Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

妖精女王ズ、続・最後のネコ探し(SW続フェアリーガーデン2ー5)

ドレイク狩りの時間だ

 

GM(シロ)「では、早速バトルです。空飛ぶ蛮族が飛来して来ますよ」

エマ(翔花)「はい、じゃあ、まずは先制判定を行なってね、カシュちゃん」

ミリィ(晶華)「いや、確かに、あたしの名前はカシュミーラだけど、カシュちゃんと省略されるのは、ちょっと……」

エマ「だったら、カーちゃん?」

ミリィ「あたしは、あなたの母親じゃない」

エマ「すると、シュミちゃん? ミラちゃん?」

ミリィ「いつも普通にミリィって省略しているんだから、ミリィちゃんでいいわよ。または、クイーンと敬称付きで」

エマ「一応、わたしも妖精女王ズの片割れだから、クイーンとは呼ばないわ、ミィちゃん」

ミリィ「それはそれで、ネコみたいだし。まあ、いいけど。(コロコロ)出目10。先制判定は21で、こっちがとった。さあ、《ファストアクション》範囲攻撃魔法の2連発で殲滅させてみせるわ」

 

 一応、前回の解説をしておこう。

 最後のネコ妖精ラザニア探しのミッションを始めた未来の妖精女王カシュミーラ一行は、西エリアの【凍て付く山】の吹雪の妖精騎士スカディから、「ラザニアはシーリィのところに行った」と聞いた。

 シーリィがいるのは、北東エリアの【大空の小さな家】だと分かっていたので、一度、拠点に戻って、空飛ぶ騎獣を調達するや、ひろがるスカイっぽいハウスに向かうことにした。

 すると、スカイハウスは、アンダーグ帝国と同じように力の信奉者たる蛮族バルバロスの襲撃にあっていたのだった。

 ヒーローガールの出番です! って感じで、戦闘に突入する、ふたりの女王と従者の物語ということで。

サイバ(009)「今さらながら、この妖精女王ズの物語って、現在放送中の『ひろがるスカイ!プリキュア』や『王様戦隊キングオージャー』とストーリー的な相性が良さすぎるんだよな。力の信奉者アンダーグ帝国って、ソード・ワールドの蛮族の戦神ダルクレムと方向性が同じだし、ここまで当ブログでコラボして来なかったのが残念すぎる」

ミリィ「と言っても、アンダーグ帝国の背景事情が分かったのって、先週から今週にかけてだし、それまでは妖精女王ズとのつながりが見えにくかったのも事実。でも、今のタイミングで話はつながったと思う。そう、力の信奉者はより強い力にひれ伏すがいい。蛮族どもは皆殺しだ!」

マークス(ケイP)「それはプリキュアじゃなくて、違うアニメの方向性です。プリキュアが皆殺し発言をすると、ニチアサには相応しくありません」

ミリィ「まあ、『ジェノサイド! プリキュア』とか『翔べ!必殺プリキュアうらごろし』なんてタイトルの作品は絶対放送されないだろうけど。とにかく、先制権はとったので、あとは殲滅したってことでいい?」

GM「良くないです。ええと、範囲魔法連発で殲滅されると、バトルがつまらないので、ボスのドレイクは後衛で、前衛にディープグレムリン3体が並び立ちます」

ミリィ「ちょっと! 弱っちいザコを前に出して、ボスキャラが奥に引っ込むような配置って卑怯じゃない? ドレイクは名誉を重んじる蛮族のエリート種族でしょ? 正々堂々と前衛に出て来なさいよ」

GM「エリートだから、バカではないのです。きちんと部下を盾にして、相手の力量を見極める程度の知恵はあるってことで」

ミリィ「こうなったら、【ファイアブラスト】2連発で、前衛のザコどもをひねりつぶしてくれるわ」

エマ「ミィちゃん、邪悪の女王みたいなセリフは控えないと、キャラのイメージが崩壊するよ」

 

 カシュミーラの魔法攻撃2連発で、ディープグレムリンは本当に吹き飛ばされた。

 魔法行使2回、ダメージ6回の8回中、1度でもピンゾロが出れば、生き残った者もいたろうに。

 

