Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

記憶の修復

 先日、ホビット2のDVDを購入しまして、現在、じっくり鑑賞を始めたところ。
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 さすがに時間の都合で、一気見ができず、とりあえず樽脱出を終えて、バルドが登場したところで中断。


 で、ここまで自分の書いた記事のミスをいくつか発見。
 まあ、映画を1回見ただけの記憶で書いた記事なので、細かい記憶違いとか、原作の情報との混同とかあるとは思ってたんだけど、
 それが分かった時点で、ツッコミ入れつつ訂正するのも書き手の義務だと思ったり、どうしてそういう思い込みミスをしたのか反省考察するのも、楽しいかな、と。


 今回は、そんな記事ということで。

ビヨルンのシーン

 まず、過去の回想から、「トーリンがオークの刺客に狙われている」ことが示され、タイトルロールの後で、ワーグとオークの群れがトーリン一行を追いかけているシーンに切り替わる。

 この切り替わり方が、少し記憶と違ってました。
 過去の回想シーンでは、「トーリンが賞金首になっている」ことを匂わせつつ、また「ガンダルフも、無力な旅人として襲われた」など、世の中が不穏になっている感じでしたが、オークはまだ前面には出てきておりません。
 トーリンを狙おうとしていた人間の刺客も、ガンダルフの登場で武器を納め、すごすごと酒場の外に出て行く形で、
 セリフの中で「襲撃された」「今も狙われている」とは語られても、実際に追いかけられている絵はなし。


 そして、過去からのシーン切り替えとしては、「旅には忍びが必要だ」というガンダルフのセリフから、
 斥候任務を行っているビルボの姿が映し出されて、「オークとワーグと、もっとデカいクマみたいな獣が周囲をかぎ回っている」ことをトーリンたちに報告する形。
 まあ、その後で、オークたちとビヨルンに追われて、館に逃げ込むまでは書いた通りなんですが、
 「忍びの者として、一行の安全に貢献しているビルボの姿」から第2部の物語が動き始めていることは、特筆することかな、と。

>「CGを使った熊人ビヨルンの変身シーン」に関して。

 変身シーンはなし。
 熊の姿と、人の姿は、別カット。
 第2部は出番が少なすぎたので、エクステンデッド版での補完と、第3部での活躍に期待します。

 実際には、少しだけありました。
 夜の影の中で、クマの姿から人の姿に戻るところがシルエット的に描写。
 まあ、あまりにもスムーズで、短時間のシーンだったので、印象に残らなかったのか、と。


 何にせよ、人から獣に、うなり声を上げて恐ろしげに変わるシーンが、第3部では期待したいです。

ガンダルフとの別れ

 このシーン、書いたことにミスはないのですが、再確認したことを補完。


 原作では、「最初から、闇の森の前で別れることは決まっていた(むしろ、もっと早く、霧降り山脈を越えたところで別れるつもりだった)」のですが、
 映画では、「闇の森の入り口まで、ガンダルフは先導役として入ったりする」と。でも、そこで「森に巣食う闇を感じて、さらにガラドリエル様の幻による警告を受け取った」ことから、急に心代わりして、「やっぱり用事ができたので、ここでお別れじゃ」と言い始める。
 演出的には、「闇の森に恐れをなして逃げ出した」ようにも思えて、事実、トーリンはガンダルフに対して背を向け、「時間がない。さっさと森に入るぞ」と言い放つ始末。
 この段階で、トーリンの「旅に付いて来れない者は、誰であろうと、見捨てて置いていく」という姿勢を表明してる、と。
まあ、第1部では、その厳しさがビルボ個人だけに向けられていたのですが、第2部では仲間全てに向けられて、事実、負傷したキーリを始めとする一部ドワーフの離脱につながるわけで。


 原作では、未練たらしく、ガンダルフに「行かないでくれ」とせがむドワーフたちでしたが(そして、トーリンも未練を振りきるごとく、嫌味たらしい言葉で別れを告げますが)、
 映画のトーリンは、孤高のリーダーとして我が道を貫く姿勢を崩さず、ガンダルフには別れも告げずに背を向けた、と。


