の仕事への責任感とか、関係業界人とのコネの維持とか、自営業なら仕事をとって来るだけの自己アピール、もしくは所属組織の中での人間関係を折り合わせる社会性とか、そういうところも問われるのだろう。仕事の腕と人脈の両方が、プロには必要なわけで」
晶華「ええと、ソード・ワールドの冒険者は、本職・冒険者だから一般技能を5レベルより上に伸ばすことはできないという設定だったのね」
NOVA「ああ。5レベルより上は、冒険生活を引退して、生活基盤をその職業に費やして日々を暮らすことにして、初めて上昇させられる。あるいは、すでに職業人として立場を得ている元冒険者のおじさんが、危険にさらされて昔とった杵柄の冒険者生活に返り咲くようなケースもなくはないが、あるキャンペーンを終えたキャラが、しばらく日常生活の一般人ライフを過ごした後で、数年後再び冒険の旅へ出発せざるを得ない(第2キャンペーン開始)というケースも考えられるな」
翔花「あれから10年が経って、パン屋になっていた元宇宙海賊のMSパイロットが、再び戦火に巻き込まれて……って展開もありよね」
NOVA「F91のシーブックの話だったら、別にパイロットとして返り咲きはしなかったからな」
晶華「とにかく、プロではない趣味として、またはかけ出しプロまでしか成長できなかった一般技能が、その後も成長できるルールが実装されたってことでOK?」
NOVA「そういうことになるな。以前に、2.0版で名誉点事業ルールがあって、冒険生活の合間に時間を割いたり、雇われ人に経営を任せたりして、資金提供に務めながら店舗や施設のオーナーになる追加ルールがあったが、それとは別に冒険者の冒険以外の社会生活をサポートするルールだ。例えば、月々地道に働いて、いくら稼げるかの表があって、5レベルの駆け出しプロだと期待値100ガメルの収入が月々得られるようになっている」
晶華「それって少なくない?」
NOVA「少ないよな。ソード・ワールドの冒険者の最初の冒険の相場が、1回のシナリオでギルドの依頼料500ガメル+戦利品売却200ガメルの計700ガメル(1人当たり)だから、冒険者の稼ぎは一般の村人や町人が1ヶ月コツコツ働いて稼げるお金の5倍近いと計算されるわけだ。もちろん、レベルが上がれば収入の相場も増える。ただし、生活基盤を持っている一般人は生活費を払う必要がないので(表による収入は生活費をすでに支払ったもの)、宿賃や食費などを細かく払わせたがるGMやシナリオの場合は、冒険者の生活も決して豊かとは言えないが」
晶華「妖精郷のおもてなし亭は、生活費の面倒を見てくれるけど、ギルドじゃないので依頼料は払ってくれないもんね」
NOVA「妖精郷は、一部の人間の町を除けば、貨幣経済が発達していないおとぎ話風の世界だからな。ガメル銀貨の代わりに、マナマテリアルを利用したネコのアイテム生成魔法で買い物するようになっている。だから、モンスターの戦利品や、薬草や鉱石などの採集でしか収入が得られないという設定だった」
晶華「うんうん、ソード・ワールド熱がだんだん高まってきたようね」
NOVA「それはさておき、一般技能5レベルから先は、収入獲得表などを振った際にもらえる成長ポイントを消費することによって行える。プロだったら平均半年ほど働けば、5レベルから6レベルになれそうだな。なお、俺の塾講師(ジュクティーチャー)レベルは表によると、7レベルから8レベルと思える。7レベルは『独立を選べる一人前の職人』扱いだ。現実のプロスポーツ選手だと1軍と2軍の間を行き来する程度とあるな。なお、5レベルは2軍の最下位程度」
晶華「プロの1軍レギュラーは?」