GM「さすがにHP21じゃ、範囲魔法2連発は耐えられないか。じゃあ、これでカシュミーラの行動は終わって……」

ミリィ「いいえ、まだよ」

GM「ええと、騎獣の攻撃か? ペガサスは確か飛び道具を持っていないから、後衛からじゃ何もできないはずだが?」

ミリィ「ペガサスじゃない。このあたし、カシュミーラ・ミルモワールは妖精魔法の他に、ドルイドの森羅魔法も使えるの。森羅魔法は補助動作で使えるものも多いから……(呪文リストを見ながら)誰か《牽制攻撃》の特技はいる?」

マークス「命中判定+1、クリティカル値+1ですか。ドレイク相手に確実に当てるには有効かもしれませんが、私は使いたい特技が別にあるので」

エマ「わたしも同じ。使いたい特技は別にあるので、必要ないわ」

ミリィ「【シャープアタッカー】の魔法は、このパーティーでは使い勝手が悪いみたいね。ドルイド魔法の有効な使い方はまた研鑽の余地があるわ。はい、あたしの行動は終わり」

 

ドレイクを1ラウンドで落とせるか?

 

サイバ「さて、ドレイクが敵の後衛に位置するのは、まずいな。GM、ドレイクのHPはいくつだ?」

GM「魔物知識判定で見抜かれているので言いますが、剣のかけらが6つ入って68点です」

サイバ「HP68点を1ラウンドで落とせる火力は、我々にあるだろうか?」

ミリィ「【ファイアブラスト】2連発の射界から外れていなければ、20点から30点ぐらい与えていたんだけどね」

エマ「大丈夫。わたしとマー君の2人がかりで殴れば、何とかなる」

マークス「それにリオンさんの魔法が加われば、落とせるはずでしょう」

サイバ「いや、2人がかりで殴りに行けないだろう? 相手が前衛に出ているなら、こちらの戦士も前衛に出て行って殴ればいいが、相手はまだ後衛にいるんだぞ。位置関係的に、全力移動しないと届かん。そして全力移動すると、攻撃ができないというルールだ」

マークス「バイク形態の私が全力移動して、エマお嬢さまを敵後衛に運び、エマお嬢さまが攻撃するという手がありますが」

サイバ「今の状態だと、我々が最大ダメージを相手に与えて、できるだけHPを削るとしよう。しかし、ギリギリ削りきれずに、生き残った相手が竜化してHP全快、反撃ブレスが怖いという未来が見えている。我々には、マッスルG太郎みたいな単独敵に100点近いダメージを与える火力はないのだから」

GM「G太郎の5連続キックは、ボスキャラ泣かせだからなあ。だけど、こっちのパーティーは範囲攻撃が充実していると聞くが」

サイバ「多部位モンスターや、敵が固まっている時には非常に強いんだがな。今回みたいにボスが後衛に引きこもっている配置だと、初手火力がフルに発揮できないと思うんだ。とにかく、今回は何もせずに、ただ前衛に出るだけにしてくれ。次のラウンドに前衛に引きずり出された相手を集中攻撃で、竜に変身させずに仕留める。それこそが、我々が被害を最小限にして勝つ最適解と見た」

エマ「そんな小細工はつまらないと思う。しょせん、相手は格下よ。姑息な手じゃなくて、相手に全力を発揮させて、それをさらなる力でコテンパンに叩きのめす。それこそ正義ってものじゃない?」

サイバ「それが正義かどうかは議論の余地が大いにあると思うが、ならば分かった。1ラウンドで、できるだけ相手のHPを削るべく頑張ってみようじゃないか」

エマ「あ、ちょっと待って。いいこと考えた。ここはわたしに任せて。今朝のプリキュアらしく、力じゃなくて、対話で何とかならないか試してみる」

GM「対話って、相手は戦う気満々なんだけど?」

エマ「アステリア様の特殊神聖魔法【チャーム】を使ってみます。(コロコロ)魔法行使判定は15」

GM「こっちの精神抵抗は17ですけど?」

エマ「チッ、わたしの魅了を拒むなんて。平和的に話し合いで解決しようとするこちらの気遣いを無視するとは、よほど命が惜しくないようね。こうなったら徹底的にやってやるわ」

