Shiny NOVA&晶華のNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガールというオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

エレボールの探求

 映画『ホビット』第2部の冒頭は、ガンダルフとトーリンがブリー村の「踊る子馬亭」で邂逅し、エレボール(はなれ山)探索の計画を練る回想シーンからスタートします。
 このシーンは、原作小説にはありませんが、元ネタは『指輪物語 追補編』の中にあるドワーフの歴史を記した「ドゥリンの一族」。
 指輪物語 (10) 新版 追補編
 ただし、この部分は、トールキンの書いた元原稿が長すぎたので、大幅にカットされたらしく、後にカットされた部分も含めて発表されたのが「エレボールの探求」となります。
 日本語では、『終わらざりし物語』に「エレボールへの遠征」という題で収録されている他、
終わらざりし物語 上終わらざりし物語 下
 文庫版では、新版『ホビット』の下巻に入っていて、
ホビット〈下〉―ゆきてかえりし物語
 興味深く読むことができた……というか、新版では固有名詞もろもろの違和感の多い本編よりも、こっちの「エレボールの探求」の方が面白かったな、と。


 ただし、映画の第2部は、原作のビルボの冒険をなぞってるものの、大幅に脚色されて、大筋を除けば、ほぼ別物、オリジナル展開が多く、
 これは「エレボールの探求」にしても同様。
 映画では、『指輪』との関係付けで、「踊る子馬亭」で会ったガンダルフとトーリンですが、
 原作では、ブリー村の近くの道で会った後、そこで一晩泊まって、ガンダルフがトーリンの家に招待されることになり、本格的な話し合いはそれから、となります。
 まあ、そういう比較も含めて、第2部感想のスタートは、冒頭の回顧シーンから。

あらすじ

 ビルボと久しぶりに会う前。
 灰色のガンダルフは、はなれ山に巣食う悪竜スマウグが、南でうごめく邪悪な影と結託し、北方世界に取り返しのつかない大惨事を起こすことを懸念していた。
 そんな折、スマウグに故郷を滅ぼされたトーリン・オーケンシールドと出会い、彼が復讐と故郷の奪還を目指していることを知る。
 トーリンの計画は、ドワーフの軍勢を率いて竜に挑む、というものだったが、それは誇大妄想に満ちた現実性の薄いものだった。
 ガンダルフは助言者として、「スマウグ退治には、正面からの戦ではなく、少人数の秘密裏の行動で相手の不意を討たなければいけない。それには、スマウグに匂いを知られておらず、速やかに行動できるホビットの協力が必要だ」と主張する。
 トーリンは、ホビットの能力に対して懐疑的だったが、ガンダルフは「あんたはホビットの本当の資質を知らん。危地に陥ったときには、驚くべき勇気と機転を示すことは、わしが保証しよう」と説得する。
 その結果、トーリンは不承不承ながら、「そのお言葉は信じるしかないようだ。しかし、そのホビットが本当に頼れる人物かどうか、はっきりするまでは、あなたも保護者として旅に同行してもらいたい」と応じる。

 こうして、ビルボを巻き込んだ冒険が開始されることになった。

 原作では、ガンダルフの語りで、以上の骨子が語られます。
 聞き手は、フロドとピピンドワーフギムリといった『指輪』のメンツですが、トーリンの頑固っぷりとか、ガンダルフが何とか説得しようと言葉を費やしたところ、バーリンが「プロの忍びですか。それは素晴らしい」とガンダルフの思惑以上にビルボを過大評価したり、逆にグローインが「ホビットなど、臆病で何もできるはずがない」と酷評したり、フィーリが「ビルボ・バギンズって変な名前だな」と笑いのネタにしたり。


 映画の方では、ビルボに対するドワーフの見解よりも、トーリンたちを取り囲む不穏な空気にスポットを当てる描写。
 ガンダルフと出会って、短いやり取りの後で、「どうやら、我々は見張られているようだな」と、トーリンに掛かってるオークの賞金を匂わす展開に。
 この「踊る子馬亭」で追っ手に警戒する雰囲気は、『指輪』でフロドたちがアラゴルンに出会った場面のオマージュかな、と。
 この舞台背景は、「運命的な出会いと、追っ手の予感」という映画シリーズ独特の演出に絡むわけで。


 監督視点では、トールキンの原作もさることながら、自分が前に撮った映画に基づく要素も意識するでしょうし。
 

 実のところ、ブログ記事でも、「自分が前に書いた第2部予想文章」を気にしたりもするわけで、この機に、振り返ってみるのも一興かな、とも。

自分へのツッコミ

 トーリン・オーケンシールドは、『指輪』のアラゴルンとボロミアの特徴を備えたキャラとして、どこまで渋く描かれるかを期待します。
 もっとも、原作であった「樽に入って、囚人の身から脱出」というシーンも2部では楽しそうなんですけどね(笑)。誇り高い人物が、「どうして、こんな目に……」とボヤきながら、ビルボのアイデアで仕方なく……。