NOVA「10レベルだ。ラクシアだと、一流の職人や親方として、地域でよく知られている顔役と言ったところか。普通に仕事はしているけど、別に目立った有名人ではない程度が、7〜8レベルだと思うぞ。9とか10だと、地域のトップレベルの有名教室になるんじゃないかな。さすがにそこまでの規模だと、経営に忙しくてブログを書いてる時間がなくなるわけで(苦笑)」
翔花「NOVAちゃんのリアルジョブの話はどうでもいいから、ここは妄想タイムらしくハロウィンの話に戻ろうよ」
NOVA「どうでもいいとは思っていないが、確かに話題としては楽しいネタとも思えんな。よし、ハロウィンだ。花粉症バスターってトリック(いたずら)はもうくらったから、トリート(お菓子)はもういらないだろう」
晶華「ええっ!? いるに決まってるでしょ。トリックを仕掛けたのはお姉ちゃんだから、私にはお菓子をちょうだい」
翔花「ああっ、アキちゃん、ズルい。花粉症ガールの粉杉シスターズは2人で1人。わたしの罪はアキちゃんの罪。わたしの祝福はわたしのものなんだから」
晶華「何を言ってるの? そういう身勝手なジャイアニズムめいた考えは、ここのヒロインには相応しくないわね。はい、お姉ちゃんはヒロイン脱落決定!」
翔花「そんな。わたしからお菓子だけでなく、ヒロインの座まで奪おうとするなんて、そんな腹黒妹を持った身の不幸に涙するんだから。ふえ〜ん(涙目)」
晶華「あ〜〜、泣けば許されると思って、あざと過ぎ〜。だったら、私も涙目パワーで対抗よ。ふえ〜ん(涙目)」
NOVA「お前ら、久しぶりに記事書きしたと思ったら、何を姉妹ゲンカして大騒ぎしてるんだ? こっちがせっかくお菓子を手配してたってのによ」
Wショーカ『え? お菓子を用意してるの?(泣きやんだ)』
NOVA「そろそろ到着するはずだ。そのためにコンパーニュと連絡をとってたんだからな」
白ネコ料理人、来たる
シロ「ハッピー・ハロウィ〜ン。ご注文のパンプキン・ケーキをお届けに参りました(=^ェ^=)」
翔花「えっ、シロちゃん?」
晶華「シーさんが来るなんて、聞いてないわよ」
NOVA「どうだ、サプライズだろう。この日のために、前から準備を整えていたんだ」
シロ「延々とD&Dの盗賊の話を続けて、最後の最後で、特技《料理人》の話をしたかと思えば、こんなことを言い出しましたからね」
NOVA『ところでシロ君。お菓子の話のついでに、君に頼みがあるんだが?』
シロ『何ですか? ボクにできることなら、何なりと』
NOVA『まもなく、ハロウィンだが、たぶん娘2人がトリックORトリートとか言って、俺に花粉症バスターを撃ってくると思うんだ。そうなったらイヤなので、君にはトリート役をお願いしたい。君のパティシエ技能で、お菓子を用意して欲しいんだ』
シロ『それぐらいならお安い御用です。ボクだって久しぶりに翔花に会いたいですから』
NOVA『よし、決まりだ。君の到着を待ってるよ』
NOVA「……という打ち合わせをしていたんだ。それなのに、お菓子が届く前に花粉症バスターが飛んで来るとは(涙目)」
翔花「そんなこととはつゆ知らず、NOVAちゃんがわたしたちのことを無視して、コンパーニュばかり記事書きしてると思って……」
晶華「どうやら花粉症バスターはとんだ勇み足だったようね」
NOVA「まさか、トリックORトリートの選択肢に答える間もなく、撃ってくるとは思わなかったぞ。しかも不意討ちすぎて、ローグの急所攻撃を受けたぐらいの大ダメージだ。危うく死ぬかと思ったぜ」
翔花「ごめんなさい🙇♀️ こうなったら責任をとって、旅に出ます。探さないでください」
NOVA「いやいや。何で旅に出ることが責任をとることにつながるんだよ? それって責任から逃げてるだけじゃないか? 大体、旅に出るってどこへ行くつもりなんだ?」
