WショーカとShiny NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

『暗黒の三つの顔』攻略解析録(第2部・旧世界編3)

ガランタリアの3将軍

 

晶華「前回、マシロン君一行はフェンフリィから魔女の牙連山を越えて、とうとう戦争の気配漂うガランタリアの首都ロイヤル・レンドルに到着しました」

マシロン(シロ)「道中の鳥男戦で思わぬ苦戦をして、結構、体力を削られた。できれば、さっさと宿に泊まって、体力を回復したい」

ザック(009)「じゃあ、適当な酒場に入るとするか。ついでに街の噂でも聞いておこうぜ」

ルビーK(翔花)「酒場兼宿屋ってことね。ファンタジー世界のお約束」

晶華「前評判では、ここは多くの賢人が住まう平和と芸術の都とのことでしたが、今は重々しい沈黙が街を覆い、鎧をガシャガシャ鳴らした兵士が通りを巡回しています。よそ者のあなた方を見る目も厳しいものがありますね」

ザック「妙な因縁をつけられる前に、適当な兵士に話しかけてみるぜ。やあ、兵隊さん、俺たちは傭兵仕事を探しに来たんだが、どこで受け付けをやってるんだい?」

晶華「街外れに兵舎があるので、そこで手続きをすればいい、と方向を示してもらえますね」

ザック「ありがとうな。ついでに志願する前に、喉を潤しておきたいんだがよ。良い酒場を知らないか?」

晶華「気さくなザックさんの態度に、兵士も警戒を解いて、近くの酒場の道を教えてくれます。ということで、酒場です。酒代はザックさんのおごりだと文章に書いていますので、所持金を減らす必要はありません」

マシロン「良い奴だなあ、ザック」

ザック「今ごろ分かったのか」

ルビーK「わ〜い、わたしもおごってね」

ザック「精霊も飲み食いするのかよ」

ルビーK「スピリットだけに、蒸留酒ぐらいたしなむわ。ラム酒が好みね。プレイヤーは未成年だから、酒を飲んだことはないけど」

ザック「じゃあ、酒場のマスターに近況でも聞くか。最近は珍しく、戦が近そうだな、とか言って」

マシロン「交渉はザックに任せよう。都会のことは、ずいぶんと手慣れているみたいだから」

晶華「マスター曰く、先日、王さまが原因不明の病に倒れ、ブライスとの戦争問題は3人の将軍の手に委ねられているそうです。3人の人となりは以下のとおり」

 

  • 好戦的な主張の目立つラガート将軍:まだ年若く、兵士たちの人望も篤い。
  • 穏健派のディナス将軍:年老いた歴戦の武人。こちらから戦を仕掛けるのは反対している。
  • 策士として知られるシャスール将軍:中立的な意見を崩さず、2人の意見の衝突を静観している。

 

マシロン「さて、この中で〈闇の精〉が取り憑いていそうなのは誰かな?」

ルビーK「好戦的なラガート将軍じゃない?」

ザック「策士のシャスール将軍ってのも怪しいが、俺としてはディナス将軍と会っておきたい」

マシロン「どうして?」

ザック「この国で俺たちは味方がいない。もしも仮にラガート将軍が悪党だとしても、下手に騒ぎだてをしたら、俺たちの方が敵の回し者とかで処罰されかねん。ディナス将軍が味方と判明すれば、協力してもらえるし、もしも穏やかなのが表面的なポーズに過ぎないなら、敵と認定していいだろう」

ルビーK「ところで、着ている鎧の色で判別できたりはしないの?」

晶華「これ、どの将軍の軍に志願するかを決めてから、鎧の色が分かったりするのよね。ここでは判断基準にするために、特別に酒場のマスターが教えてくれたことにしましょう。白い甲冑はシャスール将軍で、それに対するような黒い甲冑がラガート将軍。ディナス将軍は特に鎧の色の記載はありません」

マシロン「すると本命はシャスール将軍だな」

ルビーK「だけど、黒い甲冑って魔女の牙連山で見かけた手下Aじゃない?」

マシロン「犯人が1人とは限らないもんな。よし、ザックはディナス将軍が敵かどうかを見極めて、もしも味方だったら協力を依頼してくれ。ボクは先にラガート将軍を調べてみる」

ルビーK「すると、わたしがシャスール将軍ね。任せておいて」

晶華「任せられません。元々、ルビーKはゲームブックに存在しませんので、3人を同時に調べる選択肢はありませんし、ルビーKはマシロン君と別行動はできないものとします」