ミリィ「エマちゃんのセリフも物騒よ」

サイバ「魅了魔法は失敗したか。しかし、そういうことなら、こっちも一つ良い手を思いついた。そうとも、ダメージ魔法で1ラウンドで瞬殺するのが難しいなら、別の魔法で一瞬にして無力化できればいいわけだ。幸いにも、ぼくはソーサラーとコンジャラーの両方の魔法を習得したウィザード。レベル6までの深智魔法が使えるようになっている。ならば、ここではこう唱えさせてもらおう。かつては遺失魔法とも言われた深智魔法、【スリープ・クラウド】!」

GM「それって、眠らされるの?」

サイバ「そう。真語魔法レベル2の【ナップ】と違い、うたた寝とか居眠りとは訳が違うぞ。魔法行使判定は(コロコロ)出目5。しかし、運命変転で9+1で10にする。つまり、判定の達成値は23だ。抵抗できるかな?」

GM「そんなの6ゾロじゃないと無理だ〜。グースカピー」

サイバ「これで戦いは終わった。平和的解決だ」

マークス「果たして、そうでしょうか?」

サイバ「ん? キャプテン、不服か?」

マークス「いえ、敵は上空から飛来して来たのです。そういう場所で眠ってしまったということは……」

GM「哀れなドレイクさんは、空からヒューンと地面に激突して、グチャッとつぶれて死にました」

サイバ「え? そんなつもりはなかったんだが?」

GM「もう、面倒くさいので、そういうオチでいいです。ゴブリンスレイヤーの原作小説でも、空中からの落下死はよくある話だし」

ミリィ「見事に、オチがついてしまったわね」

 

 この戦いで獲得した経験点は180点。さらに★3つ。

 戦利品は、きれいな首飾り(300G)×3個と、剣のかけら(200G)×9個。しめて2700ガメルの収益なり。

 

ウサギ魔動機師との情報交換

 

GM「さて、飛んでる敵を眠らせて、地面に激突させて倒すという奇策で勝利したあなた達ですが……」

サイバ「狙いどおりってわけじゃないんだよな」

ミリィ「どうせザコ戦でしょう? これが名のある重要NPCだったら大惨事だけど。途中イベントで倒される程度の敵なら、どういう倒し方をしてもストーリー進行には問題なし。ちょっとしたMPの消費だけで、ノーダメージで殲滅できたんだから、万事OK」

エマ「で、これで戦闘は終わり? シーリィさんたちの戦いに加勢しなくていいのかしら」

GM「あなたたちが蛮族を撃退した時点で、シーリィさんたちも敵群を追い散らすことに成功しました。彼女たちは、あなた方に気づいて声をかけて来ます。お茶でもどうぞ、と空の家に招待してくれますよ」

ミリィ「お言葉に甘えることにしましょう。ベルゼンさんはいらっしゃるかしら?」

GM「『よく来たな、未来の女王陛下とお供たち』と、ベルゼンさんはカシュミーラではなく、エマさんに深々と挨拶します」

ミリィ「ちょっと、何でエマちゃんの方に礼を尽くしているのよ」

GM「確か、前にアラマユ様の魂が憑依していたのは、エマさんの方だったよね。ベルゼンさんはそれを覚えていたので、カシュミーラよりもエマの方がアラマユ成分が多いと考えているんだ」

エマ「だったら、嬉しくて緑色のオーラを放ちます」

GM「ベルゼンさんは、カシュミーラよりもエマの方が偉いと思っているんだ。ボクがアッキーよりも、翔花を優先するようにね」

ミリィ「そう、はっきり言われるとムカつくんですけど。まあ、いいわ。ここに来た目的を果たします」

GM「『ラザニアなら、ここにいないよ』とベルゼンさんは訳知り顔に言う」

ミリィ「何でもお見通しってわけ?」

 