翔花「ええと、コンパーニュとか屋久島とか?」
シロ「コンパーニュなら歓迎するぞ」
NOVA「いや、ダメだ。コンパーニュには俺が行く。D&Dのアーティフィサー研鑽とか、ゴブスレ感想とか、そっちでする記事が多いからな。その代わり、シロ君、君がここでしばらく暮らすんだ」
シロ「ちょっと待ってください。ボクはケーキを届けに来ただけで、長居をするつもりは……」
NOVA「君には、ここで重要な任務がある」
シロ「重要な任務?」
NOVA「フェアリーガーデンのGMを担当してくれないか?」
シロ「ちょ、ちょっと何ですか、その突然の展開は?」
NOVA「前から思っていたんだ。フェアリーガーデンは、ネコ妖精のケットシーが拠点である〈おもてなし亭〉を取り仕切っている。つまり、ネコ忍者たる君こそがフェアリーガーデンのGMをやることがふさわしいんじゃないかって」
シロ「そんな急に言われても」
NOVA「何しろ、晶華が妖精郷を再開しろって俺にせっつくからな。確かに、妖精女王ズのプレイはこの記事が最後で、もうすぐ1年になる。11月3日はTRPGの日だからな。フェアリーガーデンを再開するのにいいタイミングだと思うんだ」
シロ「そんなことよりも、魔神ハンターはどうするんですか? 夏にFINALをやるって言ったのが中断中じゃないですか」
NOVA「中断中だからこそ、君が今フリーなんじゃないか。俺の代わりにフェアリーガーデンのGM代行をしてくれたら、それをきっかけにソード・ワールド熱が高まって、魔神ハンターを完結するエネルギーが湧くかもしれない。元々は、魔神ハンターを終わらせてから、後腐れなくフェアリーガーデンに移る予定だったが、一つの作品を最終回にするエネルギーよりも、第2部を立ち上げたところで中断している妖精女王ズをちょっとだけ再開するエネルギーの方が少ないということに気づいたんだ」
シロ「しかし、今まで新星さまがGMしていたのに、急にボクがGMだなんて、プレッシャーが大きすぎます」
NOVA「いや、それがな。妖精女王ズの第2部は、実は俺がGMじゃなかったんだ。これを見ろ」
NOVA「何だか、俺のいないところで、杖の精霊ジョエルをGMにして、勝手に始まってたんだよな」
翔花「勝手に……と言うか、NOVAちゃんが杖のジョエル君に思念を送って、指示していたわけでしょ」
NOVA「GMどころかTRPG未経験の杖ですら、GMできたんだ。だったら、魔神ハンターでキャラを2レベルから8レベルに成長させたTRPG経験者のシロ君にGMできないはずがない。妖精女王ズを再開させるには、君の助けが必要なんだ」
晶華「お願い、シーさん」
シロ「アッキーにそう言われてもなあ……」
翔花「わたしからもお願いするわ、シロちゃん」
シロ「翔花の頼みなら喜んで❤️」
晶華「何よ、この差は!?」
シロ「ボクは翔花のパートナーだからな」
晶華「私にも誰かパートナーキャラがいないかしら? アナちゃんにはアストがいるし、お姉ちゃんにはシーさんがいて、独り身なのは私だけ。女王キャラのヒメノさんだって、次回のキングオージャーでお見合いがどうこう言ってるし」
NOVA「どういう男性が好みなんだ」
晶華「そりゃあ、メガネをかけていて……」
NOVA「うむうむ」
晶華「十分、知的で……」
NOVA「いたぞ」
晶華「え、誰?」
NOVA「ドクター・ウルシェードだ」
晶華「お爺ちゃんキャラは却下。それとも、NOVAちゃんはドクターさんの義理の父親になりたいの?」
NOVA「リアル義理の弟は、俺より年上なんだが、さすがにお爺ちゃんじゃないな。それはともかく、晶華のパートナーキャラは考えたこともなかったな」