 いやあ、原作ではコミカルなだけだった樽脱出が、あんなに劇的なアクションシーンに化けるとは思わなかったです。
 まあ、ボンブールの樽アーマーはコミカルなんですが、バトルの間のコミカル演出は、ジャッキー・チェンカンフー映画のノリで、笑えるけど強い独特演出だったな、と。

 ビルボの場合は、そういう制約を知らないため、本当に便利な小道具として指輪を多用する。映画の第1部では指輪の獲得が後半の大イベントだったため、まだ有効に使っていませんが、第2部以降は、指輪とスティングの剣を活用して、物語の主人公として大活躍する予定。
 とりわけ、シェロブの分身ともいうべき大蜘蛛との対決も、一つの見どころになるはず。主人公が主人公らしく活躍する、冒険映画としては盛り上がる展開になることが期待できるでしょう。

 「そういう制約」=「指輪はサウロンのものなので、うかつに使うと、闇の手の者に自分をさらしてしまう」
 指輪を活用したのは、「大蜘蛛戦」と「エルフの洞窟への侵入」と「対スマウグ」。
 まあ、基本的には便利アイテムなんですが、「大蜘蛛戦」で指輪を落としてしまい、その傍に蜘蛛の子供がいるのを見て、「指輪を奪われまいと、必死の形相で小蜘蛛をスティングで滅多突きにする、勇気とは違った温厚なビルボらしからぬ指輪の悪影響」が描写されていて、原作の無邪気な大活躍とは違った演出だったな、と。
 「主人公が主人公らしく活躍する、冒険映画としては盛り上がる展開」については、ビルボの活躍よりも、エルフやドワーフのアクションが目立ちすぎて、全体的には、ビルボが目立たなかった印象。
 物語の焦点がホビットメインでなく、ドワーフとエルフ、バルド、ガンダルフのそれぞれに向けられて、散漫になってたのもあるし(良く言うなら、第3部に向けて、ドラマの幅を広げた造り)。
 ビルボ自身、第1部で内面的に成長を遂げたため、第2部は特に葛藤することもなく、ドワーフを導いて、無難に進んでいった感じ。


 ドラマ的には、第3部のトーリンとビルボの関係がポイントですな。
 「アーケン石の魔力に取り付かれて、貪欲さと排他性・攻撃性を示すトーリン」の伏線は示されたし、
 原作と違って、その感情は、「指輪の魔力に囚われかねないビルボ」にも通じるところがある。
 「スマウグの瞳」は、「サウロンの炎の目」を意識したとの監督の言葉もあるので、「スマウグとサウロン」「アーケン石と指輪」の類似性を意識するなら、原作以上に、ビルボがトーリンの陥る闇を理解する可能性も。

 第1部では、やはりモリアとゴブリンの洞窟がメインで、基本的に屋内バトルなんですね。
 第2部は、原作的に攻城戦はないにしても、森や川などを経て、クライマックスは「竜の都市襲撃」になると思うので、都市での攻防戦が期待できそう。
 もちろん、第3部は「五軍の戦い」がクライマックスでしょうが、原作ではあまりじっくり描写されていない戦いが、映画ではどこまで膨らむかなあ、と待ち遠しい。
 ともあれ、『指輪』以上に、『ホビット』はシチュエーションがバラエティに富んでいますので、そこが映像でどう表現されるか、だけでも楽しみ。

 第2部のクライマックスは、「竜の都市襲撃」ではなく、「はなれ山内部でのドワーフ対竜の対決」という、原作にないシチュエーションでした。
 結局、倒せなかった竜が都市襲撃に飛び立つ、という状況で、つづく、と。

 一方で、『指輪』映画のオーク大軍による角笛城襲撃に相当するのは、『ホビット』ではオークの一団が湖の町に侵入して、一般市民と負傷中のドワーフを脅かしたところ、駆けつけたエルフに迎撃される展開かな。
 オーク対人間、エルフ、ドワーフという構図は、角笛城と同じだけど、規模は全然違う。もう、ド派手なスペクタクル映像の楽しみは、みんな第3部に持っていかれた感じ。

 第2部では、『指輪』のラスボスである冥王サウロンが正体を現す前の仮の姿とも言うべき「闇の森のネクロマンサー(死人占い師)」との戦いも描かれるんじゃないかなあ、と思いますが果たして、どこまで踏み込むか。
 原作ではない設定だけど、悪竜スマウグの都市襲撃が、実はネクロマンサーの意志が働いていた、という可能性もあります。