ルビーK「偵察活動はできないってこと?」

マシロン「制限距離があるんだろう。100メートルぐらいまでなら連絡もとれるけど、それ以上は離れられないとか」

晶華「それに、相手も〈闇の精〉だったら、近くに来た精霊を感知できるかもしれません。ルビーKが単独で〈闇の精〉に近づいたら、あっさり倒されてしまうか、あるいは暗黒に引きずり込まれるかもしれません」

ルビーK「それはそれで悪くないかも。再び暗黒の魔女として〈闇の精〉の下僕として立ち回るというのも一興……って、リーブラ様の従属精霊としては、そんなことを考えちゃダメ。わたしは正義と慈愛と真実に仕える精霊なんだから、もう2度と暗黒にフラフラと舞い戻るわけにはいかない。うん、心の中の闇よ、去れ」

マシロン「とにかく、こんな不安定な元・暗黒の魔女に単独行動させられないよな。ルビーKはボクのところから離れるな」

ルビーK「わたしのことを心配してくれている? これが愛?」

マシロン「愛というか、危なっかしいから放っておけないというか、とにかくシャスール将軍を相手にするには、3人の力を合わせないといけないだろうから、その前にディナス将軍とラガート将軍をそれぞれ見極めるということで」

 

 ゲームブックでは、ザックがディナス将軍を調べることが確定で、主人公は3択で誰を調べるか決めます。

 選択した相手によって、多少ストーリーは変わりますが、ここではラガート将軍ルートを選択。他の将軍については、後でIFルートで物語を確認するものとします。

 

ガランタリアの歴史について

 

晶華「さて、物語を先に進める前に、このガランタリアという国について、おさらいしておきましょう」

ザック「この国は、古代アトランティス文明が崩壊し、最初の大陸イリタリアが3つに分割した後、旧世界で最初にできた王国とされている。建設者オージャンと息子の統一者レギュラスの時代に、レンドル(平らな土地)と呼ばれる都が築かれ、周辺の7都市と同盟して、8都市連合からガランタリアの国が成立。首都がロイヤル・レンドルと呼称されるのも、魔法大戦以前の話だ」

ルビーK「魔法大戦よりも、さらに前からガランタリアはあったのね」

ザック「ガランタリアの主な敵といえば、北方の蛮族集落群(まとめて北の国ノースランドと呼称される)と、東の軍事国家ブライス。南のフェンフリィは、友好的な小国としてしばしば貢ぎ物を持ってくる関係だったらしい。そして、ガランタリアのロイヤル・レンドルから新国家アナランドの首都アークレトンまで、レンドルランドを越えて隊商が通る交易路が設けられ、大陸横断の交易で北西のガランタリアと、南東のアナランドはどちらも平和と文化、教育を旨とする二大国家として発展したが、富が集まるところ、それを狙う略奪者も現れるもの。ガランタリアは建国時から軍事にも力を注いでいたから略奪に対抗できたけど、アナランドのアークル王朝は軍事を軽視しすぎて、周辺の蛮族に国を蹂躙された過去があるから、壁の建設に邁進したという」

マシロン「それも魔法大戦以前の歴史なのか。思ったより国の歴史が長いんだな」

ザック「ああ。文明が崩壊したアランシアとは全然違う。旧世界と呼称されるのもうなずけるぜ。しかし、魔法大戦の最中にガランタリアは建国以来、最大の窮地を迎えることになる。軍事力を高めたブライスと、ガランタリアの属国扱いだったノースランドの両方に同時に攻められ、迎え撃ったコンスタイン王とその家族が、護衛を務めていたターグ男爵の裏切りにあって皆殺しにされてしまった」

マシロン「王家が断絶なんて、国が崩壊しないか?」

ザック「そんな崩壊間際のガランタリアを救ったのが、宮廷魔術師のタンタロンだったんだ。タンタロンの貢献で、ガランタリアは国としての形態を維持したうえで、侵略者を追い出し、平和を取り戻すことができた。国王代理として立派に務めたタンタロンが、自らの後継者である執政官を選抜するための『12の難題』の話を経て、現在の王制に至っているわけだが、現国王の権威は伝統に根ざしているものではないため、実質的に形骸化していると見なすものもいる」