翔花「リトル君は?」
シロ「リトルはボクの弟だ。アッキーには渡さん」
晶華「別にリトル君が欲しいなんて言ってないでしょ? 年下趣味ってわけじゃないし」
翔花「って言うか、シロちゃんがここに来ているのに、弟分のリトル君がいっしょじゃないって珍しいよね」
シロ「リトルは今、屋久島に行ってる。もうすぐゴジラの日ってことで、セイリュウ師匠と父子で仲良く水入らずってことだ」
翔花「何だか、いろいろなところで怪獣王さまが暴れているんですけど?」
NOVA「来年が70周年だからな。今年のゴジラ祭りは、それに向けての盛り上がりを見せているわけだ」
晶華「11月3日の文化の日は、TRPGの日であり、ゴジラの日。追っかけるものが多くて、大変ね」
NOVA「まったくだ。ハロウィンも大事だが、当ブログの本命はそっちにあるんじゃないか。まあ、全てをタイミングよく追っかけるのは無理だし、インプット情報が多すぎて、記事という形でアウトプット加工するのも時間差を伴うことになりそうだが」
晶華「とりあえず、アンテナは張ってるアピールってことね。細かい感想はまた後でってこと」
NOVA「今年は、ゴジラ、ガメラ、ゴブリンスレイヤーの3大Gが盛り上がっているってことで」
NOVA「俺は、ネフリ契約していないから、新作ガメラは未視聴だが、今年はゴジラもガメラもゴブリンもあって、凄い年だなあって気になってる」
晶華「そこにゴブリンを入れるのはどうかと思うけど、ゴブリンに代表されるファンタジーRPGのD&Dが盛り上がってるって話なら、同意してあげる。で、そんなことよりも、シーさんが持ってきたケーキを早く食べようよ〜」
NOVA「ああ、食べながら、話を続けよう」
ハロウィンな話
NOVA「で、ハロウィンと言えば、この雑誌も買ったんだが(モグモグ)」
晶華「ああ、ロードスも、パグマイアも、そして今が旬真っ盛りのゴブリンスレイヤーも切り捨てて、NOVAちゃんを残念がらせている雑誌ね(パクパク)」
NOVA「まあ、ゲームブックのFFとソード・ワールドが主な目当てで買っているんだけどな。まだ、細かくは読めていないんだが、一応、ゴブリンスレイヤーの記事はあったわ。巻末にたった2ページのミニ・シナリオソース程度だけどな。タイトルは『魔女たちのトーナメント』で、最強の魔女を決める魔女トーナメントに巻き込まれ召喚された冒険者たちが自分たちの推し魔女を応援して試練に挑む話だ。ただし、ストーリーの大筋だけを示して、細かいデータはGMが自分たちのプレイ環境に合わせて自作する必要がある」
シロ「あくまで、ストーリー原案程度の記事ですね(ムシャムシャ)」
NOVA「ハロウィンネタにはかぶっているが、ゴブスレらしいシナリオかと言えば、微妙なところだ。まあ、推し候補の魔女が3人いて、『行方不明の姉を探す只人魔女』『故郷の村を救いたい圃人魔女』『親友の仇討ちのために参加した闇人魔女』の代理戦士として戦う展開だな」
翔花「そして、ゴブリンと戦うのね(チュルリン、ペロペロ)」
NOVA「いや、ボスキャラは魔神の力を使う獣人魔女で、プレイヤーキャラは推し魔女のために戦いつつ、他の魔女と戦って倒すか、それとも交渉によって味方につけて共闘するかなどを考えながら、最後にボス魔女を倒して、ハッピーだったりビターだったりするゴールを目指す。この辺は、GMがストーリー展開を整備して、プレイヤーの選択に応じた分岐をあらかじめ用意するか、ぶっちゃけアドリブ処理するかだが、1つのシナリオでサクッと終わらせてもいいし、3話ぐらいのミニキャンペーンにすることも可能だな」