ベルゼン『ラザニアが自分で言ったんだ。「もうすぐ女王の後継者と名乗る連中が来るから、おいらは去るよ。できれば、そっとしておいて欲しいんだけどなあ」と言いながら、姿をくらました』

 

ミリィ「行き先は聞かなかったの?」

 

ベルゼン『どうせ女好きのあいつのことだから、どこか甘えさせてくれる女のところに転がり込んでいるんだろう。そうだな、【雲海の岬】のシルフか、【のどかな果樹園】のラナのところを回ってみたらいいんじゃないか?』

 

マークス「見事にたらい回し展開ですね」

サイバ「〈シルフの宝石〉なら持っているから、連絡をとってみるか。『もしもし、シルフ? そっちにネコ妖精のラザニアが来てないか?』」

GM「〈妖精の宝石〉にそんな便利な使い方ができたんですか?」

サイバ「シナリオには書いていないが、ここのプレイではできるようにした。で、シルフのところにラザニアはいるのか?」

GM「来ていませんね」

サイバ「『来たら、すぐに連絡をくれ。それからラザニアを引き留めておくように』と言い残して通信を切る。さて、【のどかな果樹園】に向かうか」

エマ「あれ? ベルゼンさんと情報共有するって話をしていなかった?」

ミリィ「ベルゼンさんが話したいのは、あたしじゃなくて、エマちゃんの方みたいだから、情報交換は任せたわ」

エマ「ちょっと。何をどう話したらいいか、よく分かってないし」

ミリィ「情報整理はリオン様に任せるといいわ」

エマ「そんなわけで、サイバ☆リオンさん、アドバイスをお願い」

サイバ「じゃあ、頑張って整理してみるか。GM、ぼくにもシナリオを確認させてくれ」

GM「では、サブマスターの仕事をよろしくお願いします」

 

サイバ改めサブGM『ええと、「妖精郷の重要な情報」と称される情報リストは全部で5つある。その5つを順に確認してみよう』

 

★重要な情報A「妖精郷について」

 

サブGM『これは「伝説」「アラマユ」「秘密」「真相」「アラマユの真実」の5つあって、全ての情報をコンプリート済みだ』

ミリィ「ええと、妖精郷を作ったのはアラマユ様だと言われていたけど、実際はアラマユ様の親友の魔女ネアンが作ったのを、アラマユ様が横取りしたってことね」

GM「そんな人聞きの悪い話でいいのか?」

エマ「確か、人間の魔女ネアンが不死の命を手に入れるための儀式に使うため、妖精郷の魔力を利用しようとしたんだけど、それで妖精たちが犠牲になることを良しとしないアラマユ様が、魔女を封印して妖精たちの楽園としての妖精郷に作り替えたのよね」

GM「なるほど。作ったのは魔女だけど、そのままだと妖精たちが不幸になると義憤の想いで、妖精郷を救ったのがアラマユ様だと」

 

★重要な情報B「妖精王について」

 

サブGM『これも「所在」「表向きの情報」「秘密」「真相」「妖精王の目覚め」の5つあって、最後の情報だけを知らないんだ』

ミリィ「誰が知っているの?」

サブGM『【妖精王の城】を解放したときに、ミーミルが教えてくれるんじゃないかなあ。眠っている妖精王の眠りを覚まさせる必要に駆られて質問したら、教えてくれるって条件になっている』

ミリィ「つまり、まだフラグが立っていないから知ることができない、と」

エマ「とりあえず、今、分かっているのは、妖精王がおもてなし亭のそばの湖の底に沈んでいる【妖精王の城】に眠っていること。妖精王はアラマユ様から妖精郷全体の管理を任され、〈妖精王の冠〉というアイテムを託された。妖精王は邪心に囚われ、妖精たちの軍団でラクシア支配を目論んだけど、アラマユ様に封印された……という噂があったんだけど、ミーミルさんから聞いた真相はそうではなかった、と」

