Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

久々のホビット記事

 先週の日曜日に、公開中の映画『ホビット 竜に奪われた王国』(通称ホビット2、原題・スマウグの荒らし場)を見て、ツイッターでもつぶやいていたわけですが、
 そこから、もう一度、ホビット熱を充填して、ブログ記事として残そうと考えた次第。

 前にホビット熱に憑かれたのは、2012年末に映画第1部を見て、それから2013年1月まで、原作小説を読んだり、映画の前作(物語の時系列では続編)に当たる『ロード・オブ・ザ・リング』3部作を再鑑賞したりして、思い入れたっぷりの時間をじっくり過ごしたわけで。
 今回は……とりあえず、第2部の映画を見た後、手持ちのDVDの第1部を見て、それからまた『ロード・オブ・ザ・リング』に戻って、第2部の『二つの塔』まで堪能したところ。
 で、自分の前に書いた記事なども読み返して、いろいろ書くネタを確認しながら、今に至る、と。


 前は小説の章ごとに、原作と映画の描写・演出の違いなどチェックしながら、第2部へのワクワク感なども手当たり次第に書いてたのですが、結局、「ドワーフ一行がゴブリンの洞窟で大暴れする第4章」で一時中断。
 ビルボがゴラムと遭遇し、指輪を手に入れる5章と、第1部クライマックスになる6章は、宿題として残してたり。
 まあ、それは「2013年3月に出るDVD」を買ってから書こう、と思ってたのですが、買うだけ買って、再鑑賞を先延ばしにしていた、と。
 その続きも、じっくり書いていくつもりですが、ここでは「ツイッター記事を補足する形で、今公開中の映画の追加感想」と、「秋に出た第1部のエクステンデッド・エディション」のネタに触れようかな、と。
 ドワーフメインで。

まず、ミスの直し

 キーリは、樽からの脱出途中に、仲間を助けるために負傷。オークの遅効性の毒矢で、瀕死の状態に。結局、エスガロスでドワーフ仲間から置いて行かれることに。彼と弟のフィーリ、癒し手のオイン、寝坊したボフールが別行動に。

 自分のツイッター記事ですが、
 「彼(キーリ)と弟のフィーリ」というのがミス。
 兄がフィーリでした。
ホビット 思いがけない冒険/3.75インチ アクションフィギュア/ツインパック/キーリ & フィーリ
 なお、黒髪が弟のキーリで、金髪の方が兄のフィーリですね。

 ただの書き損じなら、そこだけ直せばいいのですが、映画を見てる間、ずっとキーリが兄だと勘違いしていたわけで。
 もちろん、よくよく考えたら、「フィーリとキーリ」の兄弟の順は、「バーリン、ドワーリン」「ドーリ、ノーリ、オーリ」と同様、間違いっこない程度には頭に入ってたはずなのに。
 これでは、ホビットドワーフマニアとは名乗れないので、記事書きしながら、また精進したいな、と。

バーリンさんの真意

ホビット 思いがけない冒険/3.75インチ アクションフィギュア/ツインパック/ドワーリン & バーリン

 トーリンの後継者(はなれ山の王)は鉄の足のダインが担うことになったので、トーリンに心酔した側近としては居場所がなくなったから、モリアに向かったのかな、と原作読んだときは思ってましたが、
 映画では、キャラクターが変わっていて、「トーリンを敬愛しつつ、その無謀ぶりを心配しながら諌め、フォローする爺や」の立ち位置になってます。すごく慎重で、ガンダルフを除けば、一行の知恵袋。トーリンの参謀格。
 そんな彼だから、危険の伴うモリアに向かうキャラには見えないんですね。
 まあ、解釈するなら、トーリン亡き後、彼の一族の菩提を弔うため、悲願のモリア再興を目指したとか、自ら死地を求めて半ば自暴自棄になっていたとか、そんな感じになるかな。

 昔、書いた記事ですが、この時点では、映画のバーリンが後にモリアに向かう心理がはっきり分かってませんでした。
 でも、最近、見返したDVDで、こういうセリフがあったので、納得。


バーリン「私が王として認めるのは、トーリンだけだ」


 つまり、このセリフに則るなら、バーリンはダインを「ドワーフの王として、体面上は敬意を示しつつも、内心では自分の王と認めていなかった」となりますね。
 ダインについては、映画ではどう描かれるのか、まだ分かってませんが、トーリンのセリフでは、「ダインに、エレボール(はなれ山)奪還の支援を求めたが断られた」とあって、原作のように単純に頼れる盟友ではないのかもしれません。
 まあ、映画では、トーリンの孤高ぶり、破滅に向かう危なっかしさが強調されており、ダインは民を率いる王として危険には用心して掛かる当然の判断をしたのだ、と考えますが。
 その意味では、映画のダインは、エルフ王スランドゥイルの示す一族の保身に理解を示す可能性も高いでしょう。そして、トーリンは原作以上に、スランドゥイルに反抗的だったわけで、同じようにダインとも「盟友でありながら、今さらのこのこやって来るとは!」的な反発を示す可能性も。