晶華「そもそも、巻き込まれ召喚されたんだから、普通の冒険者ギルドから依頼された仕事じゃないわけね。ゴブリンスレイヤーじゃなくても、他のゲームのシナリオにも流用できそうだし」
NOVA「序盤は、冒険者ギルドからの依頼で、開拓村近くで発生した異常現象の調査に向かった冒険者たちが、魔法陣から異空間に引きずり込まれて……って展開なので、どちらかと言えば、ソード・ワールドの〈奈落の魔域〉っぽい筋書きなんだがな。ソード・ワールド用のシナリオを、急遽ゴブスレの種族にアレンジして書き直したっぽいと思われ」
翔花「せめて、今放送してるアニメの物語とリンクしてる話にすればいいのにね」
NOVA「無理だろ。SNEのゲーム班は、アニメの制作にタッチしてないから、アニメがどの話を採用するかという情報も入ってないはずだ。何にせよ、魔女たちの決闘競技という大枠アイデアは面白いと思うが、ゴブスレTRPGのシステムでシナリオにするためには、疲労点や因果点のルールが少し、噛み合わせが悪いかも、と思ったりしている」
シロ「ゴブスレTRPGは、1期アニメの後に作品発表されたから、仮に今後、大きな動きがあるとしたら、2期アニメの放送後の来年に新サプリが出るってところでしょうか」
NOVA「サプリよりも、むしろリプレイの第2弾希望だな。まあ、プレイヤーの1人が原作者だから、原作者が忙しい時期はリプレイ収録もし難いってことかもしれないし、リプレイよりも、小説の続きが早く読みたいのが多くの原作ファンの心情だろう。16巻が去年の7月で、今年はブレバスとかモスクワに時間を割いていたから、ゴブスレは後にズレ込んでいるようだな。来年の春頃には出るんじゃないかなあ、とは思っているが」
晶華「本当は、アニメと同時に新刊が出れば、相乗効果でよく売れそうなんだけどね」
NOVA「アニメの方がコロナ禍云々でズレ込んだと思しいからな。まあ、受け手としては、今はアニメを楽しみつつ、新刊は先の楽しみと思っておくことにする。どっちにしろ、いろいろ追っかける方も大変だしな。ゲームブックとか、D&Dとか、特撮とか、たまにスパロボDDとか」
スパロボDD
翔花「そう言えば、スパロボDDも新しいエピソードが配信されたそうだけど?」
NOVA「新ユニットは、オルフェンズのバルバトスルプスだな」
シロ「バルバトスはあと1回、バルバトスルプスレクスに強化されるんですね」
NOVA「個人的には、第6形態の日本刀装備が一番好きだけどな」
NOVA「スパロボDD記事は次回、009とケイPジローに任そう。それぐらいしないと、あいつらの顔見せができないからな」
晶華「スパロボ番は、ケイPちゃんたちのドゴランブラザーズが担当と」
ゴブリンだ
NOVA「で、話をラクシアライフに戻す。ええと、このソード・ワールドのサプリで、目玉の一般技能拡張ルールの他に、俺が気になっていたのは、ランダムシナリオって奴だな。果たして、どんな内容かって」
シロ「確か、一人でも遊べるって触れ込みでしたよね」
NOVA「まあ、結論を言うなら、レベルに応じた8種類の依頼があって、クライマックスイベントは同じなんだが、道中のイベントをD66で決める形で、ローグライクハーフのD66シナリオをもっとシンプルに、ただしストーリーヴァリエーションは増やした感じだな」
翔花「ローグライクハーフって?」
NOVA「この記事を見ろ」
晶華「ソロもしくは2人でプレイ可能な簡易TRPGってことね。システムが軽いから、サクサク進めることができて、でも、シナリオをネット上で公開して、盛り上げようってことか」