マシロン「だから〈闇の精〉につけ入られる隙を与えたわけか」

ザック「タンタロンの後継者は、自ら試練を切り抜けて王位を継承した英雄と言えるが、それに続く代々の後継者も英雄とは限らない。だから現在の英雄王であるフェンフリィのチャランナ王の後塵を国が拝するようになり、〈王の冠〉の力で国を立て直す必要もあったのだろう」

ルビーK「今の王にはカリスマがない?」

マシロン「王に実権があるのなら、〈闇の精〉は将軍ではなくて、王に憑依したかもしれない。王の病気も〈闇の精〉の仕業かどうかは分からないけど、軍事の実権を持つ将軍を操ることで、せっかくの平和を速やかに壊そうと企んでいるんだろうな」

ザック「今までは、ブライスから一方的に攻められて防戦に務めてきたのがガランタリアだったけど、ここに来て、ブライスに対して長年の雪辱を晴らそうとする機運が盛り上がったというか、過激に煽動されているというか、そんな感じの背景だ」

晶華「ついでに言えば、ブライスに〈王の冠〉があるうちは手が出し難かったと思うの。〈冠〉がアナランドに渡り、マンパンに奪われた今のタイミングだからこそ、敵側にとっての好機ということかもしれないわね」

ルビーK「〈闇の精〉がマンパンの大魔王と結託している可能性は?」

晶華「ゲームブックには明記されていないけど、密かに暗黒同盟が結ばれている可能性も十分考えられるわね。だから、リーブラ様も強く懸念しているのかも」

マシロン「背景設定を踏まえて考えると、ボクたちの責任は大きいよな。宿で一晩休んでいる余裕はないのかも」

晶華「軍隊に志願すれば、兵舎で寝泊まりさせてもらえるので、宿代を払う必要がありません」

マシロン「それはいいなあ。よし、今から早速、兵士に志願しに行こう」

晶華「あと、武器屋で武具を買うこともできますが?」

マシロン「お金に余裕がないから行かなくてもいい」

 

 念のため、売っている武具は以下の3点。

  • ゾンビキラー:金貨8枚。骸骨やゾンビに対して、一回命中させるだけで倒せる。
  • 盾:金貨10枚。相手からダメージを受ける際、1Dで1、2が出れば、ダメージを1点減らせる。
  • 両手用大刀:金貨12枚。ダメージが通常の2点から3点になる。

 

マシロン「これを見ると、マンティコアからもらえる〈炎の剣〉(ダメージ4点)が破格の効果だって分かるなあ。つくづく、運だめしに成功したのが残念でならない」

ザック「運だめしに成功して残念がるって、普通のFFじゃ考えにくいよな」

 

ラガート将軍

 

ザック「では、俺はディナス将軍のところに行ってくるぜ」

マシロン「ああ。ボクはラガート将軍だ。後でまた落ち合おう」

晶華「では、マシロン君はラガート将軍の部隊に早速、迎えられて、参謀本部付きの歩兵部隊に配属されました。兵士の剣を一本、支給されて、その夜、兵舎に与えられた部屋で一晩ゆっくり休むことができます。体力4点を回復してください」

マシロン「これで体力点18になった。それにしても、ずいぶん簡単に採用されたんだな」

晶華「自覚はないかもしれないけど、この世界で技術点9というのは十分立派な戦士と見なされますよ。実戦を想定した簡単な入隊試験で、それなりに優秀な結果を出したんだと思います」

マシロン「で、ラガート将軍のことをさりげなく探ってみるんだが?」

晶華「すると、黒い甲冑を着たラガート将軍は、いつも面頬付きの兜をかぶっていることが分かります。そして、その風体は魔女の牙連山で見かけた暗黒戦士そのままでした」

ルビーK「おお、ここで会ったが吉日。リーブラ様の名の下に、こっそり始末しましょう」

マシロン「そこまで近づけるんだろうか?」

晶華「無理ですね。鎧を脱いで無防備になる瞬間とかを見計らっているのですが、昼も夜も鎧を着けて、素顔を見せてくれない様子は、まるでゴブリンスレイヤーの如しです」

マシロン「それは、相手の隙を突くのが難しそうだなあ」

晶華「そんな感じで1週間余りが過ぎて、軍隊生活のローテーションにも少しは慣れて来たかな、という頃合いに、出撃命令が下ります。ブライス軍が国境沿いの川を渡って、ガランタリア領内に侵入してきたので迎え撃て、ということです。ラガート軍本隊は待機したまま、特別部隊を編成して、迎撃に当たらせるとのこと。その指揮官として、マシロン君が抜擢されました」