 ダインの描かれ方にもよりますが、結局、バーリンがトーリン以外の王を認めない、という信念を強く持ち続けたなら、他の多くの仲間のようにダインの下で暮らすことはしないのも納得。
 まあ、この場合、バーリンの弟のドワーリンが、では、どうして兄者に付いて行かなかったか、も疑問ですが。
 映画を見ると、トーリンに一番忠実な懐刀がドワーリンらしいので。

ボフール

 主人公格のトーリン、
 異種族とのラブロマンスの中心となるキーリ、
 コメディアクションで目立つボンブール、
 ビルボとトーリンの間に立って「ホビットの勇気や知恵の光が主君の内面の闇を照らすように気を遣う」バーリン
 これに加えて、庶民派の立場でムードメーカーになっているのが、ボフールですね。
ホビット 思いがけない冒険 ドワーフ ボフール 1:6 フィギュア スタチュー
 第1部では、ビルボとの「故郷に関するやり取り」で、よき仲間っぷりを示して、原作ではほとんど見せ場がなかったのに、大出世したキャラ。
 第2部では、「酒の飲みすぎで寝坊して、湖の町エスガロスに置き去りにされる」という衝撃の展開。
 負傷したキーリを後に残すのは分かります。そして、キーリが残るなら、と兄のフィーリも残るのも納得。医術の技を持つオインも当然。
 でも、何でボフールを誰も起こさなかったの? 


 トーリンは、ボフールのことが嫌いなのか? という仮説も立ててみるわけですが、この辺の演出意図は、結局、第3部を見ないと分からないですな。
 強引な理由で、ボフールを後に残したのは、第3部で悪竜スマウグの襲撃にさらされるエスガロスで、何かさせたい役割があるのだろうし。


 彼については、今回、DVDの追加映像をチェックすると、目立つシーンが2箇所もありました。


1:裂け谷でのエルフの宴のシーン。
 上品なエルフの宴会の場を掻き回し、ドワーフらしいドンチャン騒ぎの火付け役となる。
 テーブルに飛び乗って、酔っ払いの歌を披露するとか、もう一行の中の宴会部長的な立場ですな。


2:ゴブリン王の尋問シーン
 ゴブリンたちに囚われて誰何されるシーンで、積極的に前に進み出て、その場しのぎの嘘をついて、やり過ごそうと試みる。
 結局、うまく行かないわけですが。
 この部分、トロールとのやり取りで、ビルボが口八丁で時間稼ぎしようとしていたのを、ボフールが再現したのかもしれませんな。その後で、ガンダルフが登場して逆転する展開も同じだし。


 監督は、このボフールというキャラに、ビルボの代役を務めさせたいのかな、とも思いますね。
 「寝坊して置いてかれる」(ビルボの場合は、置いてかれそうになるだけですが)のもビルボを踏襲してますし。
 そして、第2部でのビルボの役割だと「捕まった仲間を助ける」というのがあったわけですが、エスガロスだと、バルドが捕まってるので、それをボフールが助ける展開なら、自分は大いに納得、と。

ボンブール

 第2部でのお気に入りシーン。

 ツイッター引用。

太っちょのボンブールが、乱戦の中で川から樽ごと弾き飛ばされ、そのままゴロゴロ転がって敵をなぎ払った挙句、樽から手足を突き出す樽アーマーロボ形態で戦う姿に感動した。おもろ格好いい。鎧武のスイカアーマーに匹敵するインパクトです。

 昨年、書いた記事では、

 原作で彼(ボンブール)が足手まといになるエピソードは、映画の第2部なんだけど、果たして、そこではやはり足手まといのままなのか、それとも彼なりに活躍するところを見せて、復権を果たすことになるのか。
 もちろん、第1部では、その大らかな風貌と表情の演技で、コメディー担当だったわけですけどね。ドジの連発というネガティブな笑いではなく、危険な状況でもドジっぷりで起死回生を示すキャラであって欲しいです。