NOVA「今のところ、シナリオの数に比べて、システムの方が追いついていないというか、2つぐらいシナリオをみっちり楽しんだら、成長が頭打ちになるので、上級ルールの発表を楽しみにしているんだが、それはともかく、ソード・ワールドでローグライクハーフっぽい簡易シナリオのシステムが、ラクシアライフのおまけ的に付いているんだ」
シロ「おまけなんですか?」
NOVA「まあ、以前、ソード・ワールドのビルディングBOXに収録されたカードによるランダムシナリオ作成システムをD66でコンバートした感じだな」
翔花「よく分からないんですけど?」
NOVA「なら、試しにやってみよう」
晶華「って、今から?」
NOVA「キャラを使った実プレイはしないよ。ただ、シナリオのストーリー展開がどんな感じになるかのお試しプレイだ。君たちは冒険者ギルドからゴブリン退治の依頼を受けたところからスタートする」
翔花「大変。ゴブスレさんを呼んで来ないと」
シロ「いや、ゴブリンなんて、別にゴブスレさんがいなくても簡単に倒せるだろう?」
翔花「ゴブリンが30体ぐらいいても?」
シロ「そ、それは厳しいかもしれないな。少なくとも、ファイアボールが3発ぐらい撃てる魔法使いと、ゴブリン5体ぐらいなら普通に渡り合える壁役戦士が2人ぐらいと、回復魔法が何度も使える神官キャラがいないと30体はキツい」
NOVA「さすがに、普通にプレイしてゴブリン30体を初心者プレイヤーにぶつけるGMは鬼だと思うぞ。まあ、俺が最初にDMしたD&Dシナリオは、扉板の下の穴からキャリオン・クローラーが出てきて、麻痺触手で8回攻撃をくらわせたり、コボルド10体が飛び道具を撃ってくる危険な城跡だったが。悪の魔術師バーグルが潜んでいるという噂のな」
シロ「それは、クラシックD&D赤箱のDMルールブックに掲載されたものですね。当時のDM初心者は、それか、もしくは『国境の城塞』シナリオから始めるのが定番だったと聞きます」
翔花「コボルド10体かあ。一度に相手どるのは厳しくない?」
NOVA「だから、魔法使いがスリープで眠らせるのが序盤の定番戦術だったな。問題は、コボルドよりもキャリオン・クローラーをどうするか。まあ、麻痺した仲間を担いで一時撤退して、再挑戦の際はその穴を調べずにスルーするのが最適解だと思うが、HPはしょせん10なので先制攻撃できたら、ファイターとあと1人ぐらいの攻撃が命中して倒せなくもない。うちのプレイでは、意外と簡単に倒せた記憶があるなあ」
晶華「そんな大昔の思い出話はいいから、今の話にしようよ。ゴブリン退治をギルドから請け負った。それで、どうするの?」
NOVA「道中イベントを決める。D66を振れ」
晶華「6面ダイス2つを振って、一方を10の位、もう一方を1の位にするのね。(コロコロ)23よ」
NOVA「道中で、突然、貴族が現れた。彼は君たちに『実は想い人に告白したいんだが、経験豊富な君たちの手で、粋なラブソングを作って欲しい』って頼んで来るんだ」
晶華「何それ? あたしたちはゴブリン退治に行くところなのに、ラブソングを作れですって? 頼む相手を間違えていない?」
NOVA「まあ、俺もこのイベントはどうかと思うが、もう少し話を整えてみよう。晶華、君のキャラクターはカシュミーラということにしておいてくれ。カシュミーラは、ノーブル技能を持っているから、その貴族は知り合いのエルフの若者だ。彼は君がシンガー技能を持っているのを知ってる。つまり、歌のことなら君が最適だと思っているんだ」
晶華「あたしに頼むのは筋が通っているってことね。しかし、何でそれが今? ゴブリン退治に行かないといけないのに、空気を読みなさいよ」
NOVA「それは、ランダムダイスでそういうイベントを出した自分に文句を言え。とにかく、プレイヤーはGMと協力して、ランダムダイスの結果に面白いストーリーを作ることを求められるんだ。ツッコミを入れるのはいいが、イベントを達成しないと先には進めないぞ」