マシロン「ボクが指揮官だって? どうして?」

晶華「すると、ラガート将軍が兜越しにマシロン君を睨みつけます。『おい、新入り。貴様はそこそこ腕が立つから士官候補に採用してやったが、軍隊のルールは知らんと見えるな。軍では上官の命令は絶対、そこに疑問を挟む余地はない。分かったら、サー、イエッサーと答えよ』

マシロン「サ、サー、イエッサー!」

晶華「『よし、特別に理由を言ってやろう。特別迎撃部隊は外人傭兵の一団を想定している。命がけの任務だが、戦果を挙げたら相応の報酬になる。これでも不服か?』と、ラガート将軍は厳しく詰問します」

マシロン「いえ。金になるなら、戦い甲斐もあるでしょう。精一杯、任務に励むとします」

晶華「『いいか。敵は残酷さで悪名高いブライス軍だ。奴らのせいで、我らの王コンスタインは無惨にも殺されてしまった。古の借りは、我らの手で返さねばならん。徹底して痛めつけよ。二度と、我らの父祖の地に足を踏み入れたくならないようにな。よそ者の傭兵だろうと、ガランタリアのために戦うなら、この覚悟は共有しておけ。ブライスは殺せ。いいな』とラガート将軍は興奮混じりにまくし立てます」

マシロン「表面上は従ったフリをして、背中を向けます」

晶華「だったら、ラガート将軍も興奮を鎮めて、テーブルの上に広げた作戦地図に注意を向けます」

マシロン「今だ、ルビーK。こっそり奴の後ろに回り込んで、その兜をはがすんだ。奴の兜に何かある、とグァンドゥムが言っている」

ルビーK「自分でやりなさいよ」

マシロン「ここは軍だぞ。上官の命令は絶対だ」

ルビーK「あっさり感化されているんじゃないわよ! ええと、わたしが兜をはがしてもいいのかしら?」

晶華「サイコロ2個を振って、マシロン君の技術点9以下を出せば、奇襲に成功したことにします」

ルビーK「失敗したら?」

晶華「かなりの確率でゲームオーバー確定なので、失敗するとマズいです」

ルビーK「責任重大じゃない。(コロコロ)よし、7で成功。ルビーKビーム。額から光線が発射されて、兜に命中して弾き飛ばす」

マシロン「よくやった、ルビーK。これで、本作はほぼクリアしたも同然だ。さあ、汝の正体見たり。〈闇の精〉の手下め」

晶華「すると、兜の下から現れたのは、寄生生物ゴンチョンでした。頭部に張り付くクモのような外見の甲殻類で、宿主の体を支配して、恐るべき怪力を発揮します。ゲームブック『トカゲ王の島』で、ボスキャラのトカゲ王を支配していた怪物ですよ」

ザック「クモみたいな敵かよ。その場に俺がいなくて良かったぜ。そいつの弱点は、〈炎の剣〉と猿だが、〈炎の剣〉は持ってないだろう。ルビーKがPONと猿に化けたら、何とかなるんじゃないか?」

晶華「それは誤解です。猿はトカゲ王の弱点であって、ゴンチョンは猿を恐れませんよ」

ザック「あれ、そうだったか? ならば、適当に時間稼ぎしてろ。間違えても、〈炎の書〉をこんなところで使うんじゃないぞ。ラスボスが倒せなくなってしまう」

マシロン「実のところ、〈炎の剣〉があっても、勝てないんだよな。奴は強すぎる」

晶華「ゴンチョン効果で強化されたラガート将軍の能力は、技術点14、体力点15だもんね。技術点が5差もあったら、まず勝てない。適当に、3ラウンド戦ってください」

 

 3回戦って、3回とも順当に負けたマシロン君は6点ダメージ。残り体力点12点。

 

マシロン「防戦一方で、3回切りつけられてピンチだ」

ルビーK「このままだと、マシロン様が死んでしまう。ここはわたしの出番ね。ルビーダイナマイトの準備をします」

マシロン「自爆するんじゃなくて、ここは助っ人を呼びに行くんだよ。他の兵士が駆けつけたら、将軍の頭のゴンチョンを見て、こっちに加勢してくれるから」

ルビーK「そんな悠長なことは言ってられない。ここはわたし自ら、さっきはがした鉄兜の中に飛び込んで、そのまま空中に飛び上がって、兜ごとゴンチョンに体当たりをかます。名付けて、ルビーKダイナミック頭突き!」