 そして、ガンダルフドワーフたちへの別れ際の言葉は、「エルフの作った道を外れることなく真っ直ぐ進め。山に着いても、わしが戻るまで、決して中に入るな」というもの。
 まあ、どちらの言葉も守られないわけですが(苦笑)。

闇の森

 映画の中での「闇の森」は、いかにも魔法がかけられているらしく、眩惑的な光と影が交錯するような、一種のサイケデリック空間として演出されてました。

 探索困難というよりも、探索不能な場所ですね。

 この記事を書いた際に、頭の中で思っていた演出とは、ちょっと違っていたかな、と。
 「眩惑的な光と影が交錯するような、一種のサイケデリック空間」は脳内妄想に近くて、じっさいの映画では、光は少なく、全体が陰鬱な影に覆われた感じ。


 でも、演出効果として「眩惑的な」という表現は事実でして、
 たとえば、ビルボが歩いていると、後ろからも自分が歩いてきて、二人のビルボが並んでいても、ぼんやりしていて、おかしさに気付かず、黙々と歩いているとか、
 ドワーフたちが同じ道を歩いているのにも気付かず、しかも「道に落ちているタバコ入れ」を見つけて、拾い上げ、「おお、ここは最近、ドワーフが歩いたらしいぞ。どうだ、この形には見覚えがある」と発言。で、仲間に「それはお前のじゃないか?」と尋ねられて、「そうか、ムムム?」と首をかしげる始末。自分の持ち物が分からないくらい、頭がぼんやりしてる演出なんですな。


 映画館で見た際も、このシーンを見て、「まるで薬をヤッて、ラリってるような演出だな」と感じて、
 その記憶と、原作のエルフの祝宴の狐火(近づくと消える幻光)のイメージがかぶって、「眩惑的な光と影が交錯するような、一種のサイケデリック空間」という脳内捏造イメージが生まれたんだなあ、と。

クモ退治

 ここに、ドワーフ、エルフ、クモ、オーク、ホビットの5種族を交えた「プレ・五軍の戦い」とも言えるアクションシーンに至ります。

 「至らねえよ、おい」と自分の書いた文章にツッコミモード(爆)。


 ええと、クモとの戦いに、オークは乱入して来ません。
 正確には、オークの登場は、「ドワーフたちがエルフに連行された後」。
 トーリン一行の追跡が、エルフの警備に邪魔されたために、追跡隊長のボルグが「よし、裏口に回るぞ」と宣言して、このシーンは終わり。
 たぶん、この後の樽アクションのシーンとかぶったり、自分の書いた「ドワーフを追って森に侵入したオークに備えて活動していたレゴラス」という文章に引きずられて、筆が滑ったんでしょう。
 書いてるうちに、頭の中で映像が捏造される悪い例でした。早めに直す機会が持てて、幸いなり。


 また、ホビットの方ですが、エルフが登場する前に、指輪を落として、一人はぐれて小グモ退治をしていたので、
 今作では、「ビルボとレゴラスは邂逅しないまま」ですね。
 スランドゥイルとタウリエルの会話シーンには居合わせて、隠れて聞き耳立てているのですが。


 何にせよ、「プレ・五軍の戦い」という言い回しは、書いてて気に入ってたのですが、そんな事実は、実際の映像ではなかったので、
 こうなったら、「真の五軍の戦い」の一大スペクタクル映像が見られる年末に、いっそうの期待を寄せたいと思います。

オークの動向

 原作にない、映画ならではのオークの動きについて、ここまでのシーンを再確認。


 まず、ビヨルンの館の周辺にて。
 トーリン一行を追跡していたアゾグでしたが、クマに変身したビヨルンが警戒していたために、襲撃には出られません。
 仕方ないので、「奴らが闇の森へ向かうときまで待とう」と考えたのですが、そこへドル・グルドゥアから「急いで帰還せよ」との命令が届きます。
 「トーリンの始末」にこだわるアゾグでしたが、彼の上司であるネクロマンサー(サウロン)は、そんな小さなことよりも、「闇の軍勢を率いること」を指示し、そのための準備で動けなくなる、と。