シロ「つまり、ゴブリンの手がかりは、その貴族さんが教えてくれるんですね」
翔花「ゴブリンの居場所を教えて欲しければ、ぼくのためにラブソングを作れってこと? だったら、わたしが作ってあげる。こう見えても、エマ・ショーカだって、ノーブル3レベルで、シンガー2レベル、さらにコンポーザー(作曲家)2レベルなんだから、歌作りならお任せよ」
NOVA「だったら、ここで選択肢だ。曲調は情熱的か、心に染みる切なさかどっちを選ぶ?」
翔花「涙目パワーなら切なさってところかしら」
晶華「いいえ。あたしは情熱的なのを選ぶ」
翔花「だったら、どっちの歌が良いか競争よ」
晶華「受けて立つわ。より効果の大きい方が、このブログのメインヒロインってことで」
NOVA「……どうやら、情熱的な方が、想い人の好みに合っていたようだ。この勝負は、カシュミーラ役の晶華の勝ちと判断する。そんなわけで、エルフの未来の女王の情熱的なラブソングに貴族は満足して、報酬の200ガメルとともに、ゴブリン退治の重要な手がかりを教えてくれた。君たちは一つの難題を解決し、次のイベントに向かうことになる」
シロ「なるほど。ダイスで出たランダムイベントを、プレイヤーは『そいつは変だろう』とか拒否するのではなく、何とか物語で辻褄合わせをするように、即興でストーリーテリングしろってことですね」
NOVA「まあ、変なイベントにツッコミ入れて爆笑するのはいいけど、否定して白けさせるようなプレイはナラティブ向きじゃないな。要は、イベント素材をどう三題噺的に、自分たちのキャラ設定と組み合わせて、楽しむかってことだろうし」
翔花「とにかく、アキちゃんとの歌合戦に負けたわたしは悔しいので、次のイベントこそ勝ってみせる。(コロコロ)42よ」
NOVA「イベントタイトルは『観光案内』だ。田舎者が君たちに道案内を要求してきた」
晶華「道案内はこっちがお願いしたいわよ。ゴブリンがどこにいるかをね」
NOVA「そう言えば、ゴブリンはさっき見かけた気がするけど、こっちの目的地を教えてくれたら、ゴブリンの手がかりを教えてやってもいいでげすよ」
シロ「田舎者の割には、交渉上手と言うか、あざといと言うか……」
NOVA「選択肢は二つ。言葉で説明するか、直接連れて行ってあげるかだ。ただし、直接連れて行くと、遠回りになると思うね」
晶華「イラッとしているので、直接連れて行く気にはなれない。言葉で十分よ」
翔花「でも、急がば回れって言うし、一緒に連れて行ってあげる方が親切だと思うな」
シロ「ボクも翔花に賛成だ。2人で田舎者を案内しよう。大丈夫、ボクの騎竜に乗って行けば、すぐだよ」
NOVA「って、君はドラゴンライダーなのか?」
シロ「ええ。イノセントが飛竜覚醒して、ドラゴンライダーになったところで放置されていますよ」
晶華「ああ。騎獣を使っていいなら、カシュミーラだってライダー技能6レベルだし、騎獣に乗せればすぐに送って行けるわね」
NOVA「ちょっと待てよ。6レベルだったら、もっとレベルの高いシナリオをするべきなんだよ。『邪教の調査』とか『舞姫の護送』とか。ゴブリン退治なんて、レベル1〜2の仕事なんだし」
シロ「大丈夫。ゴブスレさんだって、銀等級なのにゴブリン退治を引き受けているんだし、高レベル冒険者が低レベルシナリオをこなして、俺つええを満喫するのも、たまにはいいのでは?」