晶華「ゲームブックにはない演出ですが、助っ人がマシロン君を助けてくれたという結果は同じなので、認めましょう。不意打ち兜の直撃を受けたゴンチョンは、ラガート将軍の頭から剥がれて、地面にポタリと落ちます。しかし、すぐに体勢を立て直して、今度はマシロン君の頭に飛びつこうとします。技術点判定で逃れて下さい」

マシロン「ここで失敗するわけにはいかないんだよな。(コロコロ)よし、5が出て成功だ」

晶華「失敗しても、最後に運だめしで成功すれば助かるんだけどね。それでも失敗したらゲームオーバーだけど」

マシロン「成功したんだから問題なし」

ルビーK「マシロン様に飛びつこうとするゴンチョンに対して、鉄兜を装着したわたしがガードに入ったということで。兜にぶつかって再度、地面に落ちたゴンチョンに対して、ルビーKの額からレーザーで焼き滅ぼす。わたし、大活躍🎵」

マシロン「演出で好き放題しているなあ。これじゃあ、ボクが何もできない無能みたいじゃないか」

晶華「まあ、実際、ゴンチョン相手には何もできないに近いんだけどね。このシーンでプレイヤーにできるのは、ゴンチョンに取り憑かれたラガート将軍の正体あばきだけだし。後はラガート将軍陣営の参謀兵士が助けてくれるわけで」

マシロン「プレイヤーが直接活躍するストーリーになってないんだよな。本作のクライマックスは」

 

正気に戻った将軍

 

晶華「では、ルビーKの機転と活躍で、ゴンチョンを撃退したあなた方ですが、その時、ラガート将軍がううっとうめき声を上げて目覚めます」

 

ラガート『ここは? 俺は一体?』

 

マシロン「何も覚えていないのか? あんたは邪悪な寄生生物に操られて、ガランタリアを戦争させようとしたんだ」

 

ラガート『そんなバカな。ブライスが攻めて来ない限り、こちらから先制攻撃を仕掛けないのが、我が国の国是だったはず。……い、いや、もしかするとシャスール将軍が? 彼はブライスへの積年の恨みをこつこつ俺に語っていた。その声を聞いているうちに、俺は何だか気分がボーッとなって、きっとあの時に俺は化け物に取り憑かれて操られてしまったんだな。シャスールこそ〈闇の精〉で、きっとガランタリアを滅ぼそうとしているに違いない。急いで奴を止めなくては!』

 

マシロン「ああ。奴を止めることができるのは、救世主のボクだ」

ルビーK「そして、リーブラ様の使いのわたしね。ゴンチョンを倒すのに活躍したんだから、あんたの命の恩人でもある。海より深く感謝しなさい」

 

ラガート『何だ、このアライグマは?』

 

ルビーK「アライグマじゃなくて、タヌキ……って、そんなことはどうでもよくて、〈闇の精〉にはただの人間じゃ太刀打ちできないので、ここはわたしたちに任せて、あなたは将軍らしく軍の秩序を保ちなさい。暴発して、戦争を引き起こしたりしないように。あと、〈魔女の牙連山〉に混沌の軍勢がいっぱいいるから、ブライス軍ではなくて、そいつらを相手にすること。ガランタリアを守るために、リーブラ様の加護を祈ること。〈正義と慈愛と真実〉の道に帰依すれば、あなたのしでかした過ちも許してあげるわ。一度、闇に堕ちても、救いは与えられるものよ。このわたしみたいにね」

 

ラガート『あ、ああ。何だか言っていることはよく分からないが、説得力はあるような気がする。あんたたちのバックアップをすればいいんだな。ええと、救世主どのと、女神の使いどの』

 

 こうしてラガート将軍は、女神リーブラの信徒になった。

 そして、ルビーKのモフモフ人形を部屋に飾って、日々の祈りを捧げるようになったのは、後の話である。

晶華「ラガート将軍から馬を借りて、シャスール将軍の陣地に向かうマシロン君たち。そこに、別の馬が追いかけてきます」

ザック「俺、参上。そっちは無事だったようだな。こっちはまったくひどい有り様さ。オークやゴブリンの大群に攻められてな。ディナス将軍がいなけりゃ負けていたところだぜ」