 仕方なく、アゾグはドル・グルドゥアに待機して、息子のボルグ(原作設定。映画でも同じ息子設定かな)にトーリン追跡の任務を託すようになった、と。
 で、このアゾグですが、第1部のクライマックスシーンでは、ナズグルのBGMに乗って暴れるうえ、第2部ではガンダルフと対等の戦いを繰り広げるまでに出世。ただの一オークの長から、闇の軍勢の総大将(ほぼアングマールの王=ナズグルの首領に匹敵するほどの大物扱い)になってる、と。
 アングマールの王は、セオデン王に致命傷を負わせ、エオウィンとメリーに倒されましたが、
 アゾグを倒すのは、誰かなあ。トーリンがセオデン王の立場になるなら、メリーの立場は当然ビルボで、エオウィンの立場になるキャラが……ええと、キーリとタウリエルのタッグコンビ? 


 それはともかく、アゾグに代わって、追跡任務を継続することになったボルグ君。
 先述のように、闇の森での襲撃には間に合わなかったので、裏口の川辺からが本格的なデビュー戦。次いで、湖の町の襲撃を経て、ドワーフを襲ってレゴラスに妨害される役どころ、と。
 どう見ても、ボルグさんの因縁の相手は、レゴラスなんだよなあ。

レゴラスとタウリエル

 闇の森での登場シーンの補足。

グローイン「これは息子のギムリだ」
レゴラス「何て醜い生き物だ」

 少し違った。

グローイン「お守りだ。返せ」
レゴラス(お守りのペンダントの中の肖像を見て)「これは、お前の弟か?」
グローイン「妻だ」
レゴラス「こっちの醜いのは、ゴブリンの子供か?」
グローイン「息子のギムリだ」


 記憶してたよりも、辛辣です、レゴラスさん。
 おまけに、トーリンのオルクリストを見て、


レゴラス「上のエルフの造った剣だ。これはどこで手に入れた?」
トーリン「……授かり物だ」
レゴラス「盗人だけでなく、嘘つきだったとはな」


 この後、スランドゥイルがトーリンと交渉しつつも、決裂するシーンがあるのですが、
 スランドゥイルは皮肉っぽい口調ながらも、妥当な交渉条件(ドワーフの王の証であるアーケン石を、スマウグから取り戻す手助けをするから、自分の欲しい宝石を譲れ)に対して、
 トーリンは、「お前は昔、我が一族の危急を見捨てた。お前を誇りある王とは認めん。お前の言葉は信用できん」と拒絶。
 まあ、この拒絶の原因の一つは、過去の経緯だけではなく、盗人や嘘つき呼ばわりしたレゴラスの事前の言動にもあったんじゃないかなあ、と思ったり。


 一方で、タウリエル
 彼女の初登場シーンは、キーリに襲い掛かるクモの撃墜。
 もう、初登場の場面から、ヒーローとヒロインの立場が逆転しているのですが。ヒロイン役として、助けられてばかりのキーリという構図が、ここから始まります。


キーリ「俺にも武器をよこしてくれ」
ウリエル「何をバカな。ドワーフなんかに武器を貸すわけがない」
 (そう言いつつ、キーリに襲い掛かるクモに短剣を投げつけて始末)
ウリエル「甘いわよ」


 で、ここから、ツンデレタウに対して、キーリの無骨ながらも甘い言葉掛けが始まる次第ですが、その顛末は、つづきの「第9章・牢から逃げだすたるのむれ」にて。
 この辺から、原作と離れた映画オリジナルの展開が多くなるので、記事書きも長くなりそう。2回に分けることになるかなあ。(つづく)