 復権を果たしましたね。
 原作では、本当に役立たずだったんですが、映画だと、宴会芸「飛来する食べ物を口で受け取る」と、戦闘技「巨体を活かした突進と、思いがけない動きで、相手を翻弄」で、笑わせてくれました。
 彼には、ホビット同様に「バレル(樽)ライダー」の称号を授けたいな、と。
 もちろん、「ワイン樽(ブドウの進化バージョン)のロックシード」を活用する、ということで。
仮面ライダー鎧武 (ガイム) DXブドウロックシード 仮面ライダー龍玄セット

最後にビルボ

 第1部DVDの追加映像絡みで、最も気に入ったシーン。

 予告編でも使われていたのに、劇場公開版ではカットされた「裂け谷で、ビルボが折れたる剣ナルシルの欠片を目撃し、さらに壁画を見ながら、サウロンの一つの指輪に見入るシーン」。
 まあ、そこに編集して、前作『ロード・オブ・ザ・リング』冒頭の対サウロン戦争を挟んでいるのは、ファンによるものですが。


 『ロード・オブ・ザ・リング』との絡みを最も象徴するシーンであり、『ホビット』では、この後のゴラムと指輪のエピソードにつながる伏線でもあるわけですが、
 こういうシーンに刺激されると、いろいろ振り返って見たい気持ちになって、何回でも楽しめる、と。


PS:おまけに、音楽面で。
 ホビットの第1部では、ドワーフの歌う『はなれ山の歌』をアレンジした曲が、ドワーフたちのテーマとなっていて、彼らが荒野を旅するシーンや、戦闘アクションの場面では、盛り上げてくれました。
 本当にお気に入りだったので、第2部でもその曲が流れるのを期待したのですが、残念ながら採用されず。
 物語は面白かったんだけど、音楽的に心に残るものがなかったので(また、DVDで再鑑賞することで、再発見することもあるでしょうが)、第3部では、五軍の戦いでのトーリンたちの最後の活躍シーンで、しっかりドワーフの勲しを彩ってくれることを期待します。

 まあ、最近、聞き直して「はなれ山の歌の前奏部分」と思っていたのが、ドゥリン王家のテーマっぽくて、そこはスマウグとの戦いでうまくアレンジされた感じですが。
 それでも、戦闘の舞台が「はなれ山」なのに、「はなれ山の歌」アレンジが再現されなかったら、相当心残りになるでしょうな。
 理想は、「はなれ山アレンジ」と「オークのテーマ」と「エルフのテーマ」、それから「バルド(人間軍)のテーマ」が入り混じって、「五軍の戦い」というタイトルで編集されたら、まあ、確実にお気に入りテーマになるでしょう。
 問題は、まだ今作の「オークのテーマ」と「エルフのテーマ」、「バルドのテーマ」を、耳で聞き分けてない点。
 こういうのって、「繰り返し聞き返してこそ、感じ入るもの」だからね。


PS2:「ホビットのテーマ」「指輪のテーマ」「ナズグル(サウロン)のテーマ」は、今作でも出て来て、世界の雰囲気に浸らせてくれたりも。


PS3:そう言えば、「ガンダルフのテーマ」はありそうで、知らないな。大体、「旅の仲間のテーマ」に集約されるからだけど。


PS4:音楽は、ゲームをすると、何度も聞くので、採用曲は頭に残る。
 でも、それで一番残ってるのが、敵サイドの「ウルクハイのテーマ」だったり。
 今回は第1部ラストの「アゾグ」のテーマが、「ナズグル」的だな、と思ってたら、第2部で、「アゾグがサウロンの配下に出世してた」ということが分かって、納得した、と。
 つまり、映画の中のアゾグは、役割としては「アングマールの魔王」に相当するわけで。


PS5:音楽エピソードといえば、最近見返した『二つの塔』で、戦力の少ないローハン軍に、エルフのハラディア率いる弓兵部隊が駆けつけるシーン。
 ここで流れるエルフの行進曲が、「ロスロリエーンの神秘的なBGM」のメロディーをアレンジしていたことに、今さら気付いた。曲調が全然違ってたし。
 そもそも、このハラディアの援軍シーンって、原作にないエピソードで、何のために挿入されたか意図がよく分かってなかったけど、孤立したローハン軍をエルフ軍が支援するということで、「種族を越えた友情」とか、「古の人間・エルフ連合の再現」を描きたかったんだろうな、と今回理解。
 そもそも、『指輪』の時代では、エルフは中つ国より去る種族であり、レゴラスやアルウェンのような例外を除けば、人間社会の争いには距離を置く立場。
 一方、『ホビット』の時代では、まだ海の向こうに去るエルフという設定は表面化しておらず、五軍の戦いで戦争に参加するほど、世界に関わることに。
 ちょっと、この辺のエルフの描き方についても、今後、掘り下げていきたいな、と思いつつ。