マシロン「こっちはラガート将軍を、寄生生物から解放するのに成功した。寄生させた元凶はシャスール将軍だと言うので、今からそっちに向かうところだ」

ザック「もちろん、俺も付き合うぜ。傷は負ったがまだまだ戦える」

晶華「あなた方がシャスール陣営に向かうと、兵士たちは落ち着かなげに野営の火を囲んでいます」

ザック「俺たちは他の将軍からの伝令だ。シャスール様はどちらに?」

晶華「兵士たちは顔を見合わせて戸惑いながらも、代表して1人が説明します。彼らにも将軍がどこに行ったか分からないそうで」

ルビーK「何よそれ? わたしたちが来るのを察して逃げたってこと?」

晶華「喋る怪生物に、兵士たちはますます混迷の表情を浮かべます」

マシロン「気にするな。ただの使い魔だ。ボクは大魔法使いケマンダーの弟子マシロン。こちらの将軍に〈闇の精〉が取り憑いていると聞いて、退治しに来た」

晶華「ええと、そんなことを言うのは、モーリステシアの魔狩人か、ラドルストーンの聖堂騎士か、と戸惑う兵士たちですが、一応、シャスール将軍が部下たちに何も言わずに、突如として馬で南西に向かったことを白状します。そちらには〈魔女の牙連山〉がありますね」

ザック「そこに逃げ込まれたら厄介だぜ」

マシロン「馬を替えて、後を追うぞ。ボクはラガート将軍の参謀本部付きの兵士でもある。後でラガート将軍から指示があるだろうが、今は上官命令だと思って従ってくれ。緊急事態だからな。足の速い伝令馬を2頭、すぐに用意してくれ。事態は急を要する。ガランタリアの平和のために協力してもらいたい」

晶華「兵士たちは、将軍が逃亡したのでどうしていいか分からないでいたところを、自信を持って命令してくれる自称・上官が現れたので、喜んで指示に従います」

ザック「やれやれ。命令されることに慣れている兵士ってものは、これだから」

マシロン「今は、その方が助かるだろう」

ルビーK「そうそう。救世主の命令なんだから、素直に聞き入れる方が世界のためだしね」

 

 こうして、シャスール将軍の後を追うマシロンたちだった。

 次回は、第2部最終回の予定。

 

★獣使いマシロン(プレイヤー:シロ、パラグラフ250)

 

・技術点9

・体力点12/22

・運点10/11

 

・食料:4

・金貨:10枚

・薬:技の薬(技術点回復)、ツキ薬(運点回復)

・所持品:背負い袋、ナイフ、兵士の剣、獣皮の服、15メートルの縄、ランタンと火口箱、骨の髪飾り(ネズミとコウモリをただで召喚可能)、炎の書、魔封じの水晶

・ルビーK関係:銅の指輪(ケイとの契約指輪)、ケイのルビー(精霊ケイの力の源。獣モードの額に付いている。大爆発の危険あり)、銀の盾(ケマンダー師匠の遺品)

 

・リーブラの加護:呪い解除(パラグラフマイナス30)か、体力完全回復

 

ラガート将軍の命令に応じた場合(IFルート)

 

晶華「さて、本作の第2部は前半と後半に大きく分かれます。前半はガランタリアまでの野外旅を中心にした物語で、旧世界の観光ガイド的な趣きもあります。後半は3人の将軍の中から〈闇の精〉を見つけ出す推理劇、もしくはスパイ活劇みたいなところがあって、当時のゲームブックではなかなか珍しい陰謀あばきが描かれる、と」

ザック「犯人は誰だ、的なミステリー仕立てだな。FFゲームブックでは珍しいが、本来、ミステリーとゲームブックの相性は悪くなくて、手掛かりを元に犯人を探したり、事件の謎を追う作品は昔からそれなりにあった」

マシロン「今だと、謎解きミステリー的なゲームブックが主流になっているような気がするね」

ザック「主流なのかどうかは知らないし、推理ゲームブックは、サイコロの判定をあまり伴わない『パラグラフ選択だけの読み物』という形式が多いので、TRPGの冒険ストーリーを題材にしたFFシリーズとは別ジャンルという考え方もある。いずれにせよ、TRPGとマーダーミステリーや脱出ゲームなんかが別ジャンルでありながら、役割演技やらダンジョンの仕掛けなどで関連づけできるシステムが見られるように、影響し合っているのも確かだ」