 ネクロマンサーは、はっきりサウロンとして、ガンダルフの前に正体をさらした、と。
 結果、ガンダルフが囚われの身になったまま、つづく、と。
 ガンダルフを助けるのは、果たしてラダガストから連絡を受けた鷲か、ガラドリエルか、エルロンドか、まさかサルマンか。
 一応、『ホビット』最強キャラクターは、スマウグを除けば、熊人ビヨルンと考えているので、彼が助けに来る可能性も想定しつつ。
 ガラドリエル、エルロンド、ガンダルフの3人が、エルフの3つの指輪の力を合わせて、一時的にサウロンの力を弱めることに成功するという可能性もあるかな。

 こういう魅力的な女戦士が『ホビット』原作にはいない点が気がかりです。
 少なくとも、主人公のビルボは生涯独身だったので、恋愛劇にはならないだろうし。
 目下の希望は、映画オリジナルのエルフ娘タウリエルが果たして、NOVAを萌えさせてくれるか、どうかですが。

 「こういう魅力的な女戦士」とは、『指輪』のエオウィンのことですが、
 タウリエルは、どちらかと言えば、アルウェン相当ですね。
 『指輪』第1部では、白馬に乗って駆ける女戦士的なアルウェンの姿が描かれました。もちろん、原作のアルウェンには戦士的な要素は皆無だったので、ファンからの批判を受けまくって、第2部以降はアルウェンは出しゃばらず、アラゴルンを影で見守る存在に落ち着きましたが。
 で、アルウェンでうまく描けなかった「活発なエルフの女戦士」という要素を、タウリエルに投入したのかな、と。
 それに、アルウェンのドラマ属性である「異種族との恋」も、タウリエルはキーリとの絡みで持ってますし。


 他に、女性キャラでは、バルドの娘シグリッドとティルダがオリジナルで出てるけど、二人ともただの一般人で、戦うキャラではないですな。
 エオウィンに相当する金髪ヒロインが欲しいですけど、ガラドリエル様で満足するしかないかな。いや、ガラドリエル様は好きなキャラですけどね。神秘的過ぎて、けなげさとは違う方向なので。

 「CGを使った熊人ビョルンの変身シーン」
 これは、次回の第2部ですね。
 公開されている撮影記録だと、「ビョルンの館での宴」のセットが見られて、第1部の「小さいホビットの家での宴」と、第2部の「大きなビョルン家での宴」が対になっている感じ。

 変身シーンはなし。
 熊の姿と、人の姿は、別カット。
 第2部は出番が少なすぎたので、エクステンデッド版での補完と、第3部での活躍に期待します。

 『ホビット』でも、レゴラスが死んだら歴史は変わるから有り得ないとして、タウリエルが死んでしまう可能性はあるわけですな。まあ、第3部まで出る予定のことだから、死ぬとしたら「五軍の戦い」中ってことになるんでしょうけど、仮にキーリと絡むとしたら、互いに手と手を取り合って討ち死に、なんてシーンになるのかな、と今からドキドキです。
 まあ、果たして、タウリエルというキャラに萌えられるかどうかは、未定なんだけどね。

 萌えるよりも、「アクション凄い」って感じでした。
 野生的な女エルフで、好戦的だけど、癒し手でもあるという。
 現状、キーリに対して、ツンデレな方向性。
 まあ、恋が成就するというよりも、「エルフとドワーフの友情」プロトタイプで、戦火に消えて、レゴラスの心にもやもやとした何かを残す感じかな。

 ドル・グルドゥア戦が、第2部で描かれるか、第3部で描かれるかは分かりませんが、第2部だと情報量が多そうなので、第3部になるかな。第3部の前半がドル・グルドゥアにおけるサウロン掃討戦で、後半が五軍の戦いになるなら、バランス的にはいいかと思います。ただ、この場合、ガンダルフが出ずっぱりになりますね。
 逆に、ドル・グルドゥア戦は第2部のクライマックスで、スマウグ退治が第3部に回される可能性もあるかな。第2部では、スマウグの脅威を見せるだけで、ビルボやドワーフがかろうじて生き残り、スマウグをどうやって倒すかを検討して、つづく、という可能性も。

 結局、ドル・グルドゥア戦は第3部。
 スマウグ退治も第3部で、これに五軍の戦いが加わるので、密度濃すぎ。
 まあ、ドル・グルドゥア戦は大きな戦闘にはならず、「ガンダルフの救出と、サウロンの一時的な弱体化」で、あっさり片付くのかも。
 サウロンは追い払ったものの、サウロンの送り出したオークの軍勢は、はなれ山に進軍した後だったって感じで、展開するのかな。


 とりあえず、こんな形で大きく総括。
 この後は、各章ごとに、チェックしていくってことで。