NOVA「まあ、ランダムシナリオのお試しプレイだしな。まともにゲームバランスは考えなくてもいいか。では、直接連れて行くなら問題なく到着したが、その間に敵が準備を整えて強化されてしまった。HPが10点増しだ。なお、言葉で説明するなら、ツアーガイド(旅先案内人)技能かリンギスト(通訳)技能のボーナスが加わるけど、他にはセージ、スカウト、レンジャーの技能が役に立つな。判定に成功すれば、後で田舎のお土産をくれる」
晶華「直接送ってあげたら?」
NOVA「お礼は何もくれない。どうやら外れの選択肢だったようだ」
晶華「もしかして、わざわざ親切に送ってあげた方が失敗で、言葉で説明するだけの方が成功だったってこと?」
NOVA「そうだな。理不尽な結論だと思う、この2択は」
晶華「このイベントはクソイベントね。手間暇かけた分のメリットはあって然るべきよ」
NOVA「まあ、ランダムイベントだから、依頼の本筋とは関係ない道中イベントが出て来るのは許容範囲として、各イベントでたびたび2択もしくは3択の選択肢を強要され、理不尽な一喜一憂をさせられるのを面白いと感じるか、それともサプライズの納得度が担保されていないと思うかで、この簡易シナリオの評価が変わってくると思うな」
翔花「とにかく、急がば回れした結果、お礼ももらえず、無駄にゴブリンの軍勢が強化されたってことね」
NOVA「そして、いよいよクライマックスだ。シナリオでは、ゴブリン3体とボルグって大型蛮族と戦うことになっている」
晶華「ボルグって?」
NOVA「お前、ソード・ワールドを何年もプレイしているのに、ボルグも知らないのか?」
晶華「だって、戦ったことないもん」
シロ「残念ながら、ボクも戦ったことはありません。確か、アルフレイム大陸に生息する蛮族ですよね。ボクたちがプレイしている『ミストグレイヴ』や『フェアリーガーデン』は2.0時代のシナリオなので、2.5のボルグは登場しないんですよ」
NOVA「ああ。2.0のテラスティア大陸に登場するのは、ボルグじゃなくてボガードの方か」
晶華「大丈夫。ボガードだろうと、ボルグだろうと、カシュミーラの【ファイアブラスト】でまとめて焼き尽くしてあげるわ」
シロ「ボクのイノセントも《炎の息吹》でまとめて攻撃できます」
翔花「範囲魔法かあ。【フォース・イクスプロージョン】はまだ使えないけど、炎のファルシオンで薙ぎ払えばいいのね」
NOVA「では、高レベル冒険者の前に、ゴブリンの群れはサイコロも振らせてもらえずにスレイされてしまいました、とさ」
晶華「なるほど。こんな風にプレイしたらいいんだ。簡単ね」
NOVA「何をもって簡単と言っているか知らんが、作成したばかりのキャラクターにとっては、こんな簡単にボルグは倒せないはずだからな」
晶華「まあ、戦闘バランスはどうか知らないけど、細かいストーリーの辻褄合わせさえできれば、ダイス目でテキトーに選んだ道中イベントを何度かこなして、クライマックス戦闘もテキトーにこなして1シナリオクリアできる、と。深く考えなくても、ストーリーは一本道だし、謎解きのかけらもないからサクッと終わる」
NOVA「そんなにテキトーを連発されると、それでいいのかって気にもなるが、GMとしてはランダムに決めたイベントをアイデア源にして、きちんとしたシナリオに組み直すってこともできるかもしれない。気楽にミニストーリーと戦闘だけを楽しみたければ、テキトーなツールにはなるだろうな。これで感動的なストーリーになる可能性は、甚だ薄いだろうが」
シロ「世界観を味わうとか、ストーリーに秘められた謎とか、NPCとの交流なんかを楽しみたいなら、ちゃんとしたシナリオを求めた方がいいですね」
NOVA「ということで、次の妖精郷プレイはシロ君に任せた」
シロ「ううっ、少し過去記事読んで、ストーリーを把握する時間をください(汗)」
(当記事 完)