ルビーK「わたしは冒険が好きだけど、頭を使う推理はどうも……」

マシロン「まるで冒険は頭を使わないみたいな言い方だな」

ルビーK「敵に勝つための戦術で頭を使うのと、犯人を突き止めるための手がかり探しで使う頭は別物だと思う」

ザック「まあ、ゲームブックにはRPGの要素とは別に、謎解きアドベンチャーゲームの要素が組み合わさっているからなあ。リビングストンがRPG志向で、ジャクソンがアドベンチャーゲーム志向という分析もあって、その差は戦闘とアイテムメイン(敵を倒して戦利品を得るハック&スラッシュ)と情報収集メイン(戦闘中心ではない)の違いにも表れていると思うが、さておき。

「本作の第1部は、クライマックスがダンジョンを突破してのバトル活劇であるのに対し、第2部はバトル要素が比較的薄くて、ここまでの戦闘も道中のランダム遭遇によるものがほとんどで、一方のボス戦は正攻法で挑むと勝てないようになっている。入手アイテムの活用と、パラグラフ選択だけでボス戦は切り抜けるようになっていて、ゲームとしての傾向は変化球気味だ」

マシロン「バトルで盛り上がる作品じゃない、と」

ザック「推理と、それに伴うストーリー展開のヴァリエーションが楽しくて、最適解以外の分岐迷走が結構凝っているんだな。だから、ラガート相手でも不意打ちで兜をはがさせることが攻略の最適解で、他の選択肢を選ぶとまず勝てない」

マシロン「不意打ちに失敗すると、技術点14の相手に対して、3回攻撃して1回は当てないとダメみたいだからね。こちらの技術点は最大でも11だから、少なくとも3差で不利な状態で命中させるには余程の運が必要だ」

ザック「主人公自らがバトルで決着をつけるのではなくて、敵の正体あばきを通じて周囲に手助けを求める『他人を動かすことによる勝利』を目指す形。自らの手で悪を倒す快感を求める層には、敵の強さに対しての主人公の弱さに、いまいちスッキリしない展開だ」

ルビーK「でも、推理ものの主人公ってそうじゃない? 犯人のトリックは暴くけど、暴れる犯人を取り押さえるのは主人公探偵じゃなくて、脇役警官たちのお仕事。力を行使するのはモブキャラ集団であって、主人公のお仕事は脇役キャラがとどめを刺すまでの、お膳立てを整えることだ、と」

マシロン「サッカーで言うところのエースアタッカー、ポイントシューターではなくて、エースにボールをパスするサポーター的な司令塔だな。キャプテン翼が中学生以降は、ミッドフィールダーとして、ライバル小次郎みたいな前衛でなく中盤を制するポジションを選んだように」

ザック「まあ、翼はドライブシュートという必殺技で、自らも得点源にはなっていたけどな。それはともかく、本作の主人公は元来、獣使いで、自ら率先して前に立つわけじゃない後方ポジションの司令塔であり、サポーター的な立ち位置だから、腕っぷしは必ずしも強くないという」

 

晶華「ともあれ、ここではラガート将軍に奇襲を仕掛けず、素直に命令に従った場合のIFルートを確認しておきましょう」

マシロン「特別部隊を率いて、ブライスとの国境にあるボーダー川周辺を調べると、そこに野営している謎の軍隊を発見するんだな。それが国境を越えて来たブライス軍かと思いきや、よくよく調べてみると、味方のガランタリア軍だと分かる」

ルビーK「敵と味方の区別もつかないの?」

マシロン「ゴンチョンに操られたラガート将軍は、敵軍だと嘘をついて、ボクたちに味方を攻撃させようとしたんだ」

ルビーK「敵を欺くには、まず味方からって言うしね」

マシロン「いや、そういう問題じゃないと思うんだが。とにかく、命令の不備をラガート将軍に報告に行くと、逆ギレしたラガート将軍に攻撃されそうになるので、正面から対決する形になるんだけど……よほど運がよくないと返り討ちにあうだろうな」

晶華「技術点14なんて、うまく不意打ちしないと、攻撃を当てることすらなかなかできないもんね」

マシロン「では、次回、ディナス将軍ルートと、シャスール将軍ルートで何が起こるかを確認してから、シャスール将軍に憑依した〈闇の精〉との決着まで進めて、第2部を終わらせる予定」

(当記事 完)