サブGM『実は、妖精王はアラマユ様が魔女を封印したときに分裂した「魔女の善の魂の具現化した姿」だったんだな。だから、妖精王自身は妖精を愛する善なんだけど、魔女の魂とリンクしていて、影響を受けてしまう面がある。つまり、妖精王の解放は、魔女の解放につながる危険を伴うわけで、そうなる前に魔女を倒す手段を入手する必要があるわけだ』

GM「その話をベルゼンさんにしますか?」

ミリィ「ベルゼンさんは妖精じゃないので、妖精王の醜聞を聞いてもショックは受けないと思う。積極的に開示します」

GM「でも、ベルゼンさんはその情報をすでに知っていました」

ミリィ「何よ、それ?」

GM「彼は長年の研究で知っていたんだけど、あなた方がその話をミーミルさんから聞いたことに感心しています。今だかつて、4体の大妖精と出会って、そこまでの情報を集めた者はいないそうです。さすがはアラマユ様の後継者を称するだけのことはある、とエマさんに熱視線です」

 

★重要な情報C「妖精王の冠について」

 

サブGM『これも「伝説」「秘密」「水晶塔」「水晶塔の在処」「水晶塔の封印」の5つあって、5つとも知っている』

エマ「そうだっけ?」

サブGM『ああ、火の大妖精イフリートから聞いた話なんだが、この記事だな』

エマ「わたしが加入する前の話だから、知らないのも当然ね」

サブGM『〈妖精王の冠〉はアラマユ様が妖精王に与えたものだけど、これも実際に作ったのは魔女で、不死神メティシエの神器でもある。あらゆる妖精を支配する能力の他、6つの水晶塔と連動して、膨大な量のマナを集めて着用者を神に生まれ変わらせるそうだ』

ミリィ「神は神でも邪神の眷属よね」

サブGM『魔女ネアンは、自分もアステリア様みたいな妖精神を目指したかったんだけど、そのために不死神メティシエに頼ったことで、アンデッドと妖精を組み合わせた邪妖の女神になる……とシナリオに書いてある』

GM「それがフェアリーガーデンのバッドエンドな未来ってことですね」

エマ「それを防ぐために、わたしたちは冒険している、と」

サブGM『幸い、水晶塔の封印は「蛮族」「アンデッド」「魔神」には解除できないよう、アラマユ様によって設定されている』

マークス「だけど、〈火の水晶塔〉と〈光の水晶塔〉の封印は私たちがすでに解放してしまいましたよね」

ミリィ「封印を解除すると★がもらえるし、全部解除しなければ、実害はないみたいだし」

サブGM『逆に全部解除してしまうと、その時点で魔女ネアンが邪神に昇格し、妖精郷が滅びてバッドエンドとなる。まあ、水晶塔の封印を全て解除するのも結構な難題だし、その前に情報を得て、封印を解除するのが危険だと気づくんだろうけどな。GMがその辺の情報を曖昧に匂わせる程度で隠すか、プレイヤーが警告に気づかずに鈍感に振る舞うなら、バッドエンド街道に突入する可能性があるってことだ』

GM「封印を解除して力が得られるなら、調子づいてどんどん解除したくなりますが、全てを解放すると邪神の誕生につながるというジレンマですね」

サブGM『これがコンピューターゲームだと、解除して邪神が目覚めてしまうまでがストーリーのお約束で、自分たちが誤って解放してしまった邪神とかボスキャラを責任とって倒すところまでが描かれる、と』

ミリィ「でも、ラスボスを倒したら、次は裏ボスが解放されて、どこまでも強さを追求しないといけなくなる修羅の道が待っている、と」

サブGM『途中でゲームに飽きなければね』

 

★重要な情報D「アラマユの遺産について」

 

サブGM『これは4つあって、「存在」「手がかり」「入手方法」「正体」で、全てベルゼンさんが知っている』

ミリィ「本当? だったら、今すぐ全部教えなさいよ」

GM「ええと、教えてもかまわないのでしょうかね、009さん」

サブGM『断片的には知っているんだけどな。光の魔剣マクリール・ルーが魔女を倒すための切り札であり、そのための手がかりが【光の樹】の奪われたお宝を【虹の根元】にいる魔神から取り返すことだって』

ミリィ「ああ、そっちの話か」

エマ「確かレベル13のボス魔神を倒さないといけなくて、すぐには手が出せないって話よね」

サブGM『厳密には、マクリール・ルーと魔神には関係なくて、ボス魔神と奪われたお宝も関係ないという』

ミリィ「あれ、そうだっけ?」

サブGM『そこのところをずっと勘違いして該当イベントの攻略が停滞していたようだから、この機会にネタバラししてもいいかもしれない』

ミリィ「ええと、マクリール・ルーを手に入れるのに、13レベル魔神と戦わなくてもいいってこと?」

サブGM『【光の樹】の奪われた宝クエストで倒すべき魔神は、【虹の根元】のボス魔神ではなくて、イベント用に用意されたもっと弱い魔神だ。そっちに行けば、すぐに分かるはずなんだけど、【虹の根元】の攻略はすぐにできないと諦めていたからな』

ミリィ「だったら、ラザニア探しの次は、【虹の根元】に寄ってみることにするわ」

エマ「魔神を倒して、【光の樹】から奪われた宝を取り戻すミッションね」

サブGM『ミッションじゃなくて、クエストだけどな。ミッションは推奨レベルが分かるけど、クエストは分からないので、挑戦してみたら敵が強すぎて、すぐには攻略できませんでしたってこともあるし、攻略順もあまり決まっていない』

マークス「だけど、達成できたら、そこから新しい情報が分かったり、フラグが立って物語が進展することもある、と」

サブGM『で、マクリール・ルーの入手方法だけが正しく伝わっていないんだな。これは単純にフラグが立っていないこともあるんだけど、若干シナリオを改変している面もあるみたいだ』

GM「だったら、この件は新参代理GMのボクには処理できなかったんですね」

サブGM『で、ベルゼンさんがマクリール・ルーの全てを明かすフラグは、魔女に関係している』

 

★重要な情報E「魔女について」

 

サブGM『これは5つあって、「存在」「秘密」「封印」「暗躍」「魔女の目覚め」のうち、最後の情報だけを知らない』

ミリィ「別に魔女を目覚めさせる必要はないと思うんだけど、眠ったまま夢の世界で暗躍しているから、妖精郷がおかしいことになっているって話よね」

サブGM『魔女はアラマユ様によって封印されているから、妖精郷に直接影響を与えることはできない。しかし、夢を通じて間接的にじわじわ影響を与えることはできるんだ。そして、魔女が影響を与えやすいのは、「蛮族」「アンデッド」「魔神」の3種族。それらは力への渇望や妄執、不死神メティシエへの関連、そして人族としての倫理観の欠如ゆえに、魔女の夢に煽動されやすいようだ。ベルゼンのところに、蛮族が攻めて来るのもそういう理由があるわけで』

エマ「え? 蛮族は魔女の手下なの?」

サブGM『直接命令されているわけではないけれど、この【大空の小さな家】には凄い力を秘めた宝が隠されているって情報が、妖精郷の蛮族の中では風聞として伝わっているらしい。だから、それを守るのがルーンフォーク3姉妹の仕事だったんだな。一方でベルゼンは、妖精郷のあちこちを旅して、アラマユ様や魔女の伝承を調べて回ったり、妖精郷を救う救世主が現れないか、と期待していたんだ。自分では魔女に勝つことは到底できないから、魔女を倒せる才覚と勇気を持った者がいないか、と』

ミリィ「それがあたしたちってことね」

サブGM『プレイヤーキャラには、その可能性があるってことだな。外なる大世界ラクシアから、擬似的な小世界の妖精郷に引き込まれた者は何人もいる。その多くは妖精郷同化度が高まりすぎて、この小世界に完全に取り込まれてしまい、魔女の侵食に抵抗する術を失うんだ』

マークス「すると、ベルゼンさんたちはどうなるんですか?」

サブGM『ベルゼンとルーンフォーク3姉妹は、特殊なマジックアイテムの作用で不老不死を実現していて、魔女の心の侵食には侵されない。また、大妖精のような力ある存在は精神抵抗が高いので、封印された魔女には影響されにくいんだが、魔女が目覚めると意思を奪われた操り人形にされてしまうのは間違いない。その呪縛を断ち切れる唯一の手段が、マクリール・ルーであり、それを奪われて破壊されてしまうと、魔女を倒す手段がなくなってバッドエンドだ』

ミリィ「バッドエンド条件がいろいろね」

サブGM『ベルゼンの最大の使命は、アラマユに託された遺産であるマクリール・ルーを守り続け、それを受け継ぐべき救世主に託すこと。そして、アラマユには優しすぎてできなかったこと、かつては親友だった魔女を完全に倒し、妖精郷を解放に導くことをベルゼンは望んでいるんだが、そんな偉業を達成できる人物はまずいない。可能性のある冒険者はいたが、やがて覇気を失って世界に安住する村人となったか、それとも妖精郷から脱出したまま帰って来なかったかで、「魔女を倒して、妖精郷を救う」という誓いを立てた者はいなかったんだ』

ミリィ「あたしは誓います。未来の妖精女王だったら当然のこと」

サブGM『そういう強烈な自負心こそが、勇者とか救世主とか物語の主役とかの重要な条件なんだろうな。もちろん、想いだけでもダメで、それを成し遂げるだけの力量も示さないといけないんだが、力に飲み込まれると魔女の誘惑にそそのかされる危険があるし、ベルゼンは今、カシュミーラが本当に救世主たるべき存在か見極めようとしているんだ』

エマ「わたしは?」

GM「ボクのベルゼンは、エマが救世主だと確信している」

ミリィ「ちょっと。GMが私情を挟まないでよ。この物語の主役は最初からあたしで、エマちゃんは囚われのヒロイン役なんだから」

エマ「それは無印・妖精郷の話で、妖精女王ズではわたしも主人公その2よ。Wヒロインで行こうって約束でしょ」

ミリィ「でも、マクリール・ルーはあたしの物よ」

エマ「うん。わたしの愛刀はファルシオンだから、そっちは譲る。でも、マクリール・ルーの入手には、わたしの力も必要なはず」

ミリィ「そうなの?」

GM「そうです」

ミリィ「シーさんには聞いていない。今、場を仕切っているのはGMじゃなくて、サブGMのナインちゃんなんだから」

サブGM『おっと、ずいぶんと出しゃばり過ぎてしまったか。とにかく、ベルゼンが認める条件は、シナリオでは「魔女の存在を知って、それが今の妖精郷を脅かす最大の原因であり、それを倒すことをベルゼンに誓うこと」なんだが、カシュミーラの場合、息をするように軽々しく、そういう誓いを立てていたから、かえって信用しにくいというか、大丈夫か、こいつ? と思われたのも事実』

マークス「結構、早い時期から『未来の女王』と自己紹介していましたからね」

サブGM『って言うか、今調べると物語が始まった時から「未来の女王」って言ってる』

ミリィ「あたしが女王になるのに、魔女の存在が邪魔なのだったら、いつか必ず魔女を倒してやる。それがあたしの生きる道」

GM「ベルゼンさんは『アラマユ様はそこまでの野心家ではなかったはずだが、魔女を倒すには、それぐらいの自負心が必要なのかもしれないな。もしかすると、魔女の善の心が妖精王に分化したように、アラマユ様の善の心がエマ様に分化したのかもしれない』って納得してます」

ミリィ「ちょっと。それってエマちゃんが善で、あたしが悪ってこと?」

サブGM→サイバ「光と闇は表裏一体。どちらが善で、どちらが悪かはそう簡単に決められない……とミリィをなだめて、このシーンを締めくくろう」

 

GM「ベルゼンの役は複雑で、ボクでは上手く扱えなかったけど、サブGMのおかげで情報整理できました」

エマ「でも、情報がいっぱいでこんがらがったので、頭の中を整理するために、今回はここまでね。続きはまた次回」

ミリィ「ちょっと。エマちゃんが勝手に場を仕切らないで。真の主役はあたしなんだから」

(当